高密度ウレタンフォーム

D(密度)を考える基準

ウレタンマットレスを見ていると、「30D」「40D」といった表示があります。数字が大きいほど硬そうに見えますが、密度は硬さではありません。主に耐久性を見る数値です。

先に目安をお伝えすると、毎日使うマットレスなら30D以上。長く使いたいなら40D前後からが候補です。ただし、同じ30Dでも寝心地や耐久性が同じとは限りません。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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先に結論|普段使いなら30D以上が目安

ウレタンフォーム

私がウレタンマットレスを選ぶときは、次の数値を目安にしています。

密度 選び方の目安
20~25D前後 来客用、短期間の使用、価格優先
30~36D前後 毎日使うマットレスの基準
40D前後 5年以上の使用を考える人
50D以上 耐久性を特に重視する人

なお、低反発ウレタンは上記よりも10~20Dほど高い密度を目安にします。低反発は、高密度で作らないと品質・耐久性が安定しないからです。

椚大輔
椚大輔
表の使用期間は私の経験上の目安です。体重や使い方、湿気、ウレタンの厚さなどでも変わります。

密度(D)とは「体積あたりの重さ」

ウレタンフォーム

ウレタンフォームの密度は「D(ディー)」(Density=密度のD)と表します。30Dなら、1立方メートルあたり約30kgの重さがあるという意味です。

数字だけではイメージしにくいですよね。幅97×長さ195×厚さ10cmのシングルサイズで考えると、ウレタン部分の重さは25Dで約4.7kg、30Dで約5.7kgです。

同じ大きさなら、30Dは25Dより約20%重くなります。それだけ多くの材料を使っているため、一般的には密度が高いほど、ヘタリや硬さの変化に強い傾向があります。

一方、密度が高くなると、価格と重量も上がりやすいです。持ち運びを優先するなら、高密度が必ずしも使いやすいとは限りません。

25Dと30Dの差は、使い続けたときに出やすい

ウレタン

25Dと30Dを触り比べても、最初から明確な差を感じるとは限りません。硬さは別の数値なので、25Dの方が硬い商品もあります。

差が出やすいのは、使い続けたときの変化です。低密度のウレタンは、荷重が集中する腰やお尻の部分から、やわらかくなったり、厚さが戻りにくくなったりする傾向があります。

短期間しか使わないなら、25Dにも価格と軽さのメリットがあります。しかし、毎日使うなら私は30D以上、長く使うなら40D前後を基準にします。

ウレタンフォームの仕様の見方

ウレタンマットレスを選ぶとき、密度(D)のほかに出てくる仕様が、

  • 硬さ(N)
  • 反発弾性率
  • 復元率

です。

これらはウレタンの特徴を知るうえで、わかりやすいヒントを与えてくれます。

数値 主にわかること
密度(D) 素材としての耐久性の目安
硬さ(N) 押したときの硬さ
反発弾性率(%) 押したあとに跳ね返す力
復元率(%) 繰り返し圧縮後の厚さの戻り具合

このうち、密度とあわせて耐久性を見る材料になるのが復元率です。一方、硬さと反発弾性率は、主に寝心地を判断する数値なので、密度とは分けて考えます。

復元率は密度とセットで確認する

密度が高いウレタンは、同じ体積に使われている原料が多く、気泡を支える骨格も厚くなる傾向があります。そのため、繰り返し荷重を受けても、形状や硬さが変化しにくいです。

原料を多く使ったウレタン 骨格が厚いウレタン
NEW・BREEZEのウレタンフォーム(アップ) オリジナルのウレタンフォーム(アップ)

ただし、ウレタンの耐久性は密度だけで決まりません。使用する原料や配合、発泡方法などにも左右されます。

そこで、実際に繰り返し荷重をかけ、厚さがどの程度戻るかを確認するのが復元率の試験です。

8万回の押圧試験

復元率の試験(8万回の圧縮)

ただし、復元率99%だから「10年使っても1%しかヘタらない」という意味ではありません。決められた条件による試験結果であり、実際の経年劣化をそのまま再現するものではないからです。また、「96%なら合格」といった共通の合格点はありません。

椚大輔
椚大輔
私なら、毎日使う商品は密度30D以上、復元率97%以上。より長く使いたいなら、密度40D前後、復元率98%以上をひとつの目安にします。

多層マットレスは「バランス」を見る

多層タイプのウレタンマットレス

厚さ20cm前後のウレタンマットレスは、硬さや反発性が異なるフォームを重ねて作ることが多いです。この場合、「40Dのウレタンを使用」という情報だけでは、マットレス全体の耐久性までは判断できません。

基本的には、荷重が直接かかる表層には、30D以上、商品によっては40D以上の高密度ウレタンが使われます。表層がヘタると、マットレス全体の寝心地が損なわれるからです。一方、下層に20~25Dのウレタンが使われている場合は、耐久性に少し懸念が残ります。

とはいえ、すべての層を40D以上にすればよいわけでもありません。必要以上に高密度にすると、価格が上がり、重量も増えます。耐久性は高くなっても、商品としてのバランスが悪くなることがあるのです。

多層構造における密度は「バランス」が大切です。個人的には、表層が40D以上、2~3層目が30~35D前後。このあたりが、耐久性・価格・重量のバランスを取りやすいラインだと思います。

耐久性が高く、バランスが良いおすすめのマットレス3つ

椚大輔
椚大輔
私が経験した中で、密度が高く、寝心地のバランスが良いマットレスを選んでみました。しっかりした耐久性が欲しい人は基準にしてみてくださいね。

1. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」

ソムレスタマットレス

フルスペックの薄型マットレス

厚さ10cmの一枚もの(折りたたみも可能)で、軽さよりも、耐久性を重視した薄型ウレタンマットレス。密度50D、24万回圧縮試験による復元率は99.6%という耐久性の高さが特徴です。

私が「フルスペック」と表現したのは寝心地・耐久性・衛生機能・取り扱いやすさのバランスが優れているからです。薄型としてはやや重いですが、使用感を重視する人におすすめのマットレスです。

厚さ 10cm
密度 50D
復元率 99.6%(24万回)
硬さ やや硬め(154N)
反発弾性率 約60%(高反発)
価格
(シングル)
49,900円

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2. 源ベッド「咲夜ハイフィール2」

咲夜ハイフィール2

寝心地・感触の良さを追求

私と国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。コンセプトは『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』です。

薄型では、厚いベッドマットレスのような奥行きのある寝心地を作りにくいです。そこで、3層のウレタンに両面の詰め物を組み合わせ、薄型でも奥行き感のある寝心地を目指しました。

厚さ 11.5cm
密度 1層目:48D
2層目:30D
3層目:35D
復元率 98.6%(8万回)
硬さ やや硬め(110N/230N/190N)
反発弾性率 約60%(高反発)※1層目
価格
(シングル)
44,990円

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3. 快眠タイムズマットレス 3.0

快眠タイムズ マットレス3.0

バランス重視のおすすめ

硬すぎず、やわらかすぎない寝心地が好きな人におすすめのウレタンマットレス。強い個性がないことが個性といったバランスタイプです。表層が45Dという高密度仕様、復元率もJIS規定で98.8%という優秀な数値です。

芯材のウレタンフォームは高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性にも配慮されているので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめです。

厚さ 20cm
密度 1層目:45D
2・3層目:32D
復元率 98.8%(8万回)
硬さ ふつう(60N/140N/260N)
反発弾性率 約60%(高反発)
価格
(シングル)
55,000円

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まとめ

ウレタンフォームの密度(D)は、硬さではなく耐久性を見る数値です。毎日使うなら30D以上、長く使いたいなら40D前後をひとつの目安にしてください。

多層マットレスでは、どの層に何Dのウレタンを何cm使っているかを確認します。密度、復元率、厚さ、層構成を一緒に見ることが、耐久性を判断するポイントです。