ウィルスを減らせるマットレス
この記事では源ベッドの高衛生マットレス「デオファクター ハイグレードタイプ」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきましたが、宣伝を目的とした記事ではありません。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトでは体験レビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を撮影・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人

ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、「gooランキング(NTTグループ)」などへの出演・取材協力も行う。
目次
デオファクターマットレス(ハイグレードタイプ)の基本情報
本商品はマットレスの側生地に「デオファクター アンチウイルス」という抗ウイルス・制菌・防カビ加工が施されていることが最大の特長。サイズや価格等の情報は以下の通りです。
サイズ | セミシングル~ワイドダブル (ショートサイズあり) |
---|---|
クッション材 | ポケットコイル ※圧縮梱包 |
カラー | ホワイト |
価格(Sサイズ) | 36,900円 |
保証期間 | 1年(公式サイトのみ3年) |
なお、本商品と同様のデオファクター アンチウイルスが施された生地を使ったマットレスはもうひとつ「プレミアムタイプ」があります。
本商品(ハイグレードタイプ)とプレミアムタイプとの違いは以下の通りです。
▼ 源ベッドのデオファクターシリーズ | ||
---|---|---|
ハイグレード (本商品) | プレミアム | |
画像 | ![]() | ![]() |
スプリング | ポケットコイル | |
寝心地 | ソフト・レギュラー・ハード | レギュラー(高反発) |
サイズ | SS~WD | S~D |
詰め物 | ウレタン | プロファイルウレタン |
抗菌防臭 | 〇 | |
仕様 | 両面 | |
価格 (Sサイズ) | 36,900円 | 41,900円 |
商品リンク | 販売ページ | 販売ページ |
デオファクターでない通常モデルのプレミアムタイプの寝心地に関しては以下の記事で詳しくご紹介しています。生地以外の仕様や寝心地は同じなので、ご参考いただけるかと思います。
源ベッドの特徴やラインアップについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ デオファクターマットレス(ハイグレードタイプ)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.72 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 5.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.49 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
以下より、その理由を詳しくご紹介します。
本商品の特徴・メリット
本商品は広島県にあるベッドメーカー「源(みなもと)ベッド※」が製造・販売するオリジナルポケットコイルマットレスです。※運営会社は株式会社チヨダコーポレーション
同社で特に売れ筋の人気商品「圧縮ポケットコイルマットレス ハイグレードタイプ(下の画像)」の側生地を「デオファクター アンチウイルス」という抗ウイルス・制菌・防カビ加工を施し衛生面を強化したモデルです。

側生地以外の特徴は「圧縮ポケットコイルマットレス ハイグレードタイプ」と基本的に同様ですので、以下の記事もご参考いただければと思います。
以下より、本商品の特徴を詳しくご紹介します。
1. 「デオファクター アンチウイルス」で衛生面◎
本商品の最大の特長は側生地に「DEOFACTOR® Antivirus(デオファクター アンチウイルス)」という加工が施されていることです。
簡単に言うと衛生面がすごく強化された仕様ということです。
デオファクター アンチウイルスにはどんな効果があるの?
まず、DEOFACTOR®というのは、高橋練染株式会社(京都府)が開発した生地に制菌加工を施す技術の名称です。
菌(主に黄色ブトウ球菌)の増殖を抑える効果をうたった加工一般が「抗菌防臭」と言うのですが、抗菌性がより強いものを「制菌」と呼びます。
なお、抗菌と制菌の違いは以下の通りです。
抗菌 | 制菌(抗菌性がより強い) |
---|---|
防臭程度に菌の増殖を抑制すること | 菌をそれ以上増やさずに、数を減少させること |
そして、本商品に搭載している「DEOFACTOR® Antivirus(デオファクター アンチウイルス)」というのは従来のDEOFACTOR® にさらに抗ウイルスと抗カビを加えた加工技術です。
DEOFACTOR® | DEOFACTOR® Antivirus (本商品) |
---|---|
制菌 | 制菌+抗ウイルス・抗カビ |
抗ウイルスと抗カビの定義は以下の通りです。
- 抗ウイルス:ウイルスの数を減少させ、伝搬を弱めること
- 抗カビ:カビが生えないように、カビ劣化防止すること
具体的な効果は?
デオファクター アンチウイルスはすべてのウイルスやカビに効果があるわけではありません。効果を確認できている対象(試験を行った菌・ウイルス)は以下の通りです。
試験済みのウイルス・菌 | 人体への影響 |
---|---|
特定インフルエンザウイルス | 高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛 |
ネコカリシウイルス (ノロウイルスの代替) | 腹痛・下痢・吐き気・嘔吐(ノロウイルス) |
クロカビ | 気管支炎や鼻炎を引き起こすアレルギーの原因 |
白癬(はくせん)菌 | 水虫の原因 |
なお、どのくらいその抗力があるかというと、例えばインフルエンザウィルスの場合、2時間後に99.9%もの減少率となるようです。すごいですね。
ウイルスなどは目に見えないので実感しにくいですが、DEOFACTOR®はそもそもの防臭性能(「抗菌防臭」よりも強い「制菌レベル」の抗菌力)が優れているので、単純に臭いが気になる人にもおすすめできる素材です。
デオファクターは何からできてるの?
成分としては、天然鉱物ミネラル(鉄・カリウム・アルミニウム等)からできているので安心して使うことができます。
なお、デオファクター(およびデオファクター アンチウイルス)は、生地加工技術のことで、それ自体が生地というわけではありません。
デオファクターは劣化するの?
メーカーからの公表値としては「洗濯を10回行うと、抗ウイルス活性値は0.2減少する(活性値4.2→4.0)」とされているため、永久的に効果が持続する素材ではないようです。
デオファクターの仕組みは?
デオファクター アンチウイルスの抗ウイルスの仕組みは主に「OHラジカル」という分子を使って行っています。
OHラジカルとは、水(H2O)からH(水素)を一つ取った分子のことです。
デオファクターの抗ウィルスの仕組みは以下の通りです。
- デオファクター生地と空気中の水分(H2O)が反応
- OHラジカルが生成(H2O-H=OHラジカル)
- OHラジカルが特定ウイルスを酸化(OH+H=H2O)
- OHラジカルは再び水分に戻り空気中へ還る
以下より詳しくご説明します。(興味がない方は飛ばしていただいて大丈夫です)
まず、空気中の水分(H2O)がデオファクター加工された生地に含まれるミネラルと反応することで、H(水素)がひとつ剥がされ「OHラジカル」が生成されます。
OHラジカルはすぐに水に戻りたがる性質のため、近くの菌にくっついて、H(水素)を強引に奪います。これがOHラジカルが持つ「強力な酸化力」と言われ、酸化によって特定のウイルスの数を減らし、細菌の増殖を抑制します。
そして、Hを奪い取ったOHラジカルは無事に水(H2O)となり、それが再び空気中に戻ります。
つまり、空気がある限り、OHラジカルによる抗ウィルス作用は継続されるということです。※なお、OHラジカル以外にも過酸化水素などの酸化力がある活性酸素も生成されるそうです
DEOFACTOR® Antivirusの効果・効能の詳細については、開発元の高橋練染株式会社の公式サイトをご確認ください。
2. 高品質な「ポケットコイル」
ここからは従来の国産ポケットコイル ハイグレードタイプと同様の特徴・メリットとなります。
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいるコイルのことです。
ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。
「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
そして、商品によってポケットコイルの線種や密度(いくつコイルを使っているか)、配列(並行か交互か)、線径(バネの太さ)などの違いがあり、それらが寝心地を作る特徴となります。
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
線種 | SWRH 82 B C種 |
密度 | 496個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 1.9~2.1mm ※硬さが選べる |
国内最高クラスのバネ
ポケットコイルで使われているバネは硬鋼線(こうこうせん)と呼ばれる素材で作られ、その品質はメーカーや商品によって差があります。
1~3万円クラスのマットレスには「SWRH 72 B C」あたりの線種が使われることが多いのですが、本商品ではJIS基準最高クラスの硬鋼線「SWRH 82 B C種」という線種を採用。

例えば上記のような「SWRH 72 B C」という表示は以下の通り解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示表の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネそのものが高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもコイルの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
そうした意味で3万円台から買える格安マットレスなのに日本最高クラスの硬鋼線を使用しているというのはメリットのひとつと言えるでしょう。
高密度タイプ(Sサイズあたり496個のコイル)
マットレスは実現したい寝心地によってこれらの仕様を決めるので、一概に「この仕様が優れている!」とは言いにくいのですが、ポケットコイルの密度に関しては最低でもSサイズあたり400個以上はあった方が耐久面としてはおすすめです。
なぜかというと、密度が低すぎる場合、コイルひとつあたりに荷重が集中するためヘタリやすくなるからです。
なお、ポケットコイルマットレスはSサイズあたり465個程度の密度のことが多いですが、本商品はSサイズあたり496個という一般的な商品よりもやや高密度で作られています。
なお、ポケットコイルは高密度で作れば作るほど寝心地は硬く・体へのあたりは滑らかに、そして静かになる傾向があります。
並行配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
配列の違いもそのマットレスがどのような寝心地を目指しているか?で決められます。
並行配列はコイルを並行に配列する構造で、特徴としてはコイル一つ一つの動きが出て、反発力を感じやすく、要するに寝返りのサポート性に優れるというメリットがあります。
一方、交互配列は、コイルを交互に配列する構造で、特徴としては高密度(超高密度)に作りやすく、結果的にジェル的なぴたっとした静かな寝心地になります。より振動が伝わりづらいこともメリットです。
並行配列 | 交互配列(千鳥配列) |
---|---|
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|
|
本商品は並行配列を採用。
つまり、バネ感が適度に発揮され、寝返りがしやすいという寝心地を狙っています。
硬さが選べる(線径1.9~2.1mm)
本商品は寝心地を「ソフト・レギュラー・ハード」の3つから選ぶことができます。
寝心地は以下の通りバネの太さ(線径)と詰め物(フェルトの有り無し)で変えています。
ソフト | レギュラー | ハード | |
---|---|---|---|
線径 | 1.9mm | 2.1mm | |
フェルト | なし | あり |
線径は、太ければ太いだけ反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細ければ細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
つまり、線径は太い・細いで良し悪しが分かれるものではありません。
3. 長持ちしやすい「両面仕様」
本商品は表面・裏面が同じつくりをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。

ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転さてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。

ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。

一方、本商品は格安価格でありながら、裏面にも詰め物をしっかりと施しているため、ローテーションにより寝心地が長持ちしやすいです。
本商品のデメリット(こんな人には合わない)
なるべく安いマットレスが良い人
本商品は、源ベッドの売れ筋商品「国産ポケットコイルマットレス ハイグレードタイプ(通常モデル)」の生地にデオファクター アンチウイルス加工を施したマットレスです。
つまり、生地以外(詰め物の構造やポケットコイル等)の仕様は同じのため、通常モデルと寝心地は大きく変わりません。
なお、ハイグレードタイプにおける価格差は以下の通りです。
サイズ | 通常モデル | 本商品(デオファクターモデル) |
---|---|---|
セミシングル | 27,900円 | 35,900円 |
シングル | 28,900円 | 36,900円 |
セミダブル | 34,900円 | 42,900円 |
ダブル | 40,900円 | 48,900円 |
ワイドダブル | 45,900円 | 53,900円 |
上記の表のとおり、各サイズ8,000円の価格差があります。
つまり、デオファクター アンチウイルスに8,000円の価値を感じるかどうかでこの商品の評価が分かれると思います。
寝心地にこだわりつつ、なるべく安く済ませたい人なら通常モデルのハイグレードタイプでも良いでしょう。
しかしながら、そもそも3万円台で国産のポケットコイルマットレスが買えるのは、マットレス市場全体から見た相対的なコストパフォーマンスとして考えると決して悪くなく、むしろ良いと思います。
【体験レビュー】源ベッド「デオファクターマットレス(ハイグレードタイプ)」を実際に試してみた

実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。なお、硬さは「レギュラー」を取り寄せました。
圧縮されてロール状になって入っています。
中身はマットレス本体と取扱説明書(保証書)の2点です。
本製品の通常保証は1年ですが、公式サイトで購入すると3年保証となります。
重さは非公表ですが20kg以上はあると思うので、力の弱い人は運ぶのが大変かもしれません。
マットレスを開けていきます。
まずはマットレス(梱包)に巻かれたテープをはがしていきます。
軽い力で簡単にペリペリとめくれます。
テープをめくり終わるとロール状に巻かれていたマットレスがゆっくりと解かれていきます。
マットレスを手で引き延ばして、短辺側のビニールに切り込みを入れます。
このとき、マットレス本体に傷かつかないように慎重に行ってください。
切り込みを入れると圧縮されていたポケットコイルが膨張していきます。
あっという間に膨張していきます。
最後にビニールを取ります。
開封完了。ここまで3分程度です。
外観
開封直後はマットレスの端などが少しグニャっと歪んでいます。

1~2日ほど経てば、ボリューム感が復活しますのでご安心ください。

表面の生地はしぼのようなポツポツが特徴の「アムンゼン生地」を採用。ふっくら&さらっとした清涼感がある気持ち良い素材です。
マットレス自体は十分な厚みがあります。
厚さは公表値のとおり23cmでした。
これはマットレスの中では厚みがあるタイプと言えます。厚みがあるマットレスはその厚さだけで底付きを感じにくいというメリットがあります。
本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。

内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
ポケットコイルの上に詰め物が施されています。
上から、
- 生地(デオファクター アンチウイルス加工)
- 抗菌防臭・防ダニわた
- ウレタン 15mm
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 不織布
- ポケットコイル(ここが真ん中)
- 不織布
- ウレタン 20mm
- 不織布
- ウレタン 15mm
- 抗菌防臭・防ダニわた
- 生地(デオファクター アンチウイルス加工)
という13層構造をしています。(公式サイトでは「11構造」とありますが、ポケットコイル上の不織布を入れると13構造になります)
約5cmほどの適度なボリューム感の詰め物層があるため、寝てもバネあたりを感じることはありませんでした。
生地の真下にある綿です。ふんわりとやわらかい感触が気持ち良いです。
この綿は抗菌防臭と防ダニ加工が施されています。
更に下には2層のウレタンフォームがあります。
ウレタンフォームの層を細かく分けることで、通気性を高める工夫がなされています。
なお、ウレタンフォームの反発性はふつう程度です。
ポケットコイルの高さは150mmほどでした。
コイル高150mmは一般的なポケットコイルマットレスと同じくらいです。
なお、コイルは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。
【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ デオファクターマットレス(ハイグレードタイプ)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.72 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 5.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 3.49 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星4」。
通常モデルと同様「やや硬め」の寝心地ですが、表面の生地の伸縮性が高く、より高い体圧分散性を感じました。通常モデルよりも包まれるような感覚があります。
過度な沈み込みもなく、ストレスない寝姿勢が実現でき、心地よい感触です。
深く沈み込む臀部(おしり)の下に手を入れてもバネの存在感を感じることなく快適です。

2. 横向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような寝姿勢保持性能もポイントです。
評価は「星3.5」。
伸縮性が高いアムンゼン生地と波状のキルティングが、深い沈み込みが必要な横向き寝にしっかりとフィット&サポートし、若干ながら通常モデルよりも寝心地が良いと感じました。
2層のウレタンフォームの詰め物によって通気性も保ちつつ、バネ当たり・底付き感がありませんでした。

3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、逆に寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星3」。
反発性が高い詰め物を使用していないので特別寝返りがしやすいというわけではありませんが、並行配列ならではのスプリングの動きの良さから、寝返りはしやすかったです。ほどよい反発性・サポート性といった感じです。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星4」。
本商品は特に端部分が強化されている仕様ではありませんが、思ったよりも沈み込みは少なかったです。
さすがに端ギリギリで寝返り打つとその勢いで落ちそうにはなりましたが、通常の寝姿勢(特に仰向き寝)ではしっかりと端部分でも寝ることができました。

5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「星3」。
特に強い蒸れ感などは感じませんでしたが、通常モデルと異なるのは、波状の立体的なキルティングと伸縮性の高い生地を使っているので、包み込まれるようなフィット感がある寝心地となり、その結果、通常モデルと比べると若干ながら蒸れやすいような印象がありました。
とはいえ、大きな差はないので、評価値としては通常モデルと同じ「星3」です。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「星4」。
本商品は、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)に合格しています。
両面仕様+高品質スプリングということを考えれば8~10年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。
なお、保証期間は1年(公式サイトでの購入は3年)です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星5」。
本商品の最大の特長は衛生面の高さです。この記事で何度もご紹介しているとおり、マットレスの側生地にデオファクター アンチウイルスという「抗ウイルス・抗カビ・制菌」という高いレベルの衛生加工が施されています。
さらに詰め物には抗菌防臭・防カビ加工が施された綿(帝人製のマイティトップⅡ)が使用されているという徹底ぶり。
これだけ衛生面が配慮されたマットレスはなかなかありません。文句なしの「星5」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びのしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3」。
本商品の重量は非公開ですが、筆者(30代・男性)の力では「重たいながらなんとか持ち運びは可能」なレベルです。
捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
厚さは23cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントです。
評価は「星3.49」。
本商品の定価はシングルサイズで36,900円です。
マットレス市場全体から考えると、1万円台以下で買える低価格な商品は多く存在しますが、そうした格安商品の多くは中国製です。
本商品は国産で3万円台ということを考えるとコストパフォーマンスは悪くありません。
本商品と同等の寝心地が得られる通常モデルは8,000円ほど安価ですが、衛生加工(デオファクター アンチウイルス)に価値を感じるなら、この価格差は納得できるでしょう。
実際に使ってみてよかったところ
体圧分散性の高さと横向き寝にも合いやすい寝心地を生む「アムンゼン生地」と「波状キルティング」
寝心地は通常モデルのレビューでも書いたように、良い意味でスタンダード・ベーシック・ニュートラルといった言葉がぴったりの幅広い人に合いやすい心地よいものでした。
国内最高クラスの硬鋼線を使用した「高品質ポケットコイル」、詰め物を表裏に施した「両面仕様」は使っていて贅沢な気持ちになります。
生地以外は通常モデルと同様なので、寝心地としては大きな差はありませんが、微妙ながら異なったのは「体圧分散性」と「横向きの寝心地」と感じました。
「アムンゼン生地」の特徴
本モデルは「アムンゼン生地」と呼ばれる細かいザラつき(しぼのような)がある生地を採用しています。なお、アムンゼン生地は梨の皮のような素材感から「梨地(なしじ)」とも呼ばれています。
デオファクターモデル (本商品) | 通常モデル |
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アムンゼン生地は、通常モデルで使われているガーゼのようなサラサラとした質感とは違い「しっとりして、やわらかい」というような印象です。
また、上の画像のとおり、デオファクターモデルの生地の方が伸縮性が高いです。
キルティングの違い
キルティングパターンも通常モデルと異なります。
通常モデルは横直線のキルティングですが、デオファクターモデル(本商品)は波状のキルティングを採用しています。
デオファクターモデル (本商品) | 通常モデル |
---|---|
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波状のステッチは、荷重がかかったときのテンションを和らげやすく、隅々まで綿(ワタ)が行きわたることで立体感が生まれ、ふっくらとしたソフトな体あたりを感じることができます。
体圧分散性の違いは?
1点の荷重に対して生地がどのように受け止めるかを見れば生地自体の体圧分散性がある程度わかります。
本商品(デオファクターモデル)の荷重の受け止め方は以下画像の通り、中心点から均等にシワができます。

つまり、テンションが緩和されフィット感が高く、結果的に高い体圧分散性が得られていることが分かります。
続いて、通常モデルにおいては以下画像の通り、横方向のシワだけが長く伸びています。

つまり、通常モデルの場合は横方向のテンションが強めに働き、フィット感が本商品(デオファクターモデル)に劣るということです。
以上のことから、よりフィット感が高くソフトな体当たりの寝心地が好きな人はデオファクターモデルの方が合いやすいでしょう。
個人的には通常モデルよりも仰向き寝・横向き寝のバランスが(若干ながら)優れていると感じたので、良かった点としてご紹介させていただきました。
実際に使ってみて気になったところ
衛生面における効果の実感は難しい
これはデメリット(マイナス面)ではないのですが、抗菌や抗ウイルスの効果については、当サイトでは検証が難しく、効果の実感はできなかったです。
一応「臭い」については、通常モデルとデオファクターモデルとも3日間使用しましたが、若干ながらデオファクターモデルの方がいわゆる「人が寝ていた臭い」が少なかったように感じます。
ただし、通常モデルも詰め物にマイティトップⅡという抗菌防臭綿を使っているので、臭いに関しては気にならないレベルでした。
こうした衛生加工は、長期間使っていく中で真価を発揮するものです。
デオファクターアンチウイルスの抗ウイルス・制菌防臭加工はSEKマーク(効果・安全性における認証制度)を取得しているので、その効果は確かなものと言えます。
これだけ優れた衛生加工を施して、3万円台から買えるマットレスは貴重ですので、就寝環境の衛生面を大切にお考えの方にはぜひおすすめです。
口コミ・評判のまとめ
本商品は2021年2月に販売開始されたばかりの新商品なので、まだ口コミがありません。口コミが溜まってきた際に改めて以下にまとめたいと思います。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
※掲載待ち | ※掲載待ち |
口コミに関する解説
※掲載待ち
源ベッドはどこで買うのがお得?
源ベッドの商品は公式サイトか、楽天市場店・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのモール店舗での購入が可能です。
おすすめは公式サイトです。
公式サイトのみ保証期間が3年に延長されます(他のモール店舗は通常の1年保証です)。
マットレスは長い間使い続けるものですので、できるだけ長い保証が付いている方が安心です。
似ている商品との比較
本商品の特徴である「抗ウイルス・制菌等の衛生加工」が施されたマットレスを比較してみます。
メーカー | ①源ベッド | ②フランスベッド(キュリエスAG) | ③マニフレックス |
---|---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
クッション材 | ポケットコイル | 高密度連続スプリング | ウレタンフォーム |
技術 | デオファクター アンチウイルス | アグリーザ | VIROBLOK |
抗ウイルス | 〇 | × | 〇 |
抗カビ | 〇 | × | × |
抗菌レベル | 制菌 | 制菌(除菌レベル) | 抗菌防臭 |
価格 (Sサイズ) | 36,900円 | 99,000円 | 165,000円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②はフランスベッドの除菌マットレスブランド「キュリエスAg」です。アグリーザ糸による銀イオンの除菌機能があり、抗菌活性が5.0以上と制菌クラスの中でも特に抗菌性能が高めという点が特長。アグリーザは制菌よりも多くの菌の種類に対応できる点もメリットです。
搭載されている高密度連続スプリングはフランスベッドならではのスプリングで、耐久性が抜群に高いことが特徴。特に体ががっしりしている人に圧倒的な人気があります。
③は高反発マットレスのパイオニアメーカー「マニフレックス」の抗ウイルスタイプのマットレスです。銀とベシクルの2つの技術の組み合わせよってウイルスを撃退します。
強固な被膜があるウィルスの場合、銀だけでは破壊できないのですが、ベクシルはその被膜をこじ開ける働きをするという仕組みです。
ただし、②③とも価格が約10万円以上もするため、なかなか手を出しづらい人も多いと思います。さらに抗カビについては②③ともページ上での性能が確認できませんでした。
本商品(源ベッドのデオファクターマットレス)は3万円台から買える低価格にもかかわらず、抗ウイルス・抗カビ・制菌レベルの抗菌性があります。
「なるべく低価格で、衛生面に優れたマットレスを選びたい」という人にぴったりだと思います。
【厳選】このマットレスと併せて買いたいベッドフレーム 2選
本商品「デオファクターマットレス」はやや厚みがあり、重量もある商品なので立ち座りしやすく、耐久性があるベッドフレームがおすすめです。
1. ウッドデザイン賞受賞 国産ひのきすのこベッド(源ベッド)
安心の国産ベッド
国産のひのき材を贅沢に使用した源ベッドでも特に人気なすのこベッド。ひのきは耐久性が強く、建築材としてはお寺などを作るのに昔から用いられています。
伐採してから200年間は強度が強くなり、その後1,000年くらいかけて伐採時の強度に戻ると言われています。虫や菌の耐性にも強い点もポイント。良い匂いを発するので気分を落ち着かせる効果や消臭や防ダニ効果も期待できます。
あると嬉しい棚・コンセント付きのヘッドボードと、4段階の高さ調節機能が付いた使い勝手の良いデザインも魅力です。
サイズ | シングル~ダブル |
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カラー | ナチュラル |
価格 | 3万円台~ |
2. 北欧風シンプルすのこベッド「Banon」(ネルコ)
低価格でも頑丈
ベッド専門店「ネルコ」のすのこベッド。フレームに極太の板を補強した耐荷重350kgの強靭な耐久性が特徴で、きしみや揺れの心配がなく、安心して眠れます。
4段階の高さ調節ができるので自分の好きな高さで使えます。さらにパーツが少なく組み立ても簡単です。サイズバリエーションが豊富で、ショート丈も選べる点もメリット。
サイズ | セミシングル~ダブル (ショート丈あり) |
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カラー | ナチュラル、ブラウン、ホワイト |
価格 (Sサイズ) | 15,900円 |
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
まとめ
いかかがでしたでしょうか。
源ベッドの高衛生マットレス「デオファクターマットレス ハイグレードタイプ」をご紹介させていただきました。
通常モデルとの違いは、生地にデオファクター アンチウイルス(抗ウイルス・抗カビ・制菌)加工がされていることです。大きな寝心地や使用感の差はなく、デオファクター アンチウイルス加工の有無で価格が8,000円ほど高くなります。
ですが、マットレスは長期間使うものですし、睡眠は寝汗や皮脂等の汚れが溜まりやすく、できるだけシンプルに清潔な状態が保てることに越したことはありません。
なお、制菌レベルの高い抗菌性能と抗ウイルス性能があるマットレスは現時点(2021年3月)はほぼなく、さらに3万円で買える高衛生マットレスとしては競合商品は見当たりません。
「衛生面にこだわりつつ、できるだけ低価格が良い」という人にこれ以上のおすすめ商品はないでしょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。