本商品はメーカーが日本撤退のため、販売終了しました
新素材「超高弾性ポリマー」を使ったマットレス
この記事ではザ・スリープカンパニーの「スマートグリッド リュクス マットレス」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
メーカーの「ザ・スリープカンパニー」とは
ザ・スリープカンパニーは2019年に設立したインドのマットレスメーカーです。(当サイトではいろいろな国のマットレスをレビューしてきましたがインド発のマットレスメーカーは初めてです)
(メーカー様に取材したところ)インドでは、マットレスの上で過ごす時間が多いにもかからわず、素材などの改良が積極的に行われてこなかったそうです。
ザ・スリープカンパニーはもともと夫婦2名で作った会社ですが、その夫婦の間に赤ちゃんが生まれたとき、既存のマットレス(メモリーフォームなど)では睡眠にストレスを感じたことがきっかけで、日本の特許技術「SmartGRID® スマートグリッド」の素材を使用した新しい種類のマットレスを作ろうと考えたことがはじまりと聞きました。
そして、今ではインドを含め、世界4か国に展開し、ポリマーマットレスのパイオニア的な存在として有名なメーカーに成長しています。
スマートグリッド リュクス マットレスの基本情報
メーカー | ザ・スリープカンパニー |
---|---|
サイズ | シングル~クイーン |
クッション材 | ハイパーエラスティックポリマー(SmartGRID®)、高反発ウレタン、一般ウレタン |
硬さ | ふつう~やや硬め |
価格(Sサイズ) | 66,400円 |
保証期間 | 10年 |
トライアル | 120日 |
【まず結論】スマートグリッド リュクス マットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.58 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 4.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
素材の品質 | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 3.0 |
取扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.68 |
硬さ | ふつう~やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です
【総評】革新的な素材によって多くのメリットを感じるマットレス
一般的なマットレスの芯材はウレタンフォームやスプリングコイルが中心ですが、本商品は超高弾性ポリマー(ハイパーエラスティックポリマー)を使ったSmartGRID®という技術を搭載していることが最大の特徴です。
SmartGRID®の特徴は以下のとおりです。
- ゴムのような「弾力性」
- 2,500以上の空洞による「通気性」
- 食べても無害の「安全性」
- 横揺れしにくい「衝撃吸収性」
- 10年以上の「耐久性」
以上のとおり、素材レベルで考えると相当優れていることわかるでしょう。
また、実際の寝心地も蒸れや苦しさを感じず、寝姿勢も整いやすく良質なものでした。
1点、ボトム層のウレタンフォームの品質がそこまで高くないことが懸念点でしたが、全体のバランスとしては素晴らしいマットレスだと思います。
120日のお試し期間が付いていることも大きな魅力です。
メリット(まとめ) |
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デメリット(まとめ) |
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以下より特徴や寝心地を詳しくご紹介します。
SmartGRID®の特徴・メリットは?
このマットレスの最大の特徴は、SmartGRID®(スマートグリッド)を使用していることです。
以下よりSmartGRID®の特徴を詳しくご紹介します。
SmartGRID®(スマートグリッド)とは?
SmartGRID®(スマートグリッド)は、日本で開発された特許技術です。
素材は「ハイバーエラスティックポリマー(超高弾性ポリマー)」と言い、ゴムのような高い弾力があり、素材自体の耐久性が非常に高く、10年以上の耐用年数があることが特徴です。
なお、ウレタン等の化学物質を使った素材と違い、ハイパーエラスティックポリマーは、水(ジェル)を主成分としているため、食べても害がない安全な素材です。※ただし、マットレスを作るうえでウレタンや接着剤などが付着していることもあるので、実際には食べないでくださいね
通気性が抜群
SmartGRID®はハイパーエラスティックポリマーを格子状(グリッド)にした構造しています。
格子構造により、2,500個以上のスペース(空洞)が生まれるため、通気性は抜群。マットレスの中でも最も蒸れにくいタイプと言えます。
体に触れる面が空気の層になることで、湿気を逃しやすく、適度な保温性もあるという優れた機能があるのです。
なお、このことをメーカーでは「温度ニュートラルテクノロジー」と呼んでいます。
寝返りしやすい
ハイパーエラスティックポリマーは「ゴムのようなジェル」といった感触をしています。
よって、既存のマットレスの素材で例えるとラテックス(ゴム樹脂)に近い感触です。(ちなみにラテックスは原材料高騰等の影響で、マットレス市場ではすでに消えかけている素材です)
弾力性(反発性)が高い素材は、体の動きへのサポート力があり、寝返りがしやすいというメリットがあります。
また、グリッド構造は斜め方向への反発も効くため、さらに寝返りの後押しをしてくれます。
振動が伝わりづらい
ポリマー×グリッド構造は、衝撃を周辺に伝えづらいです。
よって、隣でパートナーが寝ているときの動き(振動)が伝わりづらいため、特に二人で寝る人におすすめの素材です。
なお、ザ・スリープカンパニーでは、この技術を「ゼロ・パートナー・ディスターバンス」と呼んでいます。
SmartGRID®の衝撃吸収性については、以下の動画をご参考ください(音声なし)。
このマットレスの構造
構造としては、SmartGRID®は表層の一部(約3cm)のみで、ボトム層(17cm)はウレタンフォームで作られています。※表層の外周もウレタン(青色)で囲われています
つまり「表層にSmartGRID®を搭載したウレタンマットレス」ということですね。
よって、SmartGRID®(3cm)では荷重を完全に受け止めきれず、寝心地はウレタンフォームにも大きく影響されるため、どのような仕様のウレタンが使われているかチェックしてみました。
結論、本商品で使われているウレタンの仕様は以下のとおりです。
層 | 上層(12cm) | 下層(5cm) |
---|---|---|
画像 | ||
種別 | 高反発ウレタン | 一般ウレタン |
反発弾性率 | 53% | 40% |
密度(推定) | 30D | 27D |
※当サイト独自の計測値です
以上のとおり、SmartGRID®層(3cm)で受け止めきれない荷重を、高反発ウレタンで支えるという構造です。
沈み込んだら高反発ウレタン層でグッと押し返し、さらにSmartGRID®よって多方向(うえ・ななめ)に反発することよって、寝返りのしやすさを高めるという狙いがあるのでしょう。
また、最下層のウレタン(5cm・茶色)は、上層で荷重分散されることで、寝心地や耐久性にほとんど影響しないため低密度(軽量)にし、取り扱いやすさも考えられているのだと思います。
念のため、反発弾性の計測動画を以下のとおりです(ご興味がある人のみ、ご覧ください)。
このマットレスのデメリット・注意点
品質表示がない・取扱表示が不十分
日本では消費者庁が定める「家庭用品品質表示法」があり、マットレスも品質表示のルールが適応されるのですが、その表示(ラベル)が見当たりませんでした。
海外ブランドが日本へ進出した際にありがちなことですが、このあたりは徹底して行って欲しいところです(安心感にもつながりますね)。
品質表示の例 | 取扱表示の例 |
---|---|
また、取扱表示の情報も不十分です。
カバーが洗いにくい(洗い方もわからない)
一応、Amazonの販売ページによると「洗濯可」という文言だけあるため、カバーは洗えるようです。
ただし、カバーが分離しない構造のため、洗濯するときにかさばり、さらに乾きにくい点はデメリットと言えるでしょう。
なお、すぐ上でも書いたように取扱表示が不十分がなため、詳しい洗い方が不明です。※おそらく洗濯機の弱モード(高温NG)で洗えば問題ないかと思います
やや重め
本商品の重量はシングルサイズで約21kgと、やや重めです。
なぜかいうと、基本的に高弾性ポリマーは重いからです。
とはいえ、本商品のようにポリマー部分が上層の一部(3cm)程度で、ウレタンフォームと組み合わせて作られる場合、すごく重くなるわけではありませんが、力の弱い人はご注意ください。
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【体験レビュー】スマートグリッド リュクス マットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
段ボールではなく、ビニール袋に巻かれて届くのが新鮮でした。
それでは、開封していきます。
まずは外側のビニールを取ります。
プールバッグのようなケースにマットレス本体が入っています。
ファスナーを開けるとマットレスがロール状に入っていました。
斬新な倒置法ですね(笑)
ビニールバッグからマットレスを取り出すのが本来の開封の仕方のようですが、あまりにもマットレスが膨らんでいたので、取り出すことが出来ず、バッグにハサミを入れて取り出すことにしました。
なお、このバッグは開封後には捨てるものなので、ハサミで切っても問題ありません。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ロール状に圧縮されてビニールに巻かれて届きます。外側のビニール袋を切り、内側のビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観のチェック
開封直後に厚さはすぐ復元されましたが、両端が反り返っていました。
メーカーによると「開封後1日で完全に復元される」ということで、開封直後と1日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。
このとおり、両端の反り返りも落ち着き、歪みが気にならないレベルになりました。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値どおり約20cmの厚さが確認できました。
マットレスの外観をご紹介します。
カバーのデザインはこちら。
カバーの素材はビスコース混のマイクロファイバーとのこと。
ビスコースはシルクに似た光沢と手触りが特徴の高級繊維です。
生地の伸縮性はそこまで高くありません。
生地のアップはこんな感じです。
裏面はこちら。
裏生地もやわらかなファブリック生地でした。
キルトの風合いが素敵なのですが、滑りやすく、擦れやすいのが懸念点です。
芯材はファスナー付きのカバーで閉じられています。
内部構造
カバーのファスナーを開けて、内部構造をチェックしていきます。
芯材とカバーです。
芯材を詳しく見ていきます。
不織布で覆われていました。
中身を確認するために、不織布カバーをハサミで切ります(検証のためなので、真似しないでくださいね)。
こちらが芯材(SmartGRID®+ウレタンフォーム)です。
表層はSmartGRID®をウレタンフォーム(青色)で囲っています。
この記事の上でもご紹介しましたが、本商品はウレタンフォームをベースに、表層にSmartGRID®(3cm)を搭載したマットレスです。
ウレタンフォームの歪みは大きめですね。
これはおそらくウレタンフォームの復元率の低さが原因かと思います。
復元率は耐久性に影響するので、本商品のウレタンフォームはそこまで耐久性が高いわけではないと想定します。
とはいえ、表層のSmartGRID®で荷重分散されるので、ウレタンは仕様以上の耐久性はあるでしょう。
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【詳細解説】スマートグリッド リュクス マットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.58 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 4.5 |
寝返り | 4.5 |
底付きのなさ | 4.0 |
素材の品質 | 3.5 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 3.0 |
取扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.68 |
硬さ | ふつう~やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星4.0」。
SmartGRID®によって、背中やお尻などがしっかりとフィットしつつ、沈み込み過ぎずストレスない寝姿勢と感じました。
仰向きはそこまで深く沈み込まないので、荷重が重いところでは、SmartGRID®が押しつぶされ、下層の高反発ウレタンに少し触れるくらいの感じです。
よって、SmartGRID®ならではのなめらかな寝心地が十分に味わえるのが仰向きの姿勢だと思います。
別の言い方をすると「3cmのSmartGRID®」という仕様は、仰向き寝に合いやすいと言えるでしょう。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星3.5」。
仰向き寝と同じで、SmartGRID®によって、荷重が集中する肩やおしりはしっかりとフィットし、安定感も高いです。
基本的にストレスない寝心地と言えますが、特に沈み込みが深い肩部分は、下層のウレタン層にしっかりと到達するので、少しだけ圧迫感を感じました。
なお、ポリマー素材の場合、カバーが薄すぎるとグリットを存在を感じる場合がありますが、本商品のカバーはしっかりした厚さがあるため、グリッドが気にならずストレスない寝心地が得られました。
3. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.0」。
外周を強化した仕様ではないため、端部分に座ると深めに沈み込みます。
しかし、寝姿勢においてはそこまで気にならず、端部分でも十分寝られます。
ただし、端部分はグリッドではなくウレタンフォームなので、グリッドとウレタンとの間で寝ると寝心地が少し良くない印象はありました。
4. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星4.5」。
超高弾性(ハイパーエラスティック)ポリマー×高反発ウレタンという組み合わせのため、かなり寝返りが打ちやすかったです。
SmartGRID®のため、多方向(うえ・ななめ)に反発することで、一般的な高反発マットレスに比べて、さらに寝返りが打ちやすい印象です。
グリッド構造のため、寝返り後の寝姿勢安定性も良いため、寝返りのしやすさは抜群と言えるでしょう。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星4.5」。
グリッド構造は空気の層が多いため、通気性が抜群に良いです。
実際に寝ていたときにも蒸れは全くと言っていいほど感じませんでした。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。
評価は「星4.0」。
結論から言うと、本商品は8~10年くらいの耐用年数が期待できると思います。
SmartGRID®の耐久性は10年以上なのですが、ボトム層のウレタンフォーム(推定30D前後)というのはもって8年くらいでヘタリます。
ただし、表層で荷重分散することを考えるとボトムのウレタンフォームは仕様以上に長持ちすると想定します。
なお、本商品は10年の品質保証が付いているので、万が一ヘタって来たらサポートに相談しましょう。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「3.5」。
SmartGRID®のハイパーエラスティックポリマーは、一般的なポリマー素材よりも高品質なものを使っています。
ただし、ボトム層のウレタンフォームの品質がそこまで高くないことがマイナス点です。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形状の美しさ」にも表れます。
特に圧縮梱包の場合、仕様(密度・復元率)が低すぎると、元の形に戻り切らず歪みが出てしまいます。
本商品は、他メーカー製のウレタンマットレスに比べて歪みが大きいです。
正面 | 側面 |
---|---|
要するに、表層のSmartGRID®は高品質、ボトム層のウレタンフォームは平均かそれ以下の品質とお考えください。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
販売ページではカバーに「抗アレルギー効果、防ダニ効果」という文言が見えるのですが、具体的な内容(どのようなアレルギーに効果があるのか? 防ダニの方法は? など)という点が確認できなかったため、ひとまず「3.0(ふつうレベル)」と評価します。
9. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3.0」。
重量はシングルサイズで約21kgと「なかなか重め」で、力が弱い人は持ち運びしにくい重さと言えます。
圧縮梱包でお届けなので、搬入経路が狭い人にも安心です。
廃棄については、この厚みのマットレスの場合、基本的に粗大ごみで廃棄することがおすすめですが、ポリマーやウレタンは手でちぎれるため、細かくして家庭ごみで捨てることも可能です。
10. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.68」。
シングルサイズで66,400円という価格は、マットレス市場全体から考えると「少し高め」の価格帯です。
とはいえ、高耐久・高弾性素材のSmartGRID®を搭載していることと、120日のお試し期間が付いていることを考えるとむしろ安く、コストパフォーマンスは優れていると言えるでしょう。
11. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は「ふつう~やや硬め」くらいの寝心地です。
表層のSmartGRID®は、やわらかめの素材ですが、厚さ3cmほどのため、ボトム層のウレタンフォームの硬さに影響されます。
ウレタンフォームの硬さ(N数)は非公表ですが、感触としては比較的しっかりめの硬さでした。さらに高反発タイプのウレタンなので、体を持ち上げてくれることによって、仕様(N数)よりも硬く感じやすいです。
よって、このマットレスの硬さの表現としては「体当たりはやわらかく、沈み込んだらしっかりとした硬さとグッと押し返す反発力を感じる」といった具合です。
これはマットレスとして理想的な寝心地と言えます。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)6くらいの硬さだと思いました。
比較①「仕様が似ている」商品との比較
本商品の特徴である「超高弾性ポリマーを使用したマットレス」という条件において、似ている商品と比較します。
商品 | スマートグリッド リュクス(本商品) | ひつじのいらないマットレス® |
---|---|---|
画像 | ||
メーカー(国) | ザ・スリープカンパニー(インド) | 太陽(日本) |
タイプ | ベッドマットレス | 薄型マットレス |
厚さ | 20cm | 7cm |
技術 | SmartGRID® | 活性炭TPE |
構造 | 1層:ポリマー 2層:高反発ウレタン 3層:ウレタン | 1層:ポリマー 2層:ファイバー |
サイズ | S~Q | S~D |
お試し期間 | 120日 | × |
価格 (Sサイズ) | 66,400円 | 66,000円 |
リンク | 販売終了 | 公式サイト |
比較商品「ひつじのいらないマットレス®」とは?
比較商品の「ひつじのいらないマットレス®」は、日本(東京)の株式会社太陽というメーカーの商品です。
太陽は「世界中を飛び回り、新素材・新技術・新技法を取りいれ、便利なアウトドア商品と快適な寝具を研究開発する」という事業を行っています。
このマットレスは、新素材のポリマー(太陽ではTPEと呼んでいます)をマットレスに応用していますが、基本的にはザ・スリープカンパニーのSmartGRID®と同タイプの素材・似た構造です。
大きな違いは、下層にファイバー素材を使っていること。
ファイバーはエアウィーヴ®などでおなじみの素材ですが、通気性が良いことが特徴。
要するに、TPE×ファイバーというのは通気性の面では抜群に良い組み合わせで、ザ・スリープカンパニーよりも蒸れにくい仕様となっています。
ただし、厚さが7cmと薄めなので、ベッドマットレスとしては使いづらく、底付きの心配がある点がデメリットです。また、お試し期間はありません。
価格は同じくらいなので、『薄くても構わないから、とにかく通気性が良いマットレスが欲しい』という人はご検討いただければと思います。
比較②「条件が似ている」商品との比較
ザ・スリープカンパニーと同様の「お試し期間付き×海外マットレスメーカー」という条件において、当サイトでも人気なコアラ・スリープ「コアラマットレス KORE」とエマ・スリープ「エマ・マットレス」と比較しました。
メーカー | ①スマートグリッド リュクス(本商品) | ②コアラマットレス KORE | ③エマ・マットレス |
---|---|---|---|
画像 | |||
メーカー | ザ・スリープカンパニー | コアラ・スリープ | エマ・スリープ |
本国 | インド | オーストラリア | ドイツ |
設立 | 2019年 | 2015年 | |
素材 | ポリマー+ウレタン | ウレタン | |
お試し期間 | 120日 | 100日 | |
最低使用期間 | なし ※3週間以上推奨 | 14日 | なし |
保証 | 10年 | ||
サイズ | S~Q | S~K | |
反発性 | ◎ | ||
通気性 | ◎ | △ | 〇 |
メンテナンス性 | 〇 | △ | ◎ |
硬さ調節 | なし | あり | なし |
価格 (Sサイズ) | 66,400円 | 99,900円 | 99,000円 |
リンク | 販売終了 | 楽天市場 | 公式HP |
それぞれの特徴や寝心地は、レビュー記事でご紹介しているので、詳しく知りたい人は以下をご参考くださいね。
簡潔に特徴を述べると以下のとおりです。
①スマートグリッド リュクス(本商品) | ②コアラマットレス KORE | ③エマ・マットレス |
---|---|---|
通気性の良さと反発性の高さが特徴 | 硬さ調節できるので失敗しにくい | バランスが良く、返品システムもシンプル |
比較商品「コアラマットレス」「エマ・マットレス」との違い
①スマートグリッド リュクス(本商品)は、比較商品の中で抜群に通気性が良いです。さらに高弾性ポリマー×高反発ウレタンなので、反発性(寝返りしやすさ)も最も優れていると思います。
比較商品の中でウレタンの品質がやや低めですが、表層に超高弾性ポリマーを使用していることから考えると全体的なバランスとしては全く問題はなく、価格を考えるとコストパフォーマンスはかなり良いと言えるでしょう。
②コアラマットレス KOREは「硬さ調節」が最大の特徴。上層のウレタンフォームをひっくり返すことで硬さを変えられるため、自分に合った硬さにできます。
価格が最も高く、(上層のウレタンは高品質ですが)下層ウレタンの品質が低いこともあり、特に寝心地面に大きなメリットを見つけにくい商品でもあります。
なお、3商品中、当サイト基準で最も低い評価ですが、一般的な人気度(国内の販売数)では最も売れているマットレスだと思います。
③エマ・マットレスは、ウレタンの反発弾性率が高く(寝返りしやすく)、独自のゾーニングによる体圧分散・通気性、仰向きでも横向きでも寝やすいなど、全体的なバランス感が良い商品です。
ただし、ウレタンの品質は中程度で、ゾーニングの構造のせいで端が沈み込みやすいという点がデメリットです。しかしながら返品システムは秀逸で、最も気軽に試せるマットレスと言えます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ザ・スリープカンパニーの「スマートグリッド リュクス マットレス」をご紹介しました。
日本ではまだ珍しい高弾性ポリマーを使ったマットレスです。
高弾性ポリマー(SmartGRID®)は、通気性が良いので蒸れにくく、高い弾力で寝返りサポート性が優れた素材です。
また、グリッド構造のため、横に振動を伝えにくく、二人で寝る人にもおすすめです。
唯一「重い」という点がデメリットですが、本商品のようにウレタンフォームなどと組み合わせることで使い勝手(重さ)と寝心地のバランスが取れます。
他の芯材(スプリングコイル、ウレタンなど)と比較しても、メリットが多く、まさにこれから注目の素材と言えるでしょう。
本商品は120日のお試し期間が付いているので、気になった人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。