高級マットレスと同等以上の仕様、なのに3万円台
この記事ではモダンデコ「DORMIRA 3-ZONE 超高密度ポケットコイルマットレス(以下より「DORMIRA 3-ZONE」)」についてご紹介します。
この記事を作成するにあたり、商品を購入し、使用感を詳しくレビューしました。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
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目次
DORMIRA 3-ZONEの基本情報
DORMIRA 3-ZONEのサイズや価格等の情報は以下の通りです。
メーカー | モダンデコ |
---|---|
サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | ポケットコイル |
カラー | ホワイト |
価格(Sサイズ) | 34,999円 |
保証期間 | 3年 |
外観を詳しく知りたい方は、以下の動画もご参考くださいね。(音声なし)
メーカーの「モダンデコ」とは?
DORMIRAは「モダンデコ」のオリジナルマットレスシリーズです。
モダンデコは、株式会社De-Dreamが運営するインターネット限定のインテリアショップ。
マットレスの他にも、ベッドフレームやソファーなどの家具類、さらに生活雑貨や家電など、インテリア総合を取り扱っています。
インターネットメインのインテリアショップとしては比較的大手なので、はじめてオンラインショッピングをする人にもおすすめです。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ DORMIRA 3-ZONEの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.37 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.5 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.82 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
(総評)大きな欠点がなく、価格を考えたら満足感は高い
超高密度ポケットコイル・25cm厚・両面仕様で3万円台は、スペック×価格で考えた場合、コストパフォーマンスはかなり良いです。
ただし、超高密度ポケットコイル仕様のわりに揺れやすく、同等のスペックにおける高価格帯のモデルに比べると寝心地は劣ります。
また、詰め物の品質もそこまで高くないので、やはり低価格帯のモデルなりの印象を受けました。
このスペック(超高密度・両面仕様・極厚)の比較対象は10万円台クラスのマットレスになってしまうので、DORMIRA 3-ZONEの寝心地が劣るのは当たり前です。
とはいえ、大きな欠点は感じず「なるべく低価格のポケットコイルマットレスを探している」とい人にはおすすめできる商品だと思います。
以下より、DORMIRA 3-ZONEの特徴や使用感などを詳しくご紹介します。
DORMIRA 3-ZONEの特徴・メリット
1. 超高密度ポケットコイル
DORMIRA 3-ZONEはクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいる芯材(スプリングコイル)のこと。
ポケットコイルは、コイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。
また「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
そして、商品によってポケットコイルの、
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
などの違いがあり、それらが寝心地を作る特徴となります。
DORMIRA 3-ZONEで使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ DORMIRA 3-ZONEの仕様 | |
---|---|
線種 | 非公開 |
密度 | 1,300個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 1.3mm/1.4cm(ゾーニング) |
寝心地の特徴は?
密度・配列・線径などの仕様は、基本的に優劣ではなく、そのマットレスが表現したい寝心地を作るためものです。
結論から言うと、DORMIRA 3-ZONEは「フィット感・体圧分散性が高く、しなやかな寝心地」が特徴です。
以下よりDORMIRA 3-ZONEで採用されているポケットコイルの仕様について詳しくご紹介します(ご興味がなければ飛ばしても大丈夫です)。
配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
DORMIRA 3-ZONEは「並行配列」を採用しています。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、比較的ふんわりとソフトな感触が特徴です。DORMIRA 3-ZONEでもそのような特徴的な寝心地が感じられました。
密度の特徴は?
密度とは「どれだけの量のポケットコイルが入っているか」のことです。
DORMIRA 3-ZONEはシングルサイズあたり「1,300個」の密度です。これはすごく高密度とお考え下さい。
現在のポケットコイルマットレス市場はコイルの数量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを超大雑把にご紹介すると以下の通りです。(詰め物などによって寝心地は大きく変わるのであくまで傾向としてお考えください)
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
700~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,001個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなり、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
DORMIRA 3-ZONEは1,300個もの超高密度仕様。なお、密度は高いほど価格も高くなる傾向があります。
ちなみに1,300個の密度レベルは、NELLマットレス(約8万円)、日本ベッドのシルキーポケット(約17万円)と同等以上なので、いかにDORMIRAのコスパが良いか分かるかと思います。
密度 (Sサイズ) | 価格 (Sサイズ) | |
---|---|---|
DORMIRA(3ZOME) | 1,300個 | 29,999円 |
NELLマットレス | 1,200個 | 75,000円 |
シルキーポケット | 1,200個 | 172,000円 |
線径とは?
線径とは「バネの太さ」のことです。
線径は、太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
DORMIRA 3-ZONEは1.3mmと1.4mmの線径が異なる2種類のバネを使用しています。※沈み込みやすいお尻部分は1.4mm、肩や脚部分は1.3mmを使っています
どちらも「しなやかな寝心地」で、感触としてはやわらかめに感じます。
2. ゾーニング仕様
DOMIRA 3-ZONEでは、2つの異なる線径(1.3mm/1.4mm)を使い分けた「ゾーニング仕様」を採用しています。
DOMIRA 3-ZONEのゾーニングは、真ん中のお尻にあたる場所が硬め(1.4mm)、上下の背中・脚にあたる場所がやわらかめ(1.3mm)という構造です。
このように中央部分を硬くすることで、荷重が重くかかるお尻部分が沈み込みづらくなり、上下をソフトにすることで、背骨のカーブをやさしくサポートする「硬すぎず・柔らかすぎず」の絶妙な寝心地が得られます。
なお、公式サイトでは書いてありませんが、一番端の3列(ヘッド・フット面)においても、硬め(1.4mm)となっているので、厳密には「5ゾーニング仕様」ということになります。
3. 長持ちしやすい「両面仕様」
DORMIRA 3-ZONEは表面・裏面が同じ構造をしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。
ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転させてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。
ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。
片面仕様 (他商品) | 両面仕様 (DORMIRA) |
---|---|
裏面では寝れない | 表裏で寝れる(よって、長く使える) |
一方、DORMIRA 3-ZONEは格安価格でありながら、裏面にも詰め物をしっかりと施しているため、ローテーションにより寝心地が長持ちしやすいです。
ちなみにこの「両面仕様」は公式サイトには載っていない情報です。
DORMIRA 3-ZONEのデメリット
大型配送便でのお届け
圧縮ロール梱包ですが、宅配便ではなく大型配送便で届きます。
大型配送便は時間指定ができません。
DORMIRAのような圧縮ロール梱包タイプのマットレスの場合は、宅配便で届けられることが多いので、デメリットひとつと言えるでしょう。
【体験レビュー】モダンデコ「DORMIRA 3-ZONE 超高密度ポケットコイルマットレス」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
梱包状態の重さは、27.95kg(シングル)でした。
一人で持ち運ぶのは「かなり重たい」といったところ。力が弱い人は助けを借りた方が良いかもしれません。
段ボールを開封していきます。
このようのマットレスがロール状に圧縮されてビニールに入っています。
ロール状に巻かれていることで、コンパクトになり、搬入経路が狭い家でも安心です。
続いて、マットレス本体を開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ロール状に圧縮されてビニールに巻かれて届きます。ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
DORMIRA 3-ZONEでは、勢いよくマットレスが膨張したので(動画の12秒あたり)、開封時には周りに大切なものを置かない方がよいでしょう。
外観のチェック
開封直後は多少歪みがありますが、ボリューム感あるので、すぐにでも寝ることができます。
取扱説明書によると「マットレスが完全に形を取り戻すのに24時間ほどかかる」とのことで、開封直後と48時間経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。
このアニメーションのとおり、厚みが復元されていることがわかるかと思います。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値は25cmでしたが、最大で24cmでした。※個体差があるかもしれません
とはいえこれでもかなり厚みがあるタイプのマットレスです。
カバー表面の素材はポリエステル67%+オーガニックコットン33%です。
マットレスの側生地にオーガニックコットンが使われるは少し珍しく、自然素材を好む人にはうれしい仕様でしょう。
カバーにはキルティングが施されているので、立体感によって通気性が高まります。
側生地はやわらかく伸縮性があるので、体へのフィット感が優れます。
マットレスのサイド面には「DORMIRA」のロゴがワンポイントで入っていておしゃれです。
「DORMIRA」の下に「EXCLUSIVE」と書いてあります。
EXCLUSIVE(エクスルーシブ)は「独占的・排他的」という意味ですが、他の物を寄せ付けないということで「高級」という意味合いもあるようです。
マットレス外周は中央部分がメッシュ生地で囲われています。
DORMIRAではこのメッシュ生地を「4Dメッシュ生地」として、「一般的なメッシュ生地よりも通気孔が大きい」と紹介されています。
しかし、この「4Dメッシュ生地」は下の生地の上に張り付けてあるだけでした。
つまり、この「4Dメッシュ生地」は飾り物です。
さらに「生地が2重になっている」という点で、4Dメッシュ生地がある部分はむしろ通気性が悪くなっているという残念な仕様でした。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
ポケットコイルの上に詰め物が施されています。
DORMIRA 3-ZONEの構造は以下の通りです。
- 表生地
- ポリエステル綿
- ウレタン 9mm
- ウレタン 4mm
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 不織布
- ポケットコイル(ここが真ん中)
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 不織布
- ウレタン 4mm
- ウレタン 9mm
- ポリエステル綿
- 裏生地
つまり、ポケットコイルを線対称とした両面仕様の15層構造ということです。
詰め物が約4.5cmほどしっかりと施されています。
詰め物を詳しくご紹介します。
まずは表生地のすぐ下にあるのは「ポリエステル綿」です。
ふんわりとした感触により体圧分散性を高めています。なお、この綿には防ダニ機能があります。
続いてウレタンフォームが3層に分かれて入っています。
ウレタンフォームは蒸れやすい素材ですが、このように多層構造にすることで通気性が高まります。
一番下のウレタンフォームは20mmの厚みがあり、衝撃を吸収しバネ当たりを防ぎます。
ただし、DORMIRA 3-ZONEのウレタンフォームは特徴的な反発性(高反発・低反発)はなく、かなり軽量だったため密度も低いものと想定されます。
ウレタンフォームの下には再び不織布が入ります。
この不織布でポケットコイルを接着剤で固定しているのです。
ポケットコイルの高さは約180mm(7インチ)でした。これはかなり高さがあるタイプです。
7インチくらいのポケットコイルは高級ホテルなどにも採用されることが多いハイグレードタイプのマットレスに多い仕様で、コイルの巻き数が多くなることでふんわりとした豊かなクッション性が得られます。
【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ DORMIRA 3-ZONEの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.37 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.5 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.82 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
では、以下より特徴を詳しくご紹介します。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「3.5」。
ゾーニングによる背中へのフィット感がやさしく、お尻回りをしっかりとサポートしてくれるので、寝姿勢がまっすぐになりやすいです。
要するに「やわらかいのに、沈み込まない」という感じです。体圧分散性は高めの寝心地だと思います。
比較的詰め物がしっかりと施されている極厚タイプ(25cm)のため、荷重が集中する背中・臀部あたりでも底付き感やバネ当たりは感じませんでした。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.0」。
ゾーニングによって肩回りはしっかりと沈み込むのでストレスない寝姿勢が実現されました。
しかし、横向き寝は不安定な寝姿勢となるため「揺れにくいこと」がマットレスには求められますが、DORMIRA 3-ZONEはポケットコイルのわりに揺れやすく(この理由は後述します)、結果的に安定性の悪さを感じました。
仰向き寝と同様に底付き・バネ当たりは感じませんでした。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.0」。
並行配列のポケットコイルのため、バネの動きによる寝返りサポート性はまずまずです。
ただし、スプリング自体の反発性は低く、さらに詰め物のウレタンフォームなども特に反発性が高いものを使っていないため、「寝返りしやすいマットレス」とは言いにくいレベルです。
とはいえ、寝返りにはストレスは感じませんでした。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「2.5」。
揺れやすいというデメリットがあるため、端部分に寝た際にもスプリングが動きやすく、結果的に沈み込みも深く不安定になります。
底付きこそありませんが、端まで優雅に使えるマットレスとは言いにくいレベルです。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「3.0」。
この記事の上でも触れましたが、マットレス側面の「4Dメッシュ生地」は単なるお飾りなので、通気性を高める効果はありません。
しかしながら、詰め物がかなりの多層構造にすることで通気性が高められています。実際に寝た際にも気になるほどの蒸れは感じませんでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「3.0」。
DORMIRA 3-ZONEの販売ページ上には、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)の結果の記載がなく、第三者による評価がありません。
ただし、超高密度のポケットコイル・両面仕様などを考えた場合、3~5年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。
なお、3年間の保証が付いています。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
詰め物の中綿(ポリエステル綿)には防ダニ綿シートを採用しています。
しかし、抗菌加工はないため、ニオイなどへの配慮は特にありません。よって、衛生面は一般的なマットレスと同等レベルの「ふつう程度」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「3.0」。
重量はシングルサイズで約27kg。これは一般的なマットレスの中ではかなり重たいです。
この重量の原因は超高密度ポケットコイルのため、大量なバネと接着剤が使われているためです。
よって、気軽に持ち運びにくく、力の弱い人にはあまりおすすめできません。
ただし、お届け時は圧縮梱包でコンパクトに届くので、搬入経路が狭い人にはメリットを感じられるでしょう。
また、厚さは25cmなので、市販のボックスシーツも使いやすいです。
捨てやすさについては、スプリングコイルマットレスは、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「3.82」。
シングルサイズで29,999円という価格は、マットレス市場全体から考えると「安め」の価格帯です。
この価格帯で1,300個の超高密度ポケットコイル・両面仕様は見当たらず、スペック×価格のコストパフォーマンスとしては抜群に良いと思います。
気になった点
高密度ポケットコイルにしては「振動が伝わりやすい」
1,300個レベルの超高密度ポケットコイルのわりに振動が伝わりやすい印象を受け、どちらかというとボンネルコイルのように「面」で体を支えられている感覚がありました。
上のアニメーションのとおり、しっかりと点で支える構造であれば、寝姿勢の違いによって、ここまで大きく形状が歪みません。
結果的に振動の伝わりづらさは一般的なポケットコイルと同等かそれ以下という感じがしました。これはおそらく大量のポケットコイルを大量の接着剤で不織布に固定している構造だからだと思います。
さらに、ポケットコイルひとつひとつが上部分まで接着剤で固定されているため、点(コイルが独立)の動きというよりも、面(コイルが連動)での動き方になっているのだと思います。
口コミ・評判のまとめ
DORMIRA 3-ZONEの口コミをまとめると以下のような意見が見られました。(楽天市場店にて確認)
良い口コミ | 悪い口コミ |
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口コミに関する解説
楽天市場店における口コミ全体は5点満点で4.50の高評価です。(記事公開時点)
全体的に寝心地に満足されているユーザーさんが多い印象です。
ゾーニングによる「ちょうどよい硬さ」が実現
特に「硬すぎず・柔らかすぎずの寝心地が良い」と評価されている人が多く、これは硬さを体の場所によって変える「ゾーニング仕様」ということが大きな理由だと思います。
DORIMRA 3-ZONEではマットレスの中央部分を硬く・そうでない部分をやわらかくすることによって、お尻あたりが沈み込み過ぎるのを防ぎつつ、体の曲線がでやすい背中あたりをふんわりとやさしくサポートするという構造になっています。
要するに「やわらかくあってほしいところはやわらかく、硬くあってほしいところは硬く」というリクエストに上手に答えられる仕様と言えるでしょう。
極厚なので「ホテルのような寝心地」
高級ホテルでは、かなり分厚いマットレスを採用されていることが多いですが、それは「ふんわりふかふか」な贅沢な寝心地によって非日常感を楽しんでもらうことが理由かと思います。
一般的に分厚いマットレスは、詰め物の量が多かったり、スプリングの高さが高く、クッション性が豊かでふんわりとした寝心地が実現されます。
DOMIRA 3-ZONEは厚さが25cm・さらに両面仕様で、3万円台という低価格にしてはかなり贅沢なスペックです。
そうしたことから「ホテルのような寝心地」と評価されているユーザーさんが多いのだと思います。
超高密度だから「重い」
一方、「重さ」に対してマイナス評価されているユーザーさんも散見されます。
基本的にマットレスは、ノンコイル(ウレタンマットレスなど)よりもスプリングコイルタイプの方が重く、さらにスプリングコイルの中でも「不織布+バネ」という構造のポケットコイルが特に重く、極めつけに低密度よりも高密度の方が大量にポケットコイルを使っているということで、さらに重くなります。
要するに、DOMIRA 3-ZONEは「超高密度ポケットコイル仕様」のためマットレスの中でも最も重い仕様の商品とお考え下さい。(さらに詰め物を両面に施しているので余計に重くなります)
DOMIRA 3-ZONEの「シングルサイズで27kg」というのはかなり重く、例えばコアラマットレスの最上位グレード「BAMBOO(厚さ33cm)」と同等の重さになります。
持ち運びに不安がある人は、薄型のウレタンマットレスなどなるべく軽量なマットレスを選ぶことをおすすめします。
大型配送便による「配送トラブル」
DOMIRA 3-ZONEは普通の宅配便でなく、特殊な「大型配送便」で届きます。
普段のネットショッピングで買うものは佐川急便さんなどで日時指定できるもの(宅配便)が多いと思います。
一方、DOMIRA 3-ZONEの大型配送便は時間指定ができません。日時指定も希望は出せても確約できません。
さらに、基本的に宅配便だと最短2~3営業日でお届けできるのですが、大型配送便はもっと遅く、モダンデコの場合「5~13営業日前後お時間を頂いております」と案内されています。
「必ずこの日に届けて欲しい!」「早くマットレスが欲しい!」という人は、宅配便扱いのマットレスを選んだ方が良いでしょう。
なお、口コミのネガティブレビューにあった配送トラブルの内容は、モダンデコ側のミスによるものが中心ですが、件数は多くありません。(人間なので、誰しもミスはするものですが、自分の時に当たってしまうと運が悪いと思ってしまいますよね)
ちなみに、当サイトで購入した際のお届けは希望日どおりでしたし、「到着前(1時間ほど前)に電話連絡希望です。」と注文時に記載したところ、お届けの数日前に運送会社さんから電話を頂き、時間の指定もある程度聞いてもらえました。
似ている商品との比較
DORMIRA 3-ZONEの「高密度ポケットコイル仕様」「低価格」という2つの特徴に対して、それぞれ競合と考えられる商品を比較してみます。
- 「高密度ポケットコイル」の比較商品:NELLマットレス
- 「低価格」の比較商品:国産ポケットコイルマットレス(源ベッド)
メーカー | ①DORMIRA 3-ZONE | ②NELLマットレス | ③源ベッド |
---|---|---|---|
画像 | |||
コイル数 (Sサイズ) | 1,300個 | 1,200個 | 465個 |
配列 | 並行 | ||
線種 | 不明 | 硬鋼線 (82 B C種) | |
衛生面 | 防ダニ | 抗菌防臭 消臭 防ダニ | 抗菌防臭 防ダニ |
両面仕様 | 〇 | ||
お試し期間 | なし | 120日 | なし |
保証期間 | 3年 | 10年 | 1年 (公式サイトは3年) |
サイズ | S~D | S~K | SS~WD ※ショートあり |
生産国 | 中国 | 日本 | |
価格 (Sサイズ) | 34,999円 | 75,000円 | 30,900円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
比較商品②「NELLマットレス」とは?
NELLマットレスは、日本のベンチャー企業である株式会社Morghtが福岡県大川市にある老舗マットレス設計会社と共同開発した新しいマットレスです。
シングルサイズあたり約1,200個ものコイルを搭載した超高密度タイプのポケットコイルマットレスで、腰部分と端を強化したゾーニング仕様が特徴。寝返りのしやすさと端の落ち込みを軽減させる工夫を凝らしています。
コイル数はDORMIRAよりも少しだけ少ないですが、実際の振動の伝わりづらさ(衝撃吸収性)はNELLマットレスの方が優れていました。
また、120日のお試し期間&10年保証付きというサービス面も優れているので、安心感を持って購入することができるでしょう。
価格は75,000円~と少し高いですが、「寝心地を重視する人」や「マットレス選びに失敗したくない人」には間違いなくおすすめの逸品です。
比較商品③「日本製ポケットコイルマットレス 夜香ハイグレード2(源ベッド)」とは?
③源ベッドは、広島県のベッドメーカー「チヨダコーポレーション」の直営ショップ。その中で最も人気モデルがこちらです。
コイル数は一般的なポケットコイルと同等レベルですが、とにかく高品質な点が特徴。ポケットコイルのバネ(硬鋼線)は日本最高レベルで、さらに国内の自社工場でバネから作るという徹底ぶり。また詰め物で使われているウレタンフォームも日本製を使っています。
DOMIRAに比べるとコイル数はかなり少ないですが、作りの良さからDOMIRAよりも振動が伝わりづらいです。
価格が少しだけDORIMRAよりも高いため、仕様×価格のコストパフォーマンスが劣るように見えますが、パーツひとつひとつのこだわりを考えると、この品質が約3万円で買えるのは奇跡と言っても過言ではないくらいの抜群のコストパフォーマンスだと思います。
ゾーニングなどはなく、しっかりした感触なので「少し硬め」の寝心地が好きな人に合うと思います。
より寝心地にこだわりたい人は「咲夜レアルマットレス」がおすすめです。
高級ホテルに採用される、巻き数の多い「8.5巻き(6.7インチ)のスプリング」が搭載し、なめれらかなストロークによる極上の寝心地が得られます。
5万円以下からこの寝心地が手に入るのは、並外れたコストパフォーマンスの高さです(当サイトNo.1の高評価です)。
【動画】衝撃吸収性の比較
以上の3商品において衝撃吸収性(揺れにくさ)の違いを比較しました。※音声なし
- 左:源ベッド「日本製ポケットコイル」※旧モデル
- 真ん中:モダンデコ「DORMIRA 3-ZONE」(本商品)
- 右:NELLマットレス
この動画を見れば、明らかに他のマットレスの方が衝撃吸収性が優れているかわかると思います。
DORMIRA 3-ZONEは、花瓶の倒れるスピードもさることながら、ジャンプした衝撃でマットレス全体が大きく揺れています。
以上の内容が、記事の上でも取り上げた「気になる点」の詳細です。
ポケットコイルならではの「振動が伝わりづらい静かな寝心地」を期待している人にとってDORMIRA 3-ZONEはミスマッチが起きる可能性があると思うので、ご注意ください。
DORMIRA 3-ZONEの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断・分解が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
DORMIRA 3-ZONEはどこで買うのがお得?
DORMIRA 3-ZONE(モダンデコ)は公式サイトと楽天市場店で購入が可能です。
価格は同じなので、開催されているキャンペーンなどの違いによって選びましょう。(楽天市場店の方が基本的にポイントが付くという点でおすすめではあります)
まとめ
いかがでしたか。
モダンデコ「DORMIRA 3-ZONE 超高密度ポケットコイルマットレス」をご紹介させていただきました。
シングルサイズあたり1,300個ものポケットコイルを使用した超高密度&両面仕様&ゾーニングというスペックで3万円台は、他に比較商品が見当たらないくらい突き抜けたコストパフォーマンスを誇ります。
ただし、実際の寝心地に関しては、超高密度ポケットコイルならでは滑らかさや衝撃吸収性(振動の伝わりにくさ)は感じにくかったです。
商品のセールスポイントである「4Dメッシュによる通気性の良さ」に関しても、4Dメッシュ生地はただのお飾りだったこともあり、高通気仕様だとは言えません。
しかしながら、寝心地は満足できるものでした。コイル高が高く、極厚のふんわりとした感触をこの価格帯で実現するのはなかなか難しいと思います。
スペック上は10万円以上する高級マットレスと同等レベルなので、少し期待しすぎていたため、結果的に若干の辛口レビューになってしまいましたが、3万円台という価格を考えればおすすめできます!
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。