「スタンフォード式 最高の睡眠」から生まれたマットレス
この記事では「ブレインスリープマットレス(BRAIN SLEEP MATTRESS)」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
BRAIN SLEEP(ブレインスリープ)とは?
BRAIN SLEEPとは、株式会社ブレインスリープが展開する総合寝具ブランドのことで、マットレスの他にもピロー(枕)や掛布団、カバーなどの寝装品などの取り扱いがあります。
株式会社ブレインスリープはベストセラー「スタンフォード式最高の睡眠」の著者である西野精治氏が代表を務める睡眠プロダクトメーカーです。
西野氏はスタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所所長を務めた経験があり、2019年5月に株式会社ブレインスリープを設立しました。
よって、ブレインスリープでは、最先端の睡眠医学をもとに睡眠の質を高める様々なサービス・プロダクトを展開しています。
この記事ではブレインスリープのオリジナルマットレス「ブレインスリープマットレス」について詳しくご紹介します。
ブレインスリープマットレスの基本情報
ブレインスリープマットレスのサイズや価格等の情報は以下の通りです。
サイズ | シングル~クイーン |
---|---|
クッション材 | ファイバー(ポリエチレン) |
価格(Sサイズ) | 88,000円~ |
【まず結論】ブレインスリープマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ ブレインスリープマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.06 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 2.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 5.0 |
寝返り | 4.0 |
底付のなさ | 3.0 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱い安さ | 5.0 |
価格 | 2.24 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
価格面が足を引っ張るかたちで点数としては高くなりませんでしたが、ユニークな仕様で感動するような寝心地も得られました。
以下より、ブレインスリープマットレスの特徴をご紹介します。
ブレインスリープマットレスの特徴
脚・腰・肩を支える究極のリラックス姿勢
ブレインスリープマットレスの最大の特長はNASAが提唱する「中立姿勢」へと促すためのフロートテクノロジーです。
中立姿勢とは、無重力空間において自然と人間がとってしまう体勢で、身体に最も負担が少ない姿勢とされています。
ブレインスリープマットレスでは、この中立姿勢を実現するために、マットレスを3つのブロック(脚ブロック・腰ブロック・肩ブロック)に分け、それぞれ異なる仕様を施しています。
ブロック | 目的(仕様) |
---|---|
脚(あし) | 少し高く(厚く)することで全身の血液循環を高め、むくみや疲れの解消を促す |
腰(こし) | 高反発素材によって、寝返りをサポートする |
肩(かた) | 中央から外側に向かって段階的に反発力を高めることで、肩が内側に入って大胸筋が縮まり、睡眠中に深く呼吸しやすい状態をつくる |
ここまで細かく高さや反発性を分けて作られたマットレスは珍しいです。
「グリーンファイバー」で通気性が抜群
クッション材は、独自の三次元構造体「グリーンファイバー」を採用。
ポリエチレンを複雑な網目状に固めたファイバータイプのクッション材で、優れた通気性と反発性が特長です。エアウィーヴなどでもお馴染みですね。
ファイバー素材は、釣り糸の技術を応用して作られた素材なので、丸洗いでき、清潔に保ちやすい点もメリットです。
コンパクトにできる「三つ折りタイプ」
ブレインスリープマットレスはフロートテクノロジーを実現するために3ブロックの構造をしていて、要するに「3つ折りマットレス」として折りたたみも可能な仕様です。
厚さが薄いのでコンパクトになり、さらに軽量(シングルサイズで約7kg)のため、移動や持ち運びもしやすいことも魅力。二段ベッドやロフトベッドのなどマットレスの厚み制限があるベッドフレームにも使いやすいです。
【体験レビュー】ブレインスリープマットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
段ボールを開くと「体を浮かせて、心も軽く」というキャッチコピー。
段ボールの中には簡易的にビニール袋に包まれたマットレス本体があります。
内箱や専用ケースがないため、余計なコストを省いているのだと思います。
ビニール袋からマットレス本体を取り出します。
三つ折り状態で梱包されています。
ウレタンマットレスやスプリングコイルマットレスでよくある圧縮梱包タイプではないため、よりシンプルに開梱・設置ができます。
外観
圧縮梱包でないため、開封後から完全な形状で、すぐにでも使い始めることができます。
ブレインスリープマットレス最大の特長は、脚部分の高さが高く(厚く)なっていることです。
脚の高さを胸より高くすることで、むくみや疲れの解消効果を促す効果があるそうです。(この点については、以下の「仰向き寝の評価は?」の箇所で詳しくご紹介します)
マットレスの厚さをチェックします。
肩・腰部分 | 脚部分 |
---|---|
公表値では5cm(肩・腰)・9cm(脚)のところ、実測では6cm(肩・腰)・10cm(脚)と+1cmほどの差がありました。
これは、公式サイトではカバーのマチ部分を基準に測定しているかたらだと思います。
続いて、カバーをチェックします。
カバー表面はポリエステル100%のメッシュ生地で、サラサラとした感触です。
芯材の「グリーンファイバー」の超通気構造と相まって、通気性が抜群の仕様です。
触り心地や感触は以下の動画をご参考ください。
側面(サイド部分)もポリエステルを使用したサラサラとした生地になっています。
全体の様子(外観)を知りたい方は以下の動画をご参考ください。
マットレス裏側を見ていきます。
裏面にはカバーが脱着できるようファスナーが付いていて、しっかりとした触り心地になっています。
ブレインスリープマットレスは3つにブロックが分かれた「折りたたみマットレス」です。
脚ブロックを持ち上げて、肩ブロックが下になるように折りたたみます。
折りたたんだ時の安定感も高く、軽量なので持ち運びやすいです。
続いて、芯材(グリーンファイバー)の様子を確認するために、カバーを外します。
カバーはファスナーで取り外し可能です。
カバーは家庭洗濯可能です。
こちらが芯材のグリーンファイバーです。
ポリエチレンを水の中に垂らして、網目状に固めています。
こうしたファイバー素材は現在ではよく見かけるようになりましたが、エアウィーヴで一気に有名になった素材です。
ファイバー素材(三次元構造体)の特徴は、通気性の良さと多方向への反発性です。
グリーンファイバーでは「体積中90%が空気」という抜群の通気性を誇ります。
また、反発性に関しては、マットレスのクッション材で多いスプリングコイルやウレタンフォームの場合、基本的に1方向(上)のみの方向に動きますが、ファイバー素材の場合は、多方向に反発します。
これが「ファイバー素材は寝返りが楽」と言われる理由です。体の動きに対して様々な方向からサポートするので、寝返りがスムーズに打ちやすいのです。
なお、ファイバー素材は釣り糸の製造技術の応用です。なのでイメージとしては「少し太めの釣り糸が複雑に絡まって固まっている素材」とお考え下さい。
ブレインスリープマットレスは3つのブロックからなる折りたたみマットレスですが、それぞれのブロックが別々の仕様となっている点も特徴です。
まず肩ブロック(頭の位置)ですが、一面をソフト・ミディアム・ハードと反発力を変えて作られています。
公式サイトによると「中央から肩に向かって、段階的に反発力を高めることで、肩が内側に入って大胸筋が縮まり、睡眠中に深く呼吸しやすい状態をつくります。」とのことです。
こうした工夫はブレインスリープならではの睡眠学的なアプローチですね。
続いて腰ブロック(真ん中)ですが、下に向かって硬くなるような3つのレイヤー構造になっています。
体が当たる表面では比較的やさしめにサポートし、中間層でグッと押し返し、最下層で沈み込みを押さえます。こうした構造によって、厚さ5cmという薄型タイプでも底付きがなく、適度な体圧分散性を得られるのです。
脚ブロックは腰ブロックのボリューム感を高めたような構造をしていて、表層がよりふんわりとした感触です。
ふわっと脚が浮き上がるように支えられるので、脚の重みを感じにくいです。
芯材を裏返しにするとシールが貼ってありました。
このシールはパーツの設置場所と裏表が判別しやすいように貼られたものでした。
ブレインスリープマットレスは芯材もカバーも洗えるので、再び設置する際の参考になります。
枕
ブレインスリープはオリジナルの枕(ブレインスリープピロー)も販売しています。
ブレインスリープの「フロートテクノロジー」をより感じるためには、枕と合わせて使うのが良いはず。ということで、今回はその体験をするために、マットレスと一緒にピローもご提供いただきました。
枕の梱包の中身はこちら。
ピロー本体とピローカバーが入っています(右下はマットレスとセットで取り寄せたボックスシーツなので、本来は入っていません)。
ピローには専用ケースが付いているので、持ち運び(出張や遠征など)が気軽にできます。
ピロー本体はこちら。
マットレス同様、ファイバー素材(グリーンファイバー)で作られていて、複雑なゾーニング(場所によって硬さや反発性が違う工夫)が施されています。
表面では、外側に行くにつれて硬くなる構造をしています。
この硬さのグラデーションは、寝返りサポートや首・肩の凝りを防止するという目的があるそうです。
続いて横から見た画像はこちら。
上下で高さがことなりますが、これは好みの高さに合わせて変えられるとのことです。
また、断面は硬さが異なる3つの層(Adjust・Support・Base)で作られいます。
この仕様はマットレスの腰・脚ブロックと基本的に同じコンセプトです。
続いて裏面はこちら。
裏面には位置を教えてくれるシールが付いています。
ピローケースと本体。
ピローケースはファスナー付きです。
筆者は低めの方で寝ましたが、ちょうどよいフィット感を感じられ、寝心地は良いものでした。
通気性も良好なので睡眠中の蒸れは感じにくく快適です。
【詳細解説】ブレインスリープマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ ブレインスリープマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.06 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 2.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 5.0 |
寝返り | 4.0 |
底付のなさ | 3.0 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱い安さ | 5.0 |
価格 | 2.24 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
使用感のイメージは以下の動画をご参考ください。(音は出ません)
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「4.0」。
ブレインスリープマットレスの最大の特長である「フロートテクノロジー(脚・肩が浮く寝心地)」は特に仰向きの寝姿勢で真価が発揮されます。
一番感動したのは脚の感覚です。
一般的なマットレスは平面ですが、ブレインスリープマットレスは脚部分のブロックが厚くなっていることで、仰向きの寝姿勢にでは胸よりも上に脚が来ることになり、それが結果的にむくみや疲れの解消効果となることが特長です。
実際に寝てみたところ、最初は少し違和感があったのですが、10~15分くらい経つうちに脚(特に足の裏)が暖かい感覚になってきました。
これが血液循環が良くなったということなんですね。
こうして血液循環が良くなって、足裏から体温を外に放出し、良質な睡眠に必要な「深部体温を低下」を加速させます。さすが睡眠学を基にして開発されたマットレスです。
一方、マイナスに感じた点は、大腿(もも)あたりが浮くことによって、おしり・腰あたりにやや集中した荷重を感じたことです。
とはいえ、大きなストレスを感じるほどではなく、総合的には満足いく寝心地と言えますし、ブレインスリープマットレスが狙った「ふわっと宙に浮くような寝心地」というのは実現されていると思います。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星2.0」。
仰向き寝では感動さえ覚えた寝心地ですが、横向き寝ではややマイナス点を感じました。
まず「脚を胸より高い位置にすることで血液循環を良くする」というコンセプトが横向き寝では実現されません。
また、膝部分がちょうど角に来ることで圧迫感が生まれます。
さらに、超薄型のマットレスのため、肩や臀部が深く沈むことで圧迫感を感じました。
横向き寝が基本の寝姿勢の人は、しっかりと沈み込むボリューム感があり、比較的ソフトタイプのマットレスがおすすめです。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星5.0」。
ブレインスリープマットレスで使われているグリーンファイバーは、反発弾性率※は60%以上(当サイト調べ)という高反発マットレスの中でも特に高い反発性を持っています。
さらに、多方向へ反発するため体の動きにきめ細やかに反応するため寝返りの打ちやすさは抜群です。
※「反発弾性率」は基本的にウレタンフォームの反発性を測定・表示する指標なので、ファイバー素材においてはあくまで参考値とお考え下さい
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.0」。
厚さ5cmという薄型タイプにも関わらず、ファイバー素材の底面がかなり硬めの感触のため、端ギリギリ寝ても沈み込み・底付きを感じません。
ただし、底付きはないものの、薄い&硬いゆえの圧迫感は感じるため、端ギリギリで横向きで寝るのには不向きです(肩ブロックは端部分が最も硬くできているため)。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星5.0」。
ファイバー素材は、数あるクッション素材(スプリングコイル、ウレタンフォーム、ラテックス等)の中で最も通気性が優れた素材です。
ブレインスリープマットレスの「グリーンファイバー」では、体積に対して空気が90%占め、ほぼ空気の層で出来ています。
カバーもメッシュ生地を使っているので、さらなる通気性を高める工夫がなされています。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「2.5」。
ファイバー素材は、形状がヘタリやすく、さらに端から裂けやすいという特徴があるため、基本的に耐久性はあまり高くありません。
しかし、グリーンファイバーは、縦の断面がファイバー素材を切りっぱなし(未加工)のため裂けやすいのですが、横の断面は固めるような加工がされていて、耐久性が高められているようです。
ローテーションはNG
ローテーションとは、マットレスを上下・裏表に回転させることでヘタリをならし、寝心地を長持ちさせる方法のことです。
ブレインスリープは3ブロックとも異なる仕様、且つ、表裏についても非対称な構造のため、どの方向にもローテーションができません。
ファイバー素材は復元率が低い(厚みの低下率が高い)傾向があるため、ずっと同じ場所で寝ていることによって早くヘタってしまう可能性があります。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
クッション素材の品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「4.0」。
大きな歪みがなく、きれいな形状です。
特に懸念点はありません。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星4.0」。
特に衛生加工はありませんが、ブレインスリープマットレスは、すべて丸洗い可能です。
クッション材(グリーンファイバー)まで洗えるマットレスはファイバーマットレスならではメリットと言えます。
参考までにカバーの取扱い表示は以下の通りです。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.24」。
シングルサイズで88,000円という価格は、マットレス市場全体から考えると「高め」の価格帯です。
価格が高いこと自体は必ずしもデメリットではないのですが、薄型マットレスの中では、かなりの高価格帯の商品です。
実際に使ってみて気になったところ
寝る位置によって落ち着かない
ブレインスリープマットレスは入眠時はふんわりと浮くような感覚で心地よいのですが、睡眠中に落ち着かない感覚が何度かありました。
結論から言うと、この原因はブレインスリープならではの細かなゾーニング仕様が寝る位置によって不快に感じることかと考えます。
詳しくご紹介します。
まず、ブレインスリープマットレスの肩ブロック部分は端に行くほど寝心地が硬くなる構造をしています。
しかし、睡眠中は肩幅の2.5~3倍ほど動くと言われているので、中央部分で入眠しても、ずっと同じ場所で寝ているわけではありません。
たとえば、寝返りによってはMIDあたりの位置で寝ることもあり、そうした場合、中央のSOFTの方向へ体が傾くので、安定性はあまり良くない(つまり落ち着かない)というわけです。
なお、公式サイトではこのSOFT・MID・HARDは「反発力」の差と表現されていましたが、実際は「硬さ」の差に感じました。※反発力であれば正確には「LOW(低反発)・MID・HIGH(高反発)」という表現になります
ちなみに反発性は「元の形状に戻る力」で、硬さは「沈み込みの深さ」に関係するので、両者は全く関係ありません(「高反発=硬い」ではありません)。
また、ピロー(枕)においても同様で、真ん中位置に頭を置かないと違和感を感じます。
ただし、使い続けていくうちに慣れることもありますし、寝相が良い人ならそこまで気にならないでしょう。しかし、寝相が悪いと自覚している人にはあまりおすすめできないとも言えます。
「中立姿勢」と言えるか微妙
ブレインスリープマットレスのコンセプトはNASAが提唱している「中立姿勢」を実現することですが、本来の中立姿勢の条件(角度)とかなり離れています。
中立姿勢の主な条件(角度)は以下の通りです。
そして以下がブレインスリープで寝たときの角度です。
多少脚が上がることによって、角度はつきますが、それでもほぼ180度に近い体のラインです。
中立姿勢は体に負担が少なく、疲れにくいことが特長ですが、ブレインスリープはNASAが提唱した条件とはかなりかけ離れているので、本来的な効果は望みにくいでしょう。
余談ですが、同様のコンセプトはテンピュール®のZero-G® 電動リクライニングベッドなどがあります。
このような電動ベッドのほうが、中立姿勢は実現されやすいです。
口コミ・評判のまとめ
ブレインスリープマットレスの口コミをまとめると以下のような意見が多かったです。
良い口コミ | 悪い口コミ |
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口コミに関する解説
公式サイト(BRAIN SLEEP STORE)における口コミ全体は5点満点で約4.5の高評価です。
脚を高くする寝姿勢で、ふんわりと宙に浮くような感触が心地よいという高評価が多い印象です。
たしかに、脚部分が高くなる構造はかなりユニークで、実際に寝た印象としても脚が浮くことによってじんわりと血の巡りが良くなる不思議な感覚を覚えました。そして、この血液循環を良くすることで、結果的に深部体温の低下を加速させ、良質な睡眠になるという狙いがあるのです。
また、通気性の良さを評価されている人も多いです。ただし、これはブレインスリープマットレス特有のメリットではなく、ファイバーマットレス(エアウィーヴ、ブレスエアーなど)全般に言えるメリットでもあります。
また、体の痛みについては、和らいだ人もいれば、逆に痛みを感じるという人もいます。体に痛みを感じるかどうかは、その人の体型だったり習慣だったりが影響するので、一概に決めつけることができない難しい問題です。(「このマットレスで寝たら腰痛が治る!」といった宣伝をしているマットレスほど怪しく考えた方がよいです)
筆者の実際の体験においては、脚が上がることで太ももがマットレスから浮くことにより多少腰への負担を感じました。また、横向き寝においては膝あたりの圧迫感もあり、この点を口コミで言及されているユーザー様もいらっしゃいました。
似ている商品との比較
ブレインスリープマットレスのような「脚部分が高くなっているファイバーマットレス」というのは競合商品が見当たらないのですが、なるべく近い条件として「三つ折りタイプのファイバーマットレス」において比較します。
商品(メーカー) | ①ブレインスリープマットレス | ②エアウィーヴ「スマートZ01」 | ③ブレスエアー「Sleep Air 敷布団」 |
---|---|---|---|
画像 | |||
厚さ | 約5cm | 約9cm | 不明 |
重量 | 6.85kg | 約9.0kg | 約2.6kg |
素材 | ポリエチレン | ポリエステル | |
サイズ | S~Q | S~D | Sのみ |
価格 (Sサイズ) | 88,000円 | 66,000円 | 24,800円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②エアウィーヴの中で唯一の三つ折りタイプのマットレスです。比較商品中、最も厚いマットレスなので移動や収納はしにくく、素材がポリエチレンのため熱に強くないですが、多くのアスリートが認めたエアウィーヴの寝心地を気軽に試すことができる価格が魅力です。
②東洋紡のファイバー素材「ブレスエアー」を使った三つ折りマットレス。かなり薄いので底付き・圧迫感の心配はありますが、仰向き寝で硬めの寝心地が好きな人なら合いやすいと思います。
ブレインスリープマットレスはどこで買うのがお得?
ブレインスリープマットレスは以下の販売サイトで購入可能です。
おすすめは公式サイトです。
公式サイトではキャンペーンを行っていることが多く、セット購入などかなり割引が適応されることも多いです。まずは公式サイトをチェックしましょう。
まとめ
いかがでしたか。
販売元の株式会社ブレインスリープはベストセラー「スタンフォード式最高の睡眠」の著者である西野精治氏が代表を務める睡眠プロダクトメーカー。
そして、最新の睡眠学を基に、良質な睡眠を得られるマットレスとして開発されたのがこのブレインスリープマットレスです。
そのコンセプトとは「脚部分のブロックを高くすることで血流を改善し、メッシュ生地&ファイバークッションの通気性の高さと相まって、深部体温の低下を加速させ、寝つきを良くし、深い眠りへと誘う」というものです。※寝つきの良さ・深い眠りの条件はあくまで深部体温の落差の大きさによるものです
さらにNASAが提唱する「中立姿勢」(無重力空間で自然と人間がとる姿勢)を実現するために、特に肩ブロックに細かなゾーニングを施しています。
ただし、この「細かいゾーニング」がブレインスリープマットレスの懸念点でもあり、「脚ブロックが高い(厚い)」ことも基本的に仰向け寝、且つ、静止状態を想定して作られた仕様です。
人間工学においては、睡眠中は寝返りなどで肩幅の2.5~3.0倍ほど体が動くと言われているので、ブレインスリープマットレスが想定している寝姿勢は、睡眠中に崩れてしまうことが多いと思います。つまり、効果は入眠時(しかも仰向け)に限定されるとも言えるでしょう。
とはいえ、良質な睡眠には(深部体温がスムーズに低下するかなどの)入眠のしやすさが大切なので、そうした目的に絞って開発された商品なのかもしれません。
睡眠中の動きが少なく、基本の寝姿勢が仰向けの人にはぴったりだと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。