フランスベッドが注力する高衛生マットレス
この記事ではフランスベッドの高衛生マットレス「キュリエスAG(Ag-MH-055α)」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんからのご厚意で体験レビュー用に商品をレンタルさせていただきました。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
この記事を書いた人
目次
キュリエスAG(Ag-MH-055α)の基本情報
キュリエスAGとは、フランスベッドの高衛生マットレスブランドで、生地に「アグリーザ」という高い抗菌性を持つ糸を使用して作られていることが特徴です。
今回レビューしている「Ag-MH-055α」は通販限定モデルということで、キュリエスAGの中でも比較的手に取りやすい価格設定のグレードです。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
---|---|
クッション材 | 高密度連続スプリング |
カラー | ホワイト×グレー |
価格(Sサイズ) | 100,000円 |
保証期間 | 2年 |
なお、他のキュリエスAGのモデルは、基本的には通販で買えません。買うには実店舗に行かなければいけないので、本商品(Ag-MH-055α)は「オンラインで買える気軽さ」がメリットのひとつと言えるでしょう。
ちなみに、本商品を取り扱えるのは限られた一部のネットショップのみです。その限られたネットショップのうちのひとつであるベッド専門店「ネルコ」さん経由で、今回は体験レビュー用に商品を手配いただきました。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ キュリエスAG(Ag-MH-055α)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.56 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 4.5 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 5.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 5.0 |
衛生面 | 5.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
以下より、その理由を詳しくご紹介します。
キュリエスAG(Ag-MH-055α)の特徴・メリット
本商品(Ag-MH-055α)は日本を代表するベッドメーカー「フランスベッド」が展開する高衛生ブランド「キュリエスAG」の通販限定モデルのマットレスです。
フランスベッドは、国内最大規模のベッドメーカーとして有名で、その最大の特徴は日本で唯一、高密度連続スプリングが製造・販売できることです。
フランスベッドの歴史や特徴については以下の記事で詳しくご紹介しています。
以下より、本商品「キュリエスAG(Ag-MH-055α)」の特徴を詳しくご紹介します。
1. 除菌レベルの「アグリーザ」
本商品の最大の特徴は抗菌性の高さ、つまり高衛生であることです。
キュリエスAGの生地には、フランスベッドと東洋紡が共同開発した「アグリーザ(AGliza)」という除菌機能糸が使われています。
菌(主に黄色ブトウ球菌)の増殖を抑える効果をうたった加工一般が「抗菌防臭」と言うのですが、抗菌性がより強いものを「制菌」と呼び、アグリーザの「除菌※」はそのさらに上の抗菌性を持つのです。※抗菌加工レベルを表すSEKマークにおいて「除菌」という言葉は正式名称にはなく、あくまでフランスベッド独自の呼び方です
つまり、高い抗菌加工レベルである「制菌」の中でも、より抗菌性が強いのがアグリーザとお考え下さい。
抗菌防臭 | 制菌 | ||
---|---|---|---|
抗菌活性値 2.0以上。防臭程度に菌の増殖を抑制すること。 | 抗菌活性値 2.2以上。菌をそれ以上増やさずに、数を減少させること。
|
さらに、アグリーザは対応できる菌の種類が多いことも特長。
抗菌性をテストする際によく用いられるのは黄色ブドウ球菌ですが、実は、黄色ブドウ球菌だけで抗菌性を確認している商品も少なくありません。
一方、アグリーザは一般の品質評価機構では検査しないような菌も含めて、効果が確認されているのです。
アグリーザやキュリエスAGの抗菌性能や特徴は以下の記事で詳しくご紹介しています。
抗菌性が高いことによる一番のメリットは臭いに強いことです。嫌なニオイの元をブロックしてくれるので、快適に使い続けられます。
2. 耐久性が抜群「高密度連続スプリング」
高密度連続スプリングとは、「一列がつながった鋼線によって、高密度に編み込まれたスプリング」のこと。権利の関係で日本ではフランスベッドでしか製造・販売が許されていないスプリングです。
つながった(連続)構造のため、耐久性がとても高いということが最大の特長。
また、空洞が多いオープンコイル構造のため、通気性が良い点もメリットです。高温多湿の日本においては適した仕様と言えるでしょう。汗をかきやすい人や蒸れが気になる人にもおすすめです。
3. 長持ちしやすい「両面仕様」
本商品は表面・裏面が同じつくりをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。
ローテーションは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転さてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。
ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。
4. 安心・安全の「日本製」
キュリエスAGはフランスベッドの国内工場(東京都昭島市)でひとつひとつ丁寧に作られています。
さらにフランスベッドでは国家規格であるJIS規格よりも厳格な自社規格の「FES規格(FES・・・Francebed Engineearing Standard)」を定めていて、高密度連続スプリング®では鋼線をねじったり、引っ張るなどの負荷をかけたり、8万回強打する耐久テストなどを実施して、品質管理を徹底しているので、安心感を持って選ぶことができるでしょう。
【体験レビュー】キュリエスAG(Ag-MH-055α)を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。梱包はマットレスの底を段ボールで補強し、ビニール袋をかけただけの簡易的なものです。
ビニール袋を開けてマットレス中身を取り出します。
あっという間に開封完了。
段ボールで包まれていないため、ゴミが少ないです。
外観
非圧縮梱包のため、開封直後から完全な形状となり、すぐに寝ることができます。
一方、圧縮梱包のマットレスの場合、開封直後は完全に復元されずヨレや歪みが出ることもあります。
「届いてすぐに本来の寝心地が得られる」というのが非圧縮梱包ならではのメリットと言えるでしょう。
生地のキルティングはゆったりとした間隔があるボーダータイプです。
マットレス生地にはいろいろなキルティングパターンがあるのですが、フランスベッドの社員の方に聞いた話では、「特に詰め物のボリューム感があるタイプは、ひとつひとつのキルトの面積を広くすることで、感触を味わいやすくすることが多い」とのことです。(逆に詰め物が少ない場合は、ひとつのキルトが小さくなる傾向があるそうです)
本商品(Ag-MH-055α)では、「シリコン綿」という弾力性がある特殊な綿(ワタ)をふんだんに使用しているため、ゆったりとしたキルティングと相まって「もっちり・ふんわり」とした感触が楽しめます。
生地の伸縮性は高く、体へのフィット感があり、体の動きへの追従性も良く、寝返りがしやすいです。
マットレス表面を人差し指で押し、集中的な荷重をかけてみます。
均等にテンションがかかっていることがわかますよね。つまり、適度に体圧が分散されていると言えます。
マットレス自体は十分な厚みがあります。
厚さは公表値は23cmでしたが、実際は約25cmほどのボリューム感があります(個体差があるかもしれません)。
これはマットレスの中では厚みがあるタイプと言えます。厚みがあるマットレスはその厚さだけで底付きを感じにくいというメリットがあります。
本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。
内部構造
今回はレンタル品のため、マットレスの裁断・解体ができず、残念ながら内部構造はお見せすることができません。
参考までに、メーカーさんが公表している断面の仕様をご紹介します。
本商品は上から、
- 生地(アグリーザ使用)
- シリコン綿
- ウレタンフォーム
- ハードウレタンフォーム
- 高密度連続スプリング(ここが真ん中)
- ハードウレタンフォーム
- ウレタンフォーム
- シリコン綿
- 生地(アグリーザ使用)
という層構造をしています。
なお、フランスベッドでは独自の「三層構造」というコンセプトでマットレスを作っています。
三層構造とは、簡単に言うと、表面から柔・硬・軟の順番で、それぞれ特徴が異なる素材を使用することによって、マットレスに必要な「体当たりはやさしく、でも、寝姿勢は正しく保持する」いう相反した要求を満たす目的の構造です。
独自の三層構造 | 役割 |
---|---|
ソフト層(第1層) | 心地よい肌触りとやわらかな寝心地(柔) |
支持層(第2層) | 正しい寝姿勢を維持する(硬) |
クッション層(第3層) | 荷重分散、衝撃吸収(軟) |
これは、人間工学の巨匠である小原二郎氏のアイデアとも非常に近しいものです。
本商品の場合、ソフト層の「シリコン綿」によって感触を良くし、支持層の「ハードウレタンフォーム」によって寝姿勢を保持し、クッション層の「高密度連続スプリング」によって衝撃を吸収し、荷重を分散するという構造になっています。
こうした柔・硬・軟のバランス感が優れたマットレスは、入眠もスムーズで、睡眠中も疲れづらいです。(肌触りが良く「気持ちよさ」を感じ、寝ているときも「姿勢が正しく保たれる」ことで体への負担が少ない)
【詳細解説】キュリエスAG(Ag-MH-055α)の評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ キュリエスAG(Ag-MH-055α)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.56 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 4.5 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 5.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 5.0 |
衛生面 | 5.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
使用感のイメージは以下の動画をご参考ください。(音は出ません)
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星4」。
体を面で受け止めるしっかりとした寝心地が特徴の高密度連続スプリングですが、本商品は詰め物に適度なボリューム感があり、想像よりも「ふんわり」とした寝心地です。
フィット感がありつつ、沈み込んだらしっかりサポートされるという感じで、適度な体圧分散性があり心地よいです。
2. 横向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星3.5」。
詰め物に使用している弾力性があるシリコン綿は、簡単に沈み込まず、荷重に対してしなやかに反応します。
そのため、体のラインがはっきりする横向き寝においても、心地よいフィット感があり寝姿勢が保持されます。底付き・バネあたりも全く感じませんでした。
ただし、平均よりも体重が重い人や、体のラインがはっきりしている人の場合は、やや圧迫を感じかもしれません。
そうした方で横向きを中心とした寝姿勢の場合、より詰め物のボリュームがある「ピロートップタイプ」のポケットコイルマットレスがおすすめです。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星4」。
豊かなクッション性に加えて、高密度連続スプリングならではの体の動きに対する追従性の高さから寝返りはスムーズに打てました。
横方向のキルティングも寝返りの動きを妨げにくいです。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星4.5」。
マットレスの外周にワイヤーがある構造のため、端部分が沈み込みにくい構造になっています。
端部分ギリギリで寝てもほとんど寝心地が変わらず、マットレス全面を贅沢に使えます。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が構造的には通気性が優れていますが、実用上はそこまで差はありません。
評価は「星4.5」。
高密度連続スプリングは空洞が多いオープンコイル構造のため、通気性は高いです。寝ていても蒸れを感じませんでした。
さらに、本商品はマットレスの側面に「通気孔」を設けているので、より通気性が高められた工夫がされています。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「星4」。
国家規格であるJIS規格よりも厳格なフランスベッド独自の「FES規格(FES・・・Francebed Engineearing Standard)」によって品質検査を行っています。
8万回の強打(押圧)試験を合格している商品はだいたい10年くらいは問題なく使えると言われることが多く、さらに高密度連続スプリングは数あるクッション素材の中でも最も耐久性が優れているため、長期間の使用も安心でしょう。
また、本商品は両面仕様のため、上下表裏のローテーションによってヘタリをならすことができ、寝心地が長持ちしやすいです。
なお、保証期間は2年です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星5」。
本商品の最大の特長は衛生面の高さです。この記事で何度もご紹介しているとおり、除菌クラス(制菌以上)の抗菌性が高いアグリーザ糸を使っています。
さらに防ダニ加工も施されていて、これだけ衛生面が配慮されたマットレスはなかなかありません。文句なしの「星5」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びがしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3」。
外周にワイヤーがある構造のため形状安定性が良く、オープンコイル構造のため比較的軽量なので、一般的な力を持っている人の場合、ちょっとした移動程度ならそこまでストレスを感じないと思います。
しかし、お届け時は非圧縮(つまり、そのままの大きさ)なので、搬入経路に不安がある人にはおすすめできません。
捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
厚さは23cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.00」。
本商品の販売価格はシングルサイズで100,000円です。
高額な固定費や販促費等が商品価格に転嫁されやすい有名メーカー製の商品のため、仕方のないことかもしれませんが、マットレス市場全体から考えると高めです。
また、非圧縮タイプならではの高額な配送費が本体価格に含まれているため、なんとなく「マットレス本体以外に余計なお金を支払うのはもったいない」と感じてしまう人もいるかもしれません。
とはいえ、キュリエスAGシリーズの高い抗菌性能と、高密度連続スプリングの耐久性・寝心地の良さというメリットがあるため、最終的な総合評価(コストパフォーマンス)としては悪くなく、むしろ良いのではないかと考えます。
実際に使ってみて気になったところ
揺れが少し気になる
このマットレスに搭載されている高密度連続スプリングは、1列ずつ鋼線をひとつなぎで作る「連続コイル」タイプのスプリングです。
連続しているからこその耐久性の高さという大きなメリットはありますが、揺れやすいという点がデメリットです。
参考までに、同じくらいの価格帯のポケットコイルマットレス(右:NELLマットレス)との揺れを比較した動画は以下の通りです。
マットレスの角から25cmずつ離した位置に花瓶を置き、縦の中間位置(約97cm)あたりから同等程度の衝撃を8回(弱→強)与え、揺れ方を検証。
右のマットレス(NELLマットレス)で使われているポケットコイルは独立コイル構造なので、振動の伝わりにくさがメリット。故に、花瓶の揺れもほとんどありません。
一方、高密度連続スプリングを使用している左のキュリエスAGの方が、遠くまで揺れが伝わっていて、花瓶のグラつきが大きいことがわかると思います(そして、マットレス自体の揺れも大きめです)。
フランスベッドの中にはいくつもの高密度連続スプリングを搭載したマットレスがありますが、その中でもこの商品は特に揺れやすいと感じました。
理由はおそらくコイル高が高いことによって、クッション性が高まり、結果的に揺れも伝わりやすくなっているということだと思います。
また、詰め物のボリューム感もすごく厚いわけではなく、使っている素材も衝撃吸収性に優れたものではないことも揺れやすさにつながっていると考えます。
とはいえ、「寝ていてすごく不快」というわけではありません。寝返りなどの睡眠時における一般的な動作においてはストレスは感じませんでした。
ただし、二人で同じマットレスに寝る場合にあまり向かないと思います。自分が想定していないパートナーの動きや起き上がりなどの集中的な振動はやはり寝ていて気になるものです。
本商品を二人で使いたいとお考えの場合はシングル×2台がおすすめです。(またはお好きなサイズ×2台)
「二人で同じマットレスに寝たい」とお考えの方はポケットコイルマットレスをご検討いただければと思います。
衛生面における効果の実感は難しい
これはデメリット(マイナス面)ではないのですが、抗菌性能については、当サイトでは検証が難しく、効果の実感はできなかったです。
一応、この記事を書くにあたり3週間ほど寝たりいろいろな検証をして使ってみましたが、気になる臭いなどは感じませんでした。
こうした衛生加工は、長期間使っていく中で真価を発揮するものです。
実際に使ってみてよかったところ
もっちりとしたシリコン綿が気持ち良い
このマットレスの特徴的な寝心地を作っているのは、おそらく詰め物の「シリコン綿(ワタ)」です。
シリコン綿は、羽毛に似せた化学繊維として開発されたので、感触も羽毛に近く、一般的なスプリングコイルマットレスの詰め物で使用される綿と比べて、弾力性が高いことが特徴。
要するに荷重に応じて押し返すような力が働くので、「もっちり・ふんわり」した寝心地になるのです。
また、一般的な綿よりも耐久性が高いので、寝心地が変わりづらい点もメリット。
シリコン綿×高密度連続スプリングの組み合わせによって「ふんわりとやさしく荷重を受け止め、沈み込んだらしっかりとサポートされる」という心地よい寝心地が実現されている点が素晴らしいと思いました。
口コミ・評判のまとめ
本商品は販売開始されたばかりの新商品なので、まだ口コミがありません。口コミが溜まってきた際に改めて以下にまとめたいと思います。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
※掲載待ち | ※掲載待ち |
口コミに関する解説
※掲載待ち
どこで買うのがお得?
キュリエスAG(Ag-MH-055α)は、ネット限定モデルで、販売が許可されている店舗も限定的です。
おすすめはベッド専門店「ネルコ」です。
ネルコは約6,000点もの豊富な品ぞろえが特徴で、セールやキャンペーンも頻繁に行っている点が魅力です。
フランスベッドなどの有名メーカー品は、セール対象外になることが多いのですが、たまにポイントが数倍(5倍や10倍)もらえるキャンペーンの対象になることがあります。
この商品の場合だと、シングルサイズで約80,000円なので、仮にポイント10倍の場合、8,000円分のポイントが一気にためることができます。
本商品のデメリット
本商品(キュリエスAG Ag-MH-055α)は、寝心地は大変満足いくものでした。さらに高い衛生機能があり、快適に使い続けられる点も大きな魅力です。
ですが、どんなに良い商品にもマイナス面(デメリット)は付き物です。以下では本商品のデメリットだと思った点をご紹介します。
搬入しにくい
非圧縮梱包(マットレスそのままの形)でお届けされるため、梱包サイズが長辺で約2メートルもの大型サイズとなります。よって、搬入経路に不安がある家にお住いの方はご注意ください。
最近ではマットレスをロール状に圧縮してお届けする「圧縮梱包(ベッド・イン・ボックス)」の商品も増えてきました。
通路が狭い家にお住まいの方などには圧縮梱包タイプのマットレスがおすすめです。
お届けまで時間がかかる
本商品は受注生産品となり、お届けまで注文後4週間ほど必要です(時期によってはもっと納期が遅くなる可能性もあります)。
すぐにマットレスが欲しい人は以下の記事もご参考ください。
価格が高め
フランスベッドはいわゆる有名メーカー(シモンズ・シーリー・サータ・日本ベッド等)のひとつとして位置づけられますが、その中では比較的安価でコストパフォーマンスは高いです(他メーカーは最安値モデルでも最低10万円以上することがほとんどです)。
しかし、有名メーカー製の商品ということもあり、マットレス市場全体から考えると価格はやや高めです。(シングルサイズで約9万円)
フランスベッドのように多くの実店舗(ショールーム)を構えたり、自社工場を持っている場合、それらの固定費が商品価格に上乗せされます。また、CMなどの販促費も同様です。
「なるべく価格が安い国産メーカー品が良い」という人は源(みなもと)ベッドがおすすめです。
源ベッドを運営しているのはチヨダコーポレーションという広島県にあるベッドメーカーで、フランスベッドよりは規模が小さく、知名度は低めですが、国内に自社工場を構え、高品質なマットレスを製造しています。
そして、源ベッドはメーカー直営店のため、余計なコストがかかりにくく、予算3万円以内でも満足できる商品が選べる点が魅力です。
なお、源ベッドのマットレスは基本的に「ポケットコイルマットレス」です。
しかし、本商品で搭載している「高密度連続スプリング」はフランスベッドでしか選べないため、(希少性という点でも)価格が高いのは仕方がないことで、積極的に受け入れるべきデメリットとも言えるでしょう。
似ている商品との比較
本商品の特徴である「高い衛生加工」が施されたマットレスを比較してみます。
メーカー | ①フランスベッド(本商品) | ②源ベッド | ③マニフレックス |
---|---|---|---|
画像 | |||
クッション材 | 高密度連続スプリング | ポケットコイル | ウレタンフォーム |
技術 | アグリーザ | デオファクター アンチウイルス | VIROBLOK |
衛生機能 | 制菌(除菌レベル) | 制菌、抗ウイルス、抗カビ | 抗菌防臭、抗ウイルス |
価格 (Sサイズ) | 100,000円 | 33,900円 | 165,000円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②はこの記事のすぐ上でご紹介した「源ベッド」の高衛生マットレスです。「デオファクター アンチウイルス」という衛生加工が生地に施されていて、抗ウイルス・抗カビ・制菌という3つの性能が得られます。
抗菌性においては、本商品のキュリエスAG(アグリーザ)よりも劣りますが、制菌レベルの抗菌防臭性と抗ウイルス等の衛生加工を施したマットレスが3万円台で買えるのはかなりコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
当サイトでも実物を体験レビューさせていただいたので、ご興味ある方はご参考ください。
③は高反発マットレスのパイオニアメーカー「マニフレックス」の抗ウイルスタイプのマットレスです。銀とベシクルの2つの技術の組み合わせよってウイルスを撃退します。
強固な被膜があるウィルスの場合、銀だけでは破壊できないのですが、ベクシルはその被膜をこじ開ける働きをするという仕組みです。
衛生面が優れたおすすめマットレスは以下の記事でまとめています。
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
まとめ
いかがでしたか。
フランスベッドの高衛生マットレス「キュリエスAG(Ag-MH-055α)」をご紹介させていただきました。
キュリエスAGはフランスベッドが今、最も力を入れている高衛生マットレスシリーズです。
キュリエスAGで使用しているアグリーザ糸を同社の基幹マットレスブランドのLT(ライフトリートメント)シリーズの生地にも標準的に搭載するなど、フランスベッド全体で「高衛生」という性能を強くアピールしているように感じます。
近年の社会情勢的にもやはり衛生面が気になるユーザーの方が増えてきていると思いますし、そもそもマットレス自体がシンプルに清潔な状態を保てるのは一般的に考えても大きなメリットと言えるでしょう。
キュリエスAGシリーズは他にもいくつかあるのですが、基本的には実店舗のみの販売となっています。これはネットで流通が増えだすと値崩れしやすくなり、価格や表現のコントロールがしにくく、結果的にブランド(キュリエスAG)のイメージが棄損されるリスクがあるためです。
よって、ごく限られたネットショップにのみ、キュリエスAGのネット限定モデル(Ag-MH-055α)の取扱いが許可されているのです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。