コアラプラスのウレタンフォーム

マットレスのニュートンを見る基準

ウレタンマットレスの商品ページには、「150N」「180N」といった表示があります。それだけでは、どのくらい硬いのか想像しにくいですよね。

基本的には、数字が大きいほど硬めです。しかし、同じN数でも、構造や厚さによって感じる硬さは変わります。

では、N数をどこまで参考にすればよいのでしょうか。まずは、Nが何を表す数字なのか見ていきましょう。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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ニュートンとは

トッパー層

N(ニュートン)は、ウレタンフォームの硬さを表す単位です。

厚さ50mm前後の試験片を40%まで押し込み、30秒後にかかる力を測ります。数字が小さいほどやわらかく、大きいほど硬いウレタンです。

消費者庁では、ウレタンフォームマットレスの硬さを次の3段階に分けています。

N数 消費者庁による表示
75N未満 やわらかめ
75N以上110N未満 ふつう
110N以上 かため

ただし、私の体感では、110N程度は少しやわらかいくらいです。

以下は、私の経験上の分類です。

N数 私が感じる硬さの目安
60N以下 やわらかめ
90N前後 やややわらかめ
120N前後 ふつう
150N前後 やや硬め
180N以上 硬め

なお、同じN数でも、厚さやカバー、加工方法によって感じ方は変わります。

椚大輔
椚大輔
N(ニュートン)は主にウレタンマットレスの硬さに用いられる指標です。スプリングコイルマットレスなどは、基本的にマットレス全体の硬さをN数で表しません。

【結論】N数が参考になるのは「単層・平形」

単層・平形ウレタンマットレス

N数を見るときは、「ウレタンが単層か多層か」「表面が平らか凹凸か」を確認します。この中でN数が最も参考になるのは、1枚の平らなウレタンで作られた単層・平形です。

単層・平形 多層 凹凸加工
単層・平形 多層 プロファイルウレタン
Nが参考になる Nは参考になりにくい

単層・平形のウレタンは構造がシンプルなので、表示されたN数と寝たときの硬さが結びつきやすいからです。

ただし、同じN数でも、厚みがあるほど深く沈める余裕が増え、やわらかく感じることがあります。単層・平形を比べる場合も、N数と厚さはセットで確認してください。

凹凸加工(プロファイルウレタン)が参考になりにくい理由

プロファイルウレタンマットレス

プロファイルウレタンは、表面の凹凸によって体を点で支えます。立体部分がしなりやすいため、平形のウレタンよりも、ふんわりとやわらかく感じることが特徴です。

多層構造のように異なるウレタンを重ねるのではなく、基本的には同じウレタンに凹凸を作ることで感触を変えています。表面の立体部分はやわらかく、その下ではウレタン本来の硬さを感じます。

つまり、表面と下部で硬さの感じ方が大きく変わるため、N数から想像する寝心地と実際の感触に差が出やすいのです。

多層ウレタンが参考になりにくい理由

横向き寝の芯材の様子

多層構造は、硬さや性質が異なるウレタンを重ねています。各層のN数がわかっても、それぞれの厚さを見なければ寝心地は判断できません。

たとえば、上から50N・100N・150Nの3層構造を考えてみましょう。50Nの表層が厚ければ、やわらかさを感じやすくなります。反対に、表層が薄く、体が100Nの層まで沈めば、2層目の硬さも感じます。

しかも、沈む深さは体重や体のライン、寝姿勢によって違います。同じマットレスでも、表層で止まる人と、その下まで沈む人がいます。

多層構造のN数は、各層の役割を考える材料です。全体の硬さを判断するときは、メーカーによる「やわらかめ・ふつう・かため」という評価や、体型が近い人のレビューも合わせて確認しましょう。

硬さを選ぶ目安

サステナブルウイングの体験

基本的には、体重が重い人ほどN数が高めのマットレスが合いやすい傾向があります。やわらかすぎると腰まわりが落ち込み、寝姿勢が安定しにくくなるからです。

とはいえ、体重だけでN数は決められません。同じ体重でも、仰向きと横向きでは必要な沈み込みが違います。たとえば、横向きでは、肩やお尻の圧迫感を軽減させるため、少しやわらかさが必要です。さらに硬さの好みも影響します。

よって、「50kgなら120N」といった早見表で決めず、寝姿勢や好みも合わせて考えましょう。詳しくは「マットレスの硬さの選び方」でご紹介しています。

私なら単層の場合、150~170Nくらいを選ぶ

寝返り

私が単層・平形のウレタンマットレスを選ぶなら、150~170Nくらいを目安にします。同じ厚さなら、やわらかいものより体が沈み込みすぎず、底付きも感じにくいからです。

迷ったときに硬めを選ぶ理由は、あとから調整しやすいからです。硬くて体への当たりが気になる場合は、上にクッション性を足せます。一方、やわらかすぎて腰が沈むマットレスを、あとから硬く調整するのは難しいです。

体への当たりを少しやわらげたいなら、ベッドパッドを使います。寝心地を大きく変えたい場合は、厚みのあるマットレストッパーを重ねます。

クールトッパーの使用イメージ

マットレストッパー

このように、単層ウレタンマットレスは「1枚で完成させるもの」ではなく、「上に足して完成させるもの」というのが私の考えです。

マットレスには、表面で体をやさしく受け止め、沈んだところで支え、さらに下で荷重を分散する役割が必要です。単層では、これらをひとつの素材で担わなければなりません。そこで、マットレス本体には支えやすい硬さを選び、表面の感触をベッドパッドやトッパーで整えるのです。

ただし、単層でもカバーに綿などのクッション材が入っている商品は別です。すでに表面の当たりが調整されているため、何も重ねずに寝心地が完成する場合もあります。

硬さ(N)と反発性(反発弾性率)は違う

硬さと混同しやすいのが反発性です。

「高反発は硬い」「低反発はやわらかい」と思われがちですが、硬さと反発性は別の指標です。

高反発と低反発の違い

高反発と低反発

硬さは、ウレタンを一定の深さまで押し込むために必要な力です。一方、反発性は、加わった衝撃をどれくらい跳ね返すかを表します。高反発は弾む感覚が出やすく、低反発は衝撃を吸収し、体の形になじみやすいことが特徴です。

なお、硬さはN(ニュートン)、反発性は反発弾性率という数値で測ります。

マットレスを比べるときは、N数で硬さを見て、反発弾性率で跳ね返り方を見る。この2つを分けて考えましょう。

まとめ

N数は、ウレタンフォームの硬さを比べる目安です。ただし、数字だけでマットレス全体の寝心地が決まるわけではありません。

N数が最も参考になるのは、構造がシンプルな単層・平形です。この場合も、厚さとセットで確認しましょう。凹凸加工や多層構造は、表面の形や各層の厚さによって感じ方が変わるため、メーカーの硬さ評価や体験レビューも参考にします。

私なら単層・平形の場合、150~170Nくらいを選びます。少し硬ければベッドパッド、寝心地を大きく変えたければトッパーを重ねられるからです。N数だけで決めず、構造・厚さ・寝姿勢まで合わせて考えてみてください。