ピロートップ式マットレス

ピロートップ式マットレスの徹底解説

この記事ではマットレスの仕様のひとつである「ピロートップ」について詳しくご紹介します。

前半ではピロートップならではのメリットや知っておきたいデメリットなどをお伝えし、後半でおすすめのピロートップマットレスをご紹介しています。ご参考いただけますと幸いです。

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この記事を書いた人

管理人当サイトの管理人。ベッドメーカーに7年ほど勤めた後、ベッド専門情報サイト(当サイト)を運営。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。

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ピロートップとは?

ピロートップ

ピロートップとは、マットレスの詰め物部分を独立して分けている構造体のことです。簡単に言うとマットレスとベッドパッドが一体化された仕様と言えます。

ピロートップは有名マットレスブランドではハイグレードシリーズに採用される傾向があり、高級ホテルに導入されていることも多いです。

なお、ピロートップ式マットレスを世界で初めて作ったマットレスブランドはサータです。

結論から言うとピロートップ式マットレスのメリットデメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
  • ふんわりふかふかな寝心地
  • 高い体圧分散性
  • バネあたりを感じにくい
  • 横向き寝に合いやすい
  • ヘタリやすい
  • 蒸れやすい
  • 重い
  • 硬さが変わりやすい
  • 価格が高め
  • ボックスシーツが使いづらいこともある

以下より詳しくご紹介します。

ピロートップのメリット

ふんわりふかふかな寝心地

ピロートップの寝心地

ピロートップ式マットレスの最大のメリットは、その「ふんわり・ふかふか」な寝心地です。

綿(わた)やウレタンフォームなどのふんわりとした素材を贅沢に詰め込んだ仕様は、「雲のような寝心地」で、入眠時に最も気持ち良いと感じるマットレスだと思います。

つまり寝心地としてはソフトタイプ(やわかめ)の商品が多く、包み込まれるような感触が好きな人におすすめです。

高い体圧分散性

ピロートップは、綿(わた)やウレタンフォームなどの詰め物のボリューム感が多く、その結果、体あたりがやわらかく、マットレスから体にかかる圧力(体圧)を分散する性能=体圧分散性が高い傾向があります。

体圧と体圧分散
体圧と体圧分散

単純に「体圧分散性が高い=良い」というわけではありませんが、体圧分散性が低すぎるマットレスに寝ていると荷重が多くかかる肩や臀部(おしり)あたりが圧迫され、寝心地としては良くありません。

また、そうした無理な圧力を感じると人は寝返りを打とうとするのですが、大きすぎる圧力は寝返りの回数が増えすぎて、結果的に睡眠が妨げらます。

つまり、余計な寝返りを減らすことが体圧分散が必要な理由のひとつなのです。

バネあたりを感じにくい

バネあたりとは、ポケットコイルなどを使用したスプリングコイルマットレスにおいて、寝ていて芯材であるコイル(バネ)の存在を感じとれてしまうことです。

ポケットコイルマットレス
ポケットコイルマットレス

表面の生地や詰め物のボリュームが少なすぎたり、頼りない素材だと、体が沈み込んだときにバネあたりを感じてしまうことがあります。

バネあたりは寝ていて落ち着きませんし、特に横向き寝などでは痛みを感じることもあります。

その点、ピロートップなら詰め物のボリューム感があるため、バネあたりを感じる心配は少ないです。

横向き寝に合いやすい

詰め物層(ピロートップ)のボリューム感があるということは、深く沈み込んでも無理な寝姿勢になりづらいと言えます。

横向き寝(ピロートップ式マットレス「HOLLOW」にて)
横向き寝(ピロートップ式マットレス「HOLLOW」にて)

一般的には仰向きか横向きで寝ることが多いと思いますが、横向きの寝姿勢の方が肩や臀部が深く沈み込むため、無理のない寝姿勢を保持するためには比較的ソフト(やわらかめ)なマットレスの方がおすすめです。

ピロートップ式のマットレスはふんわりとやわらかい寝心地を目指している商品が多いため深く沈み込みやすい横向き寝を中心とした人に合いやすいです。

ピロートップのデメリット

ヘタリやすい

詰め物(ピロートップ)で多く使われているウレタンフォームや綿はヘタリやすい素材です。

ウレタンフォームは形成後からすぐに加水分解が始まるので、経年劣化しやすいというデメリットがあります。さらに水分にも弱いので、多湿になりやすい寝床内環境においては、特に劣化が進みやすいです。

高密度タイプのウレタンフォームなら寿命は比較的長め(8~10年)程度ありますが、使っているウレタンフォームの密度を公表している商品はあまりなく、耐久性の高さを測るのはなかなか難しいでしょう。

綿(わた)に関しては睡眠中の湿気や体温による加熱のもとで使い続けると次第につぶれていきます(せんべい布団化)。

蒸れやすい

ピロートップならではの包み込まれるような寝心地は、逆に言うと体との接地面が多いため、蒸れを感じやすいです。

また、詰め物(ピロートップ)で使われることが多いウレタンフォームは通気性があまり良くない素材なので、特に厚めのウレタンフォームを使ったピロートップ式マットレスは蒸れやすいです。

重い

詰め物をふんだんに使用しているということは、その分商品自体の重量が重たくなるということです。

気軽に持ち運びや移動がしにくいので、特に力の弱い人はご注意ください。

硬さが変わりやすい

ウレタンフォームのデメリットですが、ウレタンフォームは気温の変化によって硬さ(やわらかさ)が変わりやすいという特徴があります。

ウレタンフォームは気温が高くなるとやわらかくなり、気温が低くなると硬くなります。つまり、暖かい環境では「雲のような寝心地」と感じられたものが、冬の寒い部屋に置きっぱなしにしてしまうと硬くなってしまうのです。

ホテルなどではしっかりと温度管理しているので、ピロートップ式ならではの「ふんわりふかふかな寝心地」をキープできるのですが、自宅だと温度管理が不十分になり、結果的にせっかくピロートップを買ったのに期待していた寝心地が得られえないという可能性もあります。

価格が高め

詰め物のボリューム感があるということは、ウレタンフォームや綿(わた)といった素材を大量に使っているということです。つまり、それだけ材料費がかかります。

また、ピロートップをマットレスにくっつける裁縫も必要なので、生産工程としてもより複雑になるため製造コストもかかります。

一般的なマットレスの場合は、最安値レベルで1万円以下で買える商品もありますが、ピロートップ式マットレスの場合はどんなに安くても2万円位からです。

ボックスシーツが使いづらい場合もある

ピロートップ式マットレスは一般的なマットレスに比べて厚みがあります。

市販のボックスシーツはマチが30cm程度のことが多く、30cmを超える厚みがあるマットレスはボックスシーツを使えないこともあるので注意が必要です。

すべてのピロートップ式マットレスが厚さ30cm以上というわけではありませんが、市販のボックスシーツを使いたい人はマットレスの厚さという点もチェックしましょう。

ピロートップとBOXトップの違いは?

ピロートップ

BOXトップ

ピロートップと同じくマットレスの詰め物部分を独立して分けている構造体に、「BOX(ボックス)トップ」という仕様があります。

構造的な違いは?

ピロートップは詰め物部分とクッション部分を裁縫によってくっつけている構造をしています。

一方、BOXトップは詰め物部分とクッション部分が一体になった構造をしています。

ピロートップBOXトップ

寝心地の違いは?

ピロートップは、表面にかかるテンションを緩和し、体圧分散性が高まる効果が特徴ですが、BOXトップはピロートップよりもテンションがより緩和します。これはBOX部分の高さや中身の詰め物の組み合わせの自由度が高いためです。

つまり、テンションの緩和具合は「ピロートップ<BOXトップ」です。

ただし、商品によって詰め物に使われている素材の違いやクッション材で使われているポケットコイル等のスプリングの仕様の違いによって、体圧分散性や荷重分散性などのマットレスの基本的な寝心地が変わってくるので、例えば「BOXタイプだから体圧分散性が高い」などとは一概には言えません。

ピロートップは必要?

ピロートップマットレス

ピロートップは必ずしもあった方がよいものではなく、寝心地の好みによってご検討ください。

つまり、ピロートップは詰め物をふんだんに使える構造のため「ふんわりふかふか」な寝心地を作りやすいという特長があり、そうした寝心地が好きな人にはぜひおすすめです。体型で言えば体のラインがはっきりしている人(女性など)や基本の寝姿勢が横向き寝の人には特に合いやすいでしょう。

ただし、上記に挙げたデメリット(ヘタリやすさや蒸れやすさなど)もあるので、気になる人はピロートップ式ではないマットレスをご検討いただくのが良いかと思います。

基本的な考えとして、特にスプリングマットレスの場合は、あまり詰め物(綿やウレタンフォーム)に頼らずに中心的な寝心地を作っている商品の方が長持ちしやすい傾向があります。

当サイトおすすめのマットレス(および選び方)については以下の記事で詳しくご紹介しているのでご参考いただけますと幸いです。

失敗しない!ピロートップ式マットレスを選ぶ4つのポイント

1. 詰め物の質

ピロートップ(詰め物)で使われていることが多いウレタンフォームはものによって品質が大きく変わる素材です。

詰め物のウレタンフォーム
詰め物のウレタンフォーム

ウレタンフォームはヘタリやすい傾向がありますが、耐久性を知る一つの目安が「密度(D)」です。

基本的に高密度で作られたウレタンフォームは耐久性が高くヘタリにくいので、できるだけ高密度タイプを選ぶことがおすすめです。

なお、マットレスで使われてるウレタンフォームは20~40Dの商品が多いのですが、それぞれの耐久性(寿命)の目安は以下の通りです。

密度耐久性(寿命)
20D~1年
25D3~5年
30D5~8年
40D8年以上

すべての商品がウレタンフォームの密度を公開しているわけではないのですが、販売ページの商品詳細欄などをよく見てみることをおすすめします。

2. 層構造にも注目

ピロートップ式マットレスは詰め物層のボリュームの多さから、蒸れやすいというデメリットがあります。しかし、作り方を工夫することで、多少蒸れを軽減することも可能です。

その一つが「多層構造」です。

合計値として同じウレタンフォームの厚さだとしても、1枚の構造か、複数枚が層になった構造かで通気性の良さは変わってきます。

基本的には同じ材質の場合、複数枚に分けて層構造にした方が通気性は高まります(間に不織布などが入るため、吸湿性や通気性がよくなるためです)。

多層構造の詰め物
多層構造の詰め物

また、平面のウレタンフォームよりも凹凸加工されたウレタンフォーム(プロファイルウレタン)を使っている方が通気性は良いです。

プロファイルウレタンフォーム(ムアツふとん)
プロファイルウレタンフォーム(ムアツふとん)

プロファイルウレタンの特徴については以下の記事でご紹介しています。

3. 厚さ30cm以下を選ぶ

デメリットのところでも触れましたが、ピロートップ式マットレスは厚みがある商品が多く、厚さ30cm以上を超えてしまうと市販のボックスシーツが使えない場合もあります(市販のボックスシーツのマチは30cmのことが多いため)。

市販のボックスシーツ(マチ30cm)
市販のボックスシーツ(マチ30cm)

なお、マットレスは基本的にシーツやベッドパッドを敷いて使いましょう。就寝中は寝汗や皮脂などの汚れが溜まりやすいので、定期的にシーツやパッドを洗濯しないと不衛生な状態になってしまいます。

シーツは消耗品なので、手軽に買い替えられるという点でも厚さ30cm以下を選ぶのがおすすめです。

4. 片面か両面か

片面しか使えないマットレス(片面仕様)か、表裏の両面でも寝れるマットレス(両面仕様)かによって、長く使えるかどうかも変わってきます。

マットレスは「ローテーション」といって上下や表裏に回転させてヘタリを馴らして使うことで長い間寝心地をキープできます。

マットレスのローテーションの方法
マットレスのローテーションの方法

つまり、片面仕様よりも両面仕様の方がローテーションのバリエーションが増えるので、長期間使いやすいと言えるでしょう。

片面仕様のマットレスの裏面
片面仕様のマットレスの裏面

ただし、両面仕様は価格が高くなりがちです(表裏にしっかりと詰め物や生地を施すため)。予算に応じてご検討ください。

【厳選】おすすめのピロートップ式マットレス4選

1. エアリゾーム「HOLLOW」

エアリゾーム「ピロートップ HOLLOW」

コスパで選ぶならコレ

インテリアショップ「エアリゾーム」のオリジナルピロートップマットレス。詰め物には凹凸加工のプロファイルウレタンフォームを使用し通気性を高める工夫がされています。

左右一列のスプリングの線径を太くして端部分を強化しているため、沈み込みにくく、寝返りなどでも落下しにくい仕様となっています。

寝心地はピロートップ式らしい「ふんわりふかふか」のソフトタイプなので、どちらかといえば女性に合いやすいと思います。

サイズシングル~クイーン
詰め物ウレタンフォーム、プロファイルウレタンフォーム
厚さ23cm
クッション材ポケットコイル
両面仕様×
価格19,980円

このマットレスを見てみる

2. ネルコ「3層ポケットコイルマットレス」

ネルコ「3層ポケットコイルマットレス」

厚いけどボックスシーツが使える

ベッド専門店「ネルコ」のオリジナルマットレス。上からピロートップ・トッパー・ボトムという3つパーツが重なり合計の厚さが33cmと極厚仕様ですが、それぞれが独立したパーツのためボックスシーツも使えます。

トッパーとボトムの2層にポケットコイルが搭載した「ダブルクッション」仕様のため、より体圧分散性を高め、ソフトな寝心地を実現。

さらにピロートップ層は硬さが違うリバーシブル仕様で、詰め物には抗菌防臭わたやプロファイルウレタン等を複数積み重ねた多重層構造です。これだけ凝った仕様にもかかわらず2万円台から買えるのは安いと思います。

サイズシングル~クイーン
詰め物ウレタンフォーム
厚さ33cm
クッション材ポケットコイル
(ダブルクッション)
両面仕様×
価格27,900円

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3. シモンズ「ビューティレストセレクション・ゴールデンバリューピロートップ」

ゴールデンバリューピロートップ(Selection)

高級ホテルの寝心地をリーズナブルに

世界的有名マットレスブランド「シモンズ」におけるリーズナブルブランド「Beautyrest Selection」のピロートップモデル。シモンズ永遠のスタンダードモデルと呼ばれる「ゴールデンバリュー」の側生地やカバーをややダウングレードさせ価格が価格が4~5万円ほど安くなっていることが特徴。

このモデルは特にホテルに納入されているシモンズ製マットレスの寝心地に近い傾向があるので、「ホテルで寝たシモンズが気に入った!」と言う人におすすめです。

サイズシングル~クイーン
詰め物ウレタンフォーム
厚さ25.5cm
クッション材ポケットコイル
両面仕様
価格176,000円

4. 日本ベッド「シルキーポケット ピロートップ」

シルキーポケット ピロートップ

傑作ポケットコイルマットレスシリーズ

仕立ての良さの評判が高い老舗国産メーカー「日本ベッド」の基幹マットレスシリーズのピロートップモデル。シルキーポケットはそのとろけるような寝心地で「バネに直接眠れるマットレス」というコンセプトで生まれました。

日本のもの作りの精神が具現化されたようなマットレスで、迎賓館赤坂離宮や、帝国ホテル・星野リゾート(星のや軽井沢・東京)など有名ホテル・旅館への納入実績も豊富。

シルキーポケットシリーズのマットレスはいくつかありますが、本商品はその中で比較的やわらかい寝心地です。側生地にはジャンプキルトと言って不連続(ジャンプ)したキルト仕様になっていることで、更に体圧分散性とフィット感を高めるという工夫がされています。

サイズシングル~クイーン
詰め物高密度ソフトウレタン、高弾性ウレタン
厚さ29cm
クッション材ポケットコイル
両面仕様
価格286,000円

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いかがでしたでしょうか。

ピロートップ式マットレスについて詳しくご紹介しました。

ピロートップ式マットレスはそのリッチな厚みとふんわりふかふかな寝心地で、入眠時に抜群の寝心地の良さを感じます。

特に、

  • ふんわりふかふかの寝心地が好き
  • ラグジュアリーホテルのようなリッチな寝心地が好き

といった人にはぴったりだと思います。

ただし、デメリットや注意点(ヘタリやすさや厚すぎることなど)も比較的多いタイプのマットレスですので、選び方には注意が必要です。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。