マットレスの試し寝

マットレス選びの鉄則は「迷ったら少し硬め」

マットレスは買う頻度が多くないので、本当に自分に合うマットレスを探し当てるのは難しいですよね。

結論から言うと、マットレス選びで、特に大事なのは「硬さ」です。

いくら仕様が良くても、硬さが自分に合わないと快適に眠れません。

しかしながら、自分に合う硬さを見極めるのはとても難しいです。

そこでおすすめは、迷ったら「少し硬め」を選ぶこと。

この記事では、多くの人に合いやすい「少し硬め」のマットレスの特徴やおすすめ商品をご紹介します。ご参考いただけますと幸いです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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なぜ、「少し硬め」がおすすめか?(4つの理由)

マットレス

冒頭でご紹介したとおり、「迷ったら少し硬め」がマットレス選びの鉄則です。

なぜ、「少し硬め」が良いか?その理由は以下のとおりです。

「少し硬め」が良い理由
  1. あとから調節しやすい
  2. 日本人体型に合いやすい
  3. 仰向き寝に合いやすい
  4. 経年変化でやわらかくなっていく

1. あとから調節しやすい

やわらかいマットレスを硬く調節するのは難しいですが、硬いマットレスをやわらかく調節するのは簡単です。

もし、自分にとって硬すぎた場合は、トッパーや敷きパッドなどで、やわらかく調節できます。

マットレストッパー
トッパー(寝心地を調節するための極薄マットレス)

よって、結果的に失敗しにくいという意味で、「少し硬め」を選ぶのが無難なのです。

専門家専門家

人の体圧分布はメンタルやフィジカルで簡単に変わりますし、季節によって快適な寝心地も変わるため、「調節しやすさ」はとても大事です。

2. 日本人体型に合いやすい

一般的に日本人は欧米人に比べて平坦な体型をしています。

要するに、深い沈み込みが必要ありません。

マットレスはやわらかいほど深く沈み込みますが、平坦な体型が多い日本人の場合、沈み込みすぎることによって寝姿勢が崩れやすいです。

よって、適度な硬さがあるマットレスを選ぶことが失敗しにくいと言えます。

専門家専門家

女性と男性なら、男性の方が平坦な体型をしているので、特に日本人の男性は、硬めのマットレスを選ぶのが無難です。

3. 仰向き寝に合いやすい

日本人は仰向きで寝る割合が多いです。(仰向きが60%以上、横向きが30%と言われています)

そして、硬めのマットレスは、深く沈み込みすぎないため、特に仰向きの寝姿勢に合いやすいです。(逆にやわらかめのマットレスは、深く沈み込むため、横向きの寝姿勢に合いやすいです)

ちなみに、「仰向きの姿勢をとったときがいちばん眠りが深い」という研究結果もある※ため、仰向きで寝やすい硬さを選ぶのが良いとも言えるでしょう。

※参考:インテリアの人間工学(監修:小原二郎)

専門家専門家

なお、睡眠時には寝返りを通して、いろいろな姿勢を取りますが、フランスベッドが行った実験では無意識にとる最初の寝姿勢が、ひと晩のうちに60-70%の時間を占めるという結果が出ています。

4. マットレスは「やわらかく」なっていく

基本的にマットレスは使っていくと、やわらかくなっていきます。

これは「形状の変化(ヘタリ)」でなく、「硬さの変化」という意味です。

特に、マットレスに使われることが多いウレタンフォームは、「硬さの保持率が低い」という特徴があるため、ウレタンフォームを多用しているマットレスは硬さがやわらかくなりやすいです。

要するに、基本的にマットレスは徐々にやわらかくなっていく性質があるため、硬めの寝心地を選んでおいたほうが、長い目で見て、寝心地がキープしやすいと言えます。

専門家専門家

ポケットコイルなどのスプリングコイルマットレスも、基本的に詰め物にはウレタンフォームを使っているので、考え方は同じです。

硬さを見極めるコツはある?どのくらいの仕様がおすすめ?

スプリングコイルマットレスの場合

スプリングコイルマットレス(ポケットコイルマットレス)

スプリングコイルマットレスとは、鉄線をバネ(コイル)状にしたクッション材を使ったマットレスのこと。

結論から言うと、スプリングコイルマットレスの場合、仕様で硬さを見極めるのは困難です。

スプリングコイルマットレスにおける硬さを決める仕様は、大雑把に言えば「密度」「線径(バネの太さ)」「詰め物」などがあげられます。

しかしながら、販売ページでは公表されることが少ない「詰め物(ウレタンなど)の硬さ」「接着剤の量や質」「コイルの圧縮率」なども硬さに影響してくるため、実際に試してみないと厳密な硬さの判断ができないのです。

専門家専門家

スプリングコイルマットレスには、ポケットコイル・ボンネルコイル・高密度連続スプリング®という3つの種類があります。それぞれの違いは以下の記事をご参考ください。

ウレタンマットレスの場合

ウレタンマットレス

ウレタンマットレスとは、ウレタンフォーム(石油を発泡させた素材)をクッション材に使ったマットレスのこと。

ウレタンフォームは「N(ニュートン)」という数値で、硬さがある程度わかるため、硬さのイメージがつきやすいです。

ざっくりとした硬さのイメージは以下のとおりです。

N数かたさ
200N以上硬め
150N前後やや硬め
120N前後ふつう
80N前後やや柔らかめ
50N以下柔らかめ

要するに「少し硬め」なら150~180Nくらいとお考え下さい。

しかし、これはあくまで単層タイプのウレタンマットレスの話です。

最近では多層構造ゾーニング(空洞・スリット)を施したウレタンマットレスが多くなってきたので、そのようなマットレスはN数だけを手掛かりに、硬さを見極めるのは困難でしょう。

多層構造のウレタンマットレス
多層構造&ゾーニング仕様のウレタンマットレス
専門家専門家

なお、「高反発=硬め」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、反発性(反発弾性率)と硬さ(N数)は、まったく別の話です。やわらかい高反発もあれば、硬い低反発もあります。

ファイバーマットレスの場合

ファイバーマットレス

ファイバーマットレスとは、ポリエチレンやポリエステルを水の中で編み込んで固めた樹脂を使ったマットレスのこと。エアウィーヴなどでも有名ですね。

ファイバーマットレスは基本的にかなり硬めです。

なぜなら、ファイバーマットレスで硬さを調節するのは素材の「密度」で、低密度にしすぎると耐久性が損なわれるためです。

要するに、やわらかいファイバー素材は、耐久性が低いため、マットレスとして満足いく耐久性を実現させるにはある程度の硬さが必要ということです。

専門家専門家

別の言い方をすると、ファイバーマットレス同士に硬さの差はそこまでないので、一度体験するとある程度イメージが付きやすいです。

硬すぎるとどうなる?

横向き寝

『硬めが無難なら、とにかく硬いマットレスが良いのでは?』

とお考えの人もいるかもしれません。

たしかに、硬ければ硬いほど「調節しやすい」という点で失敗は少ないでしょう。

ただし、あまりに硬すぎると、いくら敷パッドやトッパーなどで調節したとしても、深く沈み込んだ時の圧迫感を感じやすいです。

仰向きでしか寝ない人なら硬すぎる寝心地でも良いですが、横向きの姿勢でも寝る人は硬すぎるマットレスを選ぶと、調節しきれないこともあります。

よって、販売ページなどで「すごく硬め」といった表現をしているマットレスに関しては、「自分には硬いマットレスが合う」と自覚されている人以外は避けた方がよいでしょう。

専門家専門家

「より硬い寝心地」を探している人は、以下の記事をご参考ください。

この記事でご紹介しているモデルよりも硬めのマットレスを厳選しています。※一部重複はあります

「硬さ調節機能付き」のマットレスの注意点

『硬さ選びが難しいなら、硬さ調節機能付きのマットレスが良いのでは?』

とお考えの人もいるかもしれませんが、硬さ調節機能には注意が必要です。

硬さ調節できるマットレス
硬さ調節機能付きのマットレス

最近、硬さが調節できる仕様のマットレスが増えてきました。

その硬さ調節方法は、マットレス(もしくは一部のレイヤー)の表裏を「ひっくり返して」行うことが多いです。

しかしながら、レイヤー(硬さ)の入れ替えは、寝心地が悪くなる原因になります。

基本的に寝心地が良いマットレスは、表層から「柔・硬・柔」というバランスで作られています。これは、人間工学の「弾性の三層構造」というコンセプトで提唱されているモデルです。

弾性の三層構造
弾性の三層構造

弾性の三層構造とは、「1層目は体に近いためかなりやわらかく、2層目は沈み込んだ時に寝姿勢を正しく支えるため硬く、3層目はその衝撃をふんわりと吸収する役割を担う」という内容です。

硬さ調節機能があるマットレスの場合、特に硬めの寝心地に調節するために、レイヤーを入れ替えて、やわらかい素材が中間層(2層目)になることで、かえって沈み込みが深くなりすぎたり、サポート性(フィット感)が感じられなくなることもあるのです。

専門家専門家

こうした理由で、当サイトでは基本的に硬さ調節機能は強くおすすめしていません。

【体験済み】おすすめの「少し硬め」マットレス 4選

専門家専門家

すでにご紹介したとおり、仕様の情報だけで硬さは読み解きづらいです。

つまり、硬さの判断は、しっかりとした体験が必要です。

以下では当サイトが実際に体験し、「少し硬めの寝心地」と判断したマットレスの中で特におすすめの商品をご紹介します。

1. 源ベッド「夜香ハイグレード2 レギュラー(国産ポケットコイルマットレス)」

源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス(夜香ハイグレード2)」

これこそ「最高のスタンダードマットレス」

広島県のベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。同社内の数あるマットレスの中で最も売れ筋の人気商品です。

ポケットコイルは最高クラスの硬鋼線を使用。バネから国内の自社工場で作り上げるという徹底ぶりです。

さらに、詰め物に「防ダニ・抗菌防臭わた」、端が落ち込みにくい「エッジハード」、裏面でも寝れる「両面仕様」という隙がないハイスペックにもかかわらず2万円台から買えるのは驚きです。ここまでコストパフォーマンスが優れたマットレスは見つからないと思います。

寝心地がソフト・レギュラー・ハードの3種類から選べる点もメリットです。実際にすべての硬さを体験をしましたが、特にレギュラーはこれぞスタンダードな寝心地!という印象で、幅広い人に合いやすいと思います。まさに「格安ポケットコイルマットレスの決定版」と言える商品です。

専門家専門家

レギュラーで「少し硬め」の寝心地です。

メーカー源ベッド(チヨダコーポレーション)
サイズセミシングル~ワイドダブル
※ショート丈あり
芯材ポケットコイル
硬さ10段階中「7」くらい(10が最も硬いとして)※レギュラーの場合
価格28,900円

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2. Morght「NELLマットレス」

NELLマットレス

「寝返りのしやすさ」を追求

NELLマットレスは、日本のベンチャー企業である株式会社Morghtが福岡県大川市にある老舗マットレス設計会社と共同開発した新しいマットレスです。

シングルサイズあたり約1,200個ものコイルを搭載した超高密度タイプのポケットコイルマットレスで、腰部分と端を強化したゾーニング仕様が特徴。寝返りのしやすさ端の落ち込みを軽減させる工夫を凝らしています。

さらに両面仕様で、抗菌防臭や消臭の機能綿を詰め込んだ贅沢な作り。実際に試しましたが、確かに寝返りがしやすく素晴らしい寝心地だと思いました。

120日間のお試し期間(返金・返品保証)があるので、ぜひ寝心地を体験してみてほしいです。

専門家専門家

センターハード(腰あたりが硬い)仕様のため、仰向きでは特にしっかりした寝心地に感じます。

メーカーMorght
サイズシングル~キング
芯材ポケットコイル
硬さ10段階中「6.5」くらい(10が最も硬いとして)
価格75,000円~ →当サイト特別クーポンで10%OFF

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当サイト特別クーポンあり(使い方)

3. エマ・スリープ「エマ・マットレス」

エマ・マットレス

極めて人間工学的なゾーニング

エマ・マットレスはドイツ発の海外マットレスブランド。2015年に欧州で発売以降、数々のアワード(表彰)を獲得していて、世界的な高評価を得ています。2021年よりついに日本でも販売開始されました。

反発弾性率は約60%(当サイト調べ)かなり高い反発性があるため、寝返りがしやすいです。クッション材のウレタンフォームは硬さの異なる3層構造。さらにいくつもの空洞がある特殊仕様により、通気性が高まり、フィット感と適度な体圧分散性がある良質な寝心地が実現されています。

100日の無料お試し期間があり、「全国規模での返送費無料・梱包不要・運送会社の手配不要」など、かなりシンプルな返品・返金システムなので気軽に試しやすい点も魅力です。

専門家専門家

かなりの高反発タイプなので、グッと体が持ち上がるため、しっかりとした寝心地に感じやすいです。

メーカーエマ・スリープ
サイズシングル~キング
芯材3層ウレタンフォーム
硬さ10段階中「6.5」くらい(10が最も硬いとして)
価格99,000円

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4. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」

ソムレスタマットレス

抜群の耐久性と反発性

寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。超高密度なウレタンフォームを使用し、従来の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性が特長。高い反発性があるので寝返りもしやすいです。

カバーは抗菌活性値5.9の「強い効果が認められる」抗菌性がある生地を使用。取り外して洗えるので、汗をかきやすい人にもおすすめです。薄型タイプのため、ロフトベッド・二段ベッドにもぴったり。使わないときには折りたたみも可能という、寝心地・使い勝手・衛生面の三拍子揃った逸品。

専門家専門家

154Nのちょうどよい「少し硬め」。なお、使用しているウレタンフォーム(SOMRESTAフォーム)は、一般的なウレタンフォームよりも硬さ保持率が高いため、硬さが変わりにくい(やわらかくなりにくい)というメリットもあります。

メーカーリフレーションジャパン
サイズシングル~ワイドダブル
芯材ウレタンフォーム
硬さ10段階中「7.5」くらい(10が最も硬いとして)
価格49,800円

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まとめ

マットレス

いかがでしたか。

「少し硬め」の寝心地のマットレスをご紹介しました。

マットレスは硬さ選びがとても大事です。

そして、自分に合った硬さを見極めるのはとても難しいことなので、買ったあとでも調節しやすいことがポイントです。

つまり、自分が思っているよりも「少し硬め」を選ぶことで、大きなミスマッチがなく、敷きパッドやトッパーを使うことで、微調節でき、最終的に自分好みの寝心地に仕上げられます。

一方、はじめから柔らかすぎるマットレスを選ぶと硬く調節するのが困難です。

(この記事を読まれているのが日本人が多いため)特に日本人は平坦な体型の人・仰向きで寝る人が多いため、基本的に少し硬めくらいの寝心地が合いやすいでしょう。

硬さ選びに自信がない人は「迷ったら少し硬め」ということを念頭に、マットレス選びをしてみてくださいね。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。