トッパー×ボトムが奏でる高級な寝心地
この記事では2層ポケットコイルマットレス「cocoil(ココイル)」をご紹介します。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ぜひご参考くださいね。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれ、発生した広告収入をサイトの運営費に充てています
目次
cocoil(ココイル)の基本情報
サイズ | シングル~ダブル |
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厚さ | 約27cm |
クッション材 | ポケットコイル |
価格(Sサイズ) | 98,000円 →クーポンコード「coupon」で79,000円 |
お試し期間 | 120日 |
メーカーは?
メーカーは日本の大手総合商社のグループ企業です。
寝具メーカーというわけではありませんが、cocoilを作るにあたり、国内の老舗マットレスメーカーと共同開発しているため、品質面は安心です。
共同開発しているマットレスメーカーは、品質の高さに評判があり、業界内でも有名です。(私も以前から知っています)
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【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価しました。
▼ cocoil(ココイル)の評価 | |
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総合評価 | 3.58 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 5.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.04 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
【総評】高級マットレスに引けを取らない仕様と寝心地
cocoil(ココイル)は、トッパー×ボトムの2層式のポケットコイルマットレスです。
トッパーには、超高密度(1,117個/S)のインナーコイルを使用し、非常にしなやかな寝心地で、沈み込んだらボトムのポケットコイルマットレスでグッと支えます。
コイルを2層(ダブルクッション)にすることで、豊かなクッション性と、抜群の荷重分散性が得られ、トッパーとボトムを分けることでピロートップ(詰め物が独立した構造体)のような高いフィット感と体圧分散性が得られます。
そして、この「ダブルクッション(2層コイル)」と「ピロートップ(BOXトップ)」という組み合わせは高級ホテルで使われる高級マットレスで採用されることが多く、まさにcocoilも似た方向性の「高級な寝心地」が得られるマットレスに仕上がっています。
仕様のグレードとしては、価格なりの印象は受けますが、詰め物にシュレープ(羽毛に似た化学繊維)やキュートリー(消臭・抗菌性がある機能綿)を採用するなど、非常に多くの素材を組み合わせた多層構造のため、奥行き感がある寝心地が楽しめます。
また、トッパーとボトムが完全分離している珍しいタイプなので、トッパーを自由に取り外しやすく、取り扱いやすいことも魅力です。
なお、cocoilの寝心地の中心を作っているのはトッパーです。
このトッパーが非常に良かったので、ぜひトッパーの単体販売もしてほしいと思いました。
さらに120日のお試し期間もあるので、気になった方はぜひ試しててくださいね。
以下より詳しくご紹介します。
cocoil(ココイル)の特徴・メリット
1. インナーコイル×ボトムコイルの「2層コイル」
cocoilは、トッパー層にインナーポケットコイル、ボトム層にポケットコイルを使用した2層タイプのポケットコイルマットレスです。
インナーコイルは、しなやかな感触で、高密度で敷き詰められているため、体へのフィット感・体圧分散性が高い寝心地です。
そして、沈み込むとしっかりとしたボトム(ポケットコイル)に支えられます。
こうして2層にわたり荷重が分散されるので、非常にクッション性が豊かです。
「体当たりはふんわりと、沈み込んだらグッと支える」という理想的なバランスです。
2. 体圧分散性が高い「ピロートップ的な」構造
ボトム×トッパーの組み合わせは、「ピロートップ(BOXトップ)」とも言える構造です。
ピロートップは、詰め物(トッパー)をボトムと独立して分けることで、寝た時にかかるマットレスの表面のテンションを和らげ、体圧分散性が高まる効果があります。
以下のアニメーションのように、荷重によってトッパー部分が柔軟に動くため、生地が突っ張りにくく、結果的に体圧分散性が高まります。
ピロートップ(BOXトップ)は、ふんわりとした寝心地が好きな人におすすめです。
3. 「セパレート構造」のため取り扱いやすい
cocoilは、約27cmもの厚みがあるマットレスですが、トッパー層とボトム層が完全に分割している(トッパーをボトムの上に敷く)構造のため、移動やメンテナンスが楽です。
たとえば、トッパーのみにシーツを付ければ、シーツ替えもとても楽にできます。
また、トッパーのインナーコイルはしなやかで高密度仕様のため、折りたたむことも可能です。
なお、公式サイトでは「外干し可能」と紹介されていますが、トッパーに使用しているウレタンフォームは熱や紫外線によって劣化が進みやすいので、干す際には「陰干し」が良いでしょう。
3. カロテノイドを放出する「SKIN+」
トッパーには「SKIN+」というベルギーで特許取得のプロバイオティックテクノロジーを用いた生地を使用しています。
SKIN+は、強い抗酸化作用を持つ成分「カロテノイド」を含み、寝返りなどの摩擦によってカロテノイドが放出するという性能があります。
4. 機能綿「シュレープ」「キュートリー」
トッパーの詰め物には、羽毛と同等の暖かさがある「シュレープ」と、消臭・抗菌・吸湿保温効果がある「キュートリー」という機能綿が使われています。
要するに、衛生面が優れ、羽毛のような寝心地を感じられる詰め物ということです。
5. 硬さ調節可能
トッパーの裏と表で詰め物が異なるので、ひっくり返すだけで硬さ調節ができます。
ソフト面 | ハード面 |
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トッパーのソフト面には、綿(シュレープとキュートリー)があり、ハード面にはありません。そして、ウレタンフォームの厚さも微妙に違います。
大きな違いは綿(シュレープとキュートリー)です。
ハード面は綿(シュレープとキュートリー)がないことによって、フィット感や温かさがあまり感じられないため、夏などの暑い季節に使用することに向いているでしょう。
なお、硬さや反発性の感じ方はそこまで大きくは変わりません。
よって、「ソフト・ハード」というよりも「ウォーム(暖かい)・クール(冷たい)」という表現の方がしっくりくると思います。※ただし、接触冷感などのクール素材は仕様していません
6. 120日のお試し期間付き
cocoilには購入してから120日間のお試し期間があります。
自分に合ったマットレス選びというのは本当に難しいものですが、これだけ長い期間試せるなら安心ですね。
なお、返品に係る送料として、マットレス1点につき、北海道および沖縄県からは11,000円、その他の地域からは1,100円の自己負担があります。
最近では、お試し期間(トライアル)付きのマットレスが多くなっていますが、条件はメーカーによって差があります。
手数料(返送費の自己負担)なしのメーカーもありますので、気になる人は以下の記事もご参考くださいね。
【もっと知りたい人のために】ポケットコイルの仕様を解説(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には「そこまで気にしないでも良いかな?」と思うレベルですが、詳しく知りたい人のためにご紹介します。(よって、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
- コイル高と圧縮率
cocoilで使っているポケットコイルの仕様は以下のとおりです。
▼ cocoilの仕様 | |
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線種 | SWRH-72B C |
密度 | 上層:1,117個、下層:595個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 上層:1.4mm、下層:1.9mm |
コイル高/圧縮率 | 21.6cm/約22% ※下層(当サイト調べ) |
線種
線種とは、スプリング(バネ)自体の仕様・品質を現す「記号」のこと。
ポケットコイルのバネの仕様はメーカーや商品によって差があります。
cocoilは「SWRH 72 B C」という線種を使用。
なお、上記の表示は以下のように解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
なお、cocoilの「SWRH 72 B C」という線種は、1~3万円クラスのマットレスでも多い仕様です。
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネ自体が高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもバネの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
密度
ポケットコイルマットレスにおける密度とは「コイルの量」のこと。
cocoilの密度は「上層が1,117個、下層が595個」です。 ※Sサイズ
上層 | 下層 |
---|---|
密度のレベルの違い・特徴を大雑把にまとめると以下のとおりです。
密度/S | 特徴・意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★cocoilの下層 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
600~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 ★cocoilの上層 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく、むしろ寝心地の差が生まれます。
cocoilは上層が超高密度でジェル的にサポートし、沈み込んだら下層でしっかり支えます。
配列(並行配列)
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
配列の違いもそのマットレスがどのような寝心地を目指しているか?で決められます。
cocoilは並行配列を採用。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、豊かなクッション性が特徴です。
なお、圧縮タイプは基本的に並行配列です。(交互配列は圧縮できません)
線径(1.4mm・1.9mm)
線径とは「バネの太さ」のこと。
太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
cocoilの線径は、上層が1.4mm、下層が1.9mmです。
上層 | 下層 |
---|---|
cocoilは、上層・下層とも「しなやかレベル」の線径ですが、下でご紹介する圧縮率の関係で、下層は結構しっかりめの印象でした。
コイル高と圧縮率
「コイル高」は高くなるほどふんわりとした感触になり、「圧縮率」は高くなるほど耐久性にプラスに働きます。
cocoilの仕様は以下のとおりです。※当サイト調べ
層 | 上層 | 下層 |
---|---|---|
画像 | ||
コイル高 | 約3cm | 約21.5cm |
圧縮率 | 約0% | 約22% |
以上のとおり、上層はほとんど圧縮しないため、線径1.4mmという繊細でしなやかな寝心地を素直に感じられます。
一方、下層の圧縮率は比較的高めなので、線径1.9mmにしては、しっかりとした感触に感じつつ、耐久性を高めています。
多層構造のスプリングコイルマットレスにおけるボトム層は荷重分散性が特に重要なのでは、高圧縮タイプの方が望ましいでしょう。
読み飛ばしOKなのはここまで!
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cocoil(ココイル)の注意点・デメリット
1. 「5パターンの硬さ調整」は無理がある
上の画像のとおり、公式サイトによるとトッパー・ボトムの組み合わせ&単体利用で最大5パターンの硬さ調節ができると紹介されています。
しかし、特にトッパーの単体利用は底付きがあり、クッション性も不十分のため、寝心地は悪いです。
また、ボトムマットレスの単体利用も、味気のない寝心地のため、あえて選ぶ人は少ないと思います。
cocoilは、あくまでトッパー+ボトムで組み合わせたときにパフォーマンスを発揮するマットレスとお考えください。
2. 「詰め物のズレ」が少し気になる
トッパー表層に使われているシュレープは羽毛のようなとても軽い化学繊維のため、荷重をかけると潰れやすく、キルティングの中で動きやすいです。
よって、寝ている際に、詰め物の位置が動くことで、やや違和感(特に膝裏など)を感じました。
そもそもシュレープは羽毛を目指した化学繊維なので、マットレスの詰め物には(軽く潰れやすいため)あまり向かない素材なのかもしれまん。
とはいえ、大きな違和感はないので、慣れればストレスには感じないでしょう。
もしシュレープを使うのであれば、もう少しキルティングが細かくし、移動しにくいようにした方が良かったのかもしれません。
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【体験レビュー】cocoil(ココイル)マットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
ロール状に圧縮されて届きます。
トッパーとボトムがまとめて圧縮されているため、シングルサイズで34.3kg(梱包材含め)と非常に重いです。
力の弱い人は2人以上で部屋まで運ぶことをおすすめします。
開封方法は、まずハサミで外側のビニールを切ります。
開封については、詳しくは以下の動画をご参考ください(4倍速・音声なし)
上の動画のとおりですが、ざっくりとした手順をまとめると以下のとおりです。
- 外側のビニールを剥がす
- マットレスを伸ばす
- 内側のビニールにハサミを入れると膨張が始まる
- 内側のビニールを取り、マットレスを取り出す
- マットレスを覆っている保護カバーを取る
外観
開封直後のcocoilです。
しわが目立ちますが、公式サイトによると1日程度で本来のボリュームに復元されるとのことでしたので、1日後と比較したアニメーションを作りました。
以上のとおり、元の形に復元されていることがわかります。
マットレス自体は十分な厚みがあります。
厚さの公表値は計27cmでしたが、最大で約26cmほどでした。
この差はトッパーとボトムが重なることで中間の詰め物が潰れるためです。
キルティングはシンプルな横方向(ボーダー)タイプです。
上の画像はソフト面が上のため、シュレープ綿によって少し「ふやふや」した感じになっています。
表面の生地はポリエステル100%のしっとりとした触り心地です。
SKIN+は、強い抗酸化作用を持つ成分「カロテノイド」を放出する特殊な技術です。
ニット生地なので伸縮性が高いです。
伸縮性が高い生地は、体の動きをサポートしやすく、体圧分散性も高まります。
マットレスの生地は、技術力に定評があるべカルトデスリー社(本社:ベルギー)のものを使用しています。
フット面には「cocoil」のロゴがあります。
cocoilは、ボトムの裏面では寝られない「片面仕様」です。※トッパーは両面仕様です
表面 | 裏面 |
---|---|
裏面カバーは比較的厚手の生地を使っているため、バネが飛び出てくる心配は少ないでしょう。
品質表示ラベルはこちらです。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
断面は以下のような構造となっています。
- 生地(ポリエステル100%)
- シュレープ
- キュートリー
- ウレタン×2
- インナーコイル
- フェルト
- ウレタン×2
- 生地(ポリエステル100%)
- 表生地(ポリエステル100%)
- 綿
- ウレタン
- フェルト
- 不織布
- ポケットコイル
- 不織布
- 裏生地(ポリエステル100%)
断面はこのとおり、すごい数の多層構造タイプのマットレスです。
多層構造では、それぞれの層で適した性能を発揮できることと、スキマが多くなるため通気性が高くなる点がメリットです。
それでは構造を詳しく見ていきましょう。
生地の下には綿(上層がシュレープ、下層がキュートリー)が入っています。
かさ高もあり、ふんわりとした感触です。
シュレープの下には2層のウレタンフォームがあります。
かなりやわらかめウレタンです。
続いてインナーコイル。
高密度かつ、ほとんど圧縮されていないコイルのため、非常にしなやかな感触です。
一般的なスプリングコイルのような硬さはなく、片手で簡単につぶせるほどのやわらかさです。
トッパー裏面は、シュレープ(綿)がなく、フェルト×薄いウレタンという構造です。
よって、裏面を表にして寝ると、インナーコイルの反発力を感じやすい寝心地になります。
続いてボトムです。
ボトムの詰め物は綿・ウレタン・フェルトという非常にシンプルな構成をしています。
芯材は線径1.9mmのポケットコイルです。
ポケットコイルの下には不織布があり、最下層の裏面カバーが見えます。
裏面カバーは比較的厚手なので、ポケットコイルが飛び出してくる心配も少ないでしょう。
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【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価した以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ cocoil(ココイル)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.58 |
仰向き寝 | 4.0 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 3.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 5.0 |
バネ当たりのなさ | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 2.04 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の約60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「4.0」
シュレープによって、体圧分散性が高いふんわりとした寝心地に感じられます。
シュレープが良い意味ですぐにつぶれるため、インナーコイルの寝心地をダイレクトに感じやすいです。
インナーコイルはシングルサイズで1,127個という超高密度仕様で、線径が細く、圧縮率も低いため、非常にしなやかです。よって、バネが当たるような感触がありません。
それでいて、スプリングコイルならではのクッション性の豊かさや、適度な反発性も感じられ、快適です。
また、ボトムのポケットコイルが加わることで、より荷重分散性が高まります。
結果的に、まるで高級ホテルのような深いストロークが味わえる寝心地に感じました。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「4.0」
トッパーとボトムが完全分離している仕様(ピロートップとも言える仕様)なので、深い沈み込みに対してもトッパー層がしなやかに反応し、表面にツッパリ感がなく、快適です。
インナーコイルはコイル(鉄線)なので、バネが気になるかな?と想像していましたが、上でお伝えしたとおり、超高密度でしなやかな仕様のため、ほとんどバネの存在は感じませんでした。
結果的に、仰向きでも横向きでもストレスなく寝られるよく考えられた仕様で、このバランス感は主にトッパーによって得られているのでしょう。(トッパー単体で売って欲しい!)
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「4.0」。
特に反発力が高い素材を使っているわけではありませんが、インナーコイルによって寝姿勢が整い、体の動きも適度にサポートしてくれるので、寝返りにストレスは感じませんでした。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「3.0」
外周が強化された仕様ではないため、特にトッパー部分では沈み込みやすいです。
ボトムのコイルは圧縮率が高めのため、線径のスペック(1.9mm)にしては、沈み込みにくくなっています。
端ギリギリで寝ない限りでは、寝返りで落ちることはなさそうなレベルです。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング®)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「3.5」
かなりの多層構造のため、湿気が逃げやすく、実際に寝ていても蒸れにストレスを感じることはありませんでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「4.0」
結論から言うと、cocoilは8~10年くらいの耐久性があると想定します。
cocoilは約100kgの荷重を8万回繰り返し圧縮する試験(JIS規格)をクリアしています。
一般的に「8万回圧縮試験をクリア」と表現しているマットレスは大体8~10年くらいの耐久性と表現されることが多いですが、試験は経年変化を考慮しないものなので、あくまで参考値です。
とはいえ、高圧縮ポケットコイル・高密度インナーコイルなど、しっかりした仕様をしているため、長期使用でも不安は少ないでしょう。
なお、保証期間は5年です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「4.0」
生地には「SKIN+」が使われているので、カロテノイドの放出により抗酸化作用があります。
また、詰め物には消臭・抗菌性がある「キュートリー」を採用しているので、衛生機能が高いマットレスと言えるでしょう。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「3.0」
cocoilの総重量は約30kgで、一般的なマットレスと比べて「かなり重い」です。
しかし、ボトムとトッパーが分かれているため、シーツメイキングや陰干しなどのメンテナンス性を考えると取り扱いにくいタイプではありません。
とはいえ、総重量の重さや廃棄しにくさを考えた場合、手軽さは感じにくいでしょう。
なお、スプリングコイルマットレスのため、捨てる際には基本的には粗大ゴミです。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントです。
評価は「2.04」
cocoil(ココイル)の定価はシングルサイズで98,000円です。これはマットレス市場全体で考えると「やや高め」の価格帯です。
とはいえ、お試し期間付きで、2重コイル(しかも高密度タイプ)ということを考えるとコストパフォーマンスとしては決して悪くはありません。
10. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
cocoilは「ふつう」くらいの寝心地です。
まず、トッパーとボトムが分かれているため、ほぼピロートップと言える仕様です。
ピロートップの特徴は「詰め物が豊富に入れられる」こと。
cocoilでも、トッパーは、シュレープやキュートリー、細い線径(かつ低圧縮)のインナーコイルを使用しているため、トッパー自体はかなりソフトです。
沈み込んだらボトム層のノーマルなポケットコイルマットレスにグッと支えられるため、最終的な硬さとしては「ふつう」くらいに落ち着きます。
なお、トッパーの表裏で硬さはやや変わりますが、シュレープとキュートリーのあり・なしが主な違いのため、硬さよりも保温性やフィット感の差に違いを感じます。(硬さはそこまで変わりません)
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、5くらいの硬さだと感じました。
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似ている商品との比較
cocoil(ココイル)と似たコンセプトの、
- ポケットコイル仕様
- 長期のお試し期間付き
という条件の2モデルと比較してみます。
メーカー/モデル | ①cocoil | ②NELLマットレス | ③エマ・ハイブリッド V2 |
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画像 | |||
タイプ | 2層ポケットコイル | 超高密度ポケットコイル | ハイブリッドポケットコイル |
コイル数 (Sサイズ) | シングル~ダブル | シングル~キング | |
仕様 | 片面 | 両面 | 片面 |
衛生加工 | SKIN+、キュートリー | キュートリー・防ダニ | – |
保証期間 | 120日 | 100日 | |
返送費用 | 自己負担あり | なし(メーカー負担) | |
保証 | 5年 | 10年 | |
価格 (Sサイズ) | 98,000円 | 75,000円 | 133,000円 |
リンク | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
比較商品② NELLマットレスの特徴は?
NELLマットレスは、日本のベンチャー企業である株式会社Morghtが福岡県大川市にある老舗マットレス設計会社と共同開発したマットレスです。
シングルサイズあたり約1,200個ものコイルを搭載した超高密度タイプのポケットコイルマットレスで、腰部分と端を強化したゾーニング仕様が特徴。寝返りのしやすさと端の落ち込みを軽減させる工夫を凝らしています。
ポケットコイルによるセンターハード(中央強化)のゾーニングのため、ストレスない寝返りが実現されています。
両面仕様で、抗菌防臭・防ダニ・消臭といった衛生加工もあるため、隙の無い仕様と言えるでしょう。
120日のお試し期間付きで、さらに返品時の送料負担もありません。
寝心地としては、cocoilよりも硬め(10段階中6.5くらい)です。
比較商品③ エマ・マットレス ハイブリッド V2の特徴は?
エマ・スリープはドイツ発の海外マットレスブランド。2015年に欧州で発売以降、数々のアワード(表彰)を獲得していて、世界的な高評価を得ています。2021年よりついに日本でも販売開始されました。
このエマ・マットレス ハイブリッド V2は、高反発×低反発×7ゾーンポケットコイルという贅沢な仕様(トリプルハイブリッド)が特徴で、寝姿勢保持、寝返りサポート、衝撃吸収性など、マットレスに必要な基本的な性能がバランスよく備わっていることがポイント。
他の2商品(cocoil、NELLマットレス)に比べて、ウレタンフォームで寝心地の中心を作っている感じです。
方向性が違う素材(高反発・低反発・スプリングコイル)を使用しているので、それらが合わさった奥行きがある寝心地を得られる点も魅力です。
100日のお試し期間付きで、さらに返品時の送料負担もありません。
寝心地としては、cocoilよりも少し柔らかめ(10段階中4.5くらい)です。
どれがおすすめ?
「ポケットコイルの寝心地が好きな人」はNELLマットレスがおすすめです。詰め物も多くなく、寝心地の中心を高密度ポケットコイルで作っています。また、センターハード仕様なので、腰の落ち込みが気になる人にも合うでしょう。
「揺れにくいマットレスが良い人」はエマ・マットレス ハイブリッド V2がおすすめです。衝撃吸収性が最も高い素材といえばウレタンフォームで、その中でも低反発フォーム(メモリーフォーム)は、最も揺れにくい寝心地です。ウレタンフォームを中心に寝心地を作っているので、『ウレタンマットレスを使っているけど、ポケットコイルも試したい』という人に入門編としてもおすすめできます。
「ホテルのようなリッチな寝心地が好きな人」はcocoil(ココイル)がおすすめです。コイルを2つ重ねたダブルクッションと、ボトムとトッパーが分かれたピロートップという仕様は高級ホテルで採用されるマットレスに多いです。荷重分散性が高く、ふんわりしつつしっかり支えてくれる高級ホテルらしい寝心地が得られるでしょう。
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cocoilはどこで買うのがお得?
cocoilは公式サイトのみ、購入が可能です。※Amazonや楽天市場などのモール店には出店していません
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
また、cocoilの場合、2層(分離)タイプのため、マットレス2台分の粗大ごみ料金がかかるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。
「cocoil(ココイル)」をご紹介しました。
超高密度のインナーコイルを搭載したトッパーと、ポケットコイル仕様のボトムを組み合わせた2層式マットレスです。
2層コイルならではのクッション性の豊かさと、ピロートップのような体圧分散性が得られ、高級ホテルにある高級マットレスのような方向性で作られています。
実際の寝心地としても、奥行きがあるリッチな寝心地に感じられ、仰向き・横向きでもどちらでも快適に寝られるバランス感が素晴らしいと思いました。
また、この本格仕様で120日のお試し期間が付いているのはうれしいですね。気になった方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。