タンスノゲン「ピロートップ ポケットコイル」の体験レビュー

ピロートップ付きで1万円台。安いけれど、寝心地は大丈夫?

タンスのゲンの「ピロートップ ポケットコイルマットレス」は、約1.6万円で買える格安モデルです。

この記事では、実際に購入し、カバーを切って中身まで確かめた私が、寝心地と作りを詳しくご紹介します。仕様が近いエアリゾーム「HOLLOW」との違いも、ぜひ参考にしてくださいね。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイル」の基本情報

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の体験

サイズ シングル~クイーン
硬さ やわらかめ
価格(Sサイズ) 15,999円

【総評】うそみたいな格安ピロートップマットレス

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の体験

「ピロートップで1万円台!?どうせ見せかけだけでしょ?」

このマットレスを初めて見つけた時の印象です。

ピロートップとは、マットレスの上にクッション層を重ねた仕様のこと。体への当たりをやわらげやすく、高級モデルでも採用されやすい、いわばハイグレードな仕様です。

ピロートップ タイトトップ(一般的な仕様)
ピロートップ タイトトップ

今までの私の感覚では、ピロートップマットレスは、どんなに安くても2万円台(エアリゾームのHOLLOWが代表的です)。それが約1.6万円。「この価格で、ちゃんとした寝心地になるの?」と疑いつつ、気になって購入しました。

で、実際に寝てみると。それが、意外と良かったのです。驚きました。

私は今までタンスのゲンのマットレスを3商品検証したことがありますが、あけすけに言ってしまうと、価格が安いだけで、肝心の寝心地や品質は置き去りという印象。よって、正直、今回も期待していませんでした。

それで、何が良かったか。まず、この価格にして、ちゃんとピロートップらしいフィット感があります。中身の構成やポケットコイルの仕様を見ても、しっかりと寝心地に向き合った作り込みに感じました。

本商品の内部構造

本商品の内部構造

一方、気になったのは「支えの弱さ」です。

全体がソフトなので、臀部が深めに沈みます。コイルの押し返しは感じるものの、沈んだところでグッと支える感覚は控えめ。よって、しっかりした寝心地が好きな人には合いにくいでしょう。

また、ピロートップ仕様でも、高級モデルのような寝心地の奥行きや、やさしく受け止めながら支えるバランスまではありません。詰め物の耐久性も気になるところです。

それでも、1万円台でピロートップらしい当たりのやさしさを味わえる。この価格で、ここまで仕上げたことを評価したいマットレスです。

このマットレスが合う人
  • なるべく安いマットレスを探している
  • やわらかい寝心地が好き
  • 横向き中心で寝る
このマットレスが合わない人
  • しっかりした寝心地が好き
  • 高級モデルのような豊かな寝心地を探している
▼ ピロートップポケットコイルの評価
総合評価 3.71
仰向き寝 3.5
横向き寝 4.0
端の沈み込み 3.0
通気性 3.0
寝返り 3.0
底付きのなさ 4.0
バネ当たりのなさ 4.0
耐久性 2.5
衛生面 4.0
取り扱いやすさ 3.0
価格 4.5

※目安は「3.50」以上が高評価です
(参考)スプリングコイルマットレスの評価方法

楽天市場で見る

エアリゾームの「HOLLOW」との違い

HOLLOW

仕様が非常に近いのはエアリゾーム「HOLLOW」です。

商品 ピロートップポケットコイル HOLLOW
画像 タンスのゲン ピロートップマットレス HOLLOW
ブランド タンスのゲン エアリゾーム
サイズ S~Q S~Q
厚さ 22cm 23cm
基本の線径 1.8mm 1.8mm
エッジサポート 2.0mm(左右端3列) 2.3mm(左右端1列)
コイル高 170mm 180mm
価格 15,999円 22,530円
リンク 楽天市場 楽天市場

私の中で「低価格のピロートップマットレス」と言えば、エアリゾームのHOLLOWでした。私がHOLLOWを知ったのは2020年頃。同社のロングセラーマットレスとして知られる存在です。

実は、そのHOLLOWの競合商品を探したところ、見つけたのがタンスのゲンのピロートップマットレスでした。

そして、仕様はかなり似ています。なのに価格が約6,500円安い。これはどういうことか。この疑問を検証するために、今回タンスのゲンを購入してみたのです。

タンスのゲン HOLLOW
タンスのゲンの内部構造 HOLLOWの内部構造

しかし、実際に寝てみたところ、両者の寝心地はあきらかに違いました。

HOLLOWは中間のウレタンが硬めで、やわらかいながら支えがある感じ。一方、タンスのゲンは、全体がソフトです。

感覚的に言うと、

  • HOLLOWは、ふわっと空気感がありつつ、コシがある寝心地
  • タンスのゲンは、モチっと包み込まれ、当たりがやさしい寝心地

です。

やわらかさの中にも支えがほしいならHOLLOW。モチっと包み込まれる当たりと、価格の安さを重視するならタンスのゲン。私なら、この違いで選びます。

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイル」の実体験レビュー ※ここからは詳しく知りたい人向け

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の使用イメージ

ここからは、実際の開梱や外観、内部構造、細かな評価を詳しく見ていきます。購入を具体的に検討している人は、ぜひ参考にしてください。

開梱・設置

こちらはシングルです。

梱包状態

マットレス本体はロール状に圧縮されています。

ロール状に圧縮されたマットレス

内容物はマットレス本体と取扱説明書の2点です。

マットレス本体と取扱説明書

シングル本体は約18kgです。持ち上げられない重さではありませんが、階段や長い距離を一人で運ぶのは少し大変です。

マットレスの持ち運び

外側のビニールがめくれるところを探して、開封をスタートします。

外側ビニールをはがす

開封の様子は以下の動画をご参考にしてください。(音声なし4倍速)

上の動画のとおり、まず外側のビニールをはがし、次に内側のビニールに切り込みを入れるとマットレスが復元します。最後にビニールを取って開封完了です。

外観

取扱説明書によると「1~2日程度で復元が進みます」とのことで、開封直後と2日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。

開封直後と2日経過後のアニメーション

このとおり、約2日経過すると復元されました。

マットレスの厚さはこれくらいです。

マットレスの厚さ

公表値どおり約22cmの厚さが確認できました。

厚さの計測

品質表示ラベルはこちらです。

品質表示ラベル

外観をチェックしていきます。

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」

カバーの生地はポリエステル100%のしっとりとした触り心地です。

カバーの生地

生地のアップはこんな感じです。

生地のアップ

上面はニット生地で、伸縮性があります。

生地の伸縮性

サイド面はメッシュ生地です。

メッシュ生地

本商品は、表面でのみ寝られる「片面仕様」です。

表面 裏面
表面 裏面

裏面の素材はポリエステル100%の不織布です。

裏面生地

裏面カバーのアップです。

裏面カバーのアップ

やや滑りやすく、ベッドフレームに置いた時のズレやすさは少し気になりました。

内部構造

ここからは、検証のためにカバーを切り、内部構造を確認します。

マットレスの解体

こちらが内部構造です。

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の内部構造

構造(上から)
  1. ニット生地
  2. ポリエステル綿
  3. 凹凸ウレタン
  4. 高反発ウレタン
  5. フェルト
  6. ポケットコイル
  7. フェルト
  8. 裏生

※グレーとブラックカラーは2と3が逆になります

高反発ウレタン(2層目のウレタン)までがピロートップです。

ピロートップ

販売ページで「高反発」と紹介されている2層目のウレタンは、私の簡易測定で反発弾性率が約40%でした。強く跳ね返すというより、適度な弾力がある印象です。

ポケットコイルの下にもフェルトが入っています。コイルが裏生地に直接当たらないよう、下側も保護した作りです。

コイルの裏面

なお、格安タイプでは、このフェルトなどの保護材が省かれている商品もあります。

他の格安マットレス

他の格安マットレス(コイルの下に保護材がない)

私が以前解体した商品では、袋や裏生地を突き破り、バネが外に出ている箇所もありました。本商品は、こうした見えない部分にも保護材が使われています。

ポケットコイルの仕様 ※読み飛ばしても大丈夫

ポケットコイル

ここでは、ポケットコイルの仕様を少し詳しく見ていきます。やや専門的な内容なので、興味がない人は読み飛ばしても大丈夫です。

項目 本商品の仕様 意味合い
線材 SWRH72B-C 硬鋼線(一般的な仕様)
コイル数
※Sサイズ
465個 中密度(バネの弾力を感じやすい)
配列 並行配列 コイルの動きが出やすい
線径 1.8mm(端3列は2.0mm) しなやかな硬さ
巻き数 5.5巻き(実測) 格安タイプでは平均的
コイル高 170mm(実測) クッション性が高い
圧縮率 約30%(実測) 高め(反発力が高め)

この中でポイントは、「線径1.8mm+コイル高170mm+圧縮率30%」という組み合わせです。※圧縮率とはバネをどれほど縮めてポケットコイルにしたかの数値

本商品のポケットコイル

本商品のポケットコイル

つまり、しなやかな太さのバネを、大きめに縮めてポケットコイルを作っています。こうしたポケットコイルは、クッション性が豊かで、押し返す反応も良いです。

なお、低価格帯のマットレスでは、コイルの高さを出すため、あまり縮めずにポケットコイルを作る傾向がありますが、結果的に沈みやすい寝心地になりがちです。

低価格の例(圧縮率:約10%) 本商品(圧縮率:約30%)
ポケット(不織布)とスプリング(バネ) タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」のポケットコイル

【詳細解説】タンスのゲン「ピロートップポケットコイル」の評価について

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の体験

ここからは、評価したポイントを詳しくご紹介します。

▼ ピロートップポケットコイルの評価
総合評価 3.71
仰向き寝 3.5
横向き寝 4.0
端の沈み込み 3.0
通気性 3.0
寝返り 3.0
底付きのなさ 4.0
バネ当たりのなさ 4.0
耐久性 2.5
衛生面 4.0
取り扱いやすさ 3.0
価格 4.5

※目安は「3.50」以上が高評価です
(参考)スプリングコイルマットレスの評価方法

体験者の体型について

寝心地の感じ方には好みや習慣、体型などによって多少変わる点はご了承ください。なお、筆者は男性で身長171cm・体重60kg±1kg程度です。

1. 仰向き寝は?

仰向き寝

評価は「3.5」。

ピロートップ層とポケットコイルがなめらかに沈み、体への当たりがやさしいです。フィット感も高く、底付きやバネが当たる感覚は気になりませんでした。

一方、背中や臀部は深めに沈み、支えは少し物足りなく感じました。

しっかりした寝心地を求める人には合いにくいですが、ソフトな寝心地が好きな人には心地よく感じられると思います。

2. 横向き寝は?

横向き寝

評価は「4.0」。

マットレス全体を通して、しなやかさが感じられ、深く沈み込む肩や臀部に圧迫感が少ないです。

体に触れる感覚が全体的にソフトで、突っ張った印象もなく、特に横向きには適している寝心地だと思います。

3. 寝返りのしやすさは?

寝返り

評価は「3.0」。

沈み込みが深めなので、簡単にころころと体を動かせるタイプではありません。とはいえ、コイルの押し返しは感じられ、私の感覚では寝返りに大きなストレスはありませんでした。

4. 端の沈み込みは?

端の沈み込み

評価は「3.0」。

端部分に太めコイルを配置するエッジサポート仕様です。

ただし、線径2.0mmのため、エッジサポートとしてそこまで強力ではありません。販売ページには、座った時の沈みにくさを表現した画像がありますが、実際は以下のように結構沈みます。

座姿勢における沈み込み

座ったときの沈み込み

とはいえ、寝姿勢においては、端部分でも十分快適に寝られる印象でした。

5. 通気性は?

通気構造

評価は「3.0」。

フィット感が高い寝心地ですが、思ったよりは蒸れは気になりませんでした。これは、表層のプロファイル(凹凸)ウレタンによって、空気の層があるためだと思います。

6. 耐久性は?

耐久性(マットレスを手で押す)

評価は「2.5」。

あくまで私の感覚ですが、仕様から考えると、耐用年数は3~5年程度を目安に見ています。長期使用で確認した年数ではありませんが、気になるのはスプリングよりも表面の詰め物です。

販売ページに記載されたウレタンの密度は20D。ピロートップのやわらかさが寝心地の特徴なので、詰め物がヘタると、当たりやフィット感の変化を感じやすいと思います。

7. 衛生面は?

カバー

評価は「4.0」。

表地のニット生地には、抗菌防臭・防ダニ加工を施しています。側面には、通気性に配慮したメッシュ生地が使われています。

8. 取り扱いやすさは?

マットレスのハンドリング

評価は「3.0」。

シングルサイズで約18kgです。スプリングマットレスとしては比較的軽めです。

実際に持ち上げた印象でも、私は取り扱いにはストレスは感じませんでした。大きいサイズになるほど重量は重くなるので、注意しましょう。

なお、スプリングコイルマットレスは、処分するときは基本的に粗大ごみです。※処分方法は自治体によって異なるため、スプリング入りマットレスを回収しているか確認しましょう

9. 価格は?

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」

評価は「4.5」。

シングルサイズは15,999円です。マットレス市場全体で見ても、かなり低価格です。

また、寝心地も悪くなく、「1万円台で買えるピロートップマットレス」としては、かなり貴重な商品だと思います。

まとめ

タンスのゲン「ピロートップ ポケットコイルマットレス」の使用イメージ

タンスのゲンの「ピロートップ ポケットコイルマットレス」は、安さとやわらかい寝心地を求める人に合いやすい商品です。特に、横向きで寝たときの当たりのやさしさは好印象でした。

一方、臀部をグッと支える感覚は控えめです。詰め物の耐久性も気になるため、しっかりした支えや、長く使うことを重視する人にはおすすめしにくいです。

それでも、1万円台でこの寝心地なら、高く評価できます。「安くても、やさしく包み込まれる寝心地がほしい」。そんな人は、候補に入れてみてください。

楽天市場で見る