体圧分散性の正しい知識をご紹介
この記事では、マットレスの「体圧分散性」についてご紹介します。
「体圧分散(たいあつぶんさん)」は、マットレス選びをしていると、必ずと言っていいほど見かける言葉ですね。
しかし、結論から言うと、体圧分散性の高さ(低さ)は、寝心地の良し悪しとは関係ありません。
よって、体圧分散性のうんぬんは、無視しても大丈夫です。
体圧分散は誤解が多い言葉ですので、正しい知識を身につけることで、あなたのマットレス選びが成功に近づきます。気になる人はご参考くださいね。
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目次
体圧分散とは
体圧とは「マットレスから体にかかる圧力」のこと。そして、マットレスからの圧力を分散させることを「体圧分散」と言います。
体圧分散性が高いマットレスは、マットレスからの圧力に対する痛みを感じにくいというメリットがあります。
体圧分散性は「硬さ」と関係が深い
体圧分散性は、マットレスの硬さに大きく影響されます。
基本的に、寝心地がやわらかくなるほど体圧分散性は高くなり、逆に硬すぎるマットレスは、体圧分散性は低いです。
やわかいマットレス | 硬いマットレス |
---|---|
体圧分散性が高い | 体圧分散性が低い |
「体圧分散性が高い=良いマットレス」ではない
体圧分布図を使って『このマットレスは体圧分散性が高いから寝心地が良いです』といったアピールをよく見ますが、これは間違ったセールストークです。
マットレスの販売ページでは、上のような体圧分散図を見せて、『赤や黄色の部分が少なく、緑や青の部分が多いほど、体圧分散性に優れたマットレスで、均一に体圧が分散されるため寝心地が良くなります。』といった説明をしていることが多いです。
しかし、これは誤解を生む表現です。
体圧分散にエビデンスは存在しない
実は「どれくらいの体圧分散性が身体に良いか?」というメカニズムまで踏み込んだエビデンスは存在しません。
なぜなら、体圧分布は人によって異なりますし、同じ人(自分自身)でも精神状態や疲れ等によって、体圧は刻一刻と変わります。
つまり、「体圧分散性が優れている」という表現は、何の根拠もないのです。
体圧分散性が「高い」と言うのなら客観的事実のため、間違いではありません。
しかし、体圧分散性が高すぎると寝心地は悪いです。 ※その理由は後述します
体圧分散性のアピールは、ただ単に「こういう体圧分散のデータの人がこういうマットレスで寝たらこうだった」というだけのことで、当たり前ですがそのデータは全員には当てはまりません。
なぜ、体圧分散が必要か?
体圧分散が必要な理由は「体圧が分散されていない状態」を考えるとわかりやすいです。
例えば、コンクリートの上に裸で寝てみるとします。これはほぼ体圧分散されていない状態です。
体圧が分散されないと、大きな圧力がかかる背中やお尻の部分の血液が滞ったり、痛みを感じる原因になります。
そして、血液を流したり、痛みを回避するために、人は寝返りを打ちますが、圧力がかかりすぎると寝返りの回数が増え、結果として睡眠が妨げられるのです。
つまり、余計な寝返りを減らすことが体圧分散が必要な理由のひとつです。
『だったら、完璧に体圧分散させるマットレスが、良いマットレスなのではないか?』
という発想が誤解のもとなのです。
体圧分散が高すぎるとどうなるか?
(完璧な体圧分散は現実的には考えにくいので、例え話になります)
例えば、特大のお餅の中に寝てみるとしましょう。これはかなり体圧分散性が高い状態です。するとどうなるでしょう?
たしかに血液の滞りは少なくなりますが、体感としては気持ち悪くて眠れません。
人間の体は敏感なところと鈍感なところがあり、圧力がかかりやすいところは鈍感にできています。
そして、感度が違うのにも関わらず、均一に圧力を分散してしまうとかなり気持ち悪く感じます。要するに「高すぎる体圧分散性は悪平等を生む」ということです。
また、体圧分散性が高すぎるマットレスは、体の重い部分が沈み込むので、寝姿勢が崩れます。
すると背骨のカーブ(生理湾曲)が歪み、背骨周辺の筋肉が緊張したまま寝るため、体の痛みにつながります。
体圧分散性が高いマットレスは、圧迫感(圧力)に対する痛みは少ないです。
しかし、寝姿勢が崩れることで、別の痛み(筋肉の緊張、不快感など)が発生する可能性があります。
【体圧分散性が気になる人向け】マットレス選びの失敗しないコツ
1. 「少し硬め」が無難
自分自身でも体圧分布が変わるので、いくら試して購入しても本当に自分に合うマットレスを選ぶのはとても難しいですよね。
そのため、体圧分散性が気になる人のマットレス選びで大切なのは「調節しやすい」ことです。
ポイントは、自分が思っているよりも「硬め」を選ぶこと。もし硬いと感じたら厚手のパッドやトッパーなどでやわらかく(体圧分散性を高く)調節できるからです。
メーカーのカタログや販売ページなどで硬さを表現している場合、「少し硬め」くらいの寝心地がおすすめです。
逆に、始めからやわらかすぎるマットレスは要注意です。なぜなら、後から硬く調節しにくいからです。(一般的に寝心地を「それ以上硬く」調節するのは困難です)
なお、基本的にマットレスは経年変化でやわらかくなるものです。
つまり、使っていくうちにやわらかくなるので、「慣れ」の問題も含めて、はじめは少し硬めくらいの寝心地を選ぶのがおすすめです。
2. 「トライアル付き」もおすすめ
トライアルとは、マットレスを購入後、気に入らなかった場合、一定期間まで返品・返金の保証が受けられるサービスのこと。
主にオンライン限定のマットレスに付いていることが多く、要するに「試し寝」が出来ないマットレスを気軽に試してもらい、そのうえで気に入らなかったら返品しても大丈夫ですよ。という主旨のサービスです。
最近では100日以上の長期間のお試しができるマットレスが増えてきているので、季節をまたいで自分の体圧分布に適しているかじっくりと試せるため、硬さ選びに不安の人はぜひご検討ください。
トライアル付きのマットレスは、基本的に少し割高です。(返品リスクがマットレス本体代に上乗せされているため)
よって、安心感を得たい人はトライアル付きがおすすめですが、価格を重視する人は、トライアルなしのマットレスを探した方が良いでしょう。
その他、体圧分散性に関する情報
1. 「荷重分散」との違い
マットレスの性能のひとつに「荷重分散性」という言葉があります。
「体圧分散」と混合しやすいので整理すると以下のとおりです。
体圧分散性 | 荷重分散性 |
---|---|
体にかかる圧力を分散する →マットレスの表層(詰め物など)が担う | マットレスにかかる体重を分散する →マットレスの低層(クッション層)が担う |
図にすると以下のような感じです。
荷重分散性が高さは、マットレス自体の耐久性の高さに直結します。
体圧分散性のような「体圧分布図」的なものはないので、わかりづらいですが、荷重分散性が高いマットレスとは「クッション層が厚いマットレス」です。
よって、単純に言うとマットレスが厚くなるほど荷重分散性は高くなります。
ただし、メーカーによって表現は異なり、「クッション層で体圧分散をする」というメーカーもあります。
しかし、そうしたメーカーのマットレスは、詰め物が薄く、マットレスの表層部分までクッション層があるため、「クッション層で体圧分散と荷重分散、両方行う」という仕様なのです。
2. 「反発性(寝姿勢保持)」との違い
(販売ページなどにある)体圧分散性のアピールで、「体を均等に持ち上げる」と言った表現もあったりしますが、これは反発性と混合しています。
「体を均等に持ち上げる」のは、高反発マットレスのメリットでもある「寝姿勢保持性」によるものです。
寝姿勢保持の目的は、体の自然なS字カーブ(生理湾曲)を維持し、立っている時と同じような寝姿勢を実現することです。体圧分散とは関係ありません。
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【多くの人に合いやすい】体圧分散マットレス 1選
万人に適した体圧分散性は存在しませんが、逆の発想で、どんな人が寝ても似たような体圧分散性が発揮できるマットレスがあります。
それが、源ベッドと当サイトが共同開発した「咲夜ハイフィール」という薄型マットレスです。
1. 源ベッド×悠デザイン「咲夜ハイフィール」
寝心地・感触の良さを追求
当サイト(運営:株式会社悠デザイン)と、国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。
『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』を目指し、薄型タイプでは珍しい3層構造、表層には超高密度・高反発フォームを採用しています。
3層構造ならではの体圧分散・寝姿勢保持・荷重分散のバランスの良さと、高反発ならではの寝返りサポート性が高い寝心地が実現されていて、約4万円から買えるコストパフォーマンスの良さが魅力です。
Uniform Pressure Technology(均一的な体圧分散技術)
咲夜ハイフィールは「どんな体型でも似たような体圧分散性を得られる」という珍しい特徴を備えています。
芯材が3層のウレタンフォームで構成されていて、中間層(ハードウレタン)が薄いため、下層に荷重が伝わりやすく、荷重を調節しながら分散します。
さらに、下層よりも硬い中間層はつぶれにくいため、どんな人でも硬さの感じ方が似たような印象を得らる(つまり、似たような体圧分散性が得られる)という構造なのです。
体圧分布は同じ人でも精神状態や疲れ等によって、刻一刻と変わっていくものです。
つまり、さまざまな体型に対して、似たような体圧分散性が実現できるということは、「常に安定的な寝心地が提供できる」と言えます。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発(反発弾性率60%) |
クッション材 | 3層ウレタンフォーム |
価格 | 39,900円~ |
その他 | 片面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ |
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まとめ
いかがでしたか。
マットレスの「体圧分散性」についてご紹介しました。
冒頭でもお伝えしましたが、体圧分散性のアピールは寝心地の良さと関係ないので、無視しても大丈夫です。
体圧分布図の比較によって『こんなに分散されました』と、わかりやすいメリットに感じやすいので、多くのメーカー(ネットショップが多い印象)で繰り広げられていますが、そもそも体圧分散性の高さはメリットではありません。
もちろん、体が痛くなるほど硬いマットレス(体圧分散性が低すぎるマットレス)に寝ているのは良くありませんが、逆にやわらかすぎるマットレス(体圧分散性が高すぎるマットレス)で寝ると、感覚的にも気持ち悪く、寝姿勢が崩れます。
そこで、当サイトとしては、迷ったら「少し硬め」のマットレスをおすすめしています。もし硬かったら、敷きパッドやトッパーなどでやわらかく調節しやすいからです。
ご参考いただけたなら幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
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