左:圧縮タイプ、右:非圧縮タイプ

マットレスの「配送方法」と「梱包方法」の違いを徹底解説

マットレスは実店舗で購入したとしても、配送を伴う(つまり、その日に現物を持ち帰れない)場合が多いです。

そして、大きいのでお届けが不安に思う人もいるのではないでしょうか?

この記事ではマットレスの購入後のお届けについて詳しくご紹介します。ご参考いただけますと幸いです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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配送方法の違い

トラックの荷台

マットレスは「梱包の大きさ」によって、配送が以下の2パターンに分かれます。

マットレスの配送方法

  1. 大型配送便
  2. 宅配便

    1. 大型配送便は「非圧縮梱包」

    非圧縮梱包のマットレス
    非圧縮梱包のマットレス

    非圧縮梱包とは、マットレスそのままの形をシートで覆った梱包のこと。

    そのままの形のマットレスは長辺が約2メートルほどにもなるため、一般的な宅配便業者(佐川急便さんなど)では配送できません。

    よって、特殊な「大型配送便」を取り扱う配送業者さんによってお届けされます。

    大型配送便は時間指定ができないことと、お届けまで2~3週間かかるというデメリットがあります。また、配送コストが高い関係で再配達は有料となる場合もあります。

    要するに、受け取るのにやや苦労するのが大型配送便(非圧縮タイプ)です。

    有名ブランドのスプリングコイルマットレスは基本的に非圧縮梱包のことが多いです。

    なお、三つ折りなどの折りたたみマットレスの場合、非圧縮でも梱包サイズが小さくて済むため、大型配送便ではなく、宅配便扱いになる場合もあります。

    折りたたみマットレス(画像は三つ折り)
    折りたたみマットレス(非圧縮でも宅配便)

    非圧縮タイプの配送の特徴

    • 大型配送便
    • お届けまで2~3週間
    • 日時指定ができない
    • 再配達は有料の場合もある

    2. 宅配便は「圧縮梱包」

    圧縮梱包のマットレス
    圧縮梱包のマットレス

    圧縮梱包とは、マットレスを圧縮しロール状に巻いて段ボールに入れる梱包のこと。別名「ベッド・イン・ボックス」とも言われます。

    圧縮梱包
    圧縮梱包(ベッド・イン・ボックス)

    圧縮タイプは、宅配便で届けられるため納期が早く(注文後2~3日程度)、時間指定できる点もメリットです。※商品によって時間指定NGの場合もあります

    さらに、圧縮タイプは、コンパクトな梱包のため、搬入経路が狭い家にお住いの方にもおすすめです。

    なお、圧縮梱包のマットレスの開封の様子は以下の動画をご参考ください。※音声なし

    圧縮タイプの配送の特徴

    • 宅配便
    • お届けまで2~3日
    • 日時指定OK(基本的に)

    専門家専門家

    店舗購入で持ち帰りOKなマットレスの場合、配送は伴わないの納期に差はありません。

    ただし、持ち帰りやすさ・設置のしやすさは圧縮タイプの方が優れています

    【非圧縮vs圧縮】配送以外の違い・メリット&デメリットとは?

    上でご紹介したとおり、配送面では圧倒的に「圧縮タイプ」が優れています。

    以下では、配送以外の「価格」「品質」「復元性」という点において比較していきます。先に結論をまとめると以下の通りです。

    非圧縮圧縮
    画像非圧縮梱包圧縮梱包
    (配送)
    価格高め安め
    品質
    復元性

    「圧縮タイプ」は低価格

    基本的に、梱包サイズが大きいほど配送費用は高額になります。

    よって、非圧縮タイプの商品は送料無料であっても、実質は商品価格の中に高額な配送料が含まれていることがほとんどです。

    一方、圧縮タイプの場合は、梱包サイズを小さいので、送料に加えて保管費用を抑えられるため、価格を安くしやすいのです。

    専門家専門家

    特に最近は物流費の高騰が激しいので、低価格で探している人は、ほぼ圧縮タイプになると思います。

    「非圧縮タイプ」はしっかりしている

    非圧縮タイプ

    非圧縮タイプの方が品質面に優位性があります。

    これはマットレスには圧縮できないパーツがあるためです。圧縮できないパーツの代表例は「ワイヤー」です。

    ワイヤーあり(非圧縮)ワイヤーなし(圧縮)
    交互配列並行配列

    伝統的なスプリングコイルマットレスは外周をワイヤーで囲っていて、ワイヤーにコイル(ポケットコイルやボンネルコイル)を固定して作られています。

    非圧縮のポケットコイルマットレス(ワイヤーにコイルを固定)
    非圧縮のポケットコイルマットレス(ワイヤーにコイルを固定)

    ワイヤーを入れることのメリットは、端部分の沈み込みづらさです。端まで優雅に使えるマットレスはワンサイズ上の使用感が得られます。

    一方、圧縮タイプのスプリングコイルマットレスは、ワイヤーがないことで端部分のコイルが沈み込みやすいです。

    有名ブランドが未だに非圧縮にしている理由は主にこの点(耐久性・しっかりとした作りを実現したいため)です。

    専門家専門家

    細かい話ですが、「交互配列」のポケットコイルも圧縮できない仕様のひとつです。※上の表の左側の画像が交互配列です(右は並行配列)

    「非圧縮タイプ」はすぐ使える

    非圧縮

    圧縮タイプは、マットレスを押しつぶして梱包しているため、開封後の復元に時間が必要です。

    開梱直後の圧縮梱包マットレス(ヨレがある)
    開梱直後の圧縮梱包マットレス(ヨレがある)

    大体は1~3日で元通りの形状に復元されますが、すぐに本来の形状で使えるというわけではありません。

    開封直後と3日経過
    圧縮タイプのマットレス(開封直後と3日経過)

    一方、非圧縮タイプはそもそも「復元」という概念がないので、袋から出したらすぐに使い始められます。

    非圧縮タイプの開封
    非圧縮タイプの開封
    専門家専門家

    基本的に圧縮梱包であっても、数日経てば元の形状に戻り、寝心地も問題なく使えるので、コストパフォーマンスにこだわりたい人は圧縮梱包のマットレスがおすすめです。

    しかし、圧縮して届くことに抵抗(不安)がある人は、非圧縮梱包をあえて選ぶのもアリです。

    【まとめ】非圧縮・圧縮の違い

    上でご紹介した特徴をまとめると以下のとおりです。

    非圧縮圧縮
    画像非圧縮梱包圧縮梱包
    価格高め安い
    配送
    (日時指定NG、お届けまで2~3週間)

    (日時指定OK、お届けまで最短2~3日)
    品質
    (しっかりした構造)

    (端が沈み込みやすい)
    復元性
    (すぐ使える)

    (復元まで数日かかる)

    ファイバーマットレスは「分割梱包」

    エアウィーヴなどでおなじみのファイバーマットレスは、芯材(ファイバー)が圧縮できないのですが、代わりに複数のブロックに分けて梱包することで宅配便でお届けができる商品が多いです。

    ファイバーマットレスの梱包例(分割されている)
    ファイバーマットレスの梱包例(分割されている)
    ファイバーマットレスの芯材の梱包例
    ファイバーマットレスの芯材の梱包例

    なお、最近のファイバーマットレスは、ブロックを入れ替えることによって硬さ調節ができるものも多いです。(ブロック化のメリットと言えます)

    ファイバーマットレスのパーツ
    ファイバーマットレスのパーツ(ブロックを入れ替えることによって硬さ調節ができる商品も多い)

    「ウレタンマットレスで非圧縮」は要注意?

    ウレタンフォーム

    ウレタンマットレスの芯材(ウレタンフォーム)は、圧縮が簡単です。

    よって、基本的にウレタンマットレスは圧縮梱包で届くことが多いのですが、中には非圧縮状態で届くウレタンマットレスもあります。

    非圧縮のウレタンマットレス
    非圧縮のウレタンマットレス

    梱包サイズを小さくした方が配送コスト・保管コストが抑えられるので、メーカーとしては、できるだけ小さくしたいはずですよね。

    しかし、ウレタンマットレスでも「圧縮できない理由」があるのです。

    ウレタンマットレスにおいて、圧縮できない最大の理由は「復元率(密度)の低さ」です。

    専門家専門家

    復元率と密度は、「耐久性」に関係します。

    要するに、高密度ほど耐久性が高い(低密度ほど耐久性が低い)です。

    低密度なウレタンマットレスは復元しきらない

    復元率(密度)が低すぎるウレタンマットレスを圧縮してしまうと、開封後に元の形状に復元されません。

    復元率が低いウレタンマットレス
    復元率が低い圧縮タイプのウレタンマットレス(この商品は復元率94%)

    なお、開封後に歪みが少なく、きれいな形状に戻る復元率の目安は97%以上です。

    要するに、復元率(密度)が低すぎる商品は、圧縮できない(復元できない)ため「非圧縮梱包」にしている可能性があるということです。

    なお、実店舗で販売しているウレタンマットレスは、復元率が低すぎない商品でも、圧縮していない場合も多いですが、オンライン(通販)を中心に展開している商品の場合、非圧縮タイプのウレタンマットレスには少し注意した方が良いかもしれません。

    専門家専門家

    なお、低密度な商品ほど「重さが軽い」です。

    よって、軽すぎるウレタンマットレスは特にご注意ください。

    【厳選】低価格で配送も楽!おすすめの圧縮マットレス 3選

    専門家専門家

    ワイヤーなしのスプリンゴコイルマットレスと、復元率が高いウレタンマットレスの中で特におすすめの商品を厳選しました。

    1. neruco「バリューポケットコイルマットレス」

    neruco「バリューポケットコイルマットレス」

    1万円台で選ぶならコレ

    ベッド専門店「neruco(ネルコ)」のオリジナルマットレス。高密度仕様で豊かなクッション性が魅力のポケットコイルタイプです。マットレスの側面はすべてメッシュ構造になっているので通気性も抜群

    実際に寝てみた感想としては、どちらかというとソフトな寝心地で特に女性におすすめですが、男性の筆者も心地よく感じました。

    デメリットは端が沈み込みやすいことですが、この優れた寝心地でシングルサイズで1万円台は利益が取れているか心配になるほどのコストパフォーマンスの良さを感じた逸品です。

    クッション材ポケットコイル
    サイズセミシングル~クイーン
    ※ショート丈・ロング丈あり
    硬さふつう
    価格12,990円

    このマットレスを見る

    2. 源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス 夜香 ハイグレード2」

    源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス(夜香ハイグレード2)」

    高品質な日本製、なのに低価格

    広島県のベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。同社内の数あるマットレスの中で最も売れ筋の人気商品です。

    ポケットコイルのバネは最高クラスの硬鋼線を使用。詰め物には防ダニ・抗菌防臭の機能綿(マイティトップ®Ⅱ)を採用し、清潔な状態を保ちやすい点もメリットです。さらに両面仕様のため、ローテーションにより寝心地が長持ちします。

    実際にレギュラータイプを体験をしましたが、これぞスタンダードな寝心地!という印象で、幅広い人に合いやすいと思います。

    圧縮タイプでありながらサイドのコイルを強化した「エッジハード仕様」なので端部分の沈み込みも気になりません。

    国産×ハイスペックで2万円台」というのは数あるマットレスの中でトップレベルのコストパフォーマンスを誇り、実際の寝心地も素晴らしく、当サイトの中では特にイチオシのモデルです。

    クッション材ポケットコイル
    サイズセミシングル~ワイドダブル
    ※ショート丈あり
    硬さソフト・レギュラー・ハード
    ※選べる
    価格26,900円

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    3. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」

    ソムレスタマットレス

    JIS規定の3倍でも復元率99.6%

    寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。

    密度は戦略上非公開にしていますが、推定52D以上の高密度で作られていて、JIS規定の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%という抜群の耐久性を誇ります。

    超高密度・高復元率のため、開封後の復元性も抜群。すぐにでも使い始めることができます。

    反発弾性率60%という高反発の中でも特に高い反発性をもつ商品なので、寝返りが打ちやすい点も特徴。

    厚さが10cmの薄型タイプ(1枚もの)で、二段ベッドやロフトベッドも使いやすく、折りたたみも可能です。

    カバーは抗菌活性値5.9の「強い効果が認められる」抗菌性がある生地を使用し、耐久性・寝心地・衛生面とも優れた逸品です。

    芯材ウレタンフォーム
    サイズシングル~ワイドダブル
    硬さやや硬め
    価格49,800円

    このマットレスを見てみる

    【厳選】しっかりした作り!おすすめの非圧縮マットレス 3選

    専門家専門家

    非圧縮ならではしっかりとした作りのおすすめマットレスです。※大型配送便なのでご注意ください

    1. 源ベッド「国産ポケットコイルマットレス(非圧縮タイプ)」

    国産ポケットコイルマットレス(非圧縮タイプ)

    国産なのに低価格!コスパで選ぶならコレ

    すぐ上でもご紹介した国産ベッドメーカー「源ベッド」の非圧縮タイプのポケットコイルマットレス。国内最高品質の硬鋼線を使用したポケットコイルを高密度の交互配列に敷き詰めたしっかりとした寝心地です。

    両面仕様のためローテーションも可能なので寝心地が長持ちしやすい点も魅力。さらに詰め物のワタは抗菌防臭・防ダニ効果があるマイティトップⅡを使用し、これだけハイグレードな仕様にも関わらず3万円台から買える抜群のコストパフォーマンスを誇ります。

    通常丈に加えてショートサイズ・ロングサイズが選べる点もメリット。さらに寝心地もソフト・レギュラー・ハードから選べます(レギュラーで「やや硬め」の寝心地です)。

    クッション材ポケットコイル
    サイズセミシングル~クイーン
    ※ショートサイズ・ロングサイズあり
    硬さソフト・レギュラー・ハード
    ※選べる
    価格39,900円

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    2. フランスベッド「ライフトリートメント LT-5500」

    ライフトリートメント「LT-5500」

    フランスベッドといえばコレ

    豊富すぎるラインアップが特徴のフランスベッドのマットレスシリーズの中で「ライフトリートメント」は基幹的な位置づけのシリーズです。

    このモデルは高衛生の除菌糸(アグリーザ®)を使用した生地に加え、プロウォール(両端が落ち込みにくい構造)や、防ダニなどフランスベッドの特徴的な仕様を基本的に備えています。多くの日本人体型に受け入れられやすいスタンダードな寝心地です。

    クッション材高密度連続スプリング
    サイズシングル~ダブル
    硬さふつう
    価格165,000円

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    3. 日本ベッド「シルキーポケット レギュラー」

    シルキーポケット

    バネに直接寝れる高品質

    仕立ての良さの評判が高い老舗国産メーカー「日本ベッド」の基幹マットレスブランド。そのとろけるような寝心地で「バネに直接眠れるマットレス」というコンセプトで生まれました。

    日本のもの作りの精神が具現化されたようなマットレスで、迎賓館赤坂離宮や、帝国ホテル・星野リゾート(星のや軽井沢・東京)など有名ホテル・旅館への納入実績も豊富。睡眠の質にこだわりたい人には間違いなくおすすめの逸品です。

    クッション材ポケットコイル
    サイズセミシングル~キング
    硬さソフト・レギュラー・ハード
    ※選べる
    価格176,000円

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    まとめ

    圧縮梱包の開封

    いかがでしたでしょうか。

    マットレスのお届け方法の違いや、梱包タイプの特徴(メリット・デメリット)をご紹介しました。

    最近は物流費の高騰から、マットレスの圧縮梱包化が進んでいます。

    特にオンライン限定で展開しているメーカー・商品はほとんど圧縮梱包です。

    たしかに圧縮梱包は配送面や価格面に大きなメリットがあります。

    ですが、特にスプリングコイルマットレスにおいては、非圧縮タイプだから搭載できるような仕様もあるので、よりしっかりしたマットレスが欲しい人は非圧縮タイプもご検討ください。

    最後までお読みいただき誠にありがとうございました。