通気性・反発性が優れた新素材
この記事ではマットレスの新しい素材として注目の「ポリマー」についてご紹介します。
ポリマーの特徴やメリット・デメリット、おすすめ商品などを詳しくまとめますので、マットレス選びで迷っている人はぜひご参考いただけますと幸いです。
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目次
ポリマーとは?
ポリマーという言葉自体は「重合体」という意味ですが、マットレスの素材におけるポリマーとは「ゴムのような樹脂素材」とお考え下さい。
ポリマー素材の名称はメーカーによって異なり、「TPE(ThermoPlastic Elastomer=熱可塑性エラストマー)」や「ハイバーエラスティックポリマー(超高弾性ポリマー)」と呼ばれることもありますが、基本的に同じ特徴を兼ね備えています。
- TPE(熱可塑性エラストマー)
- ハイパーエラスティックポリマー(超高弾性ポリマー)
など ※これらは基本的には同じ特徴を持つ素材です
この記事では、総合して「ポリマー素材」と呼びご紹介します。
ポリマー素材の特徴
ポリマー素材は「超高弾性ポリマー(ハイパーエラスティックポリマー)」と呼ばれることもあるとおり、ゴムのような高い弾力が特徴。素材自体の耐久性が非常に高く、10年以上の耐用年数があることもメリットです。
なお、ウレタン等の化学物質を使った素材と違い、ポリマー素材は水(ジェル)を主成分とし、食器などにも利用されることがある安全性が高い素材です。
ポリマーマットレスの特徴
マットレスで使われるポリマー素材は、基本的にグリッド(格子)構造にされています。
ポリマーマットレス(ポリマー素材×グリッド構造)における特徴は以下のとおりです。
- 寝返りしやすい
- 通気性が抜群
- 振動が伝わりづらい
- どんな姿勢でも寝やすい
1. 寝返りしやすい
ポリマー素材の最大の特徴は弾力性の高さです。
弾力性(反発性)が高い素材は、体の動きへのサポート力があり、寝返りがしやすいというメリットがあります。
また、グリッド構造は斜め方向への反発も効くため、さらに寝返りの後押しをしてくれます。
2. 通気性が抜群
グリッド構造は空気の層が多く含まれるため、通気性が抜群に良いです。
体に触れる面が空気の層になることで、湿気を逃しやすく、適度な保温性もあるという優れた機能があるのです。
『できるだけ蒸れにくいマットレスが欲しい』という人には特におすすめです。
3. 振動が伝わりづらい
グリッド構造は衝撃を周辺に伝えづらいです。
よって、隣でパートナーが寝ているときの動き(振動)が伝わりづらいため、特に二人で寝る人におすすめの素材です。
ちなみに、ウレタンマットレス(特に低反発系)で、衝撃の伝わりづらさを伝えるために「ワイングラスが倒れない」というパフォーマンス(ワインチャレンジ)を行っているメーカーも多いですが、ポリマー素材×グリッド構造の方が圧倒的に揺れにくいです。
ポリマータイプのマットレスの衝撃吸収性については、以下の動画をご参考ください(音声なし)。
以上のとおり、花瓶のすぐとなりでジャンプしてもほとんど揺れません。
4. どんな姿勢でも寝やすい
ポリマー素材の面白いところは、仰向きと横向きで硬さの感じ方が変わることです。
これは、グリッドが押しつぶされると横に倒れるため、縦方向の反発力が失われ、感触が急にソフトに感じやすいためです。
よって、仰向き寝(沈み込みが浅く、設置面積が広い)では、グリッドが横に倒れるほどの荷重は集中しづらいため、押し返す力を強く感じ、結果的に「硬め」に感じます。
一方、横向き寝(沈み込みが深く、設置面積が狭い)では、肩やおしりに荷重が集中することで、その部分のグリッドが横に倒れ、結果的に深い沈み込みでも圧迫感が少ない程度の硬さ(ふつう程度)に感じます。
これは「グリッド構造×ポリマー」ならではの特徴です。
以上のとおり、どんな寝姿勢でも対応しやすいというのが大きなメリットのひとつと言えます。
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ポリマーマットレスのデメリット・注意点
1. 重い
ポリマー素材は重いです。
たとえば、薄型タイプのポリマーマットレス(写真はヒツジのいらないマットレス)の場合、重量はシングルサイズで約17kg。これは薄型ではない一般的なベッドマットレスの中で考えても比較的重いタイプと言えます。
ポリマーの使用量によって、重量は変わりますが、基本的には重いものとお考え下さい。
2. カバーの「厚さ」に注意
基本的にポリマー素材は、マットレス表層(カバーのすぐ下)に配置されますが、カバーの生地が薄すぎると、グリッドの存在感が気になる場合もあります。
よって、カバーの厚さに配慮した商品を選びましょう。
3. 「下層の素材」によって寝心地・耐久性が変わる
基本的にポリマー素材だけのマットレスはなく(ポリマーだけで作ると重すぎたり、価格が高くなりすぎるため)、ポリマーの下の層に異素材を組み合わせて作られています。
組み合わされる素材は、ウレタンフォームやファイバーなどが多いです。
なお、ポリマーの厚さはだいたい3cm程度が多く、体の沈み込みや荷重は下層にも到達するため、下層にどのような素材が使われているか?という点も注目しましょう。
ちなみに、ポリマー素材の耐久性は非常に高いですが、ウレタンフォームやファイバーは比較的ヘタリやすい(ウレタンは硬さの低下率が高く、ファイバーは復元率が低いという特徴がある)ため、下層の仕様によって、マットレス全体の耐久性が変わります。
その他、ポリマーマットレスの情報
硬さは?
ポリマー素材単体の硬さは、基本的には厚くなるほどやわらかくなることが特徴ですが、同じ厚さでもメーカーによって硬さが微妙に変わることもあります。
しかしながら、ポリマー素材のみで構成されるマットレスはほとんどなく、荷重は下層(ウレタンフォームなど)にも到達するため、実態としては下層素材の硬さにも影響されます。
なお、基本的にマットレスで使用するポリマー素材は3cm程度の硬さが多く、これは感触としては「少し硬めくらい」の寝心地です。
なお、上でご紹介したとおり、グリッド構造の場合は仰向き・横向きで硬さの感じ方が変わる(仰向きでは硬く、横向きではやわらかめに感じる)こともポリマーマットレスの面白い特徴です。
メンテナンスは?
ポリマー素材単体の場合、水を主成分としていることもあり、水洗いができるものがほとんどです(食器で使われることもある素材ですので)。
しかし、下層にウレタンフォームなどを使っている商品は、マットレスとして考えた場合、水洗いはできません。
なお、ポリマー素材は復元率と硬さ保持率が高い(要するにヘタリにくく、硬さがかわりにくい)という特徴があるため、あまり頻繁にローテーションなどをしなくてもよいのですが、こちらも下層に組み合わせる素材を考えると3か月に1回くらいはマットレスの上下を回転(ローテーション)させて使うことをおすすめします。
体圧分散性は?
マットレスのポリマー素材は基本的にグリッド構造をしているため、体圧分散性はかなり高いです。
体圧分散性が高いマットレスの特徴は、大雑把に言うとやわらかめで、点で支える構造しています。
グリッド構造は、数千のポイント(点)で体を支え、ポリマー素材の感触はやわらかめだからです。※寝姿勢時には反発力の高さにより硬く感じやすいです
しかしながら、体圧分散性が高い=良い商品というわけではないので注意が必要です。
体の痛みを感じない程度の体圧分散は必要ですが、その体圧分散性の高さ(低さ)が「あなた(の寝姿勢や好み)にとって最適かどうか」というのは非常に見極めが難しいのです。
また、人の体圧分布というのは、メンタル・フィジカルで変わるため、何をもって体圧分散性が優れているかというのは科学的に証明ができません。
よって、販売ページで見かける体圧分散性の比較画像は、それ自体ではあまり意味がなく、スルーしても良い情報です。
「体圧分散性」という言葉は「高い=良い」という誤解が生まれやすいです。あなたがもし「体圧分散性の高さ」を重要視している場合はくれぐれもご注意ください。
【比較】他の素材との違い(スプリングコイル・ウレタン等)
マットレスは商品によって、仕様が大きく異なるので、良し悪しは一概に比較できませんが、傾向として「耐久性」「通気性」「揺れにくさ」「重量」という4つのわかりやすい項目の違いをまとめると以下のとおりです。
素材 | 画像 | 耐久性 | 通気性 | 揺れにくさ | 重量 |
---|---|---|---|---|---|
ポリマー | 〇 | ◎ | 〇 | ×(重い) | |
ボンネルコイル | △ | 〇 | × | △ | |
ポケットコイル | 〇 | △ | 〇 | × | |
高密度連続スプリング® | ◎ | 〇 | △ | △ | |
ウレタンフォーム | △ | × | 〇 | 〇 | |
ファイバー | △ | 〇 | 〇 | × | |
ラテックス | 〇 | × | × | △ |
以上のとおり、ポリマー(グリッド構造)は、素材としてはかなり優秀です。
ですが、他の素材でも商品によって大きく特徴は変わりますし、ポリマーマットレスは別の素材(下層)と組み合わせて出来ていることが多いので、あくまで大雑把な参考としてお考え下さい。
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【厳選】おすすめのポリマーマットレス 2選
ポリマーマットレスはまだかなり数が少ないですが、当サイトで検証済み&良質な商品だと思ったマットレスをご紹介します。
1. エマ・スリープ「エマ・ラグジュアリー」
無料トライアル付き
ドイツ発の寝具ブランド「エマ・スリープ」の最高峰モデル。表層の詰め物にポリマーを搭載したポケットコイルマットレスです。
詰め物にはポリマーの他、低反発ウレタン、高反発ウレタンなどが積層された多層構造タイプなので、奥行きあるリッチな寝心地が得られます。
うれしいのが100日の無料お試し期間があること。
ポリマーマットレスは、寝心地を体験したことがある人も少ないと思いますし、多少独特な寝心地なので合う・合わないが出やすいと思われるため、無料で試せるというのは大きなメリットです。
『ポリマーマットレスが気になるけど、自分に合うか不安』におすすめです。
また、定価は高いですが、セールの頻度が高いので、セールを狙うのがおすすめです。
メーカー | エマ・スリープ |
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サイズ | シングル~キング |
クッション材 | ポリマー、高反発ウレタン、低反発ウレタン、ポケットコイル |
硬さ | ソフト |
価格(Sサイズ) | 280,000円 |
保証期間 | 10年 |
無料トライアル | 100日 |
2. ヒツジのいらないマットレス
通気性と反発性の高さで選ぶならコレ
株式会社太陽(日本)のオリジナルマットレス。使用しているポリマー素材はTPE(熱可塑性エラストマー)という名称です。
このマットレスのTPEには活性炭が練り込まれていて、汗臭や加齢臭(アンモニアや酢酸が含まれた臭い)を吸着する効果があるので、臭が気になる人にもおすすめです。
厚さ7cmの「薄型マットレス」で、下層にファイバー素材を使っていることが特徴。グリッド構造のTPEとファイバーの組み合わせは、空気の層が多く、すべてのマットレスの中でも特に通気性が良い仕様と言えます。
よって『とにかく通気性が良いマットレスが欲しい』という人におすすめです。
メーカー | 株式会社太陽 |
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サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | 活性炭TPE(熱可塑性エラストマー)、ポリエチレンファイバー |
硬さ | やや硬め |
価格(Sサイズ) | 66,000円 |
保証期間 | 1年 |
お試し期間 | なし |
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
マットレスの注目素材「ポリマー」(TPEやハイパーエラスティックポリマーとも呼ばれます)をご紹介しました。
素材としては、弾力性(反発性)・耐久性の高さが特徴です。
また、ポリマーはマットレスにおいてグリッド構造が採用されることが基本なので、通気性・衝撃吸収性(揺れにくさ)においても非常に優れています。
体圧分散性も高いので体が痛くなりにくく、どんな寝姿勢にも合いやすいという点もメリットと言えるでしょう。
唯一のデメリットと言えるのが重さです。
なお、ポリマーのみで構成されるマットレスはほぼなく、基本的にウレタンフォームやファイバー(ポリエチレン樹脂など)と組み合わせて作られるため、ポリマー以外の素材の品質によって、寝心地や耐久性へ影響があるので注意しましょう。
ポリマーは素材の特徴(反発性・通気性・揺れにくさ等)的に、マットレスの芯材というよりも、詰め物の一部(最上層)の素材として適しているので、これからいろいろなメーカーのマットレスに搭載されていくのも楽しみですね。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。