海外有名ブランド「サータ」の特徴をご紹介(体験・取材)
この記事では海外の有名マットレスメーカーでシモンズ、シーリーと合わせて「3S」のひとつと呼ばれている「サータ」について、詳しくご紹介します。
今回は特別に当サイトのため、サータの製造販売ライセンスを持つ「ドリームベッド株式会社」のご担当者様にお話をお伺いすることができました。
サータの特徴について解説しますので、ベッド選びをしている人・サータが気になっている人に少しでも参考になれば幸いです。
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目次
サータとドリームベッドの違い
今回は世界的に有名なマットレスブランドである「サータ(serta)」について、色々とお話を伺いたいと思います。まず、サータとはどのような特徴があるブランドなのか、詳しく教えていただけますか?
サータはアメリカのマットレスメーカーです。世界各国と提携している中、日本ではドリームベッドとライセンス契約があり、「ドリームベッドだけが扱えるブランド」という位置づけになります。日本の製品は日本(広島)で製造しています。
日本とアメリカでは商品のラインアップも違うのですか?
はい、違います。日本では日本人の体型にあったベッドを日本の規格に準じて製造をしています。文化的な違いもありますが、日本人は比較的硬めの寝心地が好きです。一方、欧米の人は柔らかめの寝心地を好まれる傾向があります。
内蔵されているコイルの種類や、線径、コイル高など、各国の文化・嗜好傾向によって寝心地が異なるものもあります。アメリカでは連結コイル(ボンネル)とポケットコイル、フォーム系がありますが、日本ではポケットコイルのみで展開しています。
日本人にはポケットコイルが人気なんですね。
はい。もともと両方取り扱いがあったのですが、連結コイルの揺れ感があまり日本人には受け入れられなかったのです。日本ではポケットコイルの方が人気でした。それもあって日本のサータに関しては現在ポケットコイル一本です。
サータのマットレスの特徴
サータのマットレスの特徴はどのようなものでしょうか?「ここが他のメーカーと違うよ」というところを教えていただきたいです。
特徴① コイルのゾーニング
サータのマットレスは、ひとつのマットレスに2種類のコイルを使っているところが特徴です。ゾーニングと言います。
寝ているときに一番荷重がかかる所にハードで硬めのコイルを使用し、そのほかの部分はソフトで柔らかいコイルを使用しています。
コイルの硬さを変えることで部分的な落ち込みを無くし、安定感ある寝心地となります。
ゾーニングの例
腰の部分が硬いのは圧力がかかるからですか?
そうです。腰は体重の約44%の荷重がかかると言われていて、身体で最も荷重がかかる所です。
特徴② 燃えにくい素材
マットレスに燃えにくいファイヤーブロッカーという難燃素材を入れています。ホテルの納品数が多いこともありますし、アメリカ本土ではこういった難燃素材を入れるという基準もあります。
ホテルにとっては燃えにくい方が安心ですしね。全く燃えないのですか?
いいえ、最初は燃えるのですが、難燃素材が燃焼する事により、表面層が炭化されて次第に酸素の供給を妨げるので少しずつ火が小さくなって消えます。「全く燃えない」という事ではなく、炭化により燃焼の拡大を防ぐ事で、避難可能な時間を少しでも確保出来るという仕組みです。
聞いたところによるとアメリカは寝るときにキャンドルをつける習慣があるようなので、特にこういった難燃素材に対する意識が強いようです。
特徴③ 通気孔が全周にある
細かいところなのですが、マットレスの全周に通気孔を必ず設けるようにしています。まさに「呼吸するマットレス」で非常に通気性の良い構造となっています。
マットレスは寝汗などの湿気が大敵ですから、通気性が良いと清潔さにつながりますね。
特徴④ コイルが高品質
コイルの品質にもこだわっています。ドリームベッド全体でこだわっているところですが、コイルの線材である「硬鋼線(こうこうせん)」は最高グレードを採用しています。
特徴⑤ 世界初のBOXトップ(ピロートップ)
BOXトップ(ピロートップ)とは、マットレスの詰め物部分を独立して分けている構造体です。詰め物を独立して分けることで、横になった時にかかる表面のテンションを和らげ、体圧分散性が高まる効果があります。(BOXトップ・ピロートップを採用していないモデルもあります)
BOXトップ
ピロートップ
マットレスのシリーズについて
カタログやWebサイトにも書いてありましたが、サータの売り上げは全米No1なのですね。
毎年発表される全米売上ランキング(ファニチャートゥデイ誌)にて、6年連続で全米売上No.1※を獲得しています。
この6年前に全米1位に押し上げたというのが「i series(アイシリーズ)」です。
※取材時の情報。サータは2011~2019年度の全米ランキングで8年連続「全米売上No.1マットレスブランド」となっていましたが、2020年度の発表では3位に降下しました(1位はシーリーです)。
全米No1に導いたヒットシリーズ「i series(アイシリーズ)」
i series(アイシリーズ)の特徴は、詰め物にジェルメモリーフォームという低反発素材を使っている点です。今までの低反発素材より反発性や復元率、温度依存性を改善したのがこのジェルメモリーフォームです。
日本市場でも、i seriesは人気なのですか?
はい、人気です。一番の売れ筋シリーズです。
他の売れ筋のシリーズも詳しく教えていただけますか?
代表的なマットレスシリーズとして2つご紹介します。
ノーマルシリーズ
ノーマルシリーズは、サータマットレスのラインナップ中で、もっとも基本的な構造体(インチ、詰物等)で、硬めの寝心地となっています。
スーペリアデイシリーズ
スーペリアデイシリーズは、ノーマルシリーズとは異なるコイル種を使用し、詰め物も多く施すことで最高級の寝心地(ソフトタイプ)を実現しています。
見た目からして高級感が漂ってますね。
では、グレードの差でいうと一番安いシリーズから、「ノーマル」→「i series」→「スーペリアデイ」ということですね。
はい。各シリーズで様々な寝心地をご用意しておりますので、お好みのタイプを試してみて下さい。
マットレスの仕様の違いについて
サータのマットレスの仕様を見ると、モデルによって以下の仕様の違いがあります。
モデルによる仕様の違い
- コイルの配列
- バネの線径
- コイル高
「コイルの配列」による違い
まず、コイルの配列で交互配列と並行配列がありますが、その違いを教えていただけますか?
大きな違いとしては寝心地です。
交互配列の方が硬めです。コイルの数が多くぎゅっと敷詰まっているためです。一方、並行配列はやわらかい寝心地の傾向があります。
- 交互配列(左)→ 硬め
- 並行配列(右)→ やわらかめ
配列の違いによって耐久性の違いはありますか?
一般的には交互配列の方が耐久性は高いと思います。並行配列に比べ、交互配列はコイルが密集しているため、コイルのひとつにかかる荷重が少ないからです。
ただ、当社のコイルで使っている硬鋼線の品質には自信を持っていますので、並行配列だからといって耐久性がないわけではありません。基本的には交互配列と並行配列の違いは「硬さの違い」とご理解いただければと思います。
「バネの線径」による違い
バネの線径(太さ)によって寝心地も変わりますか?
はい、変わります。基本的な考え方として、線径が太い方が硬いです。ゾーニングの話でも触れましたが、荷重が多くかかる箇所に太めの線径のコイルを使用しています。そうすることで、部分的な落ち込みが軽減されます。
「コイルの高さ」による違い
コイルの高さによる違いは何でしょうか?
コイル単体で見れば、線径が細く、コイル高があり、コイル径が小さいほどソフトになりますが、配列(交互・並行)や全体的なコイル数、使用する詰物によって硬さは異なってきます。
サータではまず3種類のコイル高があります。具体的には5.8インチ、6.8インチ、7.7インチの違いです。そして、線径(バネの太さ)の違いが1.3mm~2.0mmあり、それらを組み合わせラインナップが成り立ちます(組み合わせは限りがあります)。
「配列・線径・高さ」の組み合わせで、「硬さ・柔らかさ」が変わってくるんですね。
はい、整理すると下記のとおりです。
寝心地 | 配列 | 線径 | 高さ※ |
---|---|---|---|
硬い | 交互 | 太い | 低い |
柔らかい | 並行 | 細い | 高い |
※同じ線径の場合
女性向きのマットレスは高価?
よく女性は柔らかめ、男性は硬めが好まれると聞きますが、つまり女性の方が高価なベッドが合うということですね。
そうなりますね(笑)女性の方が体のラインがはっきりしているので、ふんわり受け止めてくれる柔らかめなマットレスを好まれる傾向にあります。そうするとサータの場合は必然的に高いグレードになりやすいです。
硬めを好む傾向がある男性は安上がりというわけですね。(笑)
迷ったらコレ!サータのおすすめ人気モデルとは
数あるモデルの中で一番人気どれですか?
i seriesの一番スタンダートな「ノーマルボックストップ」です。
ノーマルボックストップ(i series)
人間の体の中で一番荷重がかかる腰臀部に少し太めの線径2.0mmコイルを配置し補強することでバランスの良い荷重分散と耐久性アップを実現。ボックストップ(詰め物)内にはi seriesの特徴であるジェルメモリーフォームを搭載し、体をやさしく包みながら底付き感のない安定した寝姿勢を保ちます。
- コイルの配列:交互配列
- コイルの線径:1.9mm,2.0mm
- コイルの高さ:5.8インチ
ちょっと硬めなタイプですね。日本人は硬めが好きな傾向がありますし。
ドリームベッド流のマットレスの選び方
実際にお客様がマットレスを選ばれるときは、どのようにご案内するのですか?
まず体格を見てご提案します。
体格が大きいと硬め、女性だとやわらかめをおすすめすることが多いですね。ただし、お客様自身の寝心地に好みもあるので、あとは実際に寝てみてご判断いただきます。
迷ったら当社の自信作である「i series」を基準にしていただくと良いかと思います。
一般的には女性の方が体のラインがはっきりしている分、柔らかめが合いやすいです。
一方、男性は体つきが平たんなので硬めのマットレスを好まれることが多いです。
ベッドフレームの売れ筋
ベッドフレームは自社で作っているのですか?
モデルにもよりますが、自社を含め、国内で製造している商品が多くあります。一部、海外製造もあります。
売れ筋のベッドフレームを教えてください。
当社では跳ね上げベッドが売れています。
実は跳ね上げベッドはドリームベッドが日本で初めて展開したのです。
特に都心で部屋に収納スペースが少ない方にご支持をいただいています。
跳ね上げベッド
引き出しタイプの収納ベッドだと、引き出すスペースが必要になるので跳ね上げベッドの方が省スペースで狭い部屋にも置きやすいです。
あとはファブリックベッドも他のメーカー様に比べて多くのモデルを取り揃えています。
ファブリックベッド
サータの評判は?ここがおすすめポイント
最後に、サータのここが強みですというポイントを教えて頂けますでしょうか?
コストパフォーマンスの良さ
よくお客様には、品質が高くコストパフォーマンスが良いと言われます。コイルの品質もそうですし、2種類のコイルを使ってゾーニングしている所もご評価いただいております。
裏表のローテーションが可能
あとは、カタログ等には記載していないのであまり知られていない点なのですが、サータのマットレスは裏表使える仕様(一部商品を除く)のため、両面ローテーションして使えます。
おすすめのローテーションの仕方は、例えば i seriesではフォームが片面にしか入っていないので、夏場などの蒸れやすい時期にフォーム面を裏返しにローテーションして使っていただくとサラッとした使い心地になったりします。カタログなどには書いていない裏技です(笑)
季節ごとのローテーションの目安になって良いですね。衣替えといっしょにベッドをローテーションするとヘタリにくいです。
そうですね、ショールームに来ていただけますとそういったカタログやWebサイトでは伝えきれない情報もお伝えできますので、ベッドの購入をご検討されている方はぜひ直接来ていただけると幸いです!
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いかがでしたでしょうか。
全米売上げNo1のマットレスブランド「サータ」について、ご紹介させていただきました。
サータのマットレスで使われているコイルはとても高品質。
特に全米No1に押し上げたといわれている「i series」は万人に受け入れられやすい素晴らしい寝心地でした。
高級ホテルへの納入実績も豊富なので、もしかしたら一度はサータの寝心地を体験しているかもしれませんね。
ショールームのスタッフさんもとても丁寧で気持ち良いご対応をされているので、お近くにお住いの方はぜひ一度寝心地を確かめに行ってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。