スリーピー(夜香ケア)の使用イメージ

この記事では、ベッド業界歴15年以上の私が、電動ベッド・介護ベッドの選び方をわかりやすくご紹介します。

電動ベッドは、背もたれや脚部分を電動で動かせるベッドです。読書やテレビを見るときに楽な姿勢を作りやすく、起き上がりをサポートできる商品もあります。

一方で、介護目的で使う場合は、単に「リクライニングできるベッド」を選べばよいわけではありません。利用者の体の状態、立ち座りや介助のしやすさ、安全性、マットレスとの相性などを確認する必要があります。

この記事では、電動ベッドを初めて購入する人に向けて、選び方のポイントと、購入前に確認すべきことを整理します。ぜひ参考にしてくださいね。

※この記事は一般的な選び方の解説です。介護・医療上の判断が必要な場合は、医師・看護師・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員などに相談してください。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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電動ベッドとは

電動ベッド

電動ベッドとは、電気の力で背もたれや脚部分などを動かせるベッドのことです。主な動きは以下の3つです。

背上げ 脚上げ 上下昇降
1モーター(背上げのみ) 脚上げ 上下昇降
読書、テレビ視聴に便利 背上げ時のずり落ちを抑えやすい 立ち座りや介助の負担を軽減しやすい

なお、脚上げについて「むくみに良い」と紹介されることもありますが、むくみの原因はさまざまです。持病がある人や、むくみが強い人は、ベッド機能で判断せず医師に相談してください。

まず確認したいことは「くつろぎ用」か「介護用」か

無重力ポジション

電動ベッドを選ぶ前に、利用目的をはっきりさせましょう。

電動ベッドは、大きく分けると次の2つの目的で選ばれます。

目的 主な使い方 重視したいポイント
くつろぎ用 テレビ、リラックス、起き上がり補助 背上げ機能、寝心地、デザイン、価格
介護用 起き上がり、立ち座り、介助、長時間のベッド上生活 手すり、安全性、マットレス適合、介護保険・非課税の確認

一般的な電動ベッドでも、背上げ機能によって起き上がりを助けられる場合があります。

しかし、介護目的で使う場合は、上下昇降機能や手すり、マットレスとの適合性など、安全面の確認がより重要です。

特に、利用者が自力で起き上がるのが難しいなど、介助が必要な場合は、一般的なリクライニングベッドでは不十分なことがあります。

電動ベッドと介護ベッドの違い

「電動ベッド」と「介護ベッド」は、販売ページでは似た意味で使われることがあります。

ただし、選ぶときは分けて考えた方がわかりやすいです。

電動ベッド

電動ベッド

電動ベッドは、背上げや脚上げなどによって、ベッド上で楽な姿勢を作りやすいベッドです。

リラックス目的、読書、テレビ視聴、起き上がりの補助などに向いています。

介護ベッド

INTIME 1000

介護ベッドは、介護を目的として使いやすいように作られたベッドです。

背上げ・脚上げに加えて、上下昇降機能、手すり、サイドレール、介護用マットレスとの組み合わせなどを考えて選びます。

介護目的で使う場合は、単に「電動で動くか」ではなく、安全に立ち座りできるか、介助しやすい高さに調整できるか、手すりやマットレスが適合しているかを確認しましょう。

電動ベッド(介護ベッド)のメリット

1. ベッドの上で過ごしやすい

電動ベッドの動き方

リクライニングの角度を調整することで、読書やテレビ鑑賞、スマホ操作など「自分がくつろげる姿勢」を作りやすいです。

また、ベッドで過ごす時間が長い人にとっては、食事や会話などの姿勢を作りやすいため、寝るだけでなく、日中のリラックススペースとしても使いやすくなります。

ただし、長時間同じ姿勢を続けると、体に負担がかかることがあります。体を動かしにくい人や床ずれが心配な人は、マットレス選びや体位変換について、医師・看護師・ケアマネジャー・福祉用具専門相談員などに相談しましょう。

2. 起き上がりをサポートしやすい

背上げ

背上げ機能があると、上半身を起こしやすくなります。

普通のベッドや布団では、起き上がるときに腹筋や腕の力が必要です。電動ベッドなら、背もたれを上げることで体を起こしやすくなるため、起き上がりの負担を軽減しやすいです。

ただし、体の状態によっては背上げだけでは足りないこともあります。立ち座りに不安がある人は、手すりや上下昇降機能もあわせて確認しましょう。

3. 介助者の負担を軽減しやすい

介護のイメージ

上下昇降機能がある介護ベッドは、介助しやすい高さに調整できます。

低すぎるベッドで介助をすると、介助者が前かがみになりやすく、腰に負担がかかります。高さを調整できるベッドなら、利用者の立ち座りだけでなく、介助する側の姿勢も整えやすくなります。

介護目的で選ぶ場合は、昇降機能の有無を必ず確認しましょう。

電動ベッドの注意点・デメリット

1. 一般的なベッドより価格が高め

電動ベッドは、モーターやリモコン、可動する床板などがあるため、一般的なベッドより価格が高くなりやすいです。

また、介護目的で使う場合は、ベッド本体だけでなく、マットレス、手すり、サイドレール、テーブル、防水シーツなどが必要になることもあります。

購入前に、本体価格だけでなく、必要な付属品を含めた総額を確認しましょう。

2. 大きいサイズは少なめ

介護向けの電動ベッドは、セミシングルシングルが中心です。

これは、介助者が利用者の体に手を届かせやすくするためです。幅が広すぎると、反対側まで手が届きにくく、介助しづらくなる場合があります。

ただし、狭ければよいというわけではありません。利用者の体格に対して小さすぎると、寝返りや寝姿勢を保持しにくくなる可能性があります。

体格が大きい人や、ゆったり眠りたい人は、サイズ展開を確認しましょう。

3. 組み合わせによって安全性が変わる

電動ベッドや介護ベッドでは、ベッドフレームとマットレスなどとの組み合わせが重要です。適合していない部品を組み合わせると、故障や事故の原因にもつながります。

特に介護ベッドでは、サイドレールや手すりのすき間に体が挟まれる事故が報告されています。メーカーが適合確認している組み合わせを選びましょう。

参考:消費者庁「介護ベッドの手すり等による死亡事故が発生しています!」

失敗しない電動ベッドの選び方

1. 利用目的を決める

電動ベッド

利用目的によって、必要な機能性が変わります。

利用目的 必要な機能性
読書・テレビ 背上げ機能
起き上がりが少し不安 背上げ機能+手すりの確認
立ち座りに不安がある 上下昇降機能付き(介護ベッド)
介助が必要 昇降機能、手すり、サイドレール、マットレス適合を重視
長時間ベッドで過ごす 床ずれリスク、マットレス、体位変換の相談が必要

また、くつろぎ用なら寝心地やデザインも大切です。一方、介護用なら、最優先は安全性と使いやすさです。

2. モーター数を確認する

モーター

電動ベッドは、モーター数によって動き方(連動か独立か)が変わります。

種類 主な動き 特徴
1モーター 背上げのみ、または背上げ・脚上げが連動して動く シンプルで価格を抑えやすい
2モーター 背上げと脚上げをそれぞれ独立して調整 姿勢を細かく作りやすい
3モーター 背上げ・脚上げ・上下昇降をそれぞれ調整 介護目的で使いやすい

たとえば、1モーターで「背上げ+脚上げ」の機能があった場合、1つのモーターしかないため、背上げと脚上げが連動して動きます(別々の調整できません)。

モーター数が少ないほど価格は抑えやすい傾向がありますが、使いやすさは調整の自由度によって変わります。購入前に「連動式か、独立調整式か」を確認し、用途と予算に合わせて選びましょう。

3. 上下昇降機能の有無を確認する

INTIME 3000

介護目的で使うなら、上下昇降機能は重要です。※上の画像のベッドは上下昇降に加えて「傾斜」が可能です

上下昇降があると、ベッドの高さを利用者の立ち座りに合わせたり、介助者が作業しやすい高さに調整したりできます。

特に、次のような場合は昇降機能付きがおすすめです。

  • 立ち上がりに不安がある
  • ベッドから車いすへ移乗する
  • 介助者が着替えや体位変換を手伝う
  • ベッド上で過ごす時間が長い

ただし、昇降機能がある商品でも、昇降方式(可動幅)は商品によって異なるので、確認しましょう。

4. 手すりとサイドレールを混同しない

手すり(ベッド用グリップ) サイドレール
サイドグリップ サイドレール

介護ベッドで特に注意したいのが、手すりとサイドレールの違いです。

種類 主な目的 注意点
手すり 立ち上がりや移乗の補助 体重をかける前提の製品を選ぶ
サイドレール 転落や寝具の落下を防ぐ 手すり代わりに使うのは危険な場合がある

手すりと混同しがちなのが「サイドレール(サイドガード)」です。サイドレールは、主に転落や寝具の落下を防ぐためのものです。立ち上がるときに体重をかける「手すり」として使えるとは限らないため、ご注意ください。

立ち座りの補助が必要な場合は、販売ページで「手すり」「ベッド用グリップ」など、立ち上がり補助として使える製品か確認しましょう。

また、ベッド本体と手すり・サイドレールの組み合わせによっては、すき間ができることがあります。必ずメーカーが適合確認している組み合わせを選んでください。

5. 非課税対象か確認する

介護向けの電動ベッドには、消費税が非課税になる商品があります。

ただし、すべての電動ベッドが対象ではありません。非課税対象になるには、幅・サイドレールの有無・キャスターの有無など、一定の条件があります。

詳しくは販売店の表示や、厚生労働省の資料を確認しましょう。

※参考:厚生労働省|身体障害者用物品の非課税扱いについて(PDF)

6. 介護保険レンタルも検討する

介護目的で使う場合は、購入だけでなく、介護保険を使ったレンタル制度も選択肢になります。

介護状態は変わることがあります。初めて介護ベッドを使う場合は、購入よりもレンタルの方が見直しやすいこともあります。

制度の対象になるかどうかは、要介護度や身体状況によって異なるため、利用を検討する場合はケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認してください。

※参考:公益財団法人テクノエイド協会「介護保険給付福祉用具情報」

電動ベッドは「適合確認済みマットレス」を選ぶのが基本

電動ベッド

電動ベッドは床板が曲がります。そのため、マットレスもベッドの動きに合わせて曲がることが重要なポイントです。

もっとも安心なのは、ベッドメーカーが適合確認しているマットレスを選ぶことです。

電動ベッドは他のベッドフレームと違い、床板が可動するため、想定外のマットレスを使ってしまうと動きに支障がでたり、事故の原因になる可能性があります。

電動ベッドでは、ベッドフレームとマットレスの組み合わせによって、安全性・機能性・寝心地が変わります。そのため、特別な理由がない限り、同じメーカーの「適合確認済みマットレス」でそろえた方が無難です。

くつろぎ用におすすめの電動ベッド

椚大輔
椚大輔
介護ではなく、「くつろぎ」を目的としたおすすめの電動ベッドです。

源ベッド「スリーピー」

スリーピー

寝心地にこだわりたい人におすすめ

広島県の老舗ベッドメーカーの源ベッド(チヨダコーポレーション)が販売する電動ベッド。最大の魅力は、寝心地にこだわった国産ポケットコイルマットレス「夜香ケア」が選べることです。

夜香ケアは、自社工場でバネづくりから行う日本製のポケットコイルマットレスです。品質管理にこだわって作られているため、電動ベッド対応でありながら、ポケットコイルならではのフィット感としっかりした寝心地が楽しめます。

ベッド本体は2モーター式で、背上げ・脚上げを調整可能。さらに「無重力」「TV」「いびき防止」の3つの基本ポジションを備え、くつろぎやすい姿勢を作れます。

このベッドを見てみる

介護用におすすめの電動ベッドメーカー

椚大輔
椚大輔
介護用では、個々の状況によって選ぶべきベッドが変わるため、ここでは商品ではなく、おすすめの「メーカー」をご紹介します。

パラマウントベッド

パラマウントベッド(ロゴ)

病院向けベッドの採用実績が豊富

パラマウントベッドは、医療・介護用ベッドで広く知られる日本のメーカーです。病院や介護施設での採用実績も多く、介護目的で電動ベッドを探している人にとって候補にしやすいメーカーです。

電動ベッド本体だけでなく、対応マットレスやサイドレール、手すりなどの周辺アイテムも展開しているため、ベッドまわりを含めて選びやすい点も特徴です。

価格はやや高めですが、介護目的で安全性や使いやすさを重視したい人は、一度チェックしてみるとよいでしょう。

>>>パラマウントベッド公式はこちら

 

 

 

まとめ

以上、電動ベッド・介護ベッドの選び方をご紹介しました。

選び方のチェック項目をまとめると次のとおりです。

チェック項目 確認すること
利用目的 くつろぎ用か、介護用か
必要な機能 背上げ、脚上げ、上下昇降のどれが必要か
モーター数 1・2・3モーターの違いを確認
手すり 立ち上がり補助として使える製品か
サイドレール 転落予防用か、手すりと混同していないか
マットレス 電動ベッドに適合しているか
サイズ 体格と介助のしやすさに合っているか
設置場所 コンセント、介助スペース、搬入経路を確認
非課税 非課税対象か販売店に確認
介護保険 レンタル対象になるかケアマネジャーに確認
保証 モーター・リモコン・フレームの保証内容
停電時 手動操作や緊急対応の有無

電動ベッドは、くつろぎ用なら比較的シンプルに選べます。

一方、介護目的の場合は、購入前に「ベッド本体」「マットレス」「手すり」「サイドレール」の組み合わせを確認してください。また、利用者の身体状況や住環境によって適した商品が変わるため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談するとよいでしょう。

介護ベッドは、買って終わりではありません。使い始めた後も、体の状態や介護環境に合わせて見直すことが大切です。

ぜひ本記事を参考に、ご自身やご家族に合った電動ベッドを選んでくださいね。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。