寝心地は良いが、耐久性・品質がやや心配
この記事ではLIMNE(リムネ)の「LIMNE the Mattress」についてご紹介します。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれ、発生した広告収入をサイトの運営費に充てています
目次
LIMNE(リムネ)とは?
LIMNEとは、株式会社LIMNEが展開する総合寝具ブランドのことで、マットレスの他にもピロー(枕)や掛布団、カバーなどの寝装品などの取り扱いがあります。
なお、設立は2019年12月とのことなので、寝具メーカーの中ではかなり新しい会社ということになります。
この記事ではLIMNEのオリジナルマットレス「LIMNE the Mattress」について詳しくご紹介します。
LIMNE the Mattressの基本情報
LIMNE the Mattressのサイズや価格等の情報は以下の通りです。
サイズ | シングル~ダブル |
---|---|
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格(Sサイズ) | 79,900円~ |
【まず結論】LIMNE the Mattressの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ LIMNE the Mattressの評価 | |
---|---|
総合評価 | 2.88 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.5 |
素材の品質 | 2.0 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱い安さ | 3.0 |
価格 | 2.42 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
以上のとおり、使い始めの寝心地や使用感は良いのですが、素材の品質が低めで7万円以上という高価格帯のため、コストパフォーマンスとして高評価は付けづらいという結果になりました。
とはいえ、120日のお試し期間もあるため、気になった方はぜひ試してみると良いと思います。
なお、当サイトでは様々なマットレスを検証していますが、その中で特にコストパフォーマンスが優れていると評価させていただいたマットレス(と選び方全般)を以下の記事でまとめているので、よろしければご参考ください。
以下より、LIMNE the Mattressの特徴をご紹介します。
LIMNE the Mattressの特徴
「やわらかさ×負担軽減」の多層構造
LIMNE the Mattressのクッション材は「ウレタンフォーム」を使っていて、感触が異なる3つの層を重ねた多層構造タイプのウレタンマットレスとなっています。
層※上から | 特徴 |
---|---|
トップ層(白) | マシュマロのようなふわふわな感触 |
ミドル層(ピンク) | 特殊ゾーニングにより寝返りサポート |
ボトム層(グレー) | 上位2層をしっかりと支える |
こうした多層構造は寝心地が良いマットレスを作りやすいです。
その理由は、良質な寝心地を実現するために必要な「ふんわりと荷重を受け止めつつ、寝姿勢をしっかり支える」という柔・硬の相反する要求にこたえやすいからです。
トップ層では、特殊ウレタン素材「スフエアー」を使用。マシュマロのようなやわらかな感触で体圧をやさしく分散します。
ミドル層(2層・ピンク)とボトム層(3層・グレー)のスリットによって、通気される構造のため、ウレタンマットレスでありがちな蒸れやすさを改善した爽やかな寝心地が得られます。
さらにミドル層(ピンク)の空洞は、場所によって硬さが変わる「ゾーニング仕様」です。
スリット(空洞)に当たる肩・おしり・ひざ下はやや柔らかく、スリットがない場所はやや硬めに設計されています。
特に横向きの寝姿勢では肩部分が深く沈み込む必要があるので、このようにゾーニングされたマットレスだと圧迫感が少なく、寝姿勢も整い、寝返りがしやすくなるというメリットが生まれます。
「レーヨン」を使った滑らかなカバー
LIMNE the Mattressのカバー表面はレーヨンを100%使用。
レーヨンとは植物(木材パルプ)由来の再生繊維で、高価なシルクを人工的に作ることを目指した素材と言われています。
その滑らかな肌触りが特徴で、通気性・ドレープ性にも優れています。
トップ層の特殊ウレタン「スフエアー」のマシュマロのような感触を損なわないようにレーヨンを採用しているとのことです。
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【体験レビュー】LIMNE the Mattressを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
段ボールの中にさらに箱がある「マトリョーシカ」的な丁寧な梱包です。
段ボールを開けたらすぐにマットレスという商品も多い中、こうして2重の梱包されていることによって、配送時の衝撃や傷から保護されるので、安心感があります。
段ボールの中身はマットレス本体と専用のボックスシーツが入っています。
ボックスシーツが標準的に付いているマットレスはあまりないので、メリットのひとつと言えます。
マットレス本体の重さはシングルサイズで約12㎏(公表値)なので、厚みがある割にかなり軽量です。持ち運びもストレスありません。
なお、中のパッケージ(黒い段ボール)は、プラネタリウムに変形します。
段ボール上部を折りたたみ、スマホをライトを付けた状態で設置します。
スマホの光によって、星が映し出されるという仕組みです。
なお、段ボールは下段も組み合わせて使うのが正式な組立方法です(下段は外側の段ボールの中に取り残されていたので、後になって気が付きました)。
こちらが完成形のプラネタリウム。
LIMNE公式によると、段ボールを「ただ、捨てるだけではなく、楽しんで捨ててもらえるように。」という思いからこのような仕様にしているそうです。
星座の名前も丁寧に書いてあります。
こういう工夫は素敵ですね。SNS等でも話題になりそうです。
ただ、段ボール自体はそこまできれいな状態ではなかった(さらにニオイも気になる)ので、ずっと部屋に置いておくのはあまり向かないと思います。
続いて、マットレスを開封していきます。
マットレスの外側のビニール袋をハサミで切ります。このとき、マットレス本体をハサミで傷つけないようにご注意ください。
ハサミでビニール袋に切り目を入れて、手で割いていくと安心して進められます。
さらに内側のビニールがあります。
内側のビニールも同様に切っていきます。
ビニールに切り込みを入れると圧縮されていたマットレスがニョキニョキと膨張していきます。
ニョキニョキニョキ。
ビニールを取ります。
あっという間に開封完了。最初にハサミを入れてから2分くらいで終わりました。
開封の様子を詳しく知りたい方は以下の動画(4倍速)をご参考ください。
外観
開封直後は歪みが大きく、本来の形状に復元されません。
下のアニメーションは開封直後と1日経過後の復元具合です。
1日経過すると復元されていることがわかると思います。
続いてマットレスの厚さをチェックします。
公表値どおり22cmの厚みが確認できました。
カバー表面はレーヨン100%のなめらかな触り心地で、気持ち良いです。
やわらかく伸縮性がある生地のため、体へのフィット感が優れます。
触り心地や感触は以下の動画をご参考ください。
側面(サイド部分)はポリエステルを使用したメッシュ生地。通気性が良い仕様です。
ヘッドとフットの一部にはベロアのような質感になっていて、高級感があります。
カバーのデザイン性も高く、こちらもエレガントな雰囲気です。
全体の様子(外観)を知りたい方は以下の動画をご参考ください。
マットレス裏側はこちら。
裏面は、側面よりも薄手のメッシュ生地なので、より通気性が高い仕様です。
カバーはファスナーで取り外し可能です。
カバーは家庭洗濯可能です。
芯材のウレタンフォームもカバーに包まれています。
裏返すとファスナーがありました。
芯材のカバーにファスナーがあるのは珍しい仕様です(不織布などで簡易的に包まれていることがほとんど)。
内部構造を詳しくチェックするために、カバーを取っていきます。
こちらがLIMNE the Mattressのウレタンフォーム(裏返し状態)です。
表に戻して状態を詳しく見ていきます。
なお、これらの「内部構造チェック」に関する画像は、開封後3週間ほど経過した写真なので、本来は形状が完全に元に戻っている時期ということになります。
まず、全体に歪みがないか確認します。
4隅(角)にはかなり大きな歪みがあります。
これはLIMNE the Mattressの「復元率と密度の低さ」が原因です。詳しくは後述します。
続いてフット面です。
こちらも全体的に歪みが大きめです。特に端は反り返っていますし、トップ層のウレタンフォームの裁断の粗さが目立ちます。
サイド面はこちら。
全体的に緩やかな歪みが確認でできます。
LIMNE the Mattressは3つ異なるウレタンフォームを積層した構造ですが、特に通気性が優れた作りになっています。
トップ層からの湿気をミドル層・ボトム層にあるスリットによって通気されるという仕組みです。
さらに内部構造を確認するために、トップ層のウレタンフォームを剥がしてみます。(開封して3週間経過し、寝心地のチェックは終わっています)
ミドル層(ピンク)は、このように複数のスリットが入ったゾーニング仕様。
体の荷重にぴったりフィットし、体圧を分散させてくれます。
反発性のチェック
ウレタンマットレスでは、反発性の違いによって「低反発マットレス」「高反発マットレス」などと呼んだりします。
LIMNE the Mattressは、中間的な寝心地となっています。
それぞれの特徴は以下の通りです。
低反発 | 高反発 | |
---|---|---|
画像 | ||
特徴 | 衝撃吸収性が優れ、静かな寝心地が実現できる | 体の動きに対する反発力があり、寝返りをサポートする |
なお、反発性とは「押し返す力」のことで、反発弾性率によって以下の通りに分類されます。
反発弾性率 | ウレタン分類 |
---|---|
15%未満 | 低反発ウレタン |
15~49% | 一般ウレタン |
50%以上 | 高弾性(高反発)ウレタン |
素材が持つ反発性を測る数値。反発弾性率を調べる方法として、JISが定めるテスト方法(JIS K 6400-3)があり、簡単に言うと「高さ50cmから鉄球を落として、反発した高さと割ったのが反発弾性率」ということです。
LIMNE the Mattressの反発弾性率は?
LIMNE the Mattressは3層構造で、それぞれの層は反発性が異なるウレタンフォームを使っています。公式サイトではそれぞれの反発弾性率は非公開となっています。
反発弾性率を公開しているマットレスの方が、品質面がしっかりしている(あるいは寝具業界に詳しい人が作っている)ことが多いので、安心感が高いと思います。
LIMNEでは非公開情報だったため、当サイトで反発弾性率をテストすることにしました。
測定結果は以下の通りです。
層(色) | 反発弾性率 | 分類 |
---|---|---|
1層目(白) | 20% | 一般ウレタン |
2層目(ピンク) | 47% | |
3層目(グレー) | 40% |
つまり、LIMNE the Mattressは低反発・高反発のどちらの素材も使っていない寝心地ということになります。
低反発・高反発に優劣はありませんが、一般ウレタンに関しては少し注意が必要です。なぜなら低反発・高反発のウレタンフォームを作るにはある程度の「密度」が必要(高反発で30~35D以上)だからです。
密度は耐久性に関係します。つまり、低密度で作られることが多い一般ウレタンは耐久面という点で劣る傾向があるのです。
そして、LIMNE the Mattressは実際の密度測定においても、平均値はかなり低めであることがわかりました。(こちらは後程詳しくご説明します)
なお、今回、JISに倣った形でテストを行いましたが、完ぺきに適合した条件でもないのであくまで参考値です。測定は以下の動画をご参考ください。
トップ層の反発弾性率テスト
ミドル層の反発弾性率テスト
ボトム層の反発弾性率テスト
【詳細解説】LIMNE the Mattressの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ LIMNE the Mattressの評価 | |
---|---|
総合評価 | 2.88 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.5 |
素材の品質 | 2.0 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱い安さ | 3.0 |
価格 | 2.42 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
使用感のイメージは以下の動画をご参考ください。(音は出ません)
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星3.5」。
トップ層(スフエアー)は、マシュマロのようなふんわりとした感触で、体圧分散性が高く、心地よいフィット感が得られる寝心地です。
ゾーニングによってカーブが大きい背中部分がやさしくサポートされ、寝姿勢が整い、保持性も良好です。
一方、ちょうど腰・おしりあたりがグッと沈み込む感じが少しだけ違和感を覚えました。ゾーニングをもっと滑らかにするか、腰回りをもう少し硬めにした方が寝心地が良くなるように思いました。
とはいえ、これはあくまで筆者の体型による感想なので、違和感なく眠れる人も多いと思います。
総合して満足できる寝心地と言えます。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星3.5」。
LIMNE the Mattressのゾーニングはおそらく横向きの寝姿勢をベースに考えられたのではないかと思うほど、ぴったりと肩・お尻がはまります。きれいなゾーニングポジションです。
しっかりと沈み込むことで圧迫感を感じず、トップ層(スフエアー)のフィット感と相まって、安定感は良好です。
強いてマイナス点を言えば、肩回りのゾーニングをもう少し深くしてソフトにした方がより圧迫感や寝姿勢が整いやすいと思います。(肩部分と膝あたりの構造がほぼ同じ深さ・感触のため)
とはいえ、仰向き・横向きのどちらにおいてもストレスない寝心地で、バランスは良好です。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星3.0」。
高反発(反発弾性率50%以上)の素材を使っていないので、高い反発性によって体の動きがサポートされる寝心地ではありませんが、仰向き・横向きでもストレスない寝姿勢が保たれ、体の中心線がまっすぐになることで寝返りはスムーズに打つことができました。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.0」。
マットレス外周を特に強化したような仕様ではないので、座るなどの荷重が集中する姿勢では、深く沈み込みます。
さらに比較的やわらかく沈み込みやすいタイプのマットレスなので、端ギリギリでは少し不安感はあります。
しかし、一般的な使い方であればストレスなく寝ることができると思います。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.5」。
芯材のウレタンフォームはもともと通気性があまり良くないため、蒸れやすい素材と言えます。
しかし、LIMNE the Mattressは通気性に優れた3層構造を採用し、睡眠中の湿気を外に逃がしやすい工夫された仕様となっています。
やわらかくフィット感が高い寝心地のため、すごく蒸れにくいか?と言えばそうではありませんが、実際に寝てみた感想としても、蒸れや暑さに大きなストレスはありませんでした。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「星2.0」。
LIMNE the Mattressの最大の懸念点は耐久性の低さです。大切なポイントなので詳しくご説明します。
ウレタンマットレスの耐久性を知るには「密度」と「復元率」という情報が必要です。
LIMNE公式サイトでは密度・復元率とも非公表ですが、実物のカバーに付いている品質表示ラベルで復元率だけ知ることができました。
LIMNE the Mattressの復元率は?
復元率とは、簡単に言うと、一定回数(基本的に80,000回)マットレスを押圧した結果「どのくらい元に形状に復元されているか?」という数値です。
94%という数値はかなり低いです。95%くらいでも圧縮開封時に膨らみ切らない商品がチラホラ出てくるといったレベル感なので最低96%程度あった方が耐久性としては安心できます。
参考までに当サイト経由で選ばれることが多いウレタンマットレス(他メーカー)との復元率における比較は以下の通りです。
商品 | 復元率 |
---|---|
LIMNE(本商品) | 94% |
モットン | 96% |
エマ・マットレス | 96% |
快眠タイムズ マットレス | 99% |
ソムレスタ | 99.6% |
なお、復元率は表示義務があるので、品質表示に記載しなければならない項目ですが、購入時に判断できるよう、できれば公式サイトにも掲載していてほしい情報です。
LIMNE the Mattressの密度は?
結論から言うと、LIMNE the Mattressの密度の平均値は26~27D程度です。これは低めの数値です。
ウレタンフォームは密度によって耐久性の良し悪しが決まり、高密度ほど耐久性は高くなります。
密度は復元率と違って表示義務はないので、各社シークレットにすることもありますが、重量と体積が分かればおおむね正確な数値を出すことができます。
LIMNE the Mattressのウレタンフォームの重量を知るために、計測してみました。
結果、LIMNE the Mattressのウレタンフォームの重量は10.85kgと分かりました。
そして、この重量を体積(ざっくりですがゾーニングの空洞の体積も差し引いています)に合わせて導き出された数値が約26Dという密度です。※層毎に密度が異なる可能性があるので平均値とお考え下さい
低価格のウレタンマットレスでも30Dを切る商品が少ない中、LIMNE the Mattressのような7万円台以上の高価格マットレスの中ではその密度の低さが目立ちます。
参考までにLIMNE the Mattressと同様の「積層ウレタンマットレス」における密度の比較は以下の通りです。
商品 | 密度 | 価格(Sサイズ) |
---|---|---|
LIMNE(本商品) | 26~27D(平均・推定) | 79,900円 |
エマ・マットレス | 43D(平均・推定) | 99,000円 |
快眠タイムズ マットレス | 45D(1-2層目) 32D(3層目) | 50,000円 |
コアラマットレス | 50D(上層) 30D(下層) | 89,900円 |
なお、LIMNE the Mattressの厚さは22cmで、重さが約12kg※のため、要するに厚み(体積)に対してかなり軽いと言えます。※公表値(シングルサイズ・カバー含む)
軽いマットレスは移動しやすそうで一見メリットに感じる人もいるかもしれませんが、ウレタンマットレスにおいては厚みに対して軽すぎる場合、単に密度が低い(故に耐久性が低い)場合があるのでご注意ください。
例えば、超高密度のウレタンマットレスで有名なのはテンピュール®。
テンピュール®は厚さ7cmしかないトッパータイプのマットレスでも本体重量が12.6kgもある(つまり、厚さ22cmのLIMNE the Mattressより重い)のです。
ローテーションも非対応
ローテーションとは、マットレスを上下・裏表に回転させることでヘタリをならし、寝心地を長持ちさせる方法のことです。
LIMNE the Mattressのミドル層はスリットが入った「ゾーニング仕様」ですが、上下(頭・足)で非対称なゾーニング仕様のため、上下のローテーションができません。
また、特徴が異なるウレタンフォームを積層した3層構造のため、表裏のローテーションもできません。
つまり、完全にローテーションができないということです。
特に低密度タイプのウレタンマットレスはヘタリやすいので、最低でも上下(頭・足)を回転できることが望ましいです。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。また、密度・復元率が悪い圧縮マットレスはそもそもきちんと形状が戻りません。
評価は「2.0」。
すぐ上で書いたとおり、密度・復元率の数値がかなり悪いため、やはり形状が戻らず、歪みが大きいです。
最近ではLIMNE the Mattressのように圧縮されて届くマットレスが多いですが、そもそも圧縮パッケージの場合、低密度(特に25D前後以下)の商品はきちんと復元できなかったり、圧縮の力に耐えきれず破損してしまうこともあるのです。
さらに裁断面の切り方も粗さが目立ち、生産品質もあまり良くありません。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
マットレスに施されることが多い抗菌・防カビ・防ダニ等の衛生加工は本商品には施されていません。
しかし、カバーが洗えるのはメリットと言えます。
参考までにLIMNE the Mattressの取扱い表示は以下の通りです。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.56」。
シングルサイズで72,000円という価格は、マットレス市場全体から考えると「高め」の価格帯です。
価格が高いこと自体は必ずしもデメリットではないのですが、品質を考えるとどうしてもコストパフォーマンスが良いとは言いづらいです。
口コミ・評判のまとめ
LIMNE the Mattressの口コミは数件(記事公開時には3件)なので、統計として参考にはなりにくいのですが、すべて星5の満点評価で、満足されているユーザーさんが多い印象です。
たしかにLIMNE the Mattressは最初の寝心地という点では満足いくものだと思います。
しかし、マットレスは長く使っていくうえで、すぐにヘタらないことが重要です。
ウレタンマットレスのヘタリにくさ(耐久性)知る上で、重要なのが密度と復元率。その両方の数値が低いので長期間使い続けるのに不安が残るというのが当サイトでの検証結果です。
似ている商品との比較
LIMNE the Mattressと同様の「ふんわりタイプの多層構造ウレタンマットレス」でなるべく近い仕様の商品と比較します。
商品(メーカー) | ①LIMNE the Mattress | ②快眠タイムズ マットレス | ③コアラマットレス KORE |
---|---|---|---|
画像 | |||
厚さ | 22cm | 20cm | 23cm |
硬さ | やや柔らかめ | ふつう・硬め (調節可能) | |
重量 | 約12kg | 約15.5kg | 約19.5kg |
密度 | 26~27D (推定・平均) | 45D(1-2層目) 32D(3層目) | 50D(上層) 30D(下層) |
復元率 | 94% | 99% | 非公表 |
サイズ | S~D | S~Q | S~Q |
保証期間 | 10年 | 5年 | 10年 |
返品保証 | 120日 | 60日 | 120日 |
価格 (Sサイズ) | 79,900円 | 50,000円 | 89,900円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②は愛知県に本社がある寝具メーカー「株式会社篠原化学」が展開する「快眠タイムズ」のオリジナルマットレスです。低反発+高反発のリッチな多層構造タイプで、LIMNE the Mattressに最も近い構造です。
しかし、素材の耐久性・品質が大きく異なり、快眠タイムズ マットレスの方が優れています。しかも価格が3万円ほど安くコスパも優秀。
③はオーストラリア発のマットレス「コアラマットレス KORE」です。上層フォームの表裏の硬さが異なり、ひっくり返すことで硬さ調節ができる珍しい仕様が特徴。
復元率が非公開で、下層フォームの品質があまり良くないため、高価格のわりに耐久性に不安が残りますが、SNSやメディアでも話題で評判が良い商品です。
LIMNE the Mattressはどこで買うのがお得?
LIMNE the MattressはLIMNE公式サイトのみ購入が可能です。
Amazonや楽天などの大型モールに出店しないことで、なるべく低価格に抑えようという意図があるのだと思います(モールへ出店すると利用料などが発生するため)。
まとめ
いかがでしたか。
LIMNE the Mattressをご紹介させていただきました。
3層構造で作られたウレタンマットレスで、ふんわりとしつつ寝返りがしやすく、寝心地としては満足できる商品でした。
耐久性と品質にやや不安がありますが、10年保証(適切な使用で3cm以上のへこみ等の条件)が付いているので、ヘタってきたら保証を使うというのも手です。
また、120日のお試し期間付きですが、返品時の送料が自己負担や、運送会社も自己手配だったりなど、返品条件が厳しめでなのでご注意ください。
「お試し期間付きのマットレスで探している」という人は、例えばエマ・マットレスなど、返品送料無料・梱包材不要・自己手配不要など、条件がやさしいマットレスメーカーもあるので、以下の記事をご参考いただけますと幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。