ニトリのNスリープ体験談

先日、ニトリの大型店に行きまして、Nスリープマットレスの主要シリーズをすべて試してきました。この記事では、備忘録的にその感想をまとめます。

Nスリープで迷っている人にご参考になれば幸いです。

著者情報

椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。株式会社悠デザイン 代表取締役。

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Nスリープの特徴

Nスリープは、ニトリのオリジナルマットレスブランドです。最大の特徴は2層のポケットコイルを使っていることです。(中には例外もあります)

椚大輔椚大輔

2層コイルは、1層に比べて圧力が分散されやすいので、ふんわりとしたやさしい寝心地に感じられることが特徴です。高級ホテルでも2層コイルやボックススプリングを使ったふんわりした寝心地を採用されることが多いです。

Nスリープ主要モデルの評価(レビュー)

今回、試し寝をしてきたモデルは以下です。

試し寝をしたNスリープ
  1. プレミアムソフト P1(02-CR)
  2. プレミアムソフト P2(02-CR)
  3. プレミアムソフト P3(CC)
  4. プレミアムハード H1(02-CR)
  5. プレミアムハード H2(02-CR)
  6. プレミアムハード H3(CC)
  7. ラグジュアリー LS1
  8. ラグジュアリー LS2
  9. ラグジュアリー LS3
  10. ラグジュアリー LH1
  11. ラグジュアリー LH2
  12. ラグジュアリー LH3
  13. コンフォート CF3
  14. プラスエアー NF003
  15. プラスエアー NF004

各シリーズの特徴は以下のとおりです。

シリーズ(種類) 特徴
プレミアム(6) ほどよくバランスが取れた寝心地
ラグジュアリー(6) 最上級モデルとしてこだわりの寝心地
コンフォート(1) ふんわりとした寝心地
プラスエアー(2) かためで快適な寝心地

ニトリ公式による各モデルの位置づけはこちらの画像(ニトリ公式)をご参考ください。

椚大輔椚大輔

基本はプレミアムかラグジュアリーで、コンフォートやプラスエアーは派生モデル(より好みが分かれる寝心地)といったイメージで考えると良いと思います。

1. プレミアムソフト P1(02-CR)

プレミアムソフトの最安値グレード。沈み込みが深くやわらかすぎる印象。特に端部分がぐにゃっと頼りない。仰向きでは腰が曲がるような印象だが横向きではまぁまぁといった感じ。

厚さ 29cm
主な詰め物 波型ウレタン
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
49,990円

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2. プレミアムソフト P2(02-CR)

中間層に低反発ウレタンを採用。低反発らしい寝心地が味わえ、沈み込みは深めだが、フィット感が高い寝心地が好きな人には合いやすい。仰向きは微妙。横向きには良い。

厚さ 30cm
主な詰め物 低反発ウレタン
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
59,990円

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3. プレミアムソフト P3(CC)

プレミアムソフトの最高グレード。シーコア®(ファイバー)搭載。プレミアムシリーズで最も寝心地が良いと感じたモデル。

シーコア®による弾力や通気性を感じつつ、フィット感も損なわないバランスが良い寝心地。仰向きでも横向きでも満足感が高い寝心地を得られる。ただし、硬めのしっかりした寝心地が好きな人には不向き。

厚さ 31cm
主な詰め物 シーコア®(ファイバー)
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
69,990円

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4. プレミアムハード H1(02-CR)

プレミアムハードの最安値グレード。P1(プレミアムソフトの最安値グレード)に比べると硬めだが、一般的にふつうレベルくらいの硬さ。単調で奥行き感があまり感じられない。

厚さ 25cm
主な詰め物 ウレタン
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
49,990円

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5. プレミアムハード H2(02-CR)

ラテックス入り。ラテックスらしいポヨンとした弾力はそこまで感じられず。H1に比べると、奥行きがあるリッチな寝心地には感じられる。蒸れ感はやや強め。

厚さ 27cm
主な詰め物 ラテックス
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
59,990円

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6. プレミアムハード H3(CC)

プレミアムハードの最高グレード。店員さんいわく、最も売れている人気モデルとのこと。シーコア®搭載。通気性が高く、蒸れにくい感じ。高い反発性も感じられ寝返りが打ちやすい。硬さや寝心地としてはH2に近い。H2の通気性が高いバージョンという感じ。

厚さ 29cm
主な詰め物 シーコア®
芯材 2層コイル
価格
(Sサイズ)
69,990円

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7. ラグジュアリー LS1

ラグジュアリーソフトシリーズの最安値グレード。低反発ウレタンを使用。プレミアムソフトP2の直系の上位グレードという印象。P2よりもなめらかな寝心地に感じられ特に横向き寝での相性は抜群。フィット感がある寝心地が好きな人におすすめ。

厚さ 33cm
主な詰め物 低反発ウレタン
芯材 2層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
99,990円

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8. ラグジュアリー LS2

羽根+低反発チップ仕様。軽やかに反応する素材のため、ふわっと包み込まれるような寝心地に感じる。面白い。高級なリゾートホテルにありそうな非日常のふんわり感(エアリーな感じ)。体がほぐれるような心地良さ。沈み込みはやや深めだが、かなり寝心地が良いと感じたモデル。

厚さ 33cm
主な詰め物 羽根+低反発チップ
芯材 2層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
119,990円

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9. ラグジュアリー LS3

マイクロコイル×波型ウレタンの仕様。きめ細やかなサポート性は、横向き寝との相性が抜群。やわらかめの寝心地が好きなら仰向きでも快適に寝られる。最上級のふんわり系マットレス。

厚さ 38cm
主な詰め物 マイクロコイル×波型ウレタン
芯材 2層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
149,990円

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10. ラグジュアリー LH1

ラグジュアリーハードシリーズの最安値グレード。ラテックスを使用。H2よりもラテックス感があり、簡単にコロコロと寝返りが打ちやすい。

厚さ 33cm
主な詰め物 ラテックス
芯材 2層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
99,990円

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11. ラグジュアリー LH2

シーコア®を40mm使った仕様。弾力性としなやかさがあり、3ゾーン仕様で、単に硬いだけではなく、体がふわっと持ち上げられるような心地よい寝心地。コストパフォーマンスが良い。特に仰向きで心地良さを感じた。

厚さ 33cm
主な詰め物 シーコア®
芯材 2層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
119,990円

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12. ラグジュアリー LH3

ラグジュアリーハードの最上級グレード。シリーズ中、唯一の3層ポケットコイル仕様。詰め物にはラテックスにシーコア®を使用。LH2が「空に浮かんでいる」イメージなら、LH3は「宇宙に浮かんでいる」ような感じ。マトリクス上ではH3よりも硬めとされているが、そこまで硬くはない。圧力というよりは押し返す力が強いので、浮力のような感じ。

厚さ 38cm
主な詰め物 ラテックス+シーコア®
芯材 3層コイル(ボトムが3ゾーニング)
価格
(Sサイズ)
149,990円

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13. コンフォート CF3

高さがあるポケットコイルを使用しているが、かなり沈み込みは深い(おそらく低圧縮のポケットコイル仕様)。寝姿勢が崩れやすく、シリーズ中、最もストレスを感じたモデル。

厚さ 31cm
主な詰め物 低反発ウレタン
芯材 1層コイル
価格
(Sサイズ)
79,990円

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14. プラスエアー NF003

芯材がすべてシーコア®のマットレス。エアウィーヴのベッドマットレスのようなかなり硬めでしっかりした寝心地。フィット感はあまりなく、シリーズ中、最も硬い寝心地。通気性や反発性は高いが、寝心地としてはやや味気ない。

厚さ 31cm
主な詰め物 ベッドパッド
芯材 シーコア®マット50mm
シーコア®ブロック 90mm(3枚)
価格
(Sサイズ)
109,990円

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14. プラスエアー NF004

シーコア®が6ブロック(かため×2、ふつう×4枚)で構成されたマットレス。硬さ調節がしやすく、自分の好みの寝心地に変えられることがメリット。基本的な寝心地はNF003と同じだが、40mmほど厚いため、クッション性や反発性は高い。

厚さ 31cm
主な詰め物 ベッドパッド
芯材 シーコア®ブロック 90mm(6枚)
価格
(Sサイズ)
129,990円

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プレミアムとラグジュアリーの違い

プレミアムは「可能な限り低価格に作られた2層コイル」

店員さんいわく、プレミアムは、可能な限りコストカットをしつつ、寝心地もあきらめないといったコンセプトで仕上げているようです。

プレミアムは2層コイル仕様ですが、トッパー(上層)とボトム(下層)が分離している構造です。※一方、ラグジュアリーは一体型です

分離することで、配送コストを下げられ、且つ、ポケットコイルはソファーなどで使っているものを流用でき、全体的なコストを下げられるというメリットがあります。

そうして、詰め物で差をつけて、寝心地を作っていくというのがプレミアムの特徴です。

ただし、一体型(ラグジュアリー)よりも耐久性は劣ります。これは、分割されることで、コイルの一体感が薄れ、崩れやすくなるためです。

ラグジュアリーは「ニトリの本気をうかがえる妥協なきマットレス」

プレミアムとラグジュアリーでは、かなりハッキリした境界線が敷かれている印象を受けました。寝心地の作り込みのレベルが異次元です。

ラグジュアリーは、使っている素材や、構造(3層コイル・マイクロコイルなど)も含めて、高級ブランドのハイグレードモデルと比べても、引けを取らない寝心地が実現されています。

ラグジュアリーは全体的にしっかり硬めというよりは、ふんわり系の寝心地が中心ですが、高い次元でバランスが取れているので、快適に感じる人が多いと思います。

結論「ラグジュアリーシリーズのコスパがすごい」

Nスリープは特にラグジュアリーグレードのコストパフォーマンスの高さが素晴らしいと思います。

手が届きやすいプレミアムグレードは、他のメーカーの低価格モデルと比較した場合、明らかなアドバンテージは感じません。むしろ、他メーカー(例えば、源ベッドの咲夜レアルマットレスなど)の方がコストパフォーマンスが高いと思います。

一方、ラグジュアリーグレードを比較する場合、高級ブランドのハイグレードモデル(30万円以上)になりますが、実際の寝心地もそこに比べて特に見劣りするような感じではありませんし、むしろ寝心地の良さで言えば、LS2やLS3、LH3あたりは、かなりいい線を行っているのではないでしょうか。

ただし、高級ブランドに比べると、Nスリープは詰め物中心で寝心地を作っているので、耐久性としては劣る可能性も高いでしょう。コイル自体の品質も高級ブランドの方が優れているはずです。

まとめ

Nスリープの主要モデルの特徴をご紹介しました。

プレミアムシリーズの最安値グレード(P1やH1)は、価格を優先した感じがあり、寝心地としては頼りなかったり味気ない印象を受けました。

しかし、ハイグレードモデルになってくるとガラッと雰囲気が変わります。

特にラグジュアリーはニトリのキャッチコピーである「お、値段以上」がまさに実現されていると感じました。

コストパフォーマンスの高さで考えると、P3H3LS2LH2あたりが特におすすめです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。