ウレタンフォームの「密度(D)」を徹底解説
この記事ではウレタンマットレスを選ぶときにチェックしておきたい「密度」という仕様についてご紹介します。
前半では密度が意味するものや注意点などをお伝えし、後半でおすすめのマットレスをご紹介しています。
「早くおすすめのマットレスを知りたい」という方は下記ボタンを押せばその場所にスクロールするのでご参考くださいね。
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目次
ウレタンフォームとは?
ウレタンフォームとは石油を発泡させて作られた素材のこと。
ウレタンフォームを芯材として使ったマットレスが「ウレタンマットレス」です。
ウレタンマットレスは、衝撃吸収性が高い静かな寝心地が特徴で、比較的軽量に作れるため取り扱いやすさも魅力です。
一方、基本的には通気性があまり良くない素材なので、蒸れやすいことや、紫外線や湿気によって経年劣化がしやすいという点がデメリット。
ただし、ウレタンマットレスはメーカー・商品によって品質のバラつきが大きく、高品質なものは耐久性や通気性のデメリットを感じさせない商品もあります。
ウレタンフォームの特徴やウレタンマットレスの選び方は以下の記事で詳しくご紹介しているので、ご参考くださいね。
「密度」とは?
密度とは「体積あたりの重さ」のことです。
ウレタンフォームの密度は「D (ディー)」(Density=密度のD)という単位で表されます。
密度は耐久性と関係します。
密度が高い(高密度)ほど、ウレタンフォームの耐久性は高い(ヘタリにくい・硬さが変わりにくい)です。
一方、当然ながら高密度のウレタンフォームを搭載しているマットレスほど、価格は高くなります。
よって、予算が許す限り、なるべく高密度なウレタンマットレスを選ぶことがおすすめです。
密度と寿命(耐用年数)
「密度は耐久性と関係する」ということは、密度によってそのマットレスの寿命の目安がわかるということです。
密度による寿命の目安はざっくりと以下の通りです。
密度 | 耐久性 (寿命) |
|
---|---|---|
高反発 | 低反発 | |
25D以下 | 40D未満 | 数か月~3年 |
30~36D前後 | 40~50D前後 | 3~5年 |
40D前後 | 55D前後 | 5~7年 |
50D前後 | 70D以上 | 10年前後 |
高反発と低反発で異なるの理由は、低反発の方が、高密度で作らないと品質・耐久性が安定しないからです。
なお、スプリングコイルマットレスなどの詰め物でウレタンフォームを使う場合、下層(スプリングコイル)で荷重分散される(要するにウレタンフォームの負荷が軽くなる)ため、上記の表の耐用年数よりも長持ちします。
密度と価格
ウレタンマットレスは高密度であるほど価格は高くなります。
一般的なウレタンマットレス(および高反発ウレタンマットレス)における密度と価格の関係は以下のようなイメージとお考えください。
密度 | 価格(Sサイズ) |
---|---|
20D前後 | あまりない(詰め物で使われたりする) |
25D前後 | 数千円 |
30D前後 | 1~3万円台 |
40D前後 | 4~7万円台 |
50D前後 | 8万円以上 |
ただし、薄型のマットレス(厚さ10cm前後)などでは材料も少なくなるため、上記の価格帯より安くなります。
また、20cm以上の厚さがあるタイプは、基本的にいくつかの層構造(多層構造)をしていて、すべて同じ密度で作られていることはほとんどありません。
例えば、荷重がダイレクトにかかりにくい下層フォームなどを50D以上の高密度仕様にしてもオーバースペックになるため、基本的に上層は高密度・下層はふつう程度の密度で作られることが多いです。
軽すぎるウレタンマットレスに要注意
同じサイズ(体積)のウレタンマットレスでも重さが違うのは単純に考えると密度が異なるからです。
「軽いマットレスで良かった」というような口コミを見ることがありますが、実は軽すぎるウレタンマットレスは単純にスカスカな低密度ウレタンフォームを使っているだけで、耐久性としては不安が残る可能性があるのでご注意ください。
【注意】密度は詐称できる?
実は、密度は詐称できます。
詐称方法はすごくアナログで、ウレタンフォームを作る際に砂などの重量がある「混ぜ物」を入れるのです。
これは低品質なウレタンフォーム工場(主に海外)で行われていたりする方法です。
要するに、ずっしりと重く「見かけ上の密度」は高いのですが、ウレタンフォームと関係ない重い素材を混ぜているだけなので、単純に重いだけの(耐久性は高くなっていない)ウレタンマットレスもあるのです。
つまり「密度で耐久性を完全に判断できない」ということです。
それではウレタンマットレスの耐久性は何を信じればよいのでしょうか?
「復元率」もチェック
ウレタンフォームの耐久性を知るうえで、密度のほかに「復元率」という数値も重要です。
復元率とは?
復元率とは、圧縮試験によってマットレスを80,000回ほど繰り返し圧縮させたあとに、形状がどのくらい元に戻っているのか?の数値です。(「厚さ回復率」とも言います)
基本的にはウレタンフォームが高密度であるほど復元率は高くなる傾向があります。
しかし、すぐ上でご紹介した「詐称された高密度」の場合、圧縮試験での復元率の数値は悪い結果になります。
圧縮試験(復元率)はダマせないということです。
よって、復元率の数値もしっかりとチェックしましょう。
復元率については以下の記事で詳しくご紹介しています。
「JIS規定で96%以上」が最低ライン
復元率は、本来JIS(日本産業規格)によって測定し、表示しなければいけない項目です。よって、復元率を表示していないマットレスはそもそも法律違反ということになります。
しかし、現実はJIS以外の自社基準での測定結果を表示したり、そもそも表示していないマットレスも多く、さらに取り締まりもない無秩序状態になってしまっています。
なお、「JIS基準の圧縮試験を合格!」などと販売ページに表示されているマットレスもありますが、実はJISに合格点はないので、この表現はあまり適切ではありません。
より安心感を持って購入したいなら、しっかりとJIS規格で測定し、且つ最低96%以上の復元率が確認できている商品がおすすめです。
でも、復元率テストはちょっと易しい(甘い)
JISの圧縮試験は80,000回の圧縮です。これは一晩にする寝返りの回数などを考慮して「標準的な人が10年使った場合」を想定した圧縮回数です。
よって、例えば「復元率99%」は「10年使っても1%しかヘタらない」と言えそうなのですが、実際はウレタンフォームの経年劣化を考えると、ヘタリはもっと大きくなるはずです。
つまり、圧縮試験の回数はあくまで最低レベルだとお考え下さい。結果的にある程度よい材料を使っているウレタンフォームであれば、復元率99%を出すのはそこまで難しい話ではないのです。
密度と復元率をセットでチェック
ここで参考になるのが「密度」です。
密度が高く、復元率も高いのであれば、それは本物の高密度ウレタンフォームである可能性が高く、耐久性が高いと言えるからです。
参考までに、密度と復元率における耐用年数の目安は以下の通りです。(あくまで筆者の感覚です)
寿命 | 密度 | 復元率 |
---|---|---|
~1年 | 20D前後 | 90~95% |
数か月~3年 | 25D前後 | 95~96% |
3~5年 | 30~36D前後 | 96~98% |
5~7年 | 40D前後 | 98~99%以上 |
10年前後 | 50D前後 |
※低反発の場合は、密度が+10~20Dでお考えください
つまり、例えば密度40Dの商品の復元率が96%くらいだった場合、それはウレタンフォームに何か混ぜられていて「見かけ上の密度」が高くなっているだけの可能性もあるということです。(あるいは単純に材料の品質が悪い場合もあります)
以上のことから、なるべく長期間の使い続けたい人は、密度40D以上、復元率98%以上(8年以上の耐久性)が確認できている商品を選ぶことがおすすめです。
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耐久性が抜群!おすすめの高密度ウレタンマットレス 4選
密度・復元率とも優れたおすすめの高耐久ウレタンマットレスをご紹介します。
1. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」
耐久性抜群!イチオシの高反発マットレス
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。
密度は戦略上非公開にしていますが、推定52D以上の高密度で作られていて、JIS規定の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%という抜群の耐久性を誇ります。
反発弾性率60%という高反発の中でも特に高い反発性をもつ商品なので、寝返りが打ちやすい点も特徴。
厚さが10cmの薄型タイプ(1枚もの)で、二段ベッドやロフトベッドも使いやすく、折りたたみも可能です。
カバーは抗菌活性値5.9(強い効果が認められるレベル)の抗菌性がある生地を使用し、耐久性・寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
厚さ | 10cm |
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密度 | 推定52D以上 ※非公開 |
復元率 | 99.6%(24万回※JISの3倍) |
硬さ | やや硬め |
反発性 | 高反発 |
価格 | 49,800円~ |
2. 源ベッド×悠デザイン「咲夜ハイフィール」
寝心地・感触の良さを追求
当サイト(運営:株式会社悠デザイン)と、国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。
『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』を目指し、薄型タイプでは珍しい3層構造、表層には超高密度・高反発フォームを採用しています。
3層構造ならではの体圧分散・寝姿勢保持・荷重分散のバランスの良さと、高反発ならではの寝返りサポート性が高い寝心地が実現されていて、約4万円から買えるコストパフォーマンスの良さが魅力です。
厚さ | 12cm |
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密度 | 1層目:48D 2層目:30D 3層目:33D |
復元率 | 98.6% |
硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発 |
価格 | 39,900円~ |
3. 快眠タイムズ マットレス
バランス感が良い!失敗しにくい寝心地
愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。
表層が45Dという高密度仕様、復元率もJIS規定で99%という優秀な数値です。
芯材のウレタンフォームは低反発+高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性も抜群なので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめ。さらに60日のお試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。
厚さ | 20cm |
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密度 | 1・2層目:45D 3層目:32D |
復元率 | 99%(8万回) |
硬さ | やや柔らかめ |
反発性 | 低反発+高反発 |
価格 | 50,000円~ |
4. マニフレックス「フラッグFX」
マニフレックスのフラッグシップモデル
高反発マットレスのパイオニアとしても有名な「マニフレックス」のフラッグシップモデル。サッカーの香川選手が愛用していることでも有名です。
31D×75Dの高密度仕様、復元率は97.5%と耐久性も安心です。
オープンセル構造のウレタンフォームに加え、カバー側面に通気孔を設けているため、通気性にはかなり気を配られた仕様です。
カバーの生地には、吸湿性・放湿性にすぐれた木製ファイバーを採用。防臭効果も長けています。
厚さ | 22cm |
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密度 | 31D+75D |
復元率 | 97.5%(8万回) |
硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発 |
価格 | 106,480円~ |
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ウレタンフォームの密度についてご紹介させていただきました。
密度(D)はウレタンマットレスの耐久性を知るうえで重要な仕様です。
どんなに低価格なマットレスでも最低30D以上の密度は欲しいところ。長期間(8年以上)使いたい人は40Dレベル以上がおすすめです。
しかしながら密度は詐称することも可能なため「復元率」とセットで確認しましょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。