
軽さだけで、マットレスを選んではいけない
『マットレスを動かすのが大変。もう少し軽いものに替えたい』
毎日たたんだり、掃除のために持ち上げたり。重いマットレスは、ちょっとした手入れも面倒になりますよね。
ただし、軽ければ軽いほど良いわけではありません。単純に中身がスカスカの低密度仕様なために、軽い場合もあるからです。扱いやすくなっても、すぐにヘタってしまっては困ります。
この記事では、ベッドメーカーで働き、マットレスを寝比べ、中身まで確かめてきた経験から、軽さと耐久性を考えた選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら軽さで選ぶなら、ウレタンマットレスが基準になる
マットレスの芯材は、大きく「スプリング」「ファイバー」「ウレタン」に分けられます。
| コイル | ウレタン | ファイバー |
|---|---|---|
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| ふわっと上下に動く弾力 | 体にモチッと沿う、静かな感触 | 張りのある弾力感、基本的に硬め |
軽さに加えて、寝心地や耐久性も諦めたくないなら、まずウレタンマットレスから探すのがおすすめです。
ウレタンマットレスは、軽さと寝心地を両立しやすい

ウレタンフォームは、細かな気泡をたくさん含む、軽いクッション材です。鉄のバネを使わず、体を支えます。
原料の配合などで硬さや反発力を調節できるため、重量を抑えながら、しっかり支える感触や、体に沿うやわらかさを作れます。
軽いわりにヘタリにくい素材も選べるので、軽さに加えて、寝心地や耐久性も重視したい人におすすめです。
スプリングマットレスは「安いから軽い」に注意

スプリングコイルマットレスは、私の経験上、安いほどバネや詰め物の量が少なく、軽くなりやすいです。
中には、バネの使用量を減らしすぎて、体を支える力が足りない商品もあります。特に数千円〜1万円前後の格安モデルでは、扱いやすくても「軽いだけ」になってしまうことがあるので注意しましょう。
一方、シングルで5万円前後以上になると、バネの数や巻き数、詰め物の量などにお金をかけた商品も増えます。両面仕様やピロートップ仕様なら、その分の材料も必要です。このあたりは、軽さを求めて選ぶものではありません。
ファイバーは重量が「硬さ」に影響

ファイバーは、樹脂の線を絡み合わせた素材です。大雑把に言うと、同じような作りなら、中身が詰まっているほど重く、硬くなりやすいです。
ただし、軽くするためにやわらかくすれば良い、とはいきません。体を支えられる程度の硬さを保とうとすると、ウレタンマットレスよりも重くなる傾向があるのです。
樹脂の種類や太さ、絡ませ方でも変わりますが、軽さを最優先する素材としては選びにくいです。
「どのくらい動かすか」で厚さを選ぶ

ウレタンマットレスの中でも、厚さによって重さと寝心地は変わります。毎日押し入れにしまうのか、ベッドに置いて使うのか。まずは、どのくらい動かすかを考えましょう。
| 使い方 | 厚さの目安 | 寝心地・扱いやすさの特徴 |
|---|---|---|
| 毎日たたんだり、立てかけたりする | 10cm前後 | しっかり硬めが中心。収納しやすい商品が多い |
| 収納性とクッション性を両方考える | 11〜14cm前後 | 多層構造などで、寝心地に奥行きを持たせた商品もある |
| ベッドで使い、ときどき向きを変える | 20cm前後以上 | 重さは増えるが、寝心地の選択肢が広がる |
薄いマットレスは基本的に硬めです。やわらかく作りすぎると、沈み込んだときに床の存在を感じる「底付き」につながるためです。特に横向き寝では、肩や臀部に圧迫感を覚える場合もあります。
体の当たりはふんわりと、沈んだらグッと支える。そんな奥行きのある寝心地を求めるなら、厚さに余裕がある方が選びやすいでしょう。
なお、薄いほど軽くなるとは限りません。
最終的には、購入するサイズの本体重量と、折りたたんだ大きさも確認してください。同じ重さでも、たためるか、持つ場所があるかで扱いやすさは変わります。
軽さと耐久性、どのくらいの仕様を目安にする?

軽いウレタンマットレスを選ぶとき、私が目安にするのは「密度」と「復元率」です。
密度は日常使いで30D以上、耐久性重視なら40D以上
ウレタンフォームの密度とは、簡単に言うと「体積当たりの重さ」です。30Dなら、1m³当たり30kgという意味。同じ大きさなら、密度が高い方が重くなります。
普段使いなら30D以上、耐久性を重視するなら40D以上が、私の選ぶ目安です。
| 確認するところ | 選ぶ目安 |
|---|---|
| 日常使い | 30D以上 |
| 耐久性を重視する場合 | 40D以上 |
| 多層構造の表層 | 40D以上 |
| 多層構造のボトム | 30D以上 |
※低反発ウレタンは上記よりも10~20Dほど高い密度を目安にします
復元率は97%以上が目安
復元率とは、繰り返し圧縮したあと、厚さがどのくらい保たれているかを示す数値です。ヘタリにくさへの安心感を持てるのは、私の感覚で復元率97%以上が目安です。
ただし、復元率や密度だけで使用年数や寝心地まで決まるわけではありません。復元率を比べるときは、圧縮回数などの試験条件も確認しましょう。
軽さと使い方で選ぶ、おすすめの4モデル
| 商品 | 重量 (Sサイズ) |
厚さ | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| エコラテエリート | 約7kg | 10cm | 毎日たたみたい。価格も抑えたい |
| 咲夜ハイフィール2 | 約6.5kg | 11.5cm | 折りたたまず、軽さと寝心地を両立したい |
| SOMRESTA | 約9.6kg | 10cm | 重さを多少譲っても、芯材の品質を重視したい |
| オリジナルコアラ | 約15.8kg | 21cm | 厚くて軽めのマットレスが欲しい |
1. エコラテエリート 10cm三つ折りマットレス

軽さと価格で選ぶなら
快眠タイムズの「エコラテエリート」は、シングル約7kgの三つ折りマットレスです。密度32D、8万回の圧縮試験で復元率98%と、普段使いで確認したい仕様を備えています。
表面の凹凸が体を受け止め、その下で支える作りです。平らなウレタンとは体への当たり方が違うので、この感触が好みに合うかがポイントになります。
そのうえで、重量と価格を抑えながら、日常使いの仕様も確保したい人には候補になります。毎日たたむ使い方なら、まず比較の基準にしてみてください。
| 厚さ | 10cm |
|---|---|
| 耐久性 | 密度32D・復元率98% |
| 重量 (Sサイズ) |
約7kg |
| 価格 (Sサイズ) |
19,990円 |
2. 源ベッド「咲夜ハイフィール2」

軽さと寝心地を両立したいなら
老舗メーカーの源ベッドと当サイトが共同開発した薄型ウレタンマットレス。3層のウレタンに両面の詰め物を組み合わせ、薄型でも奥行き感のある寝心地を目指しました。
ただし、折りたたみはできません。また、やや硬めで押し返す力があるため、ふんわり包み込む寝心地が好きな人には合いにくいと思います。
毎日たたんで収納するよりも、必要なときに動かしたい人向けです。薄型で、しっかりした支えと寝返りのしやすさを求める人におすすめです。
| 厚さ | 11.5cm |
|---|---|
| 耐久性 | 密度48D/30D/35D(上から)・復元率98.6% |
| 重量 (Sサイズ) |
約6.5kg |
| 価格 (Sサイズ) |
44,990円 |
3. SOMRESTAマットレスPREMIUM
寝心地と耐久性にこだわるなら
密度50D、24万回圧縮試験による復元率は99.6%。薄型でも芯材の品質を重視したい人に、検討してほしいマットレスです。
綿入りカバーによるふんわり感としっかり支えるウレタンのバランスの良さが光ります。ただし、シングルで約9.6kgなので、薄いから軽いと思って買うと、重く感じるでしょう。
軽さを多少譲っても、寝心地とヘタリにくさを重視したい。そんな人におすすめです。境目のない一枚ものですが、折りたたんで収納できます。
| 厚さ | 10cm |
|---|---|
| 耐久性 | 密度50D・復元率99.6%(24万回圧縮) |
| 重量 (Sサイズ) |
約9.6kg |
| 価格 (Sサイズ) |
49,900円 |
4. オリジナルコアラマットレス

厚みとフィット感で選ぶなら
『重いベッドマットレスを替えたい。でも、薄型にはしたくない』。そんな人には、厚さ21cm、シングル約15.8kgのオリジナルコアラマットレスが候補になります。
コアラは、トライアル付きマットレスを日本で広めたパイオニア的なブランドです。
私が感じる特徴は、体にモチっと沿うフィット感と、揺れにくさです。弾むような感触よりも、衝撃をスッと吸収する静かな寝心地が好きな人に向いています。
もう少しあっさりした寝心地や、寝返りを助ける押し返しが欲しいなら、コアラPLUSなども検討するとよいでしょう。
| サイズ | シングル~キング |
|---|---|
| 厚さ | 21cm |
| 耐久性 | 密度40D(表層)30D(2~3層)・復元率99.25% |
| 重量 (Sサイズ) |
約15.8kg |
| 価格 (Sサイズ) |
69,900円 |
まとめ

軽いマットレスを選ぶなら、まずウレタンを基準に、使い方に合う厚さを考えてみてください。
そのうえで、密度と復元率も確認しましょう。軽さのために中身を減らした商品では、早くヘタってしまう心配があります。
毎日動かすなら、扱える重さを優先する。ベッドに置いて使うなら、厚さや寝心地も残す。自分がどこへ、どう動かすかを考えると、必要な軽さが見えてくると思います。





