口コミ1万件超えの三つ折りマットレス
この記事ではタンスのゲン「純高反発マットレス」をご紹介します。
レビューのために、自費購入しました。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
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目次
メーカーの「タンスのゲン」とは
このマットレスを作っている「タンスのゲン」は、福岡県大川市に本社を構えるタンスのゲン株式会社が運営するインテリア専門のネットショップです。
会社設立は昭和39年で、婚礼家具メーカーとして始まりました。2002年よりネット通販事業として「タンスのゲン」を立ち上げ、以降、楽天やAmazonを中心に展開し、2023年7月には年商250億円を突破するという成長ぶり。ネット通販事業会社の中では大手と言えるので安心感が高いです。
なお、ショップ名が「タンスのゲン」ですが、タンス以外の商品も豊富で(むしろタンス以外が多い )、テーブルやベッド・家電などのインテリア総合を取り扱っています。
タンスのゲンの商品は全体的にかなり安いので「とにかく低価格で家具を探している」という人はぜひチェックしてみてくださいね。
タンスのゲン「純高反発マットレス」の基本情報
メーカー | タンスのゲン |
---|---|
サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | ウレタンフォーム(レギュラーフォーム) |
硬さ | 硬め(190N) |
価格 | 6,999円~ |
【まず結論】タンスのゲン「純高反発マットレス」の評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ本商品を以下のように評価しました。
▼ 純高反発マットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.28 |
仰向き寝 | 2.0 |
横向き寝 | 1.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
素材の品質 | 2.0 |
耐久性 | 1.0 |
衛生面 | 3.5 |
取り扱いやすさ | 5.0 |
価格 | 5.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
【総評】分割部分の寝心地が悪いが、品質は良好
本商品はシングルサイズで6,999円と、マットレス市場の中では破格とも言える激安モデルです。
また、販売ページによると「4年連続 楽天で最も売れたマットレス(シングルサイズ)※」ということで、とても人気がある商品です。※インテリア・寝具・収納部門 集計2020年9月5日~2023年9月10日
実際の体験と仕様を踏まえての感想は、寝心地や耐久性に関しては「価格なり」ですが、ウレタンフォームの品質はこの価格にしては良質だ思います。
肝心の寝心地は「硬めに作られたごくごく一般的なウレタンマットレス」と言った感じで、高反発らしい弾力性や寝姿勢保持は感じられませんでした。
本物の高反発ウレタンマットレス(反発弾性率50%以上)は、どんなに安くても3~4万円くらいはするので、本商品のように数千円で買えるマットレスに高反発の寝心地を期待するのはハードルが高すぎるとも言えるでしょう。
また、三つ折りマットレスで重要な「分割部分の寝心地」という点においては、残念ながら「かなり悪い仕上がり」でした。
本商品は、激安モデルという枠組みの中で、しっかりとした厚みと硬さによって、底付きを感じず、寝姿勢が大きく崩れにくく、要するに、マットレスとして最低限の寝心地を最大限のロープライスで提供してくれる商品です。
よって、コストパフォーマンスとしては満足できるマットレスと思いました。
『とにかく安くて手軽なマットレスが欲しい』という人はぜひご検討くださいね。(もちろん、寝心地面にはデメリットはあります)
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純高反発マットレスの特徴・メリットは?
1. 「純高反発」とは
純高反発とは、「不純物が少ない高純度のウレタンフォーム」という意味です。※「純高反発」はタンスのゲンが独自につけた名称です
仕様の特徴としては、反発弾性率40%±3%、復元率98.7%、密度25Dというスペックのため、寝心地・耐久性としてはごくごく一般的なウレタンフォームです。
しかし、ウレタン特有のにおいを大幅に抑える工夫や、シックハウス症候群の原因物質(ホルムアルデヒドなど)の安全基準をクリアしている点が特長です。
要するに「純高反発」とは、(低価格なのに)品質面が優れたウレタンフォームとお考え下さい。
2. 収納・移動に便利な「三つ折りタイプ」
純高反発マットレスは、芯材が3つに分割されている「折りたたみマットレス」です。
折りたたみマットレスは使わないときに折りたたんで収納したり、移動しやすいことがメリットです。
また、手軽にマットレスを換気できることでカビが発生しづらく、掃除などもしやすいです。
コンパクトに折りたためるため、来客用にもおすすめです。
3. 世界的な安全性基準「エコテックス®スタンダード100」認証
純高反発マットレスのカバーはエコテックス®スタンダード100の認証を受けています。※パイル生地のみ、メッシュ生地は対象外
エコテックス®スタンダード100は、主に繊維製品を対象とした世界最高水準の安全性の証明で、350以上の有害化学物質を対象とした厳しい試験にクリアした製品に与えられます。
カバーは、寝るときに体の触れるものなので、エコテックス®認証は安心ですね。
4. 二段ベッドやロフトベッドでも使いやすい「薄型タイプ」
純高反発マットレスの厚さは10cm。これは「薄型マットレス」というジャンルです。
薄型マットレスは、二段ベッドやロフトベッド(システムベッド)などの厚さ制限があるベッドフレームでも使いやすく、幅広い環境に対応できるというのはメリットのひとつです。
厚さ10cm前後以下で「薄型マットレス」と呼ばれることが多いです。
5. 捨てやすい
マットレスの中で「薄型のウレタンマットレス」が最も捨てやすいです。
なぜなら、芯材のウレタンフォームは手で細かくちぎりやすく、家庭ごみとして捨てられるからです。(大体45リットルのゴミ袋5個くらいに収まります)
一方、スプリングコイルマットレスの場合、粗大ごみでも回収してくれない自治体もあるので注意が必要です。
マットレスを買うときに「捨てやすさ」は見逃しがちなポイントです。特に長期で使う予定がない人(学生や新社会人など)は、捨てやすさをチェックしましょう。
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純高反発マットレスのデメリット・注意点
1. 本当の「高反発」ではない
「純高反発」という名前ですが、実は本物の高反発マットレスではありません。
高反発マットレス(高反発ウレタン)の定義はJIS規定で「反発弾性率50%以上」ですが、本商品は「反発弾性率40%̟±3%」と販売ページで掲載されています。
反発弾性率 | 分類 |
---|---|
15%未満 | 低反発 |
15~49% | 一般(レギュラー)★本商品はコレ |
50%以上 | 高反発(高弾性) |
反発弾性率「40%」は低反発でも高反発でもない、ふつうのウレタン(一般ウレタン)です。※以下の動画は本商品の反発弾性率テスト(当サイトの独自方法)です
あくまで参考値ですが、実際に計測してみたところ、反発弾性率は約38%でした。
また、高反発ウレタンと一般ウレタンでは原料も製法も異なり、素材としては別物で、寝心地もまったく違います。
よって、高反発ならではの豊かな反発力・体を持ち上げる力は、本商品では味わえません。
本物の高反発ウレタンマットレスが欲しい人は、反発弾性率50%以上が確認できる商品を選びましょう。
2. 長期使用は期待できない
結論、本商品の耐用年数は3年前後と想定します。
ウレタンマットレスの耐久性を知るうえで重要なのが、「復元率」と「密度」で、本商品の仕様は以下のとおりです。
復元率 | 密度 |
---|---|
98.7% | 25D |
復元率は高めですが、気になるのは密度25Dという仕様です。
復元率は経年劣化を想定しない80,000回の圧縮試験で導き出す数値です。
しかし、ウレタンフォームは湿気や紫外線、酸化などによって経年劣化し、低密度であるほどそのスピードは速まります。
とはいえ、25Dで復元率98.7%の安定したウレタンフォームが作れるのは、生産の技術が高いとも言えます。
(基本的に高密度ほど安定したウレタンフォームが作れます。ただし高密度ほど価格は高くなります。)
3. 分割部分のスキマが広い
三つ折りマットレスは、基本的に分割部分の寝心地が悪いです。
しかも、本商品は三つ折りマットレスの中でも特に分割部分の隙間が広いタイプなので、寝心地の悪影響が強く出ます。
以上のとおり、最大で約7cmもの隙間ができました。
なお、分割部分の隙間が広い主な理由は、カバー(薄い・伸縮性が高い)が原因です。
また、カバーは使っていくうちに伸びていくので、さらに隙間が広がっていく懸念もあります。
三つ折りマットレスにおいて、分割部分の隙間はかなり重要です。
できるだけ狭く、寝心地に悪影響が出ない商品を選びましょう。
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【体験レビュー】タンスのゲン「純高反発マットレス」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感をレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
マットレスはロール状に圧縮されて梱包されています。
中身はマットレス本体のみでした。
ロール状に圧縮することで、搬入経路が狭い家でも安心して運べます。
ビニールをハサミで切って開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観のチェック
開封直後のマットレスの場外は以下のとおりです。
まだ完全に復元されず、ところどころ歪みが残っています。
なお、説明書によると開封から約1時間(環境によっては3~14日程度)で完全に復元するとのことでしたので、3日経過した状態を比較したアニメーションを作りました。
このとおり、ウレタンフォームのボリュームが完全に復元されました。
厚さはこのくらい。
公表値どおり、約10cmの厚さが確認できました
続いて、カバーの特徴を見ていきましょう。
純高反発マットレスは、カバーが「パイル生地」か「メッシュ生地」を選べますが、今回はパイル生地を購入しました。
パイル生地はタオルのような素材感で、吸水性が高く、優しい肌触りが魅力です。
原料はポリエステル100%を使用。
伸縮性があり、フィット感や寝返りサポート性が高まります。
生地のアップはこんな感じです。
タオルのような細かいループがある生地です。
三つ折りマットレスは分割部分が沈み込みやすいため、カバーに工夫(厚さ・素材など)があることが好ましいです。
本商品は、どちらかと言えば薄めのカバーなので、端部分に集中した荷重がかかると、沈み込みやすかったです。
純高反発マットレスは裏でも寝られる「両面仕様」です。
表面 | 裏面 |
---|---|
両面仕様の場合、表裏を定期的にひっくり返し、ローテーションすることで、寝心地が長持ちします。
カバーはファスナーで閉じられています。
ファスナーを開けて芯材が取り出せる仕様です。
それでは、カバーを取って内部構造をチェックしていきます。
内部構造
裏面にファスナーがあり、3ブロックを以下の画像のように「コ」の字に開ける仕様です(これは開けやすい仕様です)。
芯材とカバーはこちら。
カバーは洗濯可能です。
こちらが芯材のウレタンフォームです。
密度25Dという低密度な仕様のため、部分的には歪みがある場所もありました。
しかし、基本的にはかなりきれいに復元されています。
密度25Dクラスの場合、圧縮開封後に復元しきらない場合もあるのですが、その中で純高反発マットレスはしっかり復元されています。
これは復元率98%というスペックのためです。
基本的にウレタンマットレスは、高密度ほど安定しやすい(高い復元率になりやすい)です。
別の言い方をすると、低密度で安定したウレタンを作るのには、技術が必要なのです。
よって、低密度ながら高い復元率が実現できるということは、生産品質が高いと言えます。
ベッドフレームでも使える?
純高反発マットレスは床置きでベッドフレームでも使えます。
床置きOK | ベッドフレームOK |
---|---|
ただし、どちらの場合でも定期的にマットレスを立てかけて、底面にたまった湿気を換気しましょう。
パイル生地とメッシュ生地、どっちがおすすめ?
純高反発マットレスは、カバーを「パイル生地」か「メッシュ生地」の2パターンから選べます。
それぞれの特徴をまとめると以下のとおりです。
パイル生地 | メッシュ生地 |
---|---|
エコテックス®スタンダード100認証の安全性の高さと、しっとりとやわらかな感触が特徴 | さらさらとした感触と、通気性の良さが特徴 |
感触が異なるので、お好みで決めてください。
どちらでも良い場合は、エコテックス®認証があるパイル生地がおすすめです。
カバーは体の近くに来るので、安全性が高い生地の方が安心感があります。
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【詳細解説】タンスのゲン「純高反発マットレス」の評価について
この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。
▼ 純高反発マットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.28 |
仰向き寝 | 2.0 |
横向き寝 | 1.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
素材の品質 | 2.0 |
耐久性 | 1.0 |
衛生面 | 3.5 |
取り扱いやすさ | 5.0 |
価格 | 5.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星2.0」。
190Nというかなり硬めのウレタンフォームをダイレクトに感じる寝心地です。
良く言えば背骨がまっすぐ伸びる感じですが、硬すぎるため少し腰が浮きます。
また、密度が低く、反発性が高いわけでもないため、荷重が重い「おしり」や「背中(肩甲骨まわり)」がグッと沈み込む感じもあるため、より腰あたりの浮きが気になる感じです。
とはいえ、底付きなどはなく、硬めの寝心地が好きな人には違和感・ストレスなく寝られるかもしれません。
しかしながら、分割部分の隙間の広さもあり、お世辞にも寝心地が良いとは言いにくい印象を受けました。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星1.5」。
硬く薄いウレタンマットレスのため、圧迫感を感じやすく、基本的に横向き寝には合いにくいです。
ただし、厚さ10cm、190N(硬め)という仕様のため、底付きを感じるほどではありません。
なお、仰向き寝と同様、分割部分の隙間が広いため、ちょうど肩がはまり、落ち込んでしまう可能性があることも懸念点と言えます。
3. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.0」。
硬めの薄型マットレスのため、端部分の歪みは少なく、寝返りで落ちそうになることはありませんでした。
ただし、座ると底付きを感じます。
4. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星3.0」。
純高反発マットレスは「高反発」ではないため、体を押し返すような豊かな弾力はありません。
しかし、ほどほどの反発性と硬さがあるため、体の中心線がまっすぐになりやすく、寝返りにストレスは感じませんでした。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
カバーは吸湿性が高めのパイル生地(タオル生地)仕様のため、寝ていて特に蒸れにストレスは感じませんでした。
なお、蒸れに敏感な人は、メッシュ生地タイプの方がおすすめです。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。
評価は「星1.0」。
結論から言うと、純高反発マットレスの耐用年数は数か月~3年くらいだと思います。
耐久性を判断する指標の「復元率」は98.7%で、これは高めの数値です(数値としての耐久性は良い)。
ただし、25Dという低密度仕様のため、経年劣化が早く訪れると想定されます。※復元率テストは、経年劣化を想定しない80,000回の圧縮テストです
また、基本的に激安マットレスは品質が不安定なため、届いた個体によっては、数週間~数か月でヘタってしまう可能性もあります。
よって、耐久性には過度な期待はせずに、運が良ければ3年くらい使える程度に考えておいた方が良いでしょう。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「2.0」。
25Dという低密度仕様ながら、しっかりと復元されています。
気になる歪みなどはありませんでした。
ヘッド・フット面 | サイド面 |
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ただし、同等の仕様(25D)のウレタンマットレスに比べると、落ち込みやすく、荷重を支える力が少ないように感じます。
原因は不明ですが、格安商品(ギリギリのコスト構造)のため、生産上品質にバラつきが発生しやすく、今回届いた商品特有の問題の可能性も考えられます。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.5」。
生地や素材に衛生加工(抗菌防臭や防ダニ等)はされていませんが、カバーは洗濯可能です。
また、シックハウス原因物質(ホルムアルデヒドなど)に対しての安全基準をクリアしています。
9. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星5.0」。
重量はシングルサイズで約6kgと、力が弱い人でも取り扱いやすい重さです。
お届け時も圧縮ロールパッケージのため、狭い部屋でも搬入しやすいです。
廃棄については、ウレタンマットレスは手でちぎれるため、細かくすれば家庭ごみとして簡単に捨てられます。
10. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星5.00」。
シングルサイズで6,999円は、マットレス市場においては最安レベルです。
もちろん、耐久性や寝心地を求めるには難しい仕様ですが、『短期間』『来客用』『最低限の使用感』といった希望で探している人には、ぴったりなモデルと言えるでしょう。
11. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は「硬め」の寝心地です。
ウレタンフォームの硬さはN(ニュートン)という単位で表示され、数値が大きくなるほど硬くなります。
本商品の「190N」というのは「かなり硬め」の数値です。
ただし、硬さ(厳密には圧力の感じ方)は反発力にも多少影響されます。
基本的に反発性が高いほど、体が持ち上げられるため、圧力の影響で硬く感じやすいです。
本商品は(いわゆる高反発ではなく)一般ウレタンフォームレベルの反発性なので、そこまで硬さを感じません。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、7.5くらいの硬さだと感じました。
口コミを確認すると「硬い」「やわらかい」の、硬さの評価が分かれているようですが、感じ方は人それぞれです。
ただし、評価が分かれている原因は、本商品は「基本的に硬いけど、低密度で反発レベルが一般的ゆえ、荷重が重い場所は沈み込みやすい。よって、腰は浮くけど沈み込みの深さを感じる(硬くもやわらかくも感じる)。」といった特徴のせいだと思います。
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似ている商品との比較
本商品の特徴「厚さ10cmの三つ折りタイプの高反発マットレス」という条件で、似た商品と比較します。
メーカー・商品 | ①タンスのゲン「純高反発」 | ②モダンデコ「高反発10cm」 | ③マニフレックス「サステナブルウイング」 |
---|---|---|---|
画像 | |||
芯材 | ウレタンフォーム | エリオセル®(特殊ウレタン) | |
厚さ | 10cm | ||
重量 | 約6kg | 5.47kg | 約6.5kg |
密度 | 25D | 31D | |
硬さ | 190N | 170N | |
復元率 | 98.7% | 98% | 非公表 |
反発弾性率 | 40%前後 | 非公表 | |
エコテックス® | 〇 ※パイルカバーのみ | × | ◎ ※本体すべて |
サイズ | S~D | ||
価格 (Sサイズ) | 6,999円 | 6,699円 | 38,500円 |
リンク | 販売ページ | 販売ページ | 販売ページ |
② モダンデコ「高反発10cm」
カバー以外はタンスのゲンとほぼ同じ
モダンデコとは、モダンデコ株式会社(広島県)が運営するインターネット限定のインテリア総合ショップです。
楽天市場でマットレスのカテゴリーでは、タンスのゲン「純高反発」と双璧と言える存在がこのマットレスです。
仕様は、ほとんどタンスのゲンと同じです。
反発弾性率こそ公開していませんが、ウレタンの密度などから推測して、ほとんど同じ寝心地と考えて良いでしょう。
1点、大きな違いはカバーがエコテックス®スタンダード100(世界基準の安全性)の認証がないことです。※タンスのゲンはパイルカバーのみ認証
価格はモダンデコの方が少しだけ安いので、エコテックス®認証のカバーに価値があるかといった点をご検討いただければと思います。
③ マニフレックス「サステナブルウイング」
高反発の三つ折りマットレスと言えばコレ
マニフレックスはイタリア発の世界最大級の寝具ブランドです。
日本で高反発という言葉を初めて使ったのはマニフレックスで、さらに、メッシュウイングという商品で「三つ折りタイプの高反発マットレス」というジャンルを切り開いたのもマニフレックスです。
この「サステナブルウイング」は、メッシュウイングの後継的な位置づけで、メッシュウイングより厚さを1cm薄く(10cm)し、寝心地をキープしつつ、価格を抑えることに成功。
さらに、梱包材に段ボールを使わず、ビニールの量を減らすなど、環境に意識したプロダクトに仕上げています。
他の2商品(タンスのゲンとモダンデコ)との大きな違いは、芯材です。マニフレックスの芯材はエリオセル®という特許素材の高反発フォームで作られています。
一般的なウレタンフォームはフロンガスで発泡しますが、エリオセル®は水で発泡するため、耐久性が高く※、廃棄時にも有害物質を出しません。※フロンガスは安全性の点で使用制限がありますが、水は制限なく使えるので、大量に発泡でき耐久性が高くなるのです
価格は高くなりますが、寝心地・耐久性・環境面を大切に考えている人はぜひご検討ください。
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まとめ
いかがでしたか。
タンスのゲン「純高反発マットレス」をご紹介しました。
楽天で口コミ1万件を超える(記事公開時)、大人気マットレスです。
1万円以下という激安価格にも関わらず、底付き感がない「マットレスらしい寝心地」が味わえる高コスパモデル。
ウレタンフォームは低密度ですが、しっかりと復元されていました。
ただし、荷重を支える力が少なく、特に体重が重い人には注意が必要です。
また、耐久性は低いので、経年劣化により、形状の変化(ヘタリ)や、硬度の変化(やわらかくなること)が早く訪れるでしょう。
よって、寿命としては3~5年程度と想定されるため、短期間の使用や来客用に特におすすめです。
もっと長期間使用したい場合は、最低1万円以上は必要なので、以下の記事もご参考ください。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。