タンスのゲンVSモダンデコ、どっちがおすすめ?

激安マットレス対決に終止符を打ちます

この記事では、激安マットレスの2大巨頭、「タンスのゲン」と「モダンデコ」の三つ折りマットレス(高反発)を比較します。

比較するマットレス
タンスのゲン「純高反発 10cm」モダンデコ「高反発 10cm」
タンスのゲン「純高反発マットレス」モダンデコ「高反発10cm」

比較・レビューのために、自費購入しました。

タンスのゲン「純高反発 10cm」モダンデコ「高反発 10cm」
タンスのゲン「純高反発 10cm」※梱包状態モダンデコ「高反発 10cm」※梱包状態

実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考くださいね。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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タンスのゲン・モダンデコ、2モデルの特徴

タンスのゲンとモダンデコ(体験)

『とにかく安いマットレスがいい』と考えてマットレスを探していると、必ずと言っていいほど、数千円で買える激安の三つ折りマットレスにたどり着くと思います。

そして、この記事で取り上げるタンスのゲンモダンデコの三つ折りマットレスは、激安ジャンルの中でも、特に売れている2モデルです。

まずは、それぞれの違いを表にまとめます。

メーカータンスのゲンモダンデコ
画像タンスのゲン「純高反発マットレス」モダンデコ「高反発10cm」
レビュー総数16,405件7,627件
タイプ三つ折りマットレス
厚さ10cm
重量
(Sサイズ)
約6kg
密度25D
復元率98.7%98.5%
硬さ190N
生地パイル生地、メッシュ生地(2パターン)
エコテックス®
(パイル生地のみ)
×
低ホルムアルデヒド
価格
(Sサイズ)
6,999円
リンク楽天市場楽天市場

※2024年4月7日 10時集計(楽天市場)

以上のとおり、ほとんど同じ仕様です。

それぞれの特徴については、以下のレビュー記事で詳しくご紹介しています。

専門家専門家

なお、「純高反発」はタンスのゲンが付けた商品名で、両方とも同じような素材を使ったウレタンマットレスです。

激安三つ折りマットレスの特徴・注意点・選び方

モダンデコ

「激安の三つ折りマットレス」というジャンルはすごく人気で、作り手(メーカー)がこぞって参入しているため、似た商品がとても多いです。

激安マットレスの共通した特徴

マットレスの三つ折り

よく見かける激安マットレスは、以下のとおり、基本的にほとんど同じ仕様です。

激安マットレスの共通した特徴(仕様)
  1. 三つ折り
  2. 厚さ10cm
  3. 高反発
  4. 190N(かため)
  5. 密度25D
  6. 5,000~6,000円台

以上が「売れる構成」とされていて、参入するメーカーは深く考えずに、この特徴をできるだけ安く作ってくれるマットレス工場(主に海外)を探して開発するという流れが基本です。※よってマットレス専門でないメーカーも多いです

要するに、似た商品が非常に多いので、『同じような商品ばかりだけど、結局どれが一番良いのかな?』という悩みが生まれるのが激安マットレスというジャンルなのです。

寝心地・品質に大きな期待はできない

ウレタンフォーム

正直言うと、当サイトとしては、このジャンル(激安・三つ折り)はあまりおすすめしません。

なぜなら、基本的に寝心地が微妙で、生産品質も安定してないため、不良品に当たる可能性も高いからです。

とはいえ、この激安価格でマットレスを作れること自体すごいことなので、コストパフォーマンスとしては素晴らしいと思います。

本当の「高反発」ではない

反発弾性率テスト

「激安の高反発マットレス」として販売されている商品は、基本的に本物の高反発マットレスではありません。

反発性(低反発や高反発)は、反発弾性率によって分類されますが、タンスのゲン、モダンデコにおける反発弾性率は以下のとおりです。

反発弾性率
モデルタンスのゲンモダンデコ
公表値40%±3%非公表
当サイト測定値約38%約35%

以下のとおり、JISの分類において、反発弾性率「15~49%」は低反発でも高反発でもない、ふつうのウレタン(一般ウレタン)です。

反発弾性率分類(JIS規格)
15%未満低反発
15~49%一般(レギュラー)※2モデルはコレ
50%以上高反発(高弾性)

また、一般ウレタンと高反発ウレタンでは原料も製法も異なり、素材としては別物で、寝心地もまったく違います。

よって、高反発ならではの豊かな反発力・体を持ち上げる力は、両モデルでは味わえません。

本物の高反発ウレタンマットレスが欲しい人は、反発弾性率50%以上が確認できる商品を選びましょう。

専門家専門家

本物の高反発ウレタンマットレス(反発弾性率50%以上)は、どんなに安くても3~4万円くらいはするので、激安マットレスに高反発の寝心地を期待するのはハードルが高すぎます。

「低評価の割合」もチェックしよう

モダンデコ

このジャンル(激安マットレス)を選ぶなら、できるだけ不良品に当たる可能性が低い商品を選ぶことが重要です。

そこでおすすめの判断方法のひとつは、口コミの統計的な傾向を見ること。

なぜなら、不満足(低評価レビュー)の割合が多いほど、不良品に当たっている可能性が高いとも考えられるからです。

明らかに不満があるラインとして、星2以下(5点満点中)の割合を見るのが良いと思います。

【結論】タンスのゲンとモダンデコ、どっちが良い?

タンスのゲン「純高反発 10cm」モダンデコ「高反発 10cm」
タンスのゲン「純高反発 10cm」の体験モダンデコ「高反発 10cm」の体験

前置きが長くなりましたが、結論から言うと、当サイトとしては、モダンデコの方が良い(おすすめ)と評価します。

>>>モダンデコはこちら(楽天市場)

復元率や反発力(反発弾性率)は、タンスのゲンの方がやや上で、エコテックス認証のカバー(パイル生地のみ)も使っているので、仕様上はタンスのゲンの方が良く見えます

ただし、実際の寝心地は、タンスのゲンは荷重を支え切れず、途中でウレタンがペコっと深く沈み、やや不自然さがありました。

タンスのゲン
タンスのゲン(押すとペコっとする感覚がある)

一方、モダンデコは、なめらかに体を支えてくれる印象を受けました。

モダンデコ
モダンデコ

また、三つ折りマットレスの生命線とも言える「分割部分の寝心地」という点でも、モダンデコの方が隙間が狭く、快適でした。

スキマ比較
左:モダンデコ、右:タンスのゲン

一方、タンスのゲンは、最大で約7cmもの隙間ができ、この部分は芯材がなく、体を支えられないため、当然寝心地が悪く感じます。

タンスのゲンの隙間
タンスのゲンの隙間

こうした三つ折りの隙間などは、販売ページではわかりにくい情報のため、注意が必要です。

なお、口コミの統計的な傾向(不満足度)については、以下のとおりです。

ショップレビュー総数星2以下件数不満足度(星2以下)
タンスのゲン16,4056924.2%
モダンデコ7,6271562.0%

※2024年4月7日 10時集計(楽天市場)

以上の不満足度の結果からも、モダンデコの方が寝心地に満足している人の割合が高いと考えられそうです。

コレがポイント(まとめ)
  • 仕様はタンスのゲンがやや良い(復元率や反発力、エコテックス®認証 など)
  • 実際の寝心地はモダンデコが良かった(ただし、体験したタンスのゲンが不良の可能性もある)
  • 分割部分の寝心地もモダンデコの方が良い(隙間が狭い)
  • 口コミの統計的な傾向もモダンデコの不満足度が低い(満足度が高い)

結果的にモダンデコの方がおすすめ

タンスのゲンの寝心地が悪かった理由

タンスのゲン「純高反発マットレス」の体験

そもそも激安マットレスは、品質が安定しません。これは、ギリギリの価格で作っているため、生産品質としてもギリギリだからです。

よって、個体によって品質にバラつきが出やすく、当サイトで体験したものが寝心地が悪い個体(不良に近い品質)だった可能性があります。

また、口コミの統計的な傾向(不満足度の高さ)も同様に、品質のバラつきによって、不良品(なんか寝心地悪い?レベルのグレーな不良品も含め)に当たった人が、低い評価を付けている可能性も考えられるでしょう。

よって、もしかすると高品質な個体に当たった場合は、モダンデコよりも寝心地が良く感じるかもしれません。

専門家専門家

激安マットレスを選ぶ場合、当たり・ハズレのリスクがあるということを覚悟しましょう。

低評価レビューの傾向

参考までに、低評価レビュー(口コミ)の傾向をまとめます。

集計条件
  • 期間:2019年11月~2024年4月14日 10時
  • 店舗:楽天市場店
  • 対象:星2と星1のレビュー内容

まず、タンスのゲンとモダンデコ、両方の低評価コメントの割合(円グラフ)と統計(棒グラフ)は以下のとおりです。

タンスのゲンの低評価レビュー
タンスのゲンの低評価レビュー(割合)
モダンデコの低評価レビュー
モダンデコの低評価レビュー(割合)
タンスのゲンの低評価レビュー
タンスのゲンの低評価レビュー(統計)
モダンデコの低評価レビュー
モダンデコの低評価レビュー(統計)

両方とも「その他」が最も多いですが、「その他」の中には以下のような内容が含まれます。

その他
  • 体が痛くなった ※その他の中で最も多いコメント
  • ファスナーが壊れていた
  • 汚れがあった
  • 色のイメージが違う
  • 硬すぎる

など

体の痛み・硬さなどは合う・合わないの問題のため、製品不良とは一概に言えません。また、イメージ違いや汚れも少数です。

よって、品質の良し悪しや傾向を知るために、「その他以外」の項目を詳しく見ていきます。

その他以外の項目
  • ヘタリ(~数か月)
  • ヘタリ(1~2年)
  • ヘタリ(3年以上)
  • 納期・配送
  • やわらかすぎる(沈み込み過ぎる・荷重を支えられない)
  • カバーが縮む
  • 復元しない
  • ニオイがくさい
  • スキマが気になる

タンスのゲンの傾向

タンスのゲン(その他以外)

多数票を集めたのが、

  • ヘタリ(~数か月):22.0%
  • やわらかすぎる(荷重を支え切れない):26.3%

です。

25Dの圧縮梱包ということもあり、耐久性が低い個体(不良)に当たってしまい、数か月、場合によっては数週間でマットレスがヘタってしまう人もいました。

また、「やわらかすぎる」に関しては、190Nという硬さは一般的には「かなり硬め」です。

にもかかわらず、やわらかすぎるという評価が多い場合、硬さの仕様(N数)というよりも、低密度・低品質なウレタンフォームによって、荷重を支え切れずに沈み込んでしまうことに原因があると考えられます。

よって、仕様上では硬さがあるのに、実際は沈み込む(やわらかく感じる)という現象が多く見られるのだと想像します。

専門家専門家

なお、ウレタンフォームは経年劣化により、硬さがやわらかく変化します。

低品質なウレタンマットレスは劣化が早いため、すぐにやわらかくなることで、レビューの中でも『しばらく使ってやわかくなってしまった』という意見もありました。

モダンデコの傾向

モダンデコ(その他以外)

多数票を集めたのが、

  • 納期・配送:47.1%
  • ニオイ:25.0%

です。

タンスのゲンに比べて、ヘタリや硬さなどの不満は少なかったです。

納期・配送に関しては、セール中(注文殺到時)の遅延などが最も多い印象です。

なお、ニオイに関しては、2020年5月以前に集中しています(全26件中25件が2020年5月以前です)。

要するに、2020年6月以降はニオイに低評価を付けている人がほとんどいないため、ニオイ問題は改善されていると考えてもよいでしょう。※今後、生産拠点が変わるなど、状況の変化でニオイ問題がぶり返す可能性もあります

モダンデコ (その他以外)※2020年6月以降
2020年6月以降は納期・配送が低評価の中心
専門家専門家

ウレタンフォームは、鼻を刺すような化学的なニオイを強く発することがあります。

そして、このニオイが強くなる原因は低品質な原料・染料によるものと言われているので、特に激安マットレスにありがちなデメリットなのです。

改めての比較(タンスのゲン・モダンデコの低評価レビュー)

タンスのゲンとモダンデコの低評価レビュー

タンスのゲンは、ヘタリ(耐久性)や、やわらかすぎる(荷重が支えられない)、元の厚さに復元しないなどの、品質の不安定さが中心を占めます。

一方、モダンデコは、ヘタリやすさ・やわらかすぎるというレビューもありましたが、過半数が納期・配送問題という結果でした。

また、そもそも全体的な不満足度が、タンスのゲンが4.2%、モダンデコが2.0%と、2倍以上の差があることも含めて、やはりモダンデコの方が品質面的には失敗するリスクが少ないと言えるでしょう。

専門家専門家

なお、低評価レビューの中には『こんなの高反発じゃない』というコメントも多かったですが、まさにその通りで、両方とも高反発ではなく「一般ウレタンマットレス(ごくごくふつうのウレタンフォームを使ったマットレス)」です。※この記事ですでにご紹介したとおりです

特に「直近の傾向」を把握しよう

集計表

すぐ上でご紹介した低評価レビューの傾向は、あくまで集計期間中(2019年11月~2024年4月14日 10時)の内容です。

激安マットレスは、最も安く作れる生産拠点に移したり、複数の工場で作ったりすることもあるため、その時々で品質がバラつきやすいです。

よって、購入の際には直近のレビュー評価の傾向を把握することをおすすめします。

半年分の低評価レビューの傾向などでも役に立つと思うので、気になる現象が起きていないかチェックしましょう。

たとえば、直近で連続して「ニオイがくさい」「復元しない」など、具体的でわかりやすい品質不良の傾向がみられる場合、「今は」買わないほうがよいと思います。

専門家専門家

冒頭で『激安マットレス対決に終止符を打ちます』と宣言してしまいましたが、あくまで現状における評価です。

今後、生産品質が変わる可能性もあるため、購入時は直近の低評価レビューを参考にしてください。

なお、当サイトでも今後1年に1回くらいは、この2商品(タンスのゲン・モダンデコ)の低評価レビューを集計し、分析する予定です。

他の激安マットレスとの比較

モダンデコ「高反発マットレス」

激安マットレスは「不良が当たる可能性が高い」という特徴があるため、当サイトでは積極的に実体験レビューを行わない方針です。

不良品に当たった場合、適切なレビューが出来ないからです。※不良の判断も難しいです

よって、ユーザーの皆さんも、激安マットレスにおいては具体的なレビュー記事の内容をそこまで鵜呑みにせず、不良に当たるリスクが低い商品を選ぶことが優先順位だと思います。

なので、口コミの統計的な傾向(不満足度)を調べることがおすすめなのです。※できればすぐ上でご紹介した円グラフのような「具体的な内容の割合」を調べることがおすすめです

参考までに、楽天市場で特にレビュー件数が多い、人気の激安三つ折りマットレスの不満足度を以下にまとめました。

▼ 激安 三つ折りマットレスの比較
ショップレビュー総数星2以下件数不満足度(星2以下)
タンスのゲン16,4056924.2%
モダンデコ7,6271562.0%
GARAGE COLLECTION469316.6%
収納宅配館2,44424710.1%
リコメン堂5,7131723.0%
NERUS896444.9%

※2024年4月7日 10時集計(楽天市場)

この結果からも、モダンデコのマットレスが特に満足度が高く(不満足度が低く)、失敗するリスクが少ないと言えるでしょう。

まとめ

カバーと芯材(三つ折りマットレス)

いかがでしたか。

激安マットレスの2台巨頭とも言える、「タンスのゲン」と「モダンデコ」の三つ折りマットレスを比較しました。

実際の体験・調査を踏まえ、当サイトとしては、モダンデコの方がおすすめという結論に至りました。

とはいえ、モダンデコの三つ折りマットレスをすごくおすすめしたいかと言われると微妙なところで、やはり価格なりの寝心地と耐久性です。※本当の高反発マットレスの寝心地には遠く及びません

あくまで『とくにかく価格が最優先で、寝心地や耐久性には目をつぶっても良い』という条件なら、おすすめできるという感じです。

また、激安マットレスは、生産品質の不安定さも心配なので、ある程度のリスクを考慮して、ご検討いただくのが良いと思います。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

専門家専門家

当サイトとして、本当におすすめできるマットレス選び方は以下の記事でご紹介しているので、よろしければご参考くださいね。