ポケットからバネを抜く

捨てやすいマットレスを選ぶ基準

捨てやすさだけを考えるなら、答えは簡単です。軽く、薄く、折りたためるマットレスを選べばよいのです。

しかし、捨てやすさを突き詰めるほど、耐久性と寝心地を損なう場合もあります。本来マットレスは捨てるためではなく、寝るためのものなので、本末転倒は避けたいところです。

私はベッドメーカーで商品企画に携わり、これまで100商品以上のマットレスを検証してきました。その経験から、捨てやすさだけでなく、耐久性と寝心地も重視した選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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【結論】捨てやすいのは「薄型の三つ折りウレタンマットレス」

三つ折りタイプ

捨てやすいマットレスとは、軽くて、薄くて・コンパクトです。

この条件を満たしやすいのが、薄型の三つ折りウレタンマットレスです。金属がなく、自治体が認めていれば、細かくして家庭ごみに出せます。

しかし、マットレスは薄く、軽くなるにつれて、寝心地と耐久性が犠牲になりがちなことが、「捨てやすいマットレス」を選ぶうえでの最大の注意点です。

私なら、まず「薄型」「折りたたみ」という条件で探し、最低限の寝心地と耐久性があるかを確認します。

軽さと薄さの「デメリット」は知っておいてほしい

軽さを追求すると、「耐久性」が犠牲になる

軽いマットレス

軽い方が運びやすい。これは間違いありません。では、軽いマットレスと重いマットレスの差は何でしょうか?それは、「素材の量の多さ(密度)」が大きく関わります。

大雑把に言えば、同じ種類で比較した場合、たくさんの素材を使っている(=高密度)ほど重量が重く、耐久性が高くなりやすいです。

逆に、中身がスカスカな低密度タイプのマットレスは、軽いですが、その分ヘタリやすく、耐久性が低い傾向があります。特にウレタンマットレスはその傾向が顕著に表れます。

薄いマットレスは「硬め」になりやすい

マットレスの厚さの選び方を徹底解説

薄いマットレスは基本的に「硬め」です。やわらかくすると体が沈み、床の存在(底付き)を感じやすくなるからです。そのため、薄型は底付きを防ぐために硬く作る必要があります。

よって、薄型マットレスは厚いベッドマットレスのような、表面はふんわり、沈むとグッと支える、奥行きのある寝心地は作りにくいです。

硬めの寝心地が合う人には問題ありません。しかし、なめらかさや高級感を求める人には合いにくいでしょう。

素材では「ウレタンマットレス」が捨てやすい

種類 コイル ウレタン ファイバー
画像 高密度連続スプリング ウレタンフォーム ファイバー
重量 重め 軽め やや重め
分解 裁断(手間) 切る、ちぎれる 基本的に切れる
捨てやすさ ×

スプリングコイルは重く、処分しにくい

コイルマットレス

スプリングコイルは中に多くの鉄を使うため、シングルでも20kg前後あります。重いだけでなく、粗大ごみ料金が高い自治体や、通常の粗大ごみでは回収できない地域もあります。

ポケットコイルマットレスの解体

ポケットコイルの場合、コイルから不織布を外す手間もある

よって、捨てやすさでは、ウレタンマットレスより優先順位は下です。

ウレタンマットレスは家庭でも細かくできる

ノンコイルマットレス

ウレタンマットレスの芯材のウレタンフォームは、食器洗い用スポンジを大きくしたような素材です。カバーを外せば、ハサミで切ったり、手でちぎったりできます。

ウレタンフォームをちぎる

私は薄型ウレタンマットレスを何度も解体したことがあります。

ちぎられたマットレス

薄型マットレスの場合は、作業時間は15分程度、カバーを含めて、45Lのごみ袋4~5つに収まることが多いです。

ゴミ袋に入ったマットレス

ただし、細かくしても粗大ごみになる自治体があります。切る前に確認しましょう。

ファイバーは捨てやすいが、候補が少ない

ファイバー素材

ファイバーはウレタンよりも重いですが、基本的にハサミで切れる素材です。

ファイバー素材はハサミで切れる

ファイバー素材

ウレタンの蒸れや沈み込みが苦手な人は、次の候補にしたいところですが、薄型のファイバーマットレスともなると、選択肢も少なく、寝心地もかなり硬いものが中心です。さらに価格も少し高めなので、この記事では優先順位は高くしていません。

捨てやすさに振り切らない、薄型ウレタンマットレスの選び方

椚大輔
椚大輔
薄型ウレタンマットレスの選び方のコツです。私の価値観は「一瞬の捨てやすさも大事だが、毎日の寝心地もよく考えること」です。

密度30D以上、復元率97%以上を選ぶ

ウレタンフォームのアップ

ここでいう密度とは、ウレタンにどれだけ材料が詰まっているかを示す数値です。「30D」のように表し、D(Density=密度)の数字が大きいほど耐久性も高い傾向があります。

私が最低ラインにするのは30D以上。長く使うなら、できれば40D以上です。ただし、高密度ほど重くなるので、芯材の厚さとのバランスによる最終的な製品重量も確認しましょう。

もう一つの「復元率」は、繰り返し押したあとに、どれくらい元の厚さへ戻ったかを示します。97%以上を目安にし、8万回や24万回といった圧縮試験の回数も確認してください。

多層構造や綿入りカバーを選ぶ

咲夜ハイフィールの3層ウレタンフォーム

薄型で寝心地を求めるなら、多層構造がおすすめです。やわらかい層で体に沿い、その下の硬い層で沈み込みを止める。2~3層あれば、この役割を分けられます。

芯材が単層でも、カバーに綿やウレタンが入っていれば、表面の硬さをやわらげられます。

ベッドマットレスほどの奥行きは感じられませんが、単層タイプのただ硬い寝心地よりは、バランスが良いと思います。

折りたたみと一枚ものを比較する

タイプ 折りたたみ 1枚
画像 折りたたみタイプ 1枚タイプ
持ち運び
寝心地

運びやすさでは三つ折り、寝心地では一枚ものが有利です。ここは、実際に持ち上げる場面を想像すると選びやすくなります。

三つ折りは小さくたためますが、折り目の寝心地に違和感が出ることがあります。一枚ものには折り目がありませんが、狭い階段では運びにくくなります。

私の場合、一人で持てる重さなら一枚ものを選びます。寝心地を優先するからです。一方、狭い階段を通す、毎日収納する、持ち上げる機会が多い人には折りたたみタイプが合うでしょう。

ベースマットとトッパーを分ける

マットレストッパー

「ベースマット+マットレストッパー」という、二つの敷物を重ねて構成する方法も有効です。この場合、どちらかといえば、マットレストッパーに予算を多く使うことで寝心地を高められます。

よって、ベースマットレスは、単層の低価格モデルで、多少寝心地が味気ないものでも十分な場合があります。2枚を別々に運べるため、一枚で厚みを作るより処分しやすくなります。

マットレスを捨てる前に確認すること

切っても家庭ごみになるとは限らない

ゴミ袋に詰めた夜香スタンダード

ここは、特に注意してください。小さく分解すれば、必ず家庭ごみに出せるわけではありません。

ウレタンを指定袋に入る大きさまで切れば、可燃ごみに出せる地域があります。さいたま市は、スプリングのないマットレスを「もえるごみ」の例に挙げています。一方、豊島区では、細かく切っても粗大ごみの扱いです。

自治体には、「スプリングのないウレタンマットレスです。指定袋に入る大きさまで切った場合、可燃ごみに出せますか?」と確認してみてください。

買い替えなら「引き取りサービス」もおすすめ

マットレスの回収(業者さん)

マットレスを買い替える場合、ショップによっては「購入を条件」に引き取りサービスを実施している場合もあります。

基本的には費用がかかりますが、新しいマットレスを届けるタイミングで捨てたいマットレスを回収してくれます。

捨てやすいマットレスおすすめ5選

マットレスの裁断

私が実際に試した商品の中から、処分しやすさと寝心地のバランスが良い5商品を選びました。なお、以下は順位ではありません。予算、折りたたみやすさ、寝心地、耐久性、素材という5つの切り口で選びました。

商品 厚さ 重量(S) 価格(S)
エコラテエリート 10cm 10cm 約7kg 19,990円
サステナブルウイング 10cm 約6.3kg 38,500円
咲夜ハイフィール2 11.5cm 約6.5kg 44,990円
SOMRESTA PREMIUM 10cm 約9.6kg 49,900円
夜香スタンダード3 18cm 約19kg 34,990円

※価格・仕様は記事更新時点

1. エコラテエリート 10cm三つ折りマットレス

エコラテエリート10cm三つ折りマットレス

低価格帯で選ぶならコレ

私が考える耐久性の最低ラインを超え、約2万円から買えるコストパフォーマンスの高さが特徴です。凹凸構造(プロファイルウレタン)なので、合う合わないが出やすいですが、公式サイトでの購入で60日のトライアル(返送費などは自己負担)が利用可能です。

サイズ シングル~クイーン
硬さ やや硬め
密度・復元率 32D・98%
クッション材 ウレタンフォーム
重量 約7kg(シングル)
価格
(シングル)
19,990円

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2. マニフレックス「サステナブルウイング」

マニフレックス「サステナブルウイング」

定番の三つ折りマットレス

マニフレックスの定番の三つ折りマットレス。カバーに取っ手があることで、折りたたみ時に持ちやすいこともメリットです。密度や復元率は公表されていませんが、ドイツの検査機関「LGA GERMANY」の厳しい耐久性テストをクリアしています。

単体でも使えますが、個人的には上物(おすすめは同ブランドのVIROBLOCKトッパー)を敷くことで完成度がグッと高まるマットレスだと思います。

サイズ セミシングル~ダブル
硬さ 硬め
密度・復元率 非公表
クッション材 高反発ウレタンフォーム
重量 約6.3kg(シングル)
価格
(シングル)
38,500円

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3. 源ベッド「咲夜ハイフィール2」

咲夜ハイフィール2

3層構造による寝心地の良さを追求

咲夜ハイフィール2は、厚さ11.5cmの一枚ものです。当サイトと源ベッドが共同開発しました。「薄くても、ただ硬いだけにはしたくない」という考えから、3層ウレタンと綿入りカバーを採用しました。

三つ折りにはできませんが、薄くても寝心地の良いマットレスを選びたい人におすすめです。

サイズ シングル~ダブル
硬さ やや硬め
密度・復元率 48D(1層目)・98.6%
クッション材 3層ウレタンフォーム
重量 約6.5kg
価格
(シングル)
44,990円

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4. SOMRESTAマットレスPREMIUM

ソムレスタマットレス

フルスペックの薄型マットレス

厚さ10cmの一枚もの(折りたたみも可能)です。軽さよりも、耐久性を重視した薄型です。ウレタンフォームは密度50D、JISの3倍の24万回圧縮試験による復元率は99.6%あります。

私が「フルスペック」と表現したのは寝心地・耐久性・衛生機能・取り扱いやすさのバランスが優れているからです。薄型としてはやや重いですが、使用感を重視する人におすすめのマットレスです。

サイズ シングル~ダブル
硬さ やや硬め
密度・復元率 50D・99.6%(24万回圧縮)
クッション材 高反発ウレタンフォーム
重量 約9.6kg(シングル)
価格
(シングル)
49,900円

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5. 源ベッド「夜香スタンダード3」

源ベッド「夜香スタンダード」

コイルマットレスを選びたい人に

厚さ18cm、約19kgのポケットコイルマットレスです。条件だけを見れば、捨てやすいマットレスとはいえません。それでも選んだ理由は、特許技術による「簡単分解構造」を備えているからです。

一般的なポケットコイルマットレスに比べて、不織布をはがしやすく、分解ができます。実際にシングルを分解すると、45Lのごみ袋8つに収まりました。

分解前は重く、寝心地もやや硬めです。分解後の捨て方も自治体への確認が必要です。ウレタンが合わず、室内で分解できるポケットコイルを探している人におすすめです。

サイズ シングル~ダブル
硬さ やや硬め
密度・復元率 -(スプリングなので該当なし)
クッション材 ポケットコイル
重量 約19kg(シングル)
価格
(シングル)
34,990円

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捨てやすさのために、寝心地を諦めない

高級ホテルみたいな「ほぐれるような」寝心地

ここまで薄型を中心にご紹介しましたが、処分方法を確保できるなら、20cm以上のベッドマットレスも候補に入れてください。厚みがあれば、やわらかさ、支え、クッション性を作りやすくなります。

マットレスは、捨てる日よりも寝る日の方がはるかに多い商品です。家族と運べる人や、買い替え時の引き取りを利用できる人まで、薄型を選ぶ必要はありません。

寝心地から選び直したい人は「本当におすすめのマットレス8選」も参考にしてください。

まとめ

ムアツ マットレス プロの体験

捨てやすさを優先するなら、薄型の三つ折りウレタンマットレスが第一候補です。密度30D以上、復元率97%以上を目安にしてください。

一人で運べるなら一枚もの、搬出や収納を優先するなら三つ折り。寝心地を補いたい場合は、多層構造やトッパーを選びます。

捨てやすさだけでなく、使っている間の寝心地と耐久性も重要。私は、この選び方をおすすめします。