お店やショールームなどで、店員(スタッフ)さんにマットレスの試し寝を勧められたときに、
- どうやって試したら良いかわからない
- 何をチェックすればいいのかわからない
と思いつつ、なんとなくゴロゴロして終わることもあるのではないでしょうか?
安心してください。マットレスを買い慣れている人なんて、ほとんどいないと思うので、そうなるのは当たり前です。
この記事では、100を超えるマットレスの評価をしてきた経験から、試し寝のコツをご紹介します。ぜひご参考にしてくださいね。

試し寝で主に確かめるのは「違和感がないか」と「体が動かしやすいか」です。詳しくはこの記事の中でご紹介します。
著者情報
ショールームに到着したらやること
最初にスタッフさんをつかまえる
マットレスのことは、そのメーカーのスタッフさんに聞くのが一番の近道です。
最初から自分で探すのではなく、まずスタッフさんに「マットレスを探しているんですけど、相談に乗っていただけますか?」と聞いてみましょう。
すると、基本的にはヒアリングから始まり、メーカーによっては寝姿勢測定機などから案内されることもあります。

このような測定やヒアリングの結果、最も体型や好みに合うと想定されるマットレスから試し寝が始まります。
あとは、好みや条件を足したり引いたりして、最終候補のマットレスにたどり着くというのが基本的な流れです。
「靴を脱いで試せるか」を聞く
可能なら、靴を脱いで試すことがおすすめです。
靴あり | 靴なし |
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ショールームや店舗では、靴を脱がなくても試せるように足元にカバーを敷いていることが多いです。
しかし、靴のままだと普段寝ている感覚とズレを感じやすいため、カバーを外して靴を脱いで試せるか相談してみましょう。(メーカーによっては、NGの場合もあります)
マットレスの試し寝の方法(7ステップ)
いざ、試し寝を行うとき、おすすめの流れ(ステップ)は以下のとおりです。
- 準備運動(できればでOK)
- まくらなしで寝る
- 仰向き(以降まくらあり)
- 横向き
- 寝返り
- 端の沈み込み
- 重さ
ステップ1:準備運動(できればでOK)
外出時には、緊張もあって体が硬くなりがちです。
よって、できるだけ睡眠時の体の状態に近づけるために、肩を回したり、その場で2~3回軽くジャンプなどして、意識的に体をリラックスさせましょう。
肩を持ち上げて落とす | 軽くジャンプ |
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また、外出時は交感神経が優位になりがちなので、深呼吸をするのもおすすめです。

準備運動は「できれば」で大丈夫です。周りの目もあるでしょうし、多少目立つ行動かもしれません。
もし準備運動をする際には「このサイトに書いてありました」と、このページをスタッフさんに見せていただければと思います。
ステップ2:まずは「まくらなし」で試す
まくらを使わずに寝ることで、マットレスそのものの特性をよりはっきりと感じることができます。
なお、寝姿勢は「仰向き」がおすすめです。仰向きは接地面が広いので、マットレスの感触を存分に味わえます。
はじめは違いが分かりにくいかもしれませんが、複数台試していくうちに、まくらなしで感じた「マットレス自体の素直な感覚」が大切になってくるはずです。
ステップ3:仰向き寝
続いて、リアルな寝姿勢のチェックをするために、まくらを使います。(普段、まくらを使わずに寝ている人は、まくらなしで大丈夫です)
まずは、仰向きのチェックです。仰向き時には以下の点を注意してチェックしましょう。
チェックポイント | 意味・目的 |
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支えられている感じがするか | 体が沈み込み過ぎることなく、立っている時と同じような姿勢で支えられることが大事 |
圧力が強すぎないか | 圧力が強すぎると、体に痛みを感じ、寝心地が悪く感じる |
腰に隙間がないか | マットレスとの隙間があると腰に負担がかかりやすい |
体にバネが当たる嫌な感じがないか | 金属の硬さをダイレクトに感じると寝ていて不快に感じる(コイルマットレスのみ) |

もし、違和感があったら口に出してスタッフさんに伝えてみるのも良いです。『このお客様の体型や感覚では、このように感じるのだな』と次のマットレスの提案に参考になるからです。
総じて違和感がなく、良い寝心地に感じるかが大切です。

「うつぶせ」で寝る人は、仰向きで寝心地が良いマットレスを選びましょう。なぜなら、寝姿勢保持(立っている時と同じような背骨のラインを支えること)に対して、仰向けとうつぶせは近い条件になるからです。
ステップ4:横向き寝
次に横向き寝のチェックです。
チェックポイント | 意味・目的 |
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肩・脚の付け根の圧迫感 | 横向きで最も圧力を感じやすいのが肩・脚の付け根 |
体のラインに歪みを感じないか | 変な落ち込みがなく、背骨のラインがまっすぐになることが理想 |
安定感があるか | 横向き寝は不安定な寝姿勢なので、グラつきなどがないか |
体にバネが当たる嫌な感じがないか※仰向き同様 | 金属の硬さをダイレクトに感じると寝ていて不快に感じる(コイルマットレスのみ) |

なお、横向き寝における「体のラインに歪み」はセンターハードなどのゾーニング仕様のマットレスでありがちなので、注意しましょう。
左右の両方の向きを試してみるのも良いです。
ステップ5:寝返りが打ちやすいか
体が動かしにくいと寝ていて無意識に力を使うので、疲れを感じる原因に繋がります。
「軽い力で動けるか」「動いた後の寝姿勢が安定するか(グラグラする感じはないか)」といった点を確認しましょう。
ステップ6:端の沈み込み
マットレスは端が最も沈み込みやすいです。
端で寝ても安定感があるマットレスは、マットレス全面を優雅に使えます。また、2台をくっつけて使う場合は、中央部分の寝心地に関わります。
わかりにくい場合は、『端は沈み込みにくい仕様になっていますか?』と、スタッフさんに聞くのでも良いと思います。
ステップ7:重さ
最後は、マットレスから降りて、重さは何キロか聞いてみましょう。
可能であれば、スタッフさんに確認したうえで、実際に少し持ち上げてみてください。※購入したいサイズと展示品のサイズが違う場合もあるのでご注意ください
マットレスは自分の力で動かしやすいかも大事です。
ローテーション(マットレスを回転させてヘタリを均一にする方法)や、掃除、シーツの交換などの際に、マットレスが動かしにくいとストレスを感じます。
また、廃棄時には粗大ごみ置き場に自分で持っていけるかも想定した方が良いでしょう。

マットレスは軽いほど良いというわけではありません。軽すぎるマットレスは耐久性が低いことが多いからです。あくまで自分の力で(あるいは他人の力を借りて)移動できるレベルの重さかどうかが大切です。
迷ったら「少し硬め」のマットレスがおすすめ
いろいろなマットレスを試してみて、もし硬さで迷ったら、「自分が思うよりも少し硬め」くらいの寝心地がおすすめです。
理由は、あとから調節しやすいからです。
もし買ったあとに『やっぱり硬すぎるなぁ』と思ったら、敷きパッドやマットレストッパーなどで、やわらかく調整すれば良いのです。

逆に、やわらかいマットレスは硬く調整することが困難です。また、硬すぎても調整しきれない場合もあります。
よって、「迷ったら少し硬め」がマットレス選びの鉄則です。

なお、マットレスは使い続けるとやわらかくなっていきます。これは経年変化で素材の硬さが低下するためです。
この意味でも、迷ったら自分が思うよりも硬めのマットレスを選んだ方が失敗は少ないでしょう。
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事前に確認しておくこと
1. 自分の好きな寝姿勢
マットレスは寝姿勢によって合う合わないが出ます。ざっくりとは以下のとおりです。
横向き寝 | 仰向き寝 | うつぶせ寝 |
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やわらかめが合いやすい | 硬めが合いやすい |
よって、普段どのような姿勢で寝ているかを考えましょう。
睡眠中には寝返りを通して、仰向き・横向き(人によってはうつぶせ)を繰り返すことが基本ですが、「電気を消して寝ようとするときの姿勢」がひとつの目安です。
例えば、最初の寝姿勢が仰向きの場合、一晩のうちに60-70%の時間は仰向きになっていると言われます。(逆も同様です)
2. 今寝ているマットレスの型番と不満
マットレスの買い替えは、現在使っているマットレスの情報も大切です。
よって、マットレスの型番を控えましょう。型番はマットレス本体に付いている「品質表示ラベル」に記載されている場合が多いです。

また、具体的な不満(硬さが合わない、ヘタリが大きい、重い など)も整理しておくと、ショールームのスタッフさんと話をするときにスムーズです。
3. 予算を決める
マットレスの価格はピンキリです。いくら体に合うマットレスが見つかったからと言って、予算に合わない場合は購入を見送ることになるかもしれません。
よって、予算の幅を前もって決めておくのがおすすめです。
たとえば、『シングルサイズで10万~15万円くらいの間で探している』とスタッフさんに伝えるだけで、選択肢がグッと狭まるため、効率よく提案がもらえるはずです。
4. 予約をする
ショールームの場合は、事前に予約することがおすすめです。
マットレス選びは時間がかかるので、せっかくショールームに行ったのに、すべてのスタッフさんが他のお客様の対応をしていて、なかなか自分に回ってこない場合もあります。
自分だけで試し寝を進めることもできますが、より良い提案をもらうためにもスタッフさんにはしっかりと付いてもらって決めていく方がおすすめです。
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試し寝、当日の準備
1. 寝巻(パジャマ)を想定した服装で行く
実際に寝る時となるべく同じ条件にするのがポイントなので、普段の寝巻(パジャマ)と近いような服装で行くのがベストです。
寝巻は、ゆったりとしてやわらかな質感のものが多い傾向があるので、締め付けの少ない服装を選ぶと、より普段の寝心地に近い状態で試せます。
2. 整髪料などは極力控える
これも上と同じ理由ですが、基本的に寝るときはワックスなどで髪をセットしないですよね。些細な感触かもしれませんが、マットレス(まくら)に頭を預けるときに、余計な違和感を覚えやすいです。
3. トイレは済ませておく
人によって異なりますが、寝る前にトイレに行く場合が多いかと思います。
試し寝の際に尿意があったり、普段と体重のかかり方が違ったりすると、マットレスの感じ方も変わる可能性があるので、事前にトイレは済ませておきましょう。
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スタッフさんに質問した方が良いこと
耐久性はどれくらいか?
高級ブランドなら数十年の耐久性を期待できる商品が中心ですが、念のためスタッフさんに聞いてみて、使用期間の目安を把握しておくと良いと思います。
メンテナンス方法は?
基本的にマットレスのメンテナンスはローテーションが中心ですが、ローテーションできない商品もあります。
また、特殊なメンテナンス法もあるかもしれないので、聞いてみましょう。
シーツは市販のもので大丈夫か?
厚さが30cm以上あるマットレスは、市販のシーツが合わない場合があります。そのため、必要に応じてマットレスと一緒に専用のシーツを購入することを検討しましょう。
相性が良いまくらはあるか?
マットレスは硬さ(やわらかさ)によって、合うまくらが変わることもあります。
特に今使っているものと硬さが大きく異なるマットレスを選んだ場合、まくらが合わなくなってしまうことも十分に考えられます。
その場で購入しなくても良いですが、どんなまくらが合うかを聞いておくと、困ったときに参考になるでしょう。
廃棄方法は?
マットレスを買うときには、捨てることも念頭に置きましょう。
特にコイルマットレスは、自治体によっては粗大ごみとして回収できない場合もあり、自分で解体して焼却施設への持ち込みが必要となることもあります。
お得に買える方法はあるか?
店舗以外に、オンライン限定などでお得なキャンペーンを行っている場合もあります。
スタッフさんはある程度把握していると思いますので、聞いてみましょう。
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まとめ
マットレスの試し寝のコツをご紹介しました。
試し寝は、目的意識をもって行うことがおすすめです。
なんとなく寝心地が良さそうだったから買ってはみたものの、いざ家で使ってみたら「なんか違った」ということになりかねません。
また、せっかくショールームや店舗に行って現物を確かめられるのに、「あそこを確認すればよかった」「こういう場合ってどうなのかな?」といった疑問があとからたくさん出てくるのはもったいないですよね。
この記事の内容が、あなたのマットレス選びのご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

試し寝に行く前に、できればマットレスに関する知識を身に付けていただくのがおすすめです。