マットレスの上で飛び跳ねる

揺れにくいマットレスの条件とは?

近頃のマットレスは「振動の伝わりづらさ」をセールスポイントにしていることが多いですね。

例えば、

  • マットレスの上にビンを置いて、近くを歩いても倒れない
  • マットレスの上にワイングラスを置いて、お相撲さんが四股を踏んでも倒れない

などなど。

こうしたパフォーマンスを見ると、一見『わーすごい!』と思いがちですが、実はそこまで大したことではありません。

別の言い方をすると、「ある条件」を満たしたマットレスであれば、大抵このようなパフォーマンスは成功するのです。

この記事では以下について詳しくご紹介します。

この記事で分かること
  1. 揺れにくいマットレスの条件
  2. 特に振動が伝わりづらいマットレスの種類
  3. おすすめの揺れにくいマットレス 7選

『早くおすすめの揺れにくいマットレスを知りたい』

という方は下記ボタンを押すとその場所にジャンプしますのでご参考くださいね。

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この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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そもそも「揺れにくさ」とは

マットレスの衝撃吸収性

「揺れにくさ」とは、厳密には「衝撃吸収性」と言います。

マットレスに加わった衝撃を、いかに吸収・分散できるかによって、広範囲に振動が伝わりづらくなり、結果的に「揺れにくいマットレス」と感じるのです。

揺れにくいマットレスの条件とは?

揺れにくいマットレスとは、ずばり、ウレタンマットレスポケットコイルマットレスです。(これが冒頭でご紹介した「ある条件」です)

ウレタンフォームポケットコイル
ウレタンフォームポケットコイル

マットレスの揺れやすさはクッション材によって決まります。

代表的なクッション材は以下のとおりです。

▼ スプリングコイル系
ボンネルコイルポケットコイル高密度連続スプリング
ボンネルコイルポケットコイル高密度連続スプリング
▼ ノンコイル系
ウレタンファイバーラテックス
ウレタンフォームファイバーラテックス

揺れにくい順に並べると以下の通りです。

揺れにくいマットレスの順番
  1. ウレタンフォーム
  2. ポケットコイル(スプリングコイル)
  3. ファイバー
  4. 高密度連続スプリング(スプリングコイル)
  5. ラテックス
  6. ボンネルコイル(スプリングコイル)

※順位はあくまで筆者の主観です

以下より、スプリングコイル(ポケットコイル・ボンネルコイル・高密度連続スプリング)、ウレタンフォーム、ファイバー、ラテックスの特徴をご紹介します。

スプリングコイルの特徴

スプリングコイル(ボンネルコイル)

基本的にスプリングコイルは、バネを使用しているため振動が伝わりやすいです。

特に、「ボンネルコイル」はコイル一つ一つを鉄線(ヘリカル線)で連結しているため、最も振動が伝わりやすい構造です。

ボンネルコイル
ボンネルコイル

「高密度連続スプリング」は、コイルを1列ひとつなぎで巻いて作っているので、ボンネルコイルに比べると衝撃吸収性が高いですが、それでもまだ揺れやすいレベルのマットレスと言えます。

高密度連続スプリング
高密度連続スプリング(ボンネルコイルと見た目が似ているが構造的には全く別)

スプリングコイルの中で唯一、「ポケットコイル」だけがコイル同士を鉄線で連結していない独立コイルタイプのため、振動が伝わりづらい構造です。

ポケットコイル
ポケットコイル

要するに、スプリングコイルの中で揺れにくいマットレスはポケットコイルマットレスとお考え下さい。

ウレタンフォームの特徴

ウレタンフォーム

すべてのクッション材の中で最も揺れにくいのはウレタンフォームです。中でもメモリーフォーム(低反発ウレタン)の衝撃吸収性は抜群です。

メモリーフォーム
メモリーフォーム(低反発)

ちなみにメモリーフォーム(低反発ウレタン)の起源であるテンピュール®素材は、もともとNASAがロケット打ち上げの際に宇宙飛行士にかかる重力を緩和するために作った素材なので、その衝撃吸収性の高さは間違いありません。

よって、ウレタンマットレス(特にメモリーフォーム)であれば冒頭でご紹介したワイングラスやお相撲さんによる「揺れにくさのアピール」は、どんな商品でもほぼ成功します。

ファイバーの特徴

ファイバー

ファイバー素材は、釣り糸の製造技術を応用した素材で、ポリエチレンやポリエステルを水の中に垂らして固めて作られます。

ファイバーマットレスの振動の伝わりづらさはふつう程度です。

バネのようなバインバインとした揺れはありませんが、高反発タイプでフィット感が少ないので、寝返り時などの衝撃吸収性はそこまで高くないのがファイバー素材の特徴です。

ラテックスの特徴

ラテックス

天然のゴムの木の樹液を使った素材。よって、ゴムのようなブルンブルンとした感触があり、揺れやすいマットレスの種類です。

一方、ゴムならではの弾力性の高さがあり、寝返りのしやすさは抜群です。

ただし、近年はウレタンマットレスにシェアを多く奪われ、ラテックスの代名詞ともいえるセンベラ(ドイツ)のマットレスも販売終了するなど、選べる商品が少ないです。

ポケットコイルの注意点

inofiaの衝撃吸収性

ポケットコイルは独立コイル構造なので、振動が伝わりづらいことをセールスポイントにしていることが多いのですが、実はコイル同士を固定するために使う接着剤の量や製法などによって「ポケットコイルなのに揺れやすい」という商品もあったりします。

ハードフェルトとポケットコイル
揺れやすい構造の例(フェルトに直接コイルを固定)

ちなみに、価格帯が近いポケットコイルマットレスでも、揺れにくさは違います。(詳しくは以下の動画をご参考ください ※音声なし)

こうした構造は販売ページやカタログなどで詳しく紹介していないので、なかなか判断できませんが、当サイトではレビュー記事を作成する際に、マットレスの内部構造(接着剤・製法等)まで確認し、揺れにくい・揺れやすいの評価をしています。

マットレスを裁断
内部構造のチェック

揺れにくいと何が良いの?(メリット)

二人で寝るのに最適

揺れにくいマットレスを最もおすすめするのは二人で同じベッドに寝る場合です。

お互いの振動が伝わってしまうと、パートナーの睡眠に悪影響となり、最悪、健康状態にまで支障を来たします。

特に入眠時間が異なるカップルや、トイレに立つ回数が多い人、寝相が悪い人などは、ぜひ振動が伝わりづらいマットレスを選びましょう。

寝返りが快適

寝返りを打ち、姿勢を変える際には、大なり小なりマットレスは衝撃を受けます。

振動が伝わりやすいマットレスの場合、寝返り後の寝姿勢が安定しづらかったり、衝撃の余韻の継続が気になることもあります。

揺れにくいマットレスは、体の動きによる衝撃を吸収してくれるので、寝返り後の姿勢の安定感が高いです。

揺れにくいことによるデメリットは?

基本的に大きなデメリットはありませんが、寝心地の好みの問題で揺れやすい方が好きな人もいるかもしれません。

なお、アメリカではポケットコイルではなく、ボンネルコイルが人気で、むしろバインバインとした跳ね感がある寝心地が好まれるそうです。

【厳選】揺れにくいマットレスのおすすめ 7選

椚大輔椚大輔

ポケットコイルマットレスとウレタンマットレス(特にメモリーフォーム)を中心に耐久振動が伝わりづらいおすすめのマットレスを厳選しました。

1. neruco「バリューポケットコイルマットレス」

neruco「バリューポケットコイルマットレス」

1万円台で選ぶならコレ

ベッド専門店「neruco(ネルコ)」のオリジナルマットレス。高密度仕様で豊かなクッション性が魅力のポケットコイルタイプです。マットレスの側面はすべてメッシュ構造になっているので通気性も抜群

実際に寝てみた感想としては、どちらかというとソフトな寝心地で特に女性におすすめですが、男性の筆者も心地よく感じました。この優れた寝心地でシングルサイズで1万円台は利益が取れているか心配になるほどのコストパフォーマンスの良さを感じた逸品です。

クッション材ポケットコイル
サイズセミシングル~クイーン
※ショート丈・ロング丈あり
硬さふつう
価格
(Sサイズ)
12,990円

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2. 源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス 夜香 ハイグレード2」

源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス(夜香ハイグレード2)」

高品質な日本製、なのに低価格

広島県のベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。同社内の数あるマットレスの中で最も売れ筋の人気商品です。

ポケットコイルのバネは最高クラスの硬鋼線を使用。詰め物には防ダニ・抗菌防臭の機能綿(マイティトップ®Ⅱ)を採用し、清潔な状態を保ちやすい点もメリットです。さらに両面仕様のため、ローテーションにより寝心地が長持ちします。

なお、寝心地がソフト・レギュラー・ハードの3種類から選べますが、「レギュラー」で「やや硬め」くらいの寝心地です。

実際にレギュラータイプを体験をしましたが、これぞスタンダードな寝心地!という印象で、幅広い人に合いやすいと思います。

国産×ハイスペックで2万円台から」というのは数あるマットレスの中でトップレベルのコストパフォーマンスを誇り、実際の寝心地も素晴らしく、当サイトの中では特にイチオシのモデルです。

クッション材ポケットコイル
サイズセミシングル~ワイドダブル
※ショート丈あり
硬さソフト・レギュラー・ハード
※選べる
価格28,800円

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椚大輔椚大輔

より寝心地にこだわりたい人は「咲夜レアルマットレス」がおすすめです。

高級ホテルに採用される、巻き数の多い「8.5巻き(6.7インチ)のスプリング」が搭載し、なめれらかなストロークによる極上の寝心地が得られます。

5万円以下からこの寝心地が手に入るのは、並外れたコストパフォーマンスの高さです(当サイトNo.1の高評価です)。

3. 快眠タイムズ マットレス

快眠タイムズ マットレス

バランス感が優れた絶妙な仕様

愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。

芯材のウレタンフォームは低反発+高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性も抜群なので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめ。さらに60日のお試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。

クッション材ウレタンフォーム(低反発+高反発)
サイズシングル~クイーン
硬さやや柔らかめ
価格50,000円

このマットレスを見てみる

当サイト特別クーポンあり(使い方)

4. コアラスリープ「オリジナルコアラマットレス」

オリジナルコアラマットレス

ウレタンマットレスの傑作

SNSやTVなどのメディアで話題のオーストラリア発のコアラマットレスの初代(厳密には2代目)マットレス。2021年8月よりNEWモデルが登場したことにより廃盤になりましたが、その寝心地の良さを惜しむ声が多く、異例の再販が決まったという逸話がある傑作モデルです。

コアラマットレスシリーズ中、衝撃吸収性も最も高い「振動が伝わらない寝心地」が最大の特徴。表層のウレタンフォームは反発弾性率16%ほど(当サイト計測)なので、純粋な低反発ではありませんが、一般的な低反発よりも衝撃を吸着するような力が強いです。

なお、このオリジナルコアラマットレスが大ヒットして以降、似たような3層ウレタンフォームを使ったマットレスが他社から多く販売されるようになりました。いわばカリスマ的な商品です。

クッション材ウレタンフォーム(低反発+高反発)
サイズシングル~クイーン
硬さふつう
価格69,000円

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5. Motght「NELLマットレス」

NELLマットレス

寝返りのしやすいマットレス

NELLマットレスは、日本のベンチャー企業である株式会社Morghtが福岡県大川市にある老舗マットレス設計会社と共同開発した新しいマットレスです。シングルサイズあたり約1,200個ものコイルを搭載した超高密度タイプのポケットコイルマットレスで、腰部分と端を強化したゾーニング仕様が特徴。寝返りのしやすさと端の落ち込みを軽減させる工夫を凝らしています。

さらに両面仕様で、抗菌防臭や消臭の機能綿を詰め込んだ贅沢な作り。これで7万円台から買えるのはかなりコストパフォーマンスが優れていると言えます。実際に試しましたが素晴らしい寝心地だと思いました。120日間のお試し期間(返金・返品保証)があるので、ぜひ寝心地を体験してみてほしいです。

クッション材高密度ポケットコイル
サイズシングル~キング
硬さふつう
価格75,000円

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当サイト特別クーポンあり(使い方)

6. エマ・スリープ「エマ・ハイブリッド」

エマ・ハイブリッド

メモリーフォームとポケットコイルの融合

エマ・ハイブリッドは、ドイツ発のマットレスブランド「エマ・スリープ」のハイグレードモデル。低反発ウレタンフォーム(メモリーフォーム)の下にポケットコイルを仕込んだハイブリッド構造が最大の特徴。

メモリーフォームならではの衝撃吸収性の高さとスプリングコイルならではの通気性・荷重分散性の高さの両方が贅沢に体感できる逸品。

さらに、メモリーフォームには熱伝導率が高いグラファイト(石墨)が混ぜられていて、メモリーフォームの弱点でもある蒸れやすさが軽減されています。価格は少し高めですが、バランス感の良い仕上がりだと思いました。

クッション材メモリーフォーム×ポケットコイル
サイズシングル~キング
硬さやや柔らかめ
価格129,000円

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7. テンピュール®「プロ プラス(ふつうのかたさ)」

テンピュール®「プロ プラス」

低反発マットレスの原点、そして最高峰

低反発マットレスのパイオニア「テンピュール®」の中心的なモデル。従来から20%も体圧分散性を向上させた「テンピュール®アドバンスト素材」を使い、圧力を感じないまるで無重力な寝心地が得られます。

テンピュール®アドバンスト素材は、温度によって形状が変化し、寝ころんだ瞬間からウレタンが溶けるように体にフィットすることが特徴。そうした寝心地を当サイトでは「入眠時の心地よさは、すべてのマットレスの中でトップレベル」と評価しています。

なお、高級マットレスですが、公式サイトや対象店舗で100日のお試しプログラムが利用できます。

クッション材メモリーフォーム×高耐久性ベース(高反発ウレタン)
サイズシングル~クイーン
硬さふつう
価格264,000円

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揺れにくいベッドフレームの条件は?

ベッドフレームの上に乗る

せっかく揺れにくいマットレスを選んでも、マットレスを置くベッドフレームが揺れやすいと意味がないですよね。

とはいえ、睡眠の質に支障が出るレベルの揺れやすい商品はほぼありません(そんな商品があったらクレームが多いと思います)が、特に揺れにくい仕様というものがあります。

それは、

  • 高さが低いこと
  • 組立が簡単なこと(パーツが少ないこと)

です。

基本的にベッドフレームは高さが低いほど安定感が増すため、例えばロフトベッドや二段ベッドよりも、ローベッドの方が揺れは少ないです。

ローベッド
ローベッド(重心が低いので揺れにくい)

また、組立時にパーツが少ない商品は、横揺れに強い傾向があります。

パーツが少ないベッドパーツが多いベッド
パーツが少ないベッドパーツが多いベッド

結果的に、揺れにくい(グラグラしない)ベッドフレームはきしみにくい(ギシギシしない)ベッドフレームとも言えます。

特にきしみや揺れを気にする方は以下の記事もご参考くださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

衝撃吸収性が高い「揺れにくいマットレス」の特徴・選び方・おすすめ商品をご紹介しました。

揺れにくいマットレスとは、ウレタンマットレスポケットコイルマットレスです。

この記事でお伝えしたとおり、特にウレタンマットレスは多くのメーカーで揺れにくさをアピールしているのですが、実は各商品でそこまで大差はありません。

強いて言えば、高反発ウレタン(および一般ウレタン)よりも低反発ウレタンの方が衝撃吸収性が高いので、より揺れにくいです。

ただし、ポケットコイルマットレスにおいては製法によって揺れにくさの差が大きく、困ったことに購入前にはなかなかわかりづらいものです。

この記事では、実際の体験・検証を踏まえて、特に揺れにくいと思ったマットレスをおすすめ商品としてまとめました。よろしければご参考くださいね。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。