マットレスの検証

『このマットレス、星4以上だから安心かな』

と、口コミの評価を信じてマットレスを選ぶ人もいますよね。

たしかに、評価は低いよりも高い方が、『多くの人が気に入っている』と考えられるため、失敗しない可能性が高いとも言えそうです。

しかし、『星4つ以上ならいいかな』『寝心地が良いって書いてる人が多そうだな』など、評価のイメージだけで選んでしまうと失敗することもあるため、注意が必要です。

この記事では、マットレス選びに失敗しないための口コミ(レビュー)を読むコツをご紹介します。ぜひご参考くださいね。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

> プロフィールはこちら

※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益をサイトの運営費に充てています

失敗しない口コミ(レビュー)の見方とは

マットレスの体験

口コミ(ユーザーレビュー)を見るときに、参考にすべきは高評価ではなく低評価です。

マットレスにおける高評価の口コミは、おおむね「寝心地が良い・満足」といった内容がほとんどですが、この感想は基本的に自分の基準が前提です。

そして、「自分の基準」は人それぞれで、予算(購入金額)に対する感覚もバラつきがあるため、コストパフォーマンスの判断も当然バラつきます。

よって、高評価の口コミは本質的には、あまり参考になりません。

一方、低評価の口コミは、主観的な寝心地(の悪さ)のコメントもありますが、具体的・客観的なコメントも多いことが特徴です。

結論から言うと、失敗しないためには以下の3つに注目しましょう。

口コミ(レビュー)を見るコツ
  1. 不満足度の比較
  2. 不満足の内容と傾向
  3. 直近の傾向

1. 不満足度(低評価の割合)の比較

不満足度の調査例
不満足度の調査例(この場合はBの不満足度が低い)

レビューの総合評価(星の数)に注目し、たとえば、食べログなら星3.5以上、Amazon・楽天なら星4.0以上、といった具合で判断の基準にしている人もいるのではないでしょうか。

それは間違いではありませんが、「失敗しないこと」を重要視した場合、総合評価(星の数)よりも「低評価の割合=不満足度」に注目すると良いです。

不満足度は、星5点満点中、星3(もしくは星2)以下の割合のことです。

椚大輔椚大輔

不満足(低評価)の基準を「星3以下」とするか、「星2以下」とするかは、価格帯で決めるのがよいでしょう。

ざっくりですが、3万円前後以下の安いマットレスの場合、「価格が安いからこんなものかな」といった感覚があるせいか、星3でも高評価なコメントが多く、一方、5万円前後以上の高めのマットレスだと、期待値が高いため、星3でも低評価なコメントも多い印象です。

総合評価が同じくらいでも、不満足度に差が出ることもある

レビューの総合評価(星の数)で、例えば4.55と4.65では、そこまで差を感じませんね。

しかし、このたった0.1の差でも、不満足度を比較した場合、2倍以上の差が出る場合があります。

参考までに、以下が楽天市場で人気の「タンスのゲン」と「モダンデコ」の三つ折りマットレスの総合評価(星の数)と不満足度(低評価率)です。

メーカー タンスのゲン モダンデコ
画像 タンスのゲン「純高反発マットレス」 モダンデコ「高反発10cm」
総合評価 4.43 4.54
不満足度(星2以下) 4.2% 2.0%

※2024年4月14日10時 集計

このとおり、総合評価ではそこまで差がなさそうに見える両モデルですが、不満足度は2倍以上の差があります。

この場合、タンスのゲンの方が失敗する確率が2倍以上高いとも考えられるので、不満足度の比較は大切なのです。

椚大輔椚大輔

特に特徴が似たマットレス同士を比較する際に不満足度は役に立ちます。

なぜなら、マットレスの特徴が似ているほど、購買しているユーザーの属性も近くなると考えられるからです。

2. 低評価(不満足)の「内容」

不満足の内容
不満足の内容の例(Excelなどで簡単に集計してみるのもおすすめです)

低評価の内容においても『体が痛くなった』『自分には合わなかった』といった、具体性がなく原因究明が難しいコメント(上のグラフの「その他」)が中心です。

しかし、以下のような具体的・客観的な問題がコメントされている場合、そもそもの品質の悪さが原因で発生している可能性があります。

品質の低さによる問題 意味
ヘタリやすい 劣化により形状が変化する
復元しない(厚さが足りない) 圧縮梱包の場合、開封で膨らみ切らない
ニオイがくさい 低品質な原料や不純物が多いと臭くなりやすい
やわらかすぎる(沈み込みやすい) 荷重を支えられない強度
バネ当たり 適切な詰め物の量がない
底付き 寝ると床の存在が気になる

品質が低いマットレスは、耐久性も寝心地も悪いことがほとんどなので、絶対的に避けた方が良いでしょう。

低品質なウレタンマットレス
低品質なウレタンマットレスの例(開封時に元の厚さに戻らない)

逆に、低評価の内容がマットレスそのものと関係がない場合、あまり気にしなくてもよいこともあります。

マットレス以外の問題による低評価例 補足
納期が遅い セールなどの注文殺到時に発生
高く買ってしまった 購入後に値下げ(セールなど)が行われた
対応が悪い カスタマーサポートの満足度
配送時の状態が悪い 配送時のトラブル
誤配送(違うものが届く) メーカー側の出荷ミス(かなりイレギュラー)

もちろん、以上のような内容が多発しているのは問題ですが、少数・限定的の場合がほとんどです。

3. 最後に「直近の傾向」

口コミは、基本的に累計しているので、商品(特にロングセラーの人気モデル)によっては、数年前の古い口コミも総合評価に影響しています。

よって、ざっくり半年くらいの直近の傾向もチェックした方が良いです。

たとえば、数年前に大きなトラブル(製品不良や配送遅延など)に見舞われた商品は、過去の大量の低評価が、現在の総合評価の足を引っ張っている場合もあります。

しかしながら、すでにトラブルが解決されている場合は、気にしなくてもよい問題です。

ちなみに、上でご紹介したモダンデコの三つ折りマットレスは、2020年5月以前にニオイが大きな問題で低評価を集めていました。

しかし、2020年6月以降はニオイに言及する人がほとんどいなくなったため、ニオイ問題は改善されていると考えてもよいでしょう。

累計 2020年6月以降
累計 2020年6月以降

※2024年4月14日10時 集計

特に「激安マットレス」は低評価をチェックしよう

激安マットレス

目安として、1万円台以下で買えるマットレスは、基本的に素材の品質も低いです。

素材が品質が低い場合、完成したマットレスの個体によって品質のバラつきが出やすいので、特に低評価の情報をチェックした方が良いでしょう。

激安マットレス(低品質マットレス)で見られる代表的な不満足(低評価)は以下のとおりです。

激安マットレスに多い不満足
  • ヘタリやすい(1年以内)
  • 復元しない(公表値の厚さにならない)
  • 沈み込みやすい
  • ニオイがくさい

以上は、基本的に原料や生産の品質が悪いことで発生します。

よって、上記の低評価コメントの割合が明らかに多い(また、直近でも改善が見られない)場合は、そのマットレスは避けた方が良いでしょう。

まとめ

マットレスの検証

いかがでしたか。

マットレスを選ぶ際に失敗しないための口コミ(レビュー)を読むコツをご紹介しました。

単純に『星4以上だから安心かな』と思ってマットレスを選んでしまうのは注意が必要です。

特に似た特徴の商品で検討している場合、「不満足度(低評価率)」と「不満足の内容」「直近の傾向」を比較しましょう。

椚大輔椚大輔

そもそも『どんなマットレスを選べば良いかわからない』という人は、以下の記事でマットレスの選び方と、当サイトで検証済みのおすすめマットレスをご紹介しているので、ご参考くださいね。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。