「薄いマットレスを探している」
ロフトベッドや二段ベッドなど、高さがあるベッドの場合、安全面で薄型のマットレスを使うことが推奨されることが多いです。
また、「寝るときだけ広げて使いたい」という場合、通常の厚さのマットレスでは折りたたむことができませんが、薄型タイプなら折りたためる商品も選べます。
この記事の前半では薄型マットレスの特徴やメリット・デメリット、選び方などをお伝えし、後半でおすすめ商品をご紹介しています。
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目次
マットレスとは
マットレスとは布団の下やベッドの上に敷く、厚い弾力性の敷物のことです。
なお、マットレスの「レス」はless(ない)という意味ではありません。英語でマットレスを書くと「mattress」。マットは「敷物」で、マットレスは「寝るための敷物と」いう意味合いです。
マットレスと布団どっちが寝心地が良い?
何をもって良いか?というのは人によって快眠できる環境が異なるので一概には言えませんが、一般的には敷き布団(和布団)よりもマットレスの方が寝具として構造が優れていると言えます。
マットレスは基本的に層構造をしています。

マットレスは詰め物や側地によって肌触りを良くし、体が沈み込んだ時には芯材のクッション(スプリングやウレタンフォーム)によって、荷重が分散され衝撃をふんわりと受け止めてくれます。一方、敷き布団はクッションがありません。

寝姿勢を正しく保つには、ある程度の硬さが必要ですが、硬すぎると体圧が分散されず痛みを感じるので、ある程度の柔らかさも必要です。
硬さと柔らかさという矛盾を上手に解決するのがクッションの役割なのです。つまり、クッション層があるマットレスの方が構造的には分があると言えるでしょう。
薄型マットレスとは
通常のマットレスに比べて厚さが薄いタイプが「薄型マットレス」です。
厳密に厚さが何cm以下だと薄型と呼ぶかという決まりはありませんが、約10cm以下の厚さであれば薄型マットレスと呼んで差し支えないでしょう。
薄型マットレスのメリット
持ち運びやすい
通常のマットレスは厚さが20cmを超える商品もあり、重量はシングルサイズで15kg~20kg程度あります。
薄型マットレスなら商品によりますが、重量が2/3~半分程度になるので、力が弱い人でも扱いやすいです。
さらに折りたたみ可能な薄型マットレスなら、気軽に持ち運びができます。

二段ベッド・ロフトベッドに置ける
冒頭でも書きましたが、二段ベッドやロフトベッドなど、高さがあるベッドの場合、安全面で薄型のマットレスを使うことが推奨される場合が多いです。

また、ベッドの床面がメッシュ構造(スチール製)の場合、敷き布団は使えません。※敷き布団は荷重分散性が低く、部分的な重さがかかりやすいため、メッシュ床板では使えません

マットレスよりも布団の方が軽く、持ち運びが楽な場合が多いですが、耐久性などを考慮するとマットレス(薄型)を選んだ方が無難です。
安い
原材料の容量が少ないため、通常のマットレスよりも安く購入できる傾向があります。
薄型マットレスのデメリット
寝心地が劣る
厚みが薄い分、クッション層(スプリングやウレタンフォーム)や、詰め物が薄くなり、結果的に荷重分散性や体圧分散性が通常のマットレスよりも劣る場合があります。
特に数千円で買える激安の薄型マットレスは、底付きを感じやすいです。激安マットレス(Amazonベストセラーの薄型マットレス「MyeFoam」)の寝心地については以下の記事をご参考ください。
トッパータイプにご注意!

薄型マットレスとして販売している商品の中には、厳密にはマットレスではなく「トッパー」のことがあります。
トッパーとは、敷き布団やマットレスの上に置いて寝心地を調節する寝具のことです。つまりトッパーは単品利用ができません。
トッパーを単品利用すると、薄すぎる&クッション性が乏しいため、底付きを感じることが多いです。
代表的なトッパー(マットレスではない)
- トゥルースリーパープレミアケア
- オクタスプリング
- エアロクレイドル
- エアウィーヴ ※マットレスもあり

オクタスプリングの販売ページでは「床に直置きできる」と書いてありますが、体験したところ直置きでは底付きを感じました。詳しくは「【体験レビュー】オクタスプリングを実際に使ってみた」でご紹介しています。
薄型マットレスの選び方
クッション層の違い
マットレスに使われている芯材には大きくコイル(スプリング)タイプとノンコイル(ノンスプリング)タイプの2つがあります。
コイルタイプの特徴
コイルマットレス(スプリングマットレス)は、クッション層が硬鋼線(こうこうせん)などのバネで作られています。
復元率・弾性率が高く、要するに耐久性が高い傾向がありますが、薄型マットレスの場合はコイル高が低く(つまり使われているバネの量が少ないため)、一概に耐久性が高いとは言い切れません。
なるべく高密度で作られているコイルマットレスがおすすめです。目安としてはシングルサイズあたり450個程度のコイル(スプリング)の密度であれば早々にヘタる心配は少ないでしょう。
コイルタイプにはボンネルコイル・ポケットコイル・高密度連続スプリングの3つの種類があります。
ボンネルコイル | ポケットコイル | 高密度連続スプリング |
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結論から言えば、ポケットコイルか高密度連続スプリングがおすすめです。
ポケットコイルは日本人が好きな「静かな寝心地」と言われ、特に女性や平均的な男性体型の人に合いやすいです。
高密度連続スプリングは最も耐久性が高く、頑丈な作りなので、特に体格ががっしりとした男性に人気があります。※なお、高密度連続スプリングは権利の関係で日本ではフランスベッドしか製造・販売できません
一方、ボンネルコイルはバネ感が強く(つまり振動が伝わりやすく)、日本市場においては安価で販売することを目的として作られることが多いので、基本的にあまりおすすめできる寝心地ではありません。
それぞれのコイル(スプリング)の違いについては以下の記事をご参考ください。
ノンコイルタイプの特徴
ノンコイルマットレスはクッション層がスプリングコイル以外の素材で作られるマットレスの総称です。
スプリングコイルマットレスに比べて、軽量で安価で作りやすいことが特徴。コイル独特のバネ感が苦手な人にもおすすめです。一方、コイルタイプに比べて耐久性が劣る傾向があります。
メーカーによって使用する素材が異なりますが、一般的にはウレタンフォームかファイバー(ポリエチレン等)の2種類に分かれます。
ウレタン | ファイバー |
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低反発と高反発の違い
主にノンコイルマットレスにおいて、反発性の違いによって低反発タイプと高反発タイプもあります。(ファイバーマットレスは基本的に高反発です)
日本市場においては高反発が人気です。高い反発性により体の動きをサポートし、寝返りがしやすいことが特長です。
また、高反発タイプは比較的硬めの寝心地が多く、日本人(平坦な体型で仰向きが多い寝姿勢)に合いやすい傾向があります。
低反発タイプは比較的やわらかい寝心地が多く、深く沈み込むので、薄い場合は底付きを感じます。
よって、基本的に薄型の低反発タイプは「トッパー」です。
なお、ファイバータイプも薄型の場合、十分な荷重分散ができないので、基本的にトッパーとして使います。
よって、薄型のノンコイルマットレスは、基本的に「高反発ウレタンマットレス」とお考え下さい。
硬さの選び方
一般的な日本人体型の場合、ふつう~硬めの寝心地が合いやすいです。
すぐ上でも少し触れましたが、欧米人に比べて日本人は痩せ型で平坦な体型の傾向があり、仰向き寝が多いため、深く沈み込んでしまうやわらかすぎるマットレスは寝姿勢を崩しやすい傾向があります。
逆に、体のラインがはっきりした人や、横向き寝が中心の人はやわらめの寝心地を選ぶことがおすすめです。(つまり、薄型よりも通常の厚みがあるタイプのマットレスがおすすめです)
折りたたみ可能か
薄型マットレスの中には、折りたたみができるタイプもあります。
折りたためるマットレスは使わない時にコンパクトにしておけるので便利ですが、クッションが分断されている三つ折りタイプや四つ折りタイプは分断部分の寝心地が良くありません。
例えば、三つ折りの場合、折り目がある「肩・背」は、体全体の33%もの荷重がかかるため、この部分においては十分な荷重分散・体圧分散が期待できません。

寝心地を優先するのであれば、クッションが分断されていない一体型の薄型マットレスがおすすめです。なお、一体型でも折りたたみ可能な商品もあります。
三つ折り型 | 一体型(おすすめ) |
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廃棄のしやすさ
ウレタンフォームでできた薄型マットレスは、自分で細かくちぎれば家庭ごみとして処理できます。※ごみ捨てのルールはお住いの自治体にご確認ください

一方、ポケットコイルなどのスプリングマットレスは、一般のご家庭では細かく裁断できないので、粗大ごみで廃棄する必要があります。
短期間でマットレスを使いたい人は、捨てやすいウレタンマットレスがおすすめです。
両面仕様か
薄型マットレスは、通常のマットレスに比べて厚みがない分、ヘタリによって寝心地が悪化しやすいです。
使っていくうちに荷重が重くかかる背中や臀部は特にヘタリやすいので、定期的にローテーション(マットレスの位置を変えること)を行いましょう。※月1回程度が目安
基本的にどのマットレスでも「上下」のローテーションは可能ですが、裏面も使用できるマットレスの場合なら、「表裏」のローテーションも可能です。

なるべく長く使いたい人は、表裏のローテーションができる両面仕様タイプのマットレスを選ぶことがおすすめです。
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【超厳選】おすすめの薄型マットレス6選

ベッドメーカーに勤めていた筆者が実際の体験を踏まえて、本当におすすめできる薄型マットレスを厳選してご紹介します。
1. 高密度・高反発マットレス「ソムレスタ」(イチオシ)
三つ折りできて高衛生
厚さ10cmの薄型ウレタンマットレス。高反発タイプなので、寝返りが打ちやすいです。高密度で作られているため耐久性が高いことも特長。1枚タイプにも関わらず三つ折りできるので、使わないときに畳んでおけます。カバーは抗菌活性値5.9の「制菌レベル(つまり高いレベル)」の抗菌性がある生地を使用。寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
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硬さ | やや硬め |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 39,600円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ、折りたたみ可能 |
2. ネルコ「オリジナル薄型ポケットコイルマットレス」
格安&定番ならコレ
線径1.9mmのバネを使用した、しなやかな弾力性を持つ薄型ポケットコイルマットレス。全周メッシュ構造なので通気性に優れています。お届け時にはロール状の圧縮梱包で配送されるので、通路が狭い家でも安心です。
サイズ | セミシングル~シングル ※ショート丈あり |
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硬さ | ふつう |
クッション材 | ポケットコイル |
価格 | 9,480円~ |
その他 | 片面仕様、メッシュ構造 |
3. 腰痛対策マットレス「モットン」
腰痛持ちのために作られたマットレス
モットンは株式会社グリボーという日本のベンチャー企業が販売しているマットレス。体圧分散性と高い反発力で寝返りが打ちやすく「腰痛対策」として開発され、多くの腰痛もちの人から支持されています。90日間の無料お試し期間もあるので、腰痛で悩んでいる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | ふつう |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 39,800円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、無料お試し期間 |
4. フランスベッド「FOLD AIR™」
耐久性が抜群
老舗のマットレスメーカー「フランスベッド」の薄型マットレス。フランスベッドの特徴である「高密度連続スプリング」を使用していて、耐久性に優れしっかりした寝心地が好きな人におすすめの逸品です。仰向き寝の人に合いやすいです。スプリングコイルマットレスなのに三つ折り可能なので、上げ下げもしやすく便利です。
サイズ | シングル |
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硬さ | やや硬め |
クッション材 | 高密度連続スプリング |
価格 | 32,780円~ |
その他 | 片面仕様、抗菌防臭・防ダニ、三つ折り |
5. 昭和西川「ムアツふとん」
累計400万台の大ヒットマットレス
日本の老舗寝具メーカー「昭和西川」の薄型マットレス。凹凸加工が施されたプロファイルウレタンマットレスのパイオニアで、1971年に発売を開始し、2015年には累計販売数400万台を達成した大ヒットロングセラー商品として有名です。
やや硬めの寝心地ですが、凹凸加工によって体圧分散性が高められ、硬さとやわらかさの絶妙なバランスが取れています。とはいえ薄型タイプなので基本的には仰向き寝を中心とした寝姿勢の人が合いやすいでしょう。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | やや硬め |
反発性 | 高反発 |
クッション材 | ウレタンフォーム(プロファイル加工) |
価格 | 41,800円~ |
その他 | 抗菌防臭(ポリジン加工)・防ダニ、三つ折り |
6. ネルコ「プレミアムパームマットレス」
厚さ5cmの超薄型
天然のココナッツ&ゴムの木から作られたパームマットレス。パームとは「植物のヤシ」という意味です。通気性が良く硬めの寝心地が特徴。反発性があるので寝返りが打ちやすく、寝汗を多くかく方にぴったりです。厚さ5cmの超薄型タイプなので、二段ベッドやロフトベッドの中で特に高さ制限が厳しい商品におすすめです。
サイズ | シングル |
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硬さ | 硬め |
クッション材 | パーム |
価格 | 15,900円~ |
その他 | 両面仕様、三つ折り |
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いかがでしたでしょうか。
薄型マットレスの種類・選び方・おすすめ商品をご紹介させていただきました。
「気軽に移動したい」「二段ベッドやロフトベッドで使いたい」という人は薄型タイプのマットレスがおすすめです。
一方、「寝心地にこだわりたい」という人は、通常の厚さのマットレスを選んだ方が良いでしょう。
マットレス全般の選び方・おすすめ商品については、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ご参考いただけますと幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。