ご紹介したマットレス・枕を詳しくご紹介
日刊紙「東京スポーツ」(東スポ)の企画でマットレス専門家として、マットレスの選び方とおすすめ商品をご紹介させていただきました。
この記事では紙面では文字数の関係で伝えきれなかったおすすめポイントとその理由について詳しくご紹介させていただきます。
この記事を書いた人
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年7月より株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開中。ベッド・マットレスの専門家として他のメディアの記事監修・情報提供も行う。
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東京スポーツとは
東京スポーツ(東スポ)とは、東京スポーツ新聞社が発行する日刊の夕刊スポーツ新聞です。
「想像を超えた創造力で驚きと喜び、笑いと夢を生む進化型メディア」というのが企業理念で、その独自性や取材力に評判があります。
プロレスや競馬の記事が多いですが、今回の企画のように、生活のお役立ち情報なども掲載しています。
今回の記事の内容
今回のテーマは「寝苦しい熱帯夜に役立つ快眠術」というお役立ち情報です。
私からは、以下の点についてご紹介させていただきました。
- 湿度・温度の調節方法
- 蒸れにくいマットレスの条件
- 最新のマットレス情報
結論をまとめると、以下の通りです。
- 夏場の温度調節としては「接触冷感系」の寝具がおすすめ。特に敷パッドは手軽に寝心地を改善できます。吸水性と通気性の両方のバランスが取れた商品を選びましょう。
- 最も蒸れにくいのは「ファイバーマットレス」(エアウィーヴさんなどでおなじみの素材)。ファイバーはほぼ空気の層で出来ているので、通気性が抜群です。ただし、スプリングコイルやウレタンマットレスでも通気性が良い構造もあります。また、体の近くに来るマットレスのカバー自体の吸湿・吸水性によってもマットレス全体の蒸れにくさが変わるので、カバーの素材にも着目しましょう。
- 最近では自動で温度調節してくれる素材(PCMなど)もマットレスや枕に採用されることも増えてきました。また、グラファイトといった鉱物を混ぜて熱伝導性を高めている商品もあります。
ご紹介したおすすめ商品(マットレス&枕)
「蒸れにくさ」という点で、特に優れていると思う商品を2つご紹介しました。
蒸れにくいおすすめの掲載商品
- 篠原化学「快眠タイムズ マットレス」
- コアラスリープジャパン「コアラリフレッシュピロー」
紙面上の都合で商品のことを詳しくご紹介できませんでしたので、以下よりおすすめ商品の特徴や選定理由を補足します。
掲載商品① 快眠タイムズ「快眠タイムズ マットレス」
愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。
芯材のウレタンフォームは低反発+高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性も抜群なので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめ。さらに60日のお試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。
サイズ | シングル~クイーン |
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硬さ | やや柔らかめ |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 50,000円~ |
なぜ、このマットレスがおすすめか
本商品は2022年8月17日より「オアシスマットレス」から「快眠タイムズ マットレス」に商品名が変更されました。
本商品はウレタンマットレスです。
しかし、ウレタンマットレスはどちらかと言うと「蒸れやすいマットレス」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんね。実際、一般的にはその通りです。
しかし、私が快眠タイムズ マットレスを「あえて」おすすめしたのは、温度・湿度調節機能、通気性がとてもよく考えれられている商品だからです。
羊毛入りの「呼吸するカバー」
快眠タイムズ マットレスで特に素晴らしいと思ったのはカバーの仕様です。
まず、この価格帯のマットレスでは珍しいメリノウール(羊毛)を中糸に使用しています。
羊毛は独特のちぢれ(クリンプ)によって、優れた保温性や吸湿・放湿性、弾力性があることが特長。
さらに、羊毛は外部の湿度に応じて水分量を調整する性能(調湿性)があり、汗をかいたときのベトツキ感が少なく、しかも冷たさを感じさせません。
要するに羊毛とは夏は涼しく、冬は暖かいという優れた素材なのです。
また、カバー表生地はテンセル™ファイバーを100%使用しています。
テンセルは植物(ユーカリ)から作られる天然素材由来の再生繊維のことで、吸湿・速乾性に優れていてムレにくくなめらかな質感が特長です。
カバーだけでも売って欲しいと思えるほど、優れた仕様です。
「オープンセル構造」「ピンホール加工」のウレタンフォーム
芯材のウレタンフォームには通気性を高めるため、表層を空洞が多い「オープンセル構造」と、2層目まで小さな丸い穴が沢山ある「ピンホール加工」を施しています。
オープンセル構造 | ピンホール加工 |
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さらに3層目のウレタンフォームにあるゾーニング(体の位置によって硬さを変える仕様)の空洞は、通気孔の役割を担います。
結果的に、カバーの温度・湿度調節と、芯材の通気構造によって、ウレタンマットレスなのに蒸れにくい仕様になっているのです。
ちなみにウレタンマットレスの魅力と言えば、豊かな反発性(低反発や高反発)、なめらかさ、振動の伝わりにくさ、軽量さなどがあります。
むしろ「蒸れやすさ」というのが数少ない弱点で、上記のとおり、たくさんの魅力がある素材でもあるのです。
今回は『ウレタンマットレスでも工夫すれば、蒸れにくい寝心地を作れるんです!』という良い例として、快眠タイムズ マットレスをご紹介させていただきました。
掲載商品② コアラスリープジャパン「コアラリフレッシュピロー」
オーストラリア発の寝具ブランド「コアラスリープ」のオリジナル枕。コアラスリープといえば「コアラマットレス」が有名です。コアラスリープの枕は現在3種類あり、本商品はハイグレード仕様という位置づけ。特徴はPCMによる自動温度調節とジェルによる接触冷感、ピンホール加工による通気性の良さです。なお、120日のお試し期間付きなので、気軽に試せることも魅力。
サイズ(cm) | 63×41×11 |
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反発性 | 低反発 |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 16,000円~ |
なぜ、この枕(ピロー)がおすすめか
上の特徴のところでもご紹介していますが、本商品はPCM※による自動温度調節とジェルによる接触冷感、さらにピンホール加工による通気性の良さという、まさに『これぞ、夏におすすめの枕!』という機能を揃えているからです。
※PCM・・・相変化材料と言われ、設計温度に自動調節してくれる素材のこと。人が快適に感じる寝床内温度は33℃±1℃と言われているため、寝具においてはこのあたり(33℃前後)をPCMの設計温度にしていることが多い。
ちなみに、接触冷感のジェル素材は片面のみに塗られているので、ヒンヤリしたくない冬場などは、裏返しにすることで1年中快適に使用できます。
なお、カバーは吸湿性に優れたテンセル™リヨセル繊維を63%配合した素材を使用しています。
さらに表地はメッシュ生地なので、通気性が抜群です。
寝心地としては、低反発タイプなので頭のホールド感も高く、安定した寝姿勢をサポートしてくれます。
120日のお試し期間が付いているので、頭付近の蒸れが気になる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
東京スポーツ新聞の特集でご紹介した内容の補足をさせていただきました。
今回は夏の寝具特集でしたが、夏に限らず、寝具は「蒸れにくさ」が大切です。
睡眠時には、深部体温という脳や内臓の温度をスムーズに下げられることが、より深い睡眠を得られるという検証結果もあり、「蒸れにくさ」は重要なのです。
また、意外と見落としがちなのは、カバーの仕様です。
吸湿・放湿性があったり、温度調節がしやすい素材かどうか、よくチェックしてみてくださいね。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。