マットレスの「復元率」を徹底解説
この記事ではマットレスを選ぶときにチェックしておきたい「復元率」という仕様についてご紹介します。
前半では復元率が意味するものや注意点などをお伝えし、後半でおすすめのマットレスをご紹介しています。
「早くおすすめのマットレスを知りたい」という方は下記ボタンを押すとその場所にスクロールするのでご参考くださいね。
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目次
「復元率」とは?
復元率(ふくげんりつ)は、マットレスの耐久性を知るうえで重要な数値です。
復元率でわかるのは、そのマットレスの「ヘタリにくさ」です。復元率が高いほど、耐久性は高い(ヘタリにくい)です。
なお、復元率の表示義務があるのは、芯材にウレタンフォームを使ったウレタンマットレスのみです。
ウレタンフォームの特徴やウレタンマットレスの選び方は以下の記事で詳しくご紹介しているので、ご参考くださいね。
この記事では主にウレタンマットレスにおける復元率について詳しくご紹介します。
復元率ってどうやって計測する?
復元率は圧縮試験によってマットレスを80,000回ほど繰り返し圧縮させたあとに「形状がどのくらい元に戻っているのか?」の数値です。よって、復元率は「厚さ回復率」とも言います。
復元率の圧縮試験は「JIS K 6400-4」という規格で計測されます。
試験片(厚さ20mm以上、幅・長さ50mm以上)を、50%の厚さまで連続80,000回圧縮した後に発生する厚さの低下率(復元率)を計測する
復元率は表示義務がある
復元率は消費者庁が定める「家庭用品品質表示法」によって表示することが法的に義務付けられている情報です。
そして、上でご紹介したJIS規格によって測定して表示しなければなりません。
よって、復元率を表示していないマットレスは法律違反ということになります。
実際は法律違反のマットレスも多い
しかし、現実はJIS以外の自社基準での測定結果を表示したり、そもそも復元率を表示していないマットレスもあり、さらに積極的な取り締まりもないため、無秩序状態になってしまっています。
これは欧米ブランドが日本市場に進出した際にもありがちです。欧米ブランドの場合、海外本国ではそもそも復元率の表示義務がない国もあるからです。
コアラマットレスなどがそうです。コアラマットレスの本国オーストラリアでは復元率の表示義務がないため、日本向けの商品でも復元率が非表示のまま販売が継続されています。(本当はダメなのですが。。)
「JIS規定で96%以上」が最低ライン
安心できる復元率の目安としては、JIS規定で最低96%(80,000回で4%のヘタリ)以上の数値が確認できている商品がおすすめです。
復元率96%を切るマットレスは、圧縮梱包などに耐えられず、開封後に膨らみ切らないものがチラホラ出る可能性が高くなってしまいます。
例えば、下の画像のマットレス(復元率94%)のように、復元率が低い場合、圧縮開封時に膨らみ切らないことも。
復元率が低いマットレスは膨らみ切らずに大きな歪みが生まれることで、耐久面はもちろん、寝心地面にもマイナスの影響が出てしまいます。
JIS規定に「合格点」はない
なお、「JIS基準の圧縮試験に合格!」などと販売ページに表示されているマットレスもありますが、実はJISに合格点はないので、この表現はあまり適切ではありません。
(そのような訴求をしている商品は、復元率の数値を表示していないことが多い印象です)
やはり、具体的な数値で復元率の良し悪しを確かめる必要があります。
復元率と寿命
「復元率は耐久性と関係する」ということは、復元率によってそのマットレスの寿命の目安がわかるということです。
復元率による寿命の目安はざっくりと以下の通りです。
復元率 | 耐久性(寿命) |
---|---|
90~95% | ~1年 |
95~96% | 3~5年 |
96~98% | 5~8年 |
98~99%以上 | 8年以上 |
復元率テストはちょっと易しい(甘い)
JISの圧縮試験は80,000回の圧縮です。これは一晩にする寝返りの回数などを考慮して「標準的な人が10年使った場合」を想定した圧縮回数です。
よって、例えば「復元率99%」は「10年使っても1%しかヘタらない」と言えそうなのですが、実際はウレタンフォームの経年劣化を考えると、ヘタリはもっと大きくなるはずです。
つまり、圧縮試験の回数はあくまで最低レベルだとお考え下さい。
実際、ある程度よい材料を使っているウレタンフォームであれば、復元率99%を出すのはそこまで難しい話ではないのです。
JIS規定を超える圧縮テスト
メーカーや商品によっては、本当に耐久性の自信がある場合、JIS規定を超える(例えば16万回など)の圧縮テストを行い、その数値を公表していることもあります。
JIS規定の80,000回では差があまり出ない(高止まりしている)こともあるので、このように回数を増やして復元率をテストし公表している商品は特に耐久性として安心できるでしょう。
「密度」もチェック
ウレタンマットレスの耐久性を知るうえで、もうひとつ大事な仕様が、ウレタンフォームの「密度」です。
密度とは「体積あたりの重さ」のことで、高密度であるほどウレタンフォーム自体の耐久性は高くなります(重量も重くなります)。
ウレタンフォームの密度は「D」(Density=密度)という単位で表されます。
よって、なるべく高密度(高いD数)、且つ、高復元率のマットレスが本質的に耐久性が高いと言えるのです。
別の言い方をすると、高密度ウレタンほど、復元率は高くなる傾向はあります。
しかしながら密度は詐称する(砂などを混ぜて故意的に重くする)こともできるため、あくまで復元率とセットでチェックした方が良いです。※詐称された高密度では、復元率の数値は低く出ます
参考までに、密度と復元率における耐用年数の目安は以下の通りです。(あくまで筆者の感覚です)
寿命 | 密度 | 復元率 |
---|---|---|
~1年 | 20D前後 | 90~95% |
数か月~3年 | 25D前後 | 95~96% |
3~5年 | 30~36D前後 | 96~98% |
5~7年 | 40D前後 | 98~99%以上 |
10年前後 | 50D前後 |
以上のことから、なるべく長期間の使い続けたい人は、密度40D以上、復元率98%以上(8年以上の耐久性)が確認できている商品を選ぶことがおすすめです。
密度については以下の記事で詳しくご紹介しているのでご参考くださいね。
【補足】ファイバーマットレスの復元率
芯材に樹脂を使用した「ファイバーマットレス」でも、復元率が公表されている商品もあります。
なお、ファイバー素材は釣り糸を作る技術を応用して作られています。
ファイバーマットレスには復元率の品質表示義務はありませんが、メーカー・商品によっては復元率を公表している場合があります。
しかしながら、ファイバーマットレスの復元率は基本的にウレタンマットレスよりも劣ります。(ファイバーマットレスの復元率は高くて93%くらいです)
要するにファイバーマットレスはウレタンマットレスよりもヘタリやすいということです。
ちなみに、ファイバーマットレスは圧縮試験で分かるもう一つの指標「硬さの保持率」が高い傾向があります。
要するに長期間使用しても硬さが変わりにくいということがファイバーマットレスの特長です。
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復元率が高い!おすすめの高耐久ウレタンマットレス 3選
復元率が優れたおすすめの高耐久ウレタンマットレスをご紹介します!
1. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」
JIS規定の3倍でも復元率99.6%
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。
密度は戦略上非公開にしていますが、推定52D以上の高密度で作られていて、JIS規定の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%という抜群の耐久性を誇ります。
反発弾性率60%という高反発の中でも特に高い反発性をもつ商品なので、寝返りが打ちやすい点も特徴。
厚さが10cmの薄型タイプ(1枚もの)で、二段ベッドやロフトベッドも使いやすく、折りたたみも可能です。
カバーは抗菌活性値5.9(強い効果が認められるレベル)の抗菌性がある生地を使用し、耐久性・寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
厚さ | 10cm |
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密度 | 推定52D以上 ※非公開 |
復元率 | 99.6%(24万回※JISの3倍) |
硬さ | やや硬め |
反発性 | 高反発 |
価格 | 49,800円~ |
2. 源ベッド×悠デザイン「咲夜ハイフィール」
寝心地・感触の良さを追求
当サイト(運営:株式会社悠デザイン)と、国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。
『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』を目指し、薄型タイプでは珍しい3層構造、表層には超高密度・高反発フォームを採用しています。
3層構造ならではの体圧分散・寝姿勢保持・荷重分散のバランスの良さと、高反発ならではの寝返りサポート性が高い寝心地が実現されていて、約4万円から買えるコストパフォーマンスの良さが魅力です。
厚さ | 12cm |
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密度 | 1層目:48D 2層目:30D 3層目:33D |
復元率 | 98.6%(8万回) |
硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発 |
価格 | 39,900円~ |
3. 快眠タイムズ マットレス
バランス感が良い!失敗しにくい寝心地
愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。
表層が45Dという高密度仕様、復元率もJIS規定で99%という優秀な数値です。
芯材のウレタンフォームは低反発+高反発(反発弾性率60%)仕様。沈み込んだらグッと押し返し、滑らかな寝返りが打てます。通気性も抜群なので、睡眠時の蒸れが気になる人にもおすすめ。さらに60日のお試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。
厚さ | 20cm |
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密度 | 1・2層目:45D 3層目:32D |
復元率 | 99%(8万回) |
硬さ | やや柔らかめ |
反発性 | 低反発+高反発 |
価格 | 50,000円~ |
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
マットレスの復元率(厚さ回復率)についてご紹介させていただきました。
ウレタンマットレスにおいて、復元率は品質表示義務があると法令で定められているという点でも、そのマットレスの品質(耐久性)を知るうえで、かなり重要な情報です。
にもかかわらず、表示していない商品もあったりします(本当はダメです)。
また、オンライン(ネット通販)などでは、購入後に届いた実物の品質表示ラベルで復元率が表示されていたとしても、購入時の販売ページで表示されていないことも多いです。
やはり安心感を持って購入したい場合、しっかりと復元率を公表しているメーカー・商品を選んだ方が良いでしょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。