硬い寝心地が好きならコレ
この記事では有名マットレスメーカーのフランスベッドと、ベッド専門店ネルコなどを運営するインテリアオフィスワンが共同開発した「フランスベッド史上最高に硬いマットレス(IMF-002)」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
「フランスベッド史上最高に硬いマットレス(IMF-002)」の基本情報
本商品(IFM-002)は、老舗国産マットレスメーカーのフランスベッドと、インテリアオフィスワン(ベッド専門店「ネルコ」等を運営)が共同開発したマットレスです。
『もっと硬いマットレスを作ってください』
というレビューから始まった企画で、マットレスの硬さに定評があるフランスベッドが商品として形にしました。
つまり、この商品はインテリアオフィスワン(ネルコ等)でしか買えないフランスベッド製のマットレスです。
サイズ | シングル~ダブル |
---|---|
クッション材 | 高密度連続スプリング |
カラー | ブラウン |
価格(Sサイズ) | 39,900円 |
保証期間 | 2年 |
なお、「フランスベッド史上最高に硬いマットレス」とはキャッチコピーで、この商品に名前はありません。この記事では本商品の型番である「IFM-002」として、以下よりご紹介させていただきます。
【まず結論】このマットレス(IFM-002)の評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ IFM-002の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.59 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 2.0 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.4 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
以下より、その理由を詳しくご紹介します。
IFM-002の特徴・メリット
このマットレスの特徴を端的に表すと「確かに硬い、でも体は痛くない。」です。
以下より、本商品(IFM-002)の特徴を詳しくご紹介します。
1. 硬めの寝心地を作る「高密度連続スプリング」
本商品はクッション材にバネを使用した「スプリングコイルマットレス」です。
スプリングコイルマットレスには大きく以下の3つの種類があります。
スプリングコイルの種類
- ボンネルコイル
- ポケットコイル
- 高密度連続スプリング(本商品はコレ)
IFM-002は3つめの「高密度連続スプリング」が採用されています。
高密度連続スプリングとは、「一列がつながった鋼線によって、高密度に編み込まれたスプリング」のこと。権利の関係で日本ではフランスベッドでしか製造・販売が許されていないスプリングです。
高密度で連続した構造のため、硬めの寝心地を得意としていて、この商品のコンセプトである「最高に硬いマットレス」に最適な種類のスプリングと言えます。故に、このマットレスはフランスベッドで作ることになったのです。
なお、他のスプリング(ボンネルコイルとポケットコイル)の特徴は以下の記事で詳しくご紹介しています。
2. 耐久性が抜群
高密度連続スプリングはつながった(連続)構造のため、耐久性がとても高いということが大きな特長。
他のスプリング(ボンネルコイルやポケットコイル)は、コイルを一つずつ生み落として、それを鉄線や不織布(接着剤)でくっつける製法なので、いわば「連結コイル」タイプです。
一方、高密度連続スプリングは、鋼線が1列連続して巻かれている「連続コイル」タイプです。
連続しているがゆえに、ラグビーで言うとスクラムを組むように、荷重に対してスプリング同士が助け合って支えるため、連結コイル(ボンネル・ポケット)に比べて耐久性が高いのです。
さらに、高密度に編み込めるため、体への追従性も高く、フィット感も優れます。
ちなみに、ボンネルコイルと見た目が似ているので、高密度連続スプリングをボンネルコイルタイプと紹介されている記事などもありますが、それは間違いです。(構造が全く異なります)
高密度連続スプリングは、その耐久性の高さから、特に体重が重い人におすすめです。
3. 通気性が良い
高密度連続スプリングは、空洞が多い「オープンコイル構造」のため、通気性が良い点も特長です。
さらに本商品(IFM-002)は、マットレス全周に2列の通気孔を採用していて、より通気性が良い構造になっています。
高温多湿の日本においては適した仕様で、汗をかきやすい人や蒸れが気になる人にもおすすめです。
4. 長持ちしやすい「両面仕様」
本商品は表面・裏面が同じつくりをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。
ローテーションは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転さてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。
ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。
5. 安心・安全の「日本製」
IMF-002はフランスベッドの国内工場(東京都昭島市)でひとつひとつ丁寧に作られています。
さらにフランスベッドでは国家規格であるJIS規格よりも厳格な自社規格の「FES規格(FES・・・Francebed Engineearing Standard)」を定めていて、高密度連続スプリング®では鋼線をねじったり、引っ張るなどの負荷をかけたり、8万回強打する耐久テストなどを実施して、品質管理を徹底しているので、安心感を持って選ぶことができるでしょう。
IFM-002のデメリット
どんなに良い商品にもマイナス面(デメリット)は付き物です。以下では本商品のデメリットだと思った点をご紹介します。
搬入しにくい
非圧縮梱包(マットレスそのままの形)でお届けされるため、梱包サイズが長辺で約2メートルもの大型サイズとなります。よって、搬入経路に不安がある家にお住いの方はご注意ください。
最近ではマットレスをロール状に圧縮してお届けする「圧縮梱包(ベッド・イン・ボックス)」の商品も増えてきました。
通路が狭い家にお住まいの方などには圧縮梱包タイプのマットレスがおすすめです。
お届けまで時間がかかる
本商品は宅配便ではなく、大型配送便扱いとなり、お届けまで注文後2週間以上必要です(時期によってはもっと納期が遅くなる可能性もあります)。
さらに、お届け当日に不在で受け取れなかった場合、再配達に2週間ほどかかり、別途追加料金がかかる可能性もあるという配送条件が厳しめの商品です。
すぐにマットレスが欲しい人は以下の記事もご参考ください。
【体験レビュー】最高に硬いとされる「IFM-002」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。梱包はマットレスにビニール袋をかけただけの簡易的なものです。
上辺(短辺)のビニールをハサミで切ります。このとき、マットレス本体を切らないようにご注意ください。
ビニール袋を開けてマットレス中身を取り出します。
あっという間に開封完了。
段ボールで包まれていないため、ゴミが少ないです。
外観
非圧縮梱包のため、開封直後から完全な形状となり、すぐに寝ることができます。
一方、圧縮梱包のマットレスの場合、開封直後は完全に復元されずヨレや歪みが出ることもあります。
「届いてすぐに本来の寝心地が得られる」というのが非圧縮梱包ならではのメリットと言えるでしょう。
生地のキルティングはひし形を変形させたようなキルティングです。(メーカーの方は「手裏剣」と呼んでいました 笑)
キルティングひとつひとつはふっくらとしていて、体当たりが柔らかに感じます。
生地の伸縮性は低めで、硬めの触り心地です。
マットレス表面を人差し指で押し、集中的な荷重をかけてみます。
テンションのかかり具合に偏りがあることがわかますよね。つまり、生地・詰め物層の体圧分散性はあまり高くないです。
体圧分散性が高くないことは別に悪いことではありませんが、ふっくらふんわりとしたやさしい寝心地が好きな人には不向きです。
マットレスの厚さのチェックです。
厚さは公表値は16cmでしたが、実際は約17cmほどでした(個体差があるかもしれません)。
これはマットレスの中ではどちらかと言うと薄めのタイプです。薄いマットレスの方が軽量のため、持ち運びやローテーションなどの移動がしやすいので、力が弱い人にもおすすめです。
本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
スプリングコイルの上に詰め物が施されています。
上から、
- ジャガード生地
- わた 10mm
- ソフトウレタン 20mm
- 不織布(抗菌防臭・防ダニ加工)
- エクストラハードフェルト 5mm
- わたフェルト 10mm
- 高密度連続スプリング(ここが真ん中)
- わたフェルト 10mm
- エクストラハードフェルト 5mm
- 不織布(抗菌防臭・防ダニ加工)
- ソフトウレタン 20mm
- わた 10mm
- ジャガード生地
という13層構造をしています。
約5cmほどの適度なボリューム感の詰め物層があるため、寝てもバネ当たりを感じることはありませんでした。
生地の真下にある綿です。ふんわりとやわらかい感触が気持ち良いです。
綿の下には20mmの厚めのソフトウレタンフォーム層があります。
このやわらかなウレタンによって、硬いだけでなく、体当たりがやわらかな感触が得られます。
更に下には2層のフェルトがあります。
上が「エクストラハードフェルト」で、硬めの寝心地を作っています。下が「わたフェルト」で沈み込んだときの体圧を分散します。
なお、この2層のフェルトの間には抗菌防臭と防ダニ加工が施された不織布が挟まっています。
スプリングの高さは110mm弱でした。
これは、一般的なスプリングコイルマットレスと比べると比較的低めの高さです。
なお、スプリングは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。
フランスベッド独自の「三層構造」とは?
フランスベッドでは独自の「三層構造」というコンセプトでマットレスを作っています。
三層構造とは、簡単に言うと、表面から柔・硬・軟の順番で、それぞれ特徴が異なる素材を使用することによって、マットレスに必要な「体当たりはやさしく、でも、寝姿勢は正しく保持する」いう相反した要求を満たす目的の構造です。
独自の三層構造 | 役割 |
---|---|
ソフト層(第1層) | 心地よい肌触りとやわらかな寝心地(柔) |
支持層(第2層) | 正しい寝姿勢を維持する(硬) |
クッション層(第3層) | 荷重分散、衝撃吸収(軟) |
これは、人間工学の巨匠である小原二郎氏のアイデアとも非常に近しいものです。
本商品の場合、ソフト層の「綿・ソフトウレタンフォーム」によって感触を良くし、支持層の「エクストラハードフェルト」によって寝姿勢を保持し、クッション層の「高密度連続スプリング」によって衝撃を吸収し、荷重を分散するという構造になっています。
こうした柔・硬・軟のバランス感が優れたマットレスは、入眠もスムーズで、睡眠中も疲れづらいです。(肌触りが良く「気持ちよさ」を感じ、寝ているときも「姿勢が正しく保たれる」ことで体への負担が少ない)
【詳細解説】IFM-002の評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ IFM-002の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.59 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 2.0 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.4 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
使用感のイメージは以下の動画をご参考ください。(音は出ません)
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星4」。
詰め物のボリューム感が少なく、スプリングでしっかりと支えられている感じの寝心地です。
支持面の自由度が高く、追従性があるという高密連続スプリングの特徴的な寝心地は、背中や臀部の丸みや荷重に対して、しなやかに、そしてしっかりとサポートされます。
スプリングの上にある二重のハードウレタンフォームのおかげで、沈み込みが深い場所でもバネ当たりは感じません。底付き感もありません。
体のラインが自然と伸び、仰向きでの寝心地は抜群です。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星2.0」。
このマットレスで最大の弱点と言えるのが、横向きの寝心地です。
やはり「超硬め」の寝心地を作っている商品なので、肩や臀部の集中的な荷重に対しては強めの圧迫感があります。
これは詰め物のボリュームが少ないことや、生地の伸縮性が少ないこと、硬い寝心地を得意としている高密度連続スプリングを採用していることなど、それぞれの仕様が硬めの寝心地を作るために計算されているが故のマイナス面です。ただし、底付き感・バネ当たりはありません。
横向きの寝姿勢による圧迫感は本商品(IFM-002)ならではの「超硬めの寝心地」を手に入れるにあたり積極的に受け入れるべきデメリットとも言えます。
なお、本商品は硬い寝心地のため、もし圧迫感にストレスを感じたら、厚めのシーツやトッパーなどを使えば微調整できるのでご安心ください。
一方、逆にはじめから柔らかすぎる寝心地のマットレスは、あとから硬く調節はできないので、硬めのマットレスを選ぶことは最終的に失敗しにくい方法と言えます。
とはいえ、横向き寝を中心とした人はクッション性が豊かなやわらかめのマットレスもご検討いただくと良いでしょう。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星3」。
反発性やクッション性に優れた仕様でないため、特に寝返りが打ちやすいというわけではありませんが、硬めの寝心地で体が沈み込み過ぎないことで、体の中心線が整いやすく、高密度連続スプリングならではの追従性の高さあり、ストレスなく寝返りが打てました。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星4.0」。
マットレスの外周にワイヤーがある構造のため、端部分が沈み込みにくい構造になっています。
端部分ギリギリで寝てもほとんど寝心地が変わらず、マットレス全面を贅沢に使えます。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が構造的には通気性が優れていますが、実用上はそこまで差はありません。
評価は「星4.5」。
高密度連続スプリングは空洞が多いオープンコイル構造のため、通気性は高いです。寝ていても蒸れを感じませんでした。
さらに、本商品はマットレスの側面に「通気孔」を設けているので、より通気性が高められた工夫がされています。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「星4」。
国家規格であるJIS規格よりも厳格なフランスベッド独自の「FES規格(FES・・・Francebed Engineearing Standard)」によって品質検査を行っています。
8万回の強打(押圧)試験を合格している商品はだいたい10年くらいは問題なく使えると言われることが多く、さらに高密度連続スプリングは数あるクッション素材の中でも最も耐久性が優れているため、長期間の使用も安心でしょう。
また、本商品は両面仕様のため、上下表裏のローテーションによってヘタリをならすことができ、寝心地が長持ちしやすいです。
なお、保証期間は2年です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星4」。
本商品の詰め物には防ダニ・抗菌・防臭加工が施された不織布を使用しています。
フランスベッド製のマットレスはこうした衛生加工を施している商品が多いことが特徴です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びがしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3」。
外周にワイヤーがある構造のため形状安定性が良く、オープンコイル構造のため比較的軽量&薄型なので、一般的な力を持っている人の場合、ちょっとした移動程度ならそこまでストレスを感じないと思います。
しかし、お届け時は非圧縮(つまり、そのままの大きさ)なので、搬入経路に不安がある人にはおすすめできません。
捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいです。
厚さは16cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星3.4」。
本商品の販売価格はシングルサイズで39,900円です。
マットレス市場全体で考えると、もっと安いマットレスはあります。
しかし、フランスベッド製(国内生産品・高密度連続スプリング搭載)という点を考えると総合的なコストパフォーマンスは高いと考えます。
なお、フランスベッドの基幹マットレスブランドのLT(ライフトリートメント)シリーズの中では最安値のモデルでも10万円以上することから、本商品はフランスベッドのマットレスの中ではかなり格安商品と言えるでしょう。
【補足】振動の伝わりやすさは?
高密度連続スプリングは、コイルを連続している構造が故に、振動が伝わりやすい点が人によってデメリットに感じることもあります。
一般的に考えて、スプリングコイルにおいては、最も振動が伝わりにくいのはポケットコイルで、その次が高密度連続スプリング、そして最も振動が伝わりやすいのがボンネルコイル(鉄線で連結しているので最も振動が伝わりやすい)という順です。
つまり、高密度連続スプリングは、「すごく揺れやすいというわけではないが、ポケットコイルよりは揺れる」程度の振動の伝わりやすさです。
本商品の揺れの伝わりやすさ(にくさ)は以下の動画をご参考ください。
本商品はコイルの高さがそこまで高いタイプではなく、要するにクッション性が良い意味でも少ない構造のため、高密度連続スプリングマットレスの中でも振動は伝わりにくいタイプです。
振動が伝わりにくいマットレスは、二人で同じマットレスに寝る場合におすすめです。特に静かな寝心地が好きな人はポケットコイルマットレス(別商品)もご検討いただければと思います。
実際に使ってみて気になったところ
横向き寝はややストレス
すでに上でも触れましたが、横向き寝においては特に肩が圧迫されることによってややストレスを感じます。
仰向き寝の寝心地は抜群ですが、横向き寝を中心とした人には合わないと思います。
やや味気ない寝心地
高級ホテルで寝るようなふんわりふかふかさはなく、良くも悪くも地味な寝心地です。体を預けた瞬間に感動するようなクッション性などはありません。
しかし、高級すぎるふんわりふかふかなマットレスは、沈み込み過ぎたりすることでやがて静かな疲労がやってくることもあり、実は平均的な日本人に多い「平坦な体型」にとって硬めの寝心地の方が合いやすかったりします。
その点、本商品は感動するような寝心地はないけれども、日常使いにはむしろ適していると思います。
実際に使ってみてよかったところ
硬い=痛いではない絶妙なバランス
「最高に硬いマットレス」というキャッチコピーから、痛いくらい硬いのではないか?と覚悟していましたが、良い意味で予想を裏切られました。
立体感があるキルティングを施しているため、詰め物が少なくてもある程度のボリュームを感じられて、中に入っているソフトウレタン層が20mmもあるおかげで、適度な体圧分散性があり、体当たりが意外とやさしかったです。
このマットレスは単純に硬い素材ばかりを集めて作ったわけではなく、硬さを感じるために、あえてやわらかい素材を使った柔・硬・軟という3層構造がポイントです。
料理でも甘さをより感じるために塩分を入れることがありますよね。それと同じようなアプローチでこのマットレスは作られているので、「硬いけど痛くない」という絶妙なバランスがあるのです。
実際の入眠時(仰向き)では、沈み込んだらしっかりと面で支えられ、集中的な荷重がかかる背中や臀部に心地よい圧力(体圧)を感じました。
「圧力を感じると体が痛いのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、実は人間の体には鈍感なところと敏感なところがあり、鈍感なところには適度に圧力がかかっていた方が心地よく感じるのです。
ちなみにマットレスでは「体圧分散性の高さ」をセールスポイントとしている商品も多いのですが、体圧分散性が高すぎると、体の鈍感・敏感を無視した悪平等の分散となり、結果的に「気持ち悪い寝心地」になってしまうおそれがあります。
また、そもそも人の体圧分布は個人個人で異なりますし、人によって圧力の感じ方も変わる(しかも、同じ人でもメンタル・フィジカルによって体圧分布は変動する)ので、何をもって「体圧分散性が優れているか」というのは決められないものです。
話が少し脱線してしまいましたが、要するに体圧分散性の高さを重視してマットレスを選んでしまうのは避けた方が良く、本商品においてはあくまで筆者にとって適度な体圧分散性を感じられた(体圧の悪平等は感じられなかった)ということです。
本商品は、硬いだけでなく、全体のバランスをしっかり考えられたマットレスだと思います。
口コミ・評判のまとめ
本商品の口コミをまとめると以下のような評価をされているユーザーの方が多い印象でした。
良い口コミ | 悪い口コミ |
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口コミに関する解説
投稿されたレビューにおいては5点満点中4~5の星を付けているユーザーが多く人気の高さが伺えます。
やはり本商品の最大の特徴である「硬さ(超硬い)」に期待して購入されているユーザーの方が多いようですね。
実際の硬さについては、想像通りの人もいれば、思ったより柔らかいという人も。ですが、どちらにせよ硬さに関して悪い口コミは見られませんでした。
当サイトでも検証しましたが、本商品は単なる硬い素材を組み合わせたマットレスではなく、硬いながらも快眠に必要な「体当たりのやわらかさ」という点も上手にバランスを取っている点が素晴らしいと思います。
また、腰痛持ちの人は、腰が落ち込まないように硬いマットレスを探されていることもあり、腰への負担に関する良い評価も見られました。(ただし、腰痛の原因は人それぞれで、万人の腰痛を改善するマットレスなどありまんのでご注意ください)
布団(敷き布団)からの買い替えにも違和感がないという口コミもありました。布団は基本的にクッション層がない構造のため、沈み込んだら硬い床の存在を感じやすく、そうした硬めの寝心地に慣れ親しんだ人にとっても違和感なく使用できたということです。
一方、マイナス評価は配送面です。本商品は大型配送便扱いのため、お届けまで2週間以上かかります。配送条件も少し厳しめなので、その点はご注意ください。
しかし、寝心地に関するマイナス評価は見られないというのは、皆さん使用感としてはとても満足されているのだと思います。
似ている商品との比較
本商品の特徴である「硬い寝心地」で、同等の価格帯におけるフランスベッド社製マットレスと比較します。
型番 | ①IFM-002(本商品) | ②XA-241 | ③ZT-020 |
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画像 | |||
寝心地 | 超硬め | 硬め | やや硬め |
厚さ | 16cm | 20cm | |
通気孔 | 〇 | × | 〇 |
価格 (Sサイズ) | 39,900円 | 32,000円 | 44,000円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②は最安値レベルの高密度連続スプリングマットレスです。寝心地が本商品(IFM-002)よりも若干ソフトになり、通気孔がない仕様。フランスベッドのマットレスをとにかく低価格に買いたい人におすすめのモデルです。
③はやや厚みがあり、その分クッション性が高まり硬いながらしなやかな寝心地が得られるモデルです。
本商品(IFM-002)は、「最高に硬い」というかなり尖ったコンセプトがあり、これといった競合商品は見当たりません。とにかく硬い寝心地を求める人にとっては最適でしょう。
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
まとめ
いかがでしたか。
「フランスベッド史上最高に硬いマットレス(IFM-002)」をご紹介させていただきました。
本商品は国産老舗マットレスメーカーのフランスベッドと、ベッド専門店「ネルコ」などを運営するインテリアオフィスワンとのコラボモデルです。
単純に硬いだけのマットレスではなく、体当たりのやさしさや通気性・衛生面など、マットレスに必要な機能と硬さのバランスを絶妙に考えられて作られた精巧な商品です。
特に体重が重い人や体格ががっしりとした人にぴったりですが、平均的な日本人体型の人(平坦な体つき&仰向き寝が中心)なら幅広くおすすめできる寝心地でしょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。