【専門家が解説】ソフテックス「Deluxe 10」体験レビュー

ニューヨークから上陸したマットレス

この記事ではソフテックスの「Deluxe 10」をご紹介します。

なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて

実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ぜひご参考くださいね。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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メーカーの「Soft Tex(ソフテックス)」 とは

Soft-Tex(ラベル)

Soft-Tex(ソフテックス)とは、アメリカ・ニューヨークを拠点とした老舗寝具ブランドです。

日本では、グランパークホテルなどのビジネスホテルを展開する株式会社ミドルウッドがライセンスを得て、販売しています。

椚大輔椚大輔

同社の展開するホテルにソフテックスのマットレスを導入したところ、大きな反響を受けたことをきっかけに「Soft-Tex JAPAN」を立ち上げたそうです。

ソフテックス「Deluxe 10」の基本情報

ソフテックス「Deluxe 10」

メーカー ソフテックス
サイズ シングル~ダブル
主な素材 ジェルメモリーフォーム
硬さ ふつう
価格(シングル) 139,700円

公式サイトで見る

【まず結論】ソフテックス「Deluxe 10」の評価は?

ソフテックス「Deluxe 10」の体験

当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。

  • 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
  • 寝返りのしやすさは?
  • 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
  • クッション材の品質はどうか?
  • 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
  • バネ当たりや底付きがないか?
  • 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)

体験を通じ本商品を以下のように評価しました。

▼ Deluxe 10の評価
総合評価 2.97
仰向き寝 4.0
横向き寝 4.0
端の沈み込み 3.0
通気性 3.5
寝返り 2.0
底付きのなさ 5.0
素材の品質 2.5
耐久性 3.0
衛生面 3.0
取り扱いやすさ 2.0
価格 1.70

※目安は「3.50」以上が高評価です

>>>点数の付け方について

【総評】品質面に心配があるが、寝心地はとても良い

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

ソフテックス Deluxe 10は、ジェルメモリーフォーム(低反発フォーム)と高反発フォームを重ねた2層タイプのウレタンマットレスです。

Deluxe 10の構造
Deluxe 10の構造(上がジェルメモリーフォーム、下が高反発フォーム)

低反発ならではの高いフィット感や体圧分散性を味わえつつ、沈み込んだら高反発フォームでグッと支えられるので寝姿勢が崩れにくく、理想的なバランスで構成されています。

反発性のスペックも良質で、しかも、これだけ分厚く2つのフォームを使っているのは、すごく贅沢な仕様と言えます。

さらにPCM(温度自動調整素材)がウレタンフォームに練り込まれているので、安定的な寝床内環境を実現しやすいこともメリットです。※理想的な寝床内環境は33度前後と言われています

ただし、今回体験した商品では、ウレタンフォームに大きな歪みが見られ、品質面(復元性)に問題を感じました。

ウレタンフォームの歪み
ウレタンフォームの歪み

ソフテックス Deluxe 10は圧縮梱包のマットレスですが、開封後に完全に復元しきらないのは、主に復元率の低さが原因となることが多いです。

よって、復元性が良くない=耐久性に期待できない(寝心地の劣化が進みやすい)という心配もあります。

たまたま、ハズレくじを引いただけかもしれませんが、そうした品質の懸念点もあり、当サイトのレビューでは総合評価が伸びませんでした。

椚大輔椚大輔

寝心地は良かったので、気になった人はショールームもあるので、ぜひ体験してみてくださいね。

公式サイトで見る

ソフテックス「Deluxe 10」の特徴・メリットは?

1. ジェルメモリーフォーム×高反発フォーム

ジェルメモリーフォーム×高反発フォーム

ソフテックスDeluxe 10は、ウレタンマットレスです。

上層にジェルメモリーフォーム、下層に高反発フォームという2層構造を採用しています。

ジェルメモリーフォーム(低反発) 高反発フォーム
ジェルメモリーフォーム 高反発フォーム

ジェルメモリーフォームとは、冷感ジェルを練り込んだ低反発フォームのことで、触るとひんやり感じます。

低反発フォームの一般的なデメリットは「蒸れやすさ(暑さ)」ですが、ジェルによって、暑苦しさを感じにくくなっています。

また、低反発フォームは沈み込みやすいですが、下層に高反発フォームを使用することで、グッと持ち上げる力が働くため、寝姿勢が整いやすいです。

椚大輔椚大輔

低反発×高反発のハイブリッドタイプのウレタンマットレスです。

2. 温度調節機能付き

ウレタンフォームのアップ

ジェルメモリーフォームにはPCMという素材が練り込まれています。

PCMとは「相対変化物質 =Phase Change Meterial 」の略語で、簡単に言うと、繰り返し熱を放出・吸収し、一定の温度が維持できる素材です。

なお、PCMにはセットポイント(設定温度)がありますが、寝具用のPCMは基本的に32±1℃くらいで作られています。

これは厚生労働省によると「寝床内で身体近傍の温度が33℃前後になっていれば、睡眠の質的低下はみられない」と言われているためです。

椚大輔椚大輔

安定的な温度管理ができるPCMは、快適な睡眠環境を実現するために有効な素材と言えるでしょう。

3. 通気性に配慮された構造

ピンホール加工

ウレタンマットレス(特に低反発ウレタンマットレス)といえば「蒸れやすさ」がデメリットです。

しかし、ソフテックスDeluxe 10のジェルメモリーフォームは一般的な低反発フォームの約6倍の通気性があるオープンセル構造を採用しています。

オープンセル構造
オープンセル構造(ウレタン発泡時に膜を飛ばすことで、高い通気性が得られる)

さらにジェルメモリーフォームに穴(通気孔)を開けることで下層への空気の流れをスムーズにしています

穴
通気孔
椚大輔椚大輔

余談ですが、穴を開けることを「ピンホール加工」と言います。

ソフテックス「Deluxe 10」のデメリット・注意点

1. 品質面・耐久性に不安あり

ウレタンフォームの歪み

Deluxe 10のような圧縮タイプのウレタンマットレスの場合、「歪みの大きさ」が耐久性を知るひとつの目安です。

ウレタンマットレスの耐久性は「復元率」によって、おおむね判断できますが、復元率が低いと、圧縮開封後に完全に元の形状に戻らないことが多いです。

Deluxe 10は復元率が非公表ですが、上の画像の歪みを見ると、復元率のスペックに不安を感じます。

よって、耐久性としてはあまり期待できませんし、10万円以上の高級マットレスでここまで歪みが大きいのはあまり気持ちが良いものではありません。

椚大輔椚大輔

復元率が非公表なのは、法令違反です。(家庭用品品質表示法)

ですが、取り締まりが厳しくないので、海外ブランドが日本に参入する初期段階では復元率が非公開のことが多いです。

2. 寒いと硬くなる

ウレタンフォーム

低反発フォームは「感温性」といって、温度によって硬さが変化する性質があり、温度が低くなると硬くなります。

たとえば、冬に暖房をつけていない部屋の状態でジェルメモリーフォームに寝ると、かなり硬く感じるのです。

椚大輔椚大輔

とはいえ、寝ると素材の温度が高くなり、1~2分で本来の硬さに戻るので、大きなデメリットではありません。

3. かなり冷たい

ジェル

デメリットというわけではありませんが、Deluxe 10は、ジェルメモリーフォーム搭載のマットレスの中でもかなり冷たい感触でした。

しばらく寝ていても冷たさが持続していたので、もしかするとPCMのセットポイント(設定温度)が低いのかもしれません。

蒸れや暑さが苦手な人には心地よい感触かもしれませんが、寝具にあたたかさを求める人には合わないでしょう。

椚大輔椚大輔

ジェルメモリーフォームやPCMは、素材から離れると効果は薄くなります。

よって、冷たさが気になる人は厚手のパッドなどを使うことで、ある程度調節は可能です。

4. サイズが特殊

シングルサイズ

Deluxe 10は、一般的なマットレスよりも一回り大きいです。

特にシングルサイズでは、以下のとおり幅も長さも大きいため、ベッドフレームと合わせるときには注意が必要です。

サイズ Deluxe 10 一般的なマットレス
シングル 110×200cm 97×195cm
セミダブル 120×200cm 120×195cm
ダブル 140×200cm 140×195cm

特に「ドロップマットタイプ」などの、マットレスを落とし込むデザインのベッドフレームには入らない可能性もあるのでご注意ください。

ドロップマットタイプのベッドフレーム
ドロップマットタイプのベッドフレーム(画像はコアラアーバンベッドフレーム
椚大輔椚大輔

幅110cmは「ワイドシングル」とも呼ばれます。ワイドシングルは一般向けのサイズではなく、ホテル仕様のサイズです。

仕様について(反発弾性率テスト)

反発弾性率テスト

Deluxe 10は、上層が低反発フォーム、下層が高反発フォームですが、それぞれの反発力(反発弾性率)は以下のとおりです。※当サイトによる計測値です

素材 ジェルメモリーフォーム
(低反発フォーム)
高反発フォーム
画像 ジェルメモリーフォーム 高反発フォーム
反発弾性率 約7% 約51%
反発弾性率とは?

素材が持つ反発性を測る数値。反発弾性率を調べる方法として、JISが定めるテスト方法(JIS K 6400-3)があり、簡単に言うと「高さ50cmから鉄球を落として、反発した高さと割ったのが反発弾性率」ということです。

反発弾性率によって、以下のようにマットレス(ウレタンフォーム)が分類されます。

反発弾性率 分類
15%未満 低反発
15~49% 一般(レギュラー)
50%以上 高反発(高弾性)

前置きが長くなってしまいましたが、Deluxe 10のジェルメモリーフォーム(反発弾性率7%)は一般的な低反発フォームよりも低い反発弾性率のため、衝撃吸収性はかなり高めです。

また、下層はきちんと本物の高反発フォームを使っています。※実は「高反発」と表記していても、実際はレギュラーフォームのことがかなり多いです

しかもこの厚さの高反発フォームを搭載するのは、かなり贅沢な仕様と言えるでしょう。

椚大輔椚大輔

なお、販売ページにはジェルメモリーフォームを「高反発仕様」と書いてありますが、上記の検証結果のため、実際は「低反発」です。※JIS規格

【体験レビュー】ソフテックス「Deluxe 10」を実際に試してみた

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

椚大輔椚大輔

実際のお届け時の様子や具体的な使用感をレビューします。

開梱・設置

こちらはシングルサイズです。

梱包状態(シングル)

ロール状に圧縮されて届きます。

開梱

内容物はマットレス本体のみです。

段ボールとマットレス

シングルサイズで約28kgと重めです。力が弱い人は2人以上で持ち運びましょう。

マットレスの持ち運び

開封用のカッターが付属しています。

開封用のカッター

このカッターを使ってビニール袋を切っていきます。

カッターで袋を切る

開封の様子は以下の動画をご参考ください。(4倍速、音声なし)

上の動画のとおり、外側のビニールを取り、内側のビニールに切り込みを入れるとマットレスが膨張します。

外観のチェック

開封直後のソフテックス「Deluxe 10」

開封直後はかなり歪みが大きいです。

公式サイトによると「圧縮から戻るまで20分ほどになります。」とのことでしたので、開封直後と1日経過した様子を比較したアニメーションを作りました。

開封直後と1日経過(アニメーション)

このとおり、1日経つと元のボリュームが戻りますが、端の歪みが完全に復元されませんでした。(最終的にも復元されませんでした)

開封1日後
開封1日後(マットレスの短辺が歪んだまま)

厚さはこのくらいです。

厚さ

最も厚いところでは、公表値どおり約25cmの厚さが確認できました。

厚さの計測

続いてカバーをご紹介します。

カバー

品質表示ラベルがなかったため、素材は不明ですが、感触的にはポリエステルを主原料にした生地だと思います。

生地の感触

さらっとした触り心地です。

伸縮性が高いニット生地なので、体へのフィット感も高いです。

生地の伸縮性

厚手で非常にしっかりした生地です。

生地のアップはこんな感じです。

生地のアップ

厚みがある立体キルト仕様のため、ほつれにくいです。

フット面にソフテックス(soft-tex)のロゴがあります。

ロゴ(ラベル)

シワやほつれも目立ち、正直、高級マットレスのラベルには見えません(寝心地には関係ないところですが、やや残念です)。

Deluxe 10は、表側でのみで寝られる「片面仕様」です。

表面 裏面
表面 裏面

裏面生地はこんな感じです。

裏面生地

滑り止めのような加工がありましたが、滑り止めとしてはそこまで効果が感じられないレベルです。(とはいえ、ツルツルすべることはありませんでした)

裏生地のアップ

カバーはファスナーで閉じられています。

ファスナー

内部構造

カバーを開けて内部構造をご紹介します。

カバーを開ける

カバーは上下で分離できるタイプです。

上面カバーを取った状態

洗濯表示(取扱注意)はこちら。

洗濯表示(取扱注意)

「マットレスからカバーを外さないで」と書いてありますが、「スポットクリーンカバー(表の生地)は、中性洗剤を使用して洗濯可能(塩素系漂白剤の使用NG)」とも書いてあります。

芯材を詳しく見るために、すべてのカバーを取りました。

カバーと芯材

こちらがDeluxe 10の芯材です。

芯材のウレタンフォーム

上層がジェルメモリーフォーム、下層が高反発フォームです。

両端(短辺)の歪みが大きいです。

短辺の両端の歪み

すでにお伝えしましたが、圧縮開封後に形状が戻らない原因は復元率(耐久性)の低さと考えられます。

ウレタンフォームの歪み

ここまで歪みが大きいウレタンマットレスは珍しいです。

一般的なウレタンマットレス
一般的な圧縮ウレタンマットレス(この商品の場合、上層が40Dで下2層が30D)

【詳細解説】ソフテックス「Deluxe 10」の評価について

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。

▼ Deluxe 10の評価
総合評価 2.97
仰向き寝 4.0
横向き寝 4.0
端の沈み込み 3.0
通気性 3.5
寝返り 2.0
底付きのなさ 5.0
素材の品質 2.5
耐久性 3.0
衛生面 3.0
取り扱いやすさ 2.0
価格 1.70

※目安は「3.50」以上が高評価です

1. 仰向き寝は?

仰向き寝

ココをチェック

仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。

なお、日本人の約60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。

評価は「星4.0」。

1層目のジェルメモリーフォーム(低反発フォーム)によって、じんわりとフィットし、体圧分散性が高い寝心地です。

低反発フォームは沈み込みやすいですが、2層目の高反発フォームでグッと押し返すため、寝姿勢が崩れにくいです。

また、特に低反発マットレスでは、仰向きが最も蒸れを感じやすいですが、PCMやジェルの機能のおかげで暑苦しさは感じませんでした(むしろ涼しいくらいです)。

2. 横向き寝は?

横向き寝

ココをチェック

横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。

つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。

評価は「星5.0」。

メモリーフォーム(形状記憶素材)なので、不安定な寝姿勢である横向きでも安定感は抜群です。

圧迫感も少なく、横向きで寝る人におすすめできる寝心地です。

3. 端の沈み込みは?

端の沈み込み

ココをチェック

一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。

なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。

評価は「星3.0」。

端部分は「それ以上、荷重分散できない」ため、メモリーフォームマットレスでは基本的に沈み込みは深くなりがちでした。

しかし、ソフテックスでは、下層に高反発フォームを使用していることもあり、沈み込み過ぎることはありませんでした。

座った時の沈み込み
座った時の沈み込み(高反発層に到達するとグッと押し返される感じ)

4. 寝返りのしやすさは?

寝返り

ココをチェック

クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。

寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。

評価は「星2.0」。

低反発マットレスは、体の動きを押し返すような反発性が弱いため、寝返りには力が要ります。

簡単にコロコロと寝返りを打ちたい人にはおすすめできませんが、圧力によって寝返りが多いことにストレスを感じている人には合うでしょう。

5. 通気性は?

通気構造(ピンホール加工)

ココをチェック

睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。

評価は「星3.5」。

メモリーフォームマットレスのデメリットは蒸れやすさですが、PCMやジェルの働きによって、ストレスを感じることはありませんでした。

とはいえ、ファイバーマットレスや、スプリングコイルマットレスなどに比べると芯材内の空気の層が少ないです。

よって、Deluxe 10は、「蒸れやすいメモリーフォームマットレスの中では蒸れにくい(星3.5)」とお考え下さい。

6. 耐久性は?

耐久性(マットレスを手で押す)

ココをチェック

密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。

評価は「星3.0」。

復元率や密度(D)という情報が非公開のため、耐用年数の判断がつかないので、ひとまず星3.0と評価します。

重量からすると密度は高めと考えられるので、2~3年でダメになることはないと思いますが、復元性の悪さ(=復元率が低い可能性)もあり、やや心配な点でもあります。

7. 素材の品質は?

芯材の歪み

ココをチェック

ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。

ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。

評価は「2.5」。

ここがDeluxe 10の最も評価できないポイントです。

復元性の悪さ(歪みの大きさ)や、カバー(特に側面と裏面)の安っぽさなどを考えると、シングルサイズで約14万円もする高級マットレスの品質には感じられません。

とはいえ、PCMやジェルメモリーフォーム、高反発フォーム(反発弾性率約50%)など、素材レベルでは良いものを使用しているので、もったいないです。

8. 衛生面は?

カバーと芯材

ココをチェック

抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。

評価は「3.0」。

抗菌防臭などの衛生加工は施されていません。※衛生加工がないマットレスも多いので評価は3.0(ふつう)レベルです

9. 取り扱いやすさは?

マットレスのハンドリング

ココをチェック

持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。

特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。

評価は「星2.0」。

重量はシングルサイズで約28kgと、ウレタンマットレスの中では「かなり重め」です。

一方、お届け時は圧縮梱包のため、搬入経路が狭い家も安心です。

また、カバーが上下で分離する構造のため、カバー上面だけを取り外し、気軽に洗濯できる点はメリットです。

10. 価格は?

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

ココをチェック

絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。

評価は「星1.70」。

シングルサイズで139,700円は、マットレス市場においては「高め」の価格帯です。

品質面を考えると、この価格に納得感は得にくいかもしれません。

よって、セールなどで安くなっていた際には、前向きに検討しても良いと思います。

11. 硬さは?

硬さのチェック

ココをチェック

ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。

Deluxe 10は、一般的には「ふつう」な寝心地です。

ジェルメモリーフォームの感触としては「かため」ですが、「圧力」によって硬さの感じ方は変わってきます。

表層で使っているジェルメモリーフォームは、非常に体圧分散性が高い(圧力を感じさせない)寝心地のため、体感としては仕様(N数)よりもやわらかく感じるでしょう。

なお、ウレタンフォームの硬さを表す「N(ニュートン)数」はDeluxe 10では非公表ですが、ジェルメモリーフォームは「かため」、高反発フォームは「やわらかめ~ふつう」くらいの感触です。

似ている商品との比較

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

ジェルメモリーフォームPCMを使用したベッドマットレスを比較します。

商品 ①Deluxe 10 ②エコサマットレス ③コアラマットレスBAMBOO
画像 Deluxe 10 エコサ・マットレス コアラマットレスBAMBOO
メーカー ソフテックス エコサ コアラ・スリープ
厚さ 約25cm 約25cm 33cm
重量
(Sサイズ)
約28kg 21kg 28.7kg
ジェル ×
PCM ×
お試し期間 × 100日 120日
価格
(Sサイズ)
139,700円 42,000円 169,900円
リンク 公式サイト 公式サイト 公式サイト

【比較商品②】エコサ「エコサ・マットレス」

エコサ・マットレス

仕様にしては価格が安い

オーストラリア発の寝具ブランド「エコサ」が展開する基幹マットレス。エコサは2015年に創業し、2021年に日本に上陸しました。

ジェルメモリーフォーム、高反発フォーム、体圧分散フォームの3層構造を採用し、奥行きがある寝心地が楽しめます。

エコサの3層のウレタンフォーム
エコサの3層のウレタンフォーム

使用しているウレタンフォームは40Dや50Dといった高密度仕様で、復元率も98%と高い耐久性が期待できます。

さらに100日のお試し期間付きで、4万円台から買えるため、コストパフォーマンスとしては非常に優れていると思います。

椚大輔椚大輔

ジェルメモリーフォームの厚さはDeluxe 10の方が厚いです。(ひんやり感もDeluxe 10の方が上です)

このマットレスを見る

【比較商品③】コアラスリープ「コアラマットレスBAMBOO」

コアラマットレスBAMBOO

コアラマットレス最高峰モデル

オーストラリア発の寝具ブランド「コアラ・スリープ」が展開するコアラマットレスの最高峰モデル。BAMBOO(竹)とネーミングされているのは、脱臭効果がある「竹炭(ちくたん)」をウレタンフォームに練りこんでいるからです。

竹炭ウレタンフォーム
竹炭ウレタンフォーム

コアラマットレスBAMBOOでは、カバーにPCMが練り込まれているので、より体に近い場所で温度調節機能が効きます。(Sensapole®技術)

他にも、端が沈み込みにくい「エッジサポート」や、トッパーの表裏を変えて「硬さ調節できる」ことなど、豊富な機能性が魅力です。

厚さ33cmという極厚ならではの深いストロークによるリッチな寝心地が楽しめ、120日のお試し期間付きなので気軽に試せる点もメリットです。

椚大輔椚大輔

機能性、寝心地面はDeluxe 10よりも優れていますが、価格は高めです。(ただし、お試し期間があります)

このマットレスを見る

どれがおすすめ?

一番大きな違いはお試し期間の有無でしょう。(Deluxe 10はお試し期間がありません)

PCM、およびジェルによる温度調節機能については、おそらくDeluxe 10が最も涼しい(PCMのセットポイントが低い?)ので、蒸れや暑さが苦手な人はDeluxe 10がおおすすめです。

なお、硬さは、感覚的にはDeluxe 10が最も硬く、コアラBAMBOOが最もやわらかったです。

まとめ

ソフテックス「Deluxe 10」の使用イメージ

いかがでしたか。

ソフテックスの「Deluxe 10」をご紹介しました。

良質な反発性能を持つジェルメモリーフォーム&高反発フォームで構成された2層タイプのウレタンマットレスです。

残念ながら、今回体験したものでは、ウレタンフォームに大きな歪みが見られ、品質面に不安を感じました。

また、細部で作りの粗さも見られ、10万円以上の高級マットレスとしては正直「もの足りなさ」は否めません。

しかしながら、心地よいフィット感と、高い体圧分散性、沈み込んだらグッと押し返してくれる寝姿勢保持性の良さなど、寝心地面は満足度が高いと思います。

今回の届いた商品がたまたまハズレくじだった可能性もあるので、近くにショールームがある人は、ぜひ体験してみてくださいね。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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