ヘタリにくいマットレスの条件とは?
せっかくマットレスを買うのなら、すぐにダメになりにくい商品を選びたいですよね。
この記事では、ヘタリにくいマットレスの条件と選び方、おすすめマットレスをご紹介します。
『早くおすすめのヘタリにくいマットレスを知りたい』
という方は下記ボタンを押すとその場所にジャンプしますのでご参考くださいね。
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ヘタリにくいマットレスとは?
マットレスはクッション材(芯材)の違いから、大きく、
- スプリングコイル(ポケットコイル等)
- ウレタン(ノンコイル)
- ファイバー(ノンコイル)
という種類に分かれます。
▼ マットレスの種類 | ||
---|---|---|
スプリングコイル | ウレタン | ファイバー |
このうち、「ヘタリにくさ(ヘタリやすさ)」が最も分かりやすいのはウレタンマットレスです。
ウレタンマットレスでは、ウレタンフォームの「密度・復元率」の高さによって、ヘタリにくさが決まります。
判断が複雑なのがスプリングコイルマットレスです。スプリングコイルマットレスはスプリング(バネ)自体の品質の他に、詰め物で使われている素材の耐久性も影響してくるからです。
なお、ファイバーマットレスのファイバー素材は基本的にヘタリやすいのでどれも似たり寄ったりです。
以下より、詳しくご紹介します。
そもそもヘタリとは?
ヘタリとは、「厚さの低下率(または保持率)」のことです。
要するに、睡眠時に繰り返す荷重(負荷)によって、厚さが元に戻らないことを「ヘタリ」と言います。
ヘタリにくさがわかる?マットレスの耐久試験とは
マットレスは耐久試験(JIS S 1102)の「合格・不合格」でヘタリにくさを評価します。
しかし、この試験はかなりざっくりとしたもので、合格したマットレスの中での耐久性の優劣が付きづらいというデメリットがあります。(要するに「足切り的」な測定です)
とはいえ、耐久試験の合格結果を公表しているマットレスはある程度の耐久性は信頼できます。
ウレタンマットレスは「復元率」でわかりやすい
ウレタンマットレスだけがウレタンフォームの耐久試験(JIS K 6400-4)によって、「復元率」という具体的な数値をもって耐久性が評価できます。
よって、冒頭でご紹介したとおり、どれがヘタリにくいか?を判断しやすいのがウレタンマットレスなのです。
スプリングコイルの判断が難しい理由
素材で考えた場合、最も耐久性が高いのはスプリングコイル(鋼線)です。
ただし、マットレス(完成品)として考えた場合、スプリングコイルマットレスは使用しているコイルの密度や線種(バネ自体の品質)、製法や詰め物など、耐久性を決める要素が複雑なため、なかなか判断が難しいのです。
ファイバーは「ヘタリやすいが、硬さが変わりづらい」
ファイバー素材は、基本的にヘタりやすい(復元率が低い)です。
ウレタンフォームと同様の耐久試験をした場合、ファイバー素材の復元率は高くても93%、一方、ウレタンフォームは低価格商品でも97~98%くらいに到達します。
ただし、ファイバーは耐久試験で分かるもう一つの指標「硬さの保持率」がウレタンマットレスよりも高い傾向があります。
つまり、ファイバーはウレタンマットレスに比べてヘタリやすいが硬さが変わりにくいという性質があるのです。
ちなみに、ざっくりですが「硬さの保持率」はファイバーは80%台、ウレタンは60%台くらいが多いです。
【素材別】ココをチェック!ヘタリにくさがわかるポイント
ウレタンマットレスの場合
すでにお伝えしたとおり、ウレタンマットレスでは「復元率の高さ」で耐久性(ヘタリにくさ)がある程度判別できます。
なお、復元率を決める大きな要素は「密度」です。基本的に密度が高いほど復元率が高い傾向があります。
ウレタンマットレス(ウレタンフォーム)の密度は「D」※Density(密度)のDという単位で現わされ、販売ページでも表示してることが多いです。
参考までに、密度(D)と復元率における耐用年数の目安は以下の通りとお考え下さい。※あくまで筆者の感覚です
寿命 | 密度 | 復元率 |
---|---|---|
~1年 | 20D前後 | 90~95% |
数か月~3年 | 25D前後 | 95~96% |
3~5年 | 30~36D前後 | 96~98% |
5~7年 | 40D前後 | 98~99%以上 |
10年前後 | 50D前後 |
以上のことから、なるべく長期間の使い続けたい人は、密度40D以上、復元率98%以上(8年以上の耐久性)が確認できている商品を選ぶことがおすすめです。
スプリングコイルマットレスの場合
スプリングコイルマットレスは以下のとおり、3種類に分かれます。
▼スプリングコイルマットレスの種類 | ||
---|---|---|
ボンネルコイル | ポケットコイル | 高密度連続スプリング |
大雑把に言うと、この中で最も耐久性が高い(ヘタリにくい)のは、高密度連続スプリングです。
ボンネルコイルやポケットコイルは、コイルを一つ一つ産み落とし、それを鉄線や不織布で「連結」させる構造をしていますが、高密度連続スプリングは、1本の鉄線で1列「連続」して巻かれることで、荷重に対してバネ同士が助け合うように動くため、耐久性が高いのです。
なお、高密度連続スプリングは権利の関係で日本では「フランスベッド」しか製造できません。つまり、高密度連続スプリング=フランスベッドのマットレスということです。
なお、ボンネルコイルとポケットコイルに関しては、構造上ではボンネルコイルの方が耐久性が高い(ボンネルコイルはコイル同士を鉄線で、ポケットコイルはコイル同士を不織布&接着剤で連結しているため)です。
しかし、日本市場においては、ボンネル=廉価モデルという位置づけが中心のため、コイル数(密度)や製法はポケットコイルマットレスの方が優れていることが多く、結果的にポケットコイルマットレスの方が耐久性が高いことも多いです。
なお、耐久性として安心できるコイル数はシングルサイズで450個以上が目安です。(ただし、コイル数は多いほど良いわけでなく、450個/S以上だと、耐久性ではなく寝心地の特徴が変わってきます。)
他にポケットコイルマットレスでは、線種・圧縮率・詰め物といった仕様も耐久性に影響してくるのですが、込み入った話になるのでここでは割愛します。
詳しく知りたい人は以下の記事でご紹介しているので、ご参考くださいね。
ファイバーマットレスの場合
ファイバー素材は硬い方がヘタリにくいです。
これは、ファイバーマットレスは素材の密度によって硬さ(やわらかさ)を調節するからです。
要するに、やわらかいファイバーマットレスは低密度(ヘタリやすい)、硬いファイバーマットレスは高密度(ヘタリにくい)です。
別の言い方をすると、ファイバーマットレスにソフトな寝心地がない(少ない)のはこのためです。基本的にファイバーマットレスであれば、どのメーカー・商品も硬めに作られています。
よって、ファイバーマットレス同士では、そこまで耐久性は変わらないとお考えください。
しかしながら、すでにお伝えしたとおりファイバーマットレスは復元率が低いため、「ヘタリにくさ」を重要にお探しの場合は、あまりおすすめできません。
ヘタリを進行させないために注意したいこと
ローテーションをする
ローテーションとはマットレスの表裏・上下を入れ替えることです。
マットレスは強い荷重がかかる所(背中や臀部)がヘタりやすくなるので、ローテーションすることでヘタりが分散され寝心地が長持ちします。
ローテーションの頻度は、3ヵ月に1度くらいがおすすめです。ホテルでもマットレスを定期的にローテーションさせることが多いです。
温度・湿度の調節
特にウレタンフォームを使用しているマットレスにおいては、温度・湿度は大敵です。
人は眠っている間に大量の汗と放熱をしますが、高温多湿の環境だと素材の劣化が加速するため、ヘタリやすくなってしまいます。
マットレスの側生地は吸水性が低いポリエステル生地が使われていることも多いので、劣化・汚れ防止のために吸水性・吸湿性が高いシーツやパッドを使うのがおすすめです。
マットレスの上で飛び跳ねない
スプリングコイルマットレス(特にポケットコイル)やファイバーマットレスは集中的な強い荷重に弱いです。
スプリングコイルでは、ひとつのコイルに強い荷重が集中するとバネが損傷したり、ファイバーマットレスにおいてはファイバーがちぎれてしまうことも。
よって、トランポリンのようにマットレスの上で飛び跳ねなようにご注意ください。
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【厳選】ヘタリにくいマットレスのおすすめ 4選
高密度・高復元率・高圧縮率などの耐久性が高い仕様のおすすめのマットレスを厳選しました。
1. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」
JIS規定の3倍でも復元率99.6%
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。
密度は戦略上非公開にしていますが、推定52D以上の高密度で作られていて、JIS規定の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%という抜群の耐久性を誇ります。
反発弾性率60%という高反発の中でも特に高い反発性をもつ商品なので、寝返りが打ちやすい点も特徴。
厚さが10cmの薄型タイプ(1枚もの)で、二段ベッドやロフトベッドも使いやすく、折りたたみも可能です。
カバーは抗菌活性値5.9の「強い効果が認められる」抗菌性がある生地を使用し、耐久性・寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
芯材 | ウレタンフォーム |
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耐久試験 | 99.6%(24万回※JISの3倍) |
密度 | 推定52D以上 ※非公開 |
硬さ | やや硬め |
価格 | 49,800円~ |
2. 快眠タイムズ マットレス
バランス感が良い!失敗しにくい寝心地
愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。
表層が45Dという高密度仕様、復元率もJIS規定で99%という優秀な数値です。
芯材のウレタンフォームは低反発+高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性も抜群なので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめ。さらに60日のお試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。
芯材 | ウレタンフォーム |
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耐久試験 | 復元率99% |
密度 | 1・2層目:45D 3層目:32D |
硬さ | やや柔らかめ |
価格 | 50,000円~ |
3. 源ベッド「国産ポケットコイル 夜香ハイグレード2」
高品質な国産品、なのに低価格
広島県のベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。同社内の数あるマットレスの中で最も売れ筋の人気商品です。
ポケットコイルは最高クラスの硬鋼線を使用。バネから国内の自社工場で作り上げるという徹底ぶりです。
さらに、詰め物に「防ダニ・抗菌防臭わた」、端が落ち込みにくい「エッジハード」、裏面でも寝れる「両面仕様」という隙がないハイスペックにもかかわらず3万円台から買えるのは驚きです。ここまでコストパフォーマンスが優れたマットレスは見つからないと思います。
寝心地がソフト・レギュラー・ハードの3種類から選べる点もメリットです。実際にすべての硬さを体験をしましたが、特にレギュラーはこれぞスタンダードな寝心地!という印象で、幅広い人に合いやすいと思います。まさに「格安ポケットコイルマットレスの決定版」と言える商品です。
芯材 | ポケットコイル |
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耐久試験 | JIS合格 |
硬さ | 選べる(ソフト・レギュラー・ハード) ※レギュラーで「やや硬め」 |
価格 | 28,800円~ |
より寝心地にこだわりたい人は「咲夜レアルマットレス」がおすすめです。
高級ホテルに採用される、巻き数の多い「8.5巻き(6.7インチ)のスプリング」が搭載し、なめれらかなストロークによる極上の寝心地が得られます。
5万円以下からこの寝心地が手に入るのは、並外れたコストパフォーマンスの高さです(当サイトNo.1の高評価です)。
4. フランスベッド「ライフトリートメント LT-5500」
フランスベッドといえばコレ
豊富すぎるラインアップが特徴のフランスベッドのマットレスシリーズの中で「ライフトリートメント」は基幹的な位置づけのシリーズです。
このモデルは高衛生の除菌糸(アグリーザ®)を使用した生地に加え、プロウォール(両端が落ち込みにくい構造)や、防ダニなどフランスベッドの特徴的な仕様を基本的に備えています。多くの日本人体型に受け入れられやすいスタンダードな寝心地です。
なお、フランスベッドでは国家規格であるJIS規格よりも厳格な自社規格の「FES規格(FES・・・Francebed Engineearing Standard)」を定めているので、要するにJIS合格よりも高いレベルの耐久性があるとお考え下さい。
芯材 | 高密度連続スプリング |
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耐久試験 | FES合格(JISよりも厳格) |
硬さ | ふつう |
価格 | 165,000円~ |
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ヘタリにくいマットレスの特徴とおすすめ商品をご紹介しました。
やはり値段に応じて耐久性は高い(ヘタリにくい)傾向はあります。
とはいえ、中には例外もある(7万円台のウレタンマットレスなのに復元率が94%という商品もあったりします)ので、気になった商品があったらこの記事でご紹介した仕様面などをチェックしてみてください。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。