「価格が最優先」という人は一度見て欲しい
この記事ではアイリスオーヤマ(公式サイト:アイリスプラザ)の「圧縮ロールポケットコイルマットレス(厚さ20cm)」」についてご紹介します。
この記事を作成するにあたり、商品を購入し、使用感を詳しくレビューしました。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれ、発生した広告収入をサイトの運営費に充てています
目次
このマットレスの基本情報
本商品のサイズや価格等の情報は以下の通りです。
メーカー | アイリスオーヤマ |
---|---|
サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | ポケットコイル |
カラー | ホワイト、ブラック、ホワイト×ブラック(バイカラー) |
価格(Sサイズ) | 9,330円 |
保証期間 | 1年 |
外観を詳しく知りたい方は、以下の動画もご参考くださいね。(音声なし)
メーカーの「アイリスオーヤマ」とは?
アイリスオーヤマは、今や聞いたことない人が少ないほど有名なメーカーですね。
大手家電メーカーでリストラに合った社員さんを再雇用するなどして、一気に家電業界での存在感を増し、優秀な技術者が集まるメーカーとして成長しています。
「アイリスオーヤマ=家電製品(最近はマスクも有名ですよね)」といったイメージをお持ちの方も多いと思いますが、取り扱い品目は多岐にわたり、ベッド(ベッドフレームやマットレス)のオリジナル商品もあるのです。
今回ご紹介するのはアイリスオーヤマ製のスタンダードタイプのポケットコイルマットレス(厚さ20cm)です。
なお、販売している「アイリスプラザ」はアイリスオーヤマの公式通販サイトという位置づけです。ちなみに、本商品はAmazonや楽天などでも購入可能です。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.19 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 1.0 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 5.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
(総評)詰め物が弱いが、ポケットコイルの寝心地は良好
「厚さ20cmの高密度ポケットコイル(しかもメッシュ生地)で約9,000円」というのは、かなり魅力的な条件と言えるでしょう。
しかし、この価格にするために仕様面を多少犠牲にしています(これは致し方ないことです)。
このマットレスの一番の弱点は、詰め物とカバーです。
特に詰め物は低密度(18D)のソフトウレタンフォームが20mmだけという仕様で、押すとすぐにバネ当たりを感じます。
さらに、18Dクラスの低密度ウレタンフォームは耐久性も低いため、1年程度でヘタってしまう可能性が高く、使っていくうちにバネ当たりをより感じやすくなったり、ポケットコイルに直接的な負荷がかかりやすくなるという点で、マットレス自体としても問題なく使えるのは1~3年程度と想定しています。
なお、カバーの伸縮性が少ないので、体へのフィット感はイマイチです。
しかしながら、ポケットコイル自体の作りは良く、約9,000円とは思えないくらいのフィット感や衝撃吸収性(揺れにくさ)、体圧分散性、寝姿勢保持性の良さを感じられ、基本的には良い寝心地だと思いました。
要するに弱点が詰め物なので、敷パッドやトッパーなどを工夫して合わせれば、満足いく寝心地が手に入ると思います。
結果的に単体評価としてはそこまで高い得点になりませんでしたが、マットレスは基本的にシーツやパッドを使うため(この商品は厚めのパッドがおすすめです)、実際の使用環境においてはコストパフォーマンスは良好と言えるでしょう。
以下より、本商品の特徴や使用感などを詳しくご紹介します。
このマットレスの特徴・メリット
ポケットコイル
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいる芯材(スプリングコイル)のこと。
ポケットコイルは、コイルが独立した動きをするため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。
また「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
ポケットコイルを詳しく解説本当におすすめのポケットコイルマットレス13選 | コスパ抜群モデルや人気メーカー商品もご紹介
ポケットコイルの仕様(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には「そこまで気にしないでも良いかな?」と思うレベルですが、念のためご紹介します。(なので、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線種(バネの品質)
- 線径(バネの太さ)
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
密度 | 495個 |
配列 | 並行配列 |
線種 | 非公開 |
線径 | 1.8mm(当サイト調べ) |
なお、密度・配列・線径などの仕様は、基本的に優劣ではなく、そのマットレスが表現したい寝心地を作るためものです。
以下より本商品で採用されているポケットコイルの仕様について詳しくご紹介します
密度の特徴は?
密度とは「面当たりのポケットコイルの量」のことです。
本商品はシングルサイズあたり「495個」の密度です。これはやや高密度とお考え下さい。
とはいえ、1万円以下のモデルとして考えると「かなり高密度」と言えます。
現在のポケットコイルマットレス市場はコイルの数量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを超大雑把にご紹介すると以下の通りです。
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
700~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、筆者の感覚では耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
本商品はバネの動きが出やすいように、495個ほどの密度に抑えて、ポケットコイルの動きをより感じられるように仕上げています。
配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
本商品は「並行配列」を採用しています。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、比較的ふんわりとソフトな感触が特徴です。本商品でもそのような特徴的な寝心地が感じられました。
なお、販売ページで「並行配列の方が隙間が多いので、通気性が優れています!」というアピールを見ることが多いですが、実用上では大きな差はないので気にしないで大丈夫です(交互配列だからと言って通気性が著しく悪いということはありません)。
バネの品質は?(線種)
線種とはバネ自体の「材料と特徴」がわかる暗号のようなものです。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
本商品の硬鋼線の線種は「非公開」です。
なお、品質表示法上の線種の表示義務はないので、非公開でも問題ありませんが、他メーカー品との品質面での比較が難しい点はご了承ください。
線径とは?
線径とは「バネの太さ」のことです。
線径は、太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
本商品の線径も非公開ですが、当サイトで計測したところ「約1.8mm」でした。
要するに、しなやかな寝心地が特徴ということです。
(読み飛ばして大丈夫な)細かい話はここまで!
厚い(20cm)
本商品の厚さは20cm。
これは一般的なベッドマットレスの中ではふつう程度の厚さですが、1万円以下で買える商品としてはかなり分厚いタイプと言えます。
厚みがあるマットレスは底付きを感じにくいので、安心して体を預けることができます。
安い(超激安)
本商品は厚さ20cm×高密度ポケットコイル仕様にも関わらずシングルサイズで約9,000円から買える抜群の低価格さが最大の魅力です。
「ポケットコイルマットレスの最安値」と言っても過言ではありません。
もちろん、これだけの低価格にすることで、寝心地面は少なからず犠牲にされているところもありますが「できるだけ低価格にマットレスを買いたい」という人にうれしい商品と言えます。
このマットレスのデメリット
バネ当たり&ポコポコ鳴る
本商品は詰め物が薄くやわらかいです。
詰め物で使われているウレタンフォームの品質が高くなく、やわらかいため、少し押した程度でポケットコイルのバネを感じるほどです(要するに「バネ当たり」があります)。
バネ当たりがあるマットレスは寝ていて落ち着きません。
特に横向きの寝姿勢では感覚が敏感な脇腹などにバネが当たることで、ストレスを感じやすいです。
また、寝返りなどの体の動きによって、ポケットコイルが「ポコポコ」と音がするので落ち着きません。これも詰め物が薄いことが主な原因と考えられます。
なお、当サイトで検証したポケットコイルマットレスの中で、最もバネ当たりが強い寝心地だと思いました。
復元しきらない(少し小さい)
ロール状に圧縮されて届きますが、数日たっても一向に長さが復元せず、マットレスよりも一回り小さい丈になっています。
場所によって長さは変わりますが、このマットレスの長さは190cmくらいとお考え下さい。
つまり、通常のマットレスの長さは195cmなので5cmくらい短いことになります。高身長の方はご注意ください。
片面仕様(表裏のローテーションできない)
本商品は表面にしか詰め物が施されていない「片面仕様」。よって、表面でしか寝れません。
表面 | 裏面 |
---|---|
片面仕様のマットレスは表裏のローテーションがNGです。
ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転させてマットレスの寝心地を長持ちさせる技のこと。
両面仕様の場合は、上下に加えて表裏もローテーション可能なのでヘタリに強いです。つまり、両面仕様よりも片面仕様はヘタリやすいと言えます。
とはいえ、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは、片面仕様の場合が多いので、本商品だけのデメリットというわけでもありません。
【体験レビュー】アイリスオーヤマ「圧縮ロールポケットコイルマットレス(厚さ20cm)」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
梱包状態の重さは、17.50kg(シングル)でした。
一人で持ち運ぶのは「そこまでストレスがない」といったところでした。
段ボールを開封していきます。
このようのマットレスがロール状に圧縮されてビニールに入っています。
ロール状に巻かれていることで、コンパクトになり、搬入経路が狭い家でも安心です。
続いて、マットレス本体を開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ロール状に圧縮されてビニールに巻かれて届きます。ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観のチェック
開封直後は大きめの歪みがありますが、厚さ20cmタイプなので、すぐにでも寝ることができます。
取扱説明書によると「マットレスが完全に形を取り戻すのに3日ほどかかる」とのことで、開封直後と3日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。
このアニメーションのとおり、厚みが復元されていることがわかるかと思います。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値は20cmでしたが、20cmには少し足りていませんでした。※個体差があるかもしれません
とはいえ、それでも厚みがあるタイプのマットレスと言えます。
カバーの側生地はポリエステル100%のツルツルした触り心地です。
伸縮性はあまりなく、ややツッパリがあるので、体へのフィット感は少ないです。
生地のアップはこんな感じです。
カバーにはキルティングが施されているので、立体感によって通気性が高まります。
カバー下の詰め物には厚さ20mm(10mm×2層)のウレタンフォームがあります。
ただし、詰め物はそこまで品質が高くなく、かなり柔らかいタイプのウレタンフォームなので、軽く押すだけでバネの存在感を感じます。(バネ当たりがあります)
サイド面はメッシュ生地で外周を囲われています。
メッシュ生地はマットレスカバーの中で最も通気性が良い生地です。
マットレスの裏面には寝ることができません。(つまり「片面仕様」です)。
裏面は不織布の簡易的なカバーです。
滑り止めなどもないため、多少のズレやすさはあります。気になる人は滑り止めシートなどを購入しましょう。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
中身のポケットコイルと、詰め物です。
本商品の構造は以下の通りです。
- 表生地(ポリエステル)
- ウレタン 10mm
- ウレタン 10mm
- 不織布
- ポケットコイル 200mm
- 不織布
- フェルト
- 裏生地(不織布)
構造を詳しくご紹介します。
表生地のすぐ下にはウレタンフォームが2層に分かれて入っています。(計20mm)
ウレタンフォームは蒸れやすい素材ですが、このように多層構造にすることで通気性が高まります。
なお、このウレタンフォームの密度は18Dという仕様で、耐久性としてはそこまで高くはありません。
ウレタンフォームの下には不織布があります。
ポケットコイルの高さは約180mmでした。これはなかなか高さがあるタイプです。
コイル高が高いマットレスはふんわりとした豊かなクッション性が得られます。
コイルの下には厚手の再生フェルトが入っていました。
再生フェルト自体は、あまり良質な素材ではないのですが、このフェルトがあるおかげでポケットコイルにかかる衝撃を緩和したり、底面にバネが飛び出しにくくなります。
特に片面仕様のマットレスでは、底面の仕様はあまり注目されない(&注力されない)傾向がありますが、このようにしっかりと考えられて作られている商品は安心して使えますね。
・
・
・
【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.19 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 2.5 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 1.0 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 5.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「3.0」。
ニュートラル(ふつう)な硬さのタイプで、強いてどちらかに振れば「硬め」と言える寝心地でした。
沈み込みが少ない仰向きでも詰め物(薄いので)によるふんわりとした体圧分散性は感じられず、ポケットコイルで中心的な寝心地を作っている感じです。
スプリング(バネ)ならではの持ち上げるような感触はありませんが、背中・臀部にしっかりとしたフィット感があります。
寝姿勢としてはそこまでストレスはありませんが、腰回りのバネ当たりが気になりました。
また、背中から腰あたりの体圧分散性が乏しい(硬さを感じる)ので、厚手のシーツやパッドが必要だと思います。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.0」。
深い沈み込みが必要な横向き寝においても、ポケットコイルならではの凹凸にきめ細やかに反応している感じで、寝姿勢(保持性)としては悪くないです。
ただ、5分以上寝ていると肩の圧迫感が気になってきました。これは詰め物の薄さが主な原因でしょう。
また、脇腹のバネ当たりが結構気になります。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.0」。
詰め物が薄いため、バネの反発性をダイレクトに感じられ、寝返りサポート性は高めです。
しかし、詰め物が薄いことによって、コイルがポコポコと鳴る音が気になるため、寝返り時には多少ストレスを感じました。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「2.5」。
端部分は特に強化されていない仕様なので、座姿勢はかなり沈み込みます。
仰向きの寝姿勢では、端部分でも特にストレスは感じませんでしたが、横向き寝だとギリギリでは落ちそうになります。
寝返りの動きにも不安定さを感じるので「端まで優雅に使えるマットレス」とは言いにくいレベルです。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「4.0」。
サイド面がメッシュ生地&多層構造のウレタンフォームを使った詰め物という点で、通気構造としては優れています。
特にメッシュ生地は、生地の中で最も通気性が優れていて、芯材内部の湿気をスムーズに外部へ排気してくれます。
実際に寝た感じでも、特に蒸れなどは感じませんでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「2.0」。
販売ページ上には、第三者機関による耐久性テストの結果は非掲載です。
また、スプリングの線種についても非掲載なので、耐久性の良し悪しが分かる唯一の材料としては「詰め物」です。
本商品は詰め物にウレタンフォーム(10mm×2層)を使用していますが、その密度が18Dという仕様です。18Dは低い密度と言えく、1年程度でヘタってくる心配があります。
また、詰め物が表面にしか敷かれていない「片面仕様」のため、表裏のローテーションができないことも踏まえると、問題なく使える期間としては1~3年ほどと想定します。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
マットレスの衛生加工に多い「抗菌防臭・防ダニ」等の機能はなく、その他衛生面へのプラス材料はありません。
しかしながら、マットレスはそもそも衛生加工がない商品も多いので、「ふつう程度」の評価となります。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「3.0」。
重量はシングルサイズで約15kg。これは一般的なベッドマットレスの中では軽めです。
よって、力の弱い人でも移動にそこまでストレスは感じないでしょう。
ただし、お届け時は圧縮梱包でコンパクトに届くので、搬入経路が狭い人にはメリットを感じられるでしょう。
また、厚さは20cmなので、市販のボックスシーツも使いやすいです。
捨てやすさについては、スプリングコイルマットレスは、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「5.00」。
シングルサイズで9,330円という価格は、マットレス市場全体から考えると「激安レベル」の価格帯です。
冒頭でご紹介したとおり「ポケットコイルマットレスの最安値」と言っても過言ではありません。価格最優先で探されている人にはおすすめです。
口コミ・評判のまとめ
本商品の口コミをまとめると以下のような意見が見られました。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
|
|
口コミに関する解説
レビューが最も溜まっているAmazonにおける評価は5点満点で4.2の高評価です。(記事公開時点)
全体的に寝心地に満足されているユーザーさんが多い印象です。
コスパに満足
何度も言うように「シングルサイズで約9,000円」はポケットコイルマットレスの最安値レベルです。
これだけの低価格なので、寝心地にそこまで期待していなかったユーザーの方も多いようでしたが「良い意味で裏切られた」という趣旨の口コミが特に多かったです。
「硬い・やわらかい」の評価はバラつきがある
本商品の硬さ(やわらか)に関する評価は、かなりバラつきがある印象を受けました。
硬さ(やわらかさ)は、今まで使ってきた寝具の慣れの問題もあったりするので、人によって感じ方が変わるのは仕方ないことです。
筆者としてはニュートラル(ふつう)程度の硬さで、強いてどちらかに振るとすれば「硬め」という印象を受けましたが、硬さについては特にストレスを感じませんでした。
「高級モデルと比べると寝心地が悪い」はあたりまえ
高級モデルと比較して寝心地が良くないと表現されているレビューも見られましたが、これは致し方ないことです。
そもそも高級なポケットコイルマットレスは、ほとんど両面仕様ですし、使っているスプリングも最高品質は当たり前。さらにポケットコイルを包む不織布に至るまで、まるで次元が違う作り方をしています。
結果的にそれがバネ当たりがない・端も沈み込まない・10年以上使える耐久性、といった高級モデルならではの特徴となっていくのです。
ただし、そうしたモデルは10~15万円はするため、本商品のような9,000円で買える格安マットレスと比較するのは少し違うように思います。
実際の寝心地と価格を考えた場合、約9,000円で買えるマットレスとしては、満足いく商品だと思います。
似ている商品との比較
本商品と同じ「格安タイプのポケットコイルマットレス」という特徴を備えた他メーカー製の2モデルと比較します。
メーカー | ①アイリスオーヤマ | ②タンスのゲン | ③neruco「バリューポケット」 |
---|---|---|---|
画像 | |||
厚さ | 20cm | 22cm | 20cm |
重量 (Sサイズ) | 約15.2kg | 約17kg | 約20kg |
コイル数 (Sサイズ) | 495個 | 512個 | |
配列 | 並行 | ||
線種 | 非公表 | SWRH72 B C | SWRH72 B B |
線径 | 1.8mm(当サイト計測) | 1.8mm&端のみ2.0mm) | 2.0mm |
メッシュ生地 | 〇 | ||
詰め物 | ウレタン20mm | ポリ綿 ウレタン20mm | ウレタン15mm フェルト |
片面/両面 | 片面仕様 | ||
保証期間 | 1年 | 5年 | |
サイズ | S~D | SS~Q | SS~Q ※ショート・ロングあり |
価格 (Sサイズ) | 9,330円 | 8,999円 | 12,990円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
比較商品の特徴
②タンスのゲンの特徴は?
①アリスオーヤマのドンピシャの競合商品といえばコレ。価格・仕様(メッシュ生地・コイル数495個など)もかなり似ていて、Amazon・楽天などを見てみると比較検討している人が多い印象です。
タンスのゲン製(②)のデメリットは、ポケットコイルのわりに振動が伝わりやすいことです(これはおそらく接着剤の質・量と推定しています)。
また、比較的やわらかいのに「点」で支えるのではなく「面」で支えるような寝心地のため、荷重が重い場所(背中やおしり)が沈み込みやすく、体が折れ曲がるような寝姿勢になってしまう点もデメリットです。
ただし、厚さは22cmと約9,000円で買えるマットレスとしてはボリューム感があり、底付きの心配はありません。
しかしながら、「ポケットコイルマットレスならでは寝心地」という点においては、①本商品(アイリスオーヤマ製)の方がおすすめできます。
③neruco「バリューポケットコイル」の特徴は?
①アイリスと②タンスのゲンよりも少し価格が高いけど、仕様が良いのが③neruco「バリューポケットコイル」です。※価格はシングルサイズで12,990円
コイル数が少し多く(512個/Sサイズ)、線径も太いしっかりした仕様です。
一番の違いは詰め物。この③neruco「バリューポケットコイル」は、ポケットコイルの上に硬めのフェルトを施しているので、バネ当たりが感じにくい仕様となっています。また、ウレタンフォームの密度が21Dと比較的高密度仕様なので耐久性も優れています。
寝返り時にもポケットコイルのポコポコとして嫌な音はせず、もちろんポケットコイルならではの体圧分散性・衝撃吸収性が他の2商品に比べると格段に高いと感じました。
クッション性が高いふんわりとした寝心地なので、人によっては柔らかく感じやすいですが、部分的な沈み込みはなく、ストレスない寝姿勢が実現されていると思います。
もちろん、価格が少し高いので寝心地が良いのは当然と言えば当然ですが、筆者としてはいくら低価格を求めるとしても、やはりこのくらいの寝心地を得られるマットレスをおすすめしたいです。
よって、当サイトでは「最安値レベルで買えるマットレスとして最もおすすめできる商品」として他の記事でもご紹介しています。
衝撃吸収性の比較
参考までに、3つの比較商品の衝撃吸収性(振動の伝わりづらさ)を検証した動画をご共有します。
テスト内容は「中央部分に集中的な荷重をかけた際に、端部分がどの程度、その衝撃に影響されるか?」といったものです。
この画像を見るとわかりますが、動画中央(タンスのゲン製)のマットレスは、中央の荷重に対して、両端が反り返るような動きをしています。
寝姿勢に置き換えて考えた場合、荷重が集中する背中~臀部(おしり)あたりを中心に折れ曲がるようなマットレスの形状になるということがわかるでしょう。
その点、本商品(右:アイリスオーヤマ製)は、9,000円という激安価格にも関わらず、衝撃吸収性が優れていることがわかると思います。
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断・分解が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
アイリスオーヤマのマットレスはどこで買うのがお得?
アイリスオーヤマの商品は公式サイトと以下のモール店舗で買えます。
価格や条件に特に差はありません(価格差が数十円ほどバラつきがある場合もあります)。
強いて言えばモールごとにポイントバック率やキャンペーンに差が出る場合あるので、すべてをチェックしてみた方が良いかもしれません。
ただし、カスタマーサポートのスムーズさを考えるとやはり、公式サイトがおすすめです(購入時のトラブルなどがあった際に安心です)。
まとめ
いかがでしたか。
アイリスプラザ(オーヤマ)「圧縮ロールポケットコイルマットレス(厚さ20cm)」をご紹介させていただきました
アイリスオーヤマのオリジナルマットレスです。アイリスらしく?手の届きやすい価格帯で最大限に作り込まれたマットレスだと思いました。
詰め物の仕様(低密度フォーム&低ボリューム)が弱点ですが、厚めのパッドやトッパーを敷けば、心地よい寝心地が得られるでしょう。
また、マットレス底面に厚手のフェルトが入っているので、スプリング自体の耐久性が補強され、バネが外に飛び出る心配が少ないことも良い点です。
「とにかく安いマットレスが欲しい」という人はぜひご検討いただければと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。