ドロップマット構造のローベッド

マットレスが深く沈み込む

この記事では、LOWYA(ロウヤ)の「ドロップマット構造のローベッド」をレビューします。

レビュー方法について

実物を体験したものではなく、仕様・デザイン・価格などのスペックをもとにレビューしています。

筆者はベッドメーカーに勤めていた経験があり、販売ページ上の情報(素材や構造)で、ある程度の使用感がわかります。

よって、この記事は「ベッド業界歴10年以上の経験をもとに読み解いた商品レビュー」とお考えください。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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このベッドの基本情報

ドロップマット構造のローベッド

メーカーLOWYA
タイプローベッド(フロアベッド)
サイズSD~D
主な素材プリント紙化粧繊維板
ヘッドボードパネル
価格
(SDサイズ)
22,990円
おすすめシーンスタイリッシュな雰囲気が好き、生活感を抑えたい

このベッドを見てみる

【このベッドの総評】かっこいいが、マットレスの厚さに注意

椚大輔椚大輔

マットレスをフレームの中に落とし込む「ドロップマット構造」のローベッドです。デザイン的にマットレスを深く沈み込ませることによって、生活感が抑えられ、おしゃれな雰囲気を演出できることがポイントです。

ただし、フレームとマットレスがほとんど同じ高さになるためには、マットレスの厚さに注意する必要があり、本商品の場合は、厚さ15cm前後のマットレスが最適となります。※本商品はスプリングコイルマットレスが推奨です

しかしながら、厚さ15cm前後のスプリングコイルマットレスで寝心地を追求するのは難しく、かといって、マットレスを厚くするとデザイン性のバランスが崩れるというトレードオフに悩まされる点が最大のデメリットです。

要するに、「デザイン性(薄いマットレス)」と「寝心地(厚いマットレス)」のどちらかしか選べません。

もちろん、厚いマットレスを合わせた際のベッド全体のデザインに満足いく場合は、厚いマットレス(寝心地が良いマットレス)を合わせることがおすすめです。

このベッドの特長・メリット

1. マットレスが深くはまるデザイン

ローベッド(フロアベッド)の中では、サイドフレームとフットボードが高めに設計されているため、マットレスが深くはまるデザインが特長です(ドロップマット構造)。

マットレスが見えないことで、生活感が抑えられるので部屋がすっきりとした印象になります。

2. ちょっとした小物が置けるステージ

サイドフレームがステージ仕様になっています。スマホや目覚まし時計など、ちょっとした小物を置くことに便利です。

しかし、ステージがある分、横幅が広くなるので、コンパクトさを求める人は違う商品の方が良いでしょう。

このベッドのデメリットと注意点

1. マットレスの厚さに注意(寝心地を追求しにくい)

【総評】でお伝えしたとおり、最大のデメリットは「マットレスの厚さ制限」です。

床板(すのこ)からサイドフレームの高さが14cmのため、このベッドフレームのデザイン性を活かすなら、マットレスの厚さは15cm前後が最適です。

つまり、15cm前後から大きく離れる厚さ(10cmや20cm)などのマットレスを置いた場合、デザイン性が崩れます。

なお、本商品はスプリングマットレスの使用を推奨していますが、正直、厚さ15cm程度のスプリングコイルマットレスに寝心地の良さを求めるのは難しいです。

また、セット販売されているマットレスは、価格訴求タイプのボンネルコイルマットレス(厚さ15.5cm)なので、あまり寝心地は期待できません。

ボンネルコイル
価格訴求タイプのボンネルコイルマットレス(揺れやすくしなやかさがない寝心地で、特に日本人には合わないと言われます)※画像は別の商品

ちなみに私が体験してきた中で「厚さ15cmレベルのスプリングコイルマットレス」という条件では、nerucoの「Zマットレス」が最も良かったです。

Zマットレスの内部構造
neruco「Zマットレス」の構造

しかし、寝心地にこだわりたい場合は、Zマットレスでもまだまだ足りないと思います。

より寝心地にこだわりたい人は、薄型のマットレス(こちらもnerucoが良かったです)に高品質なトッパー(たとえば、マニフレックス「VIROBLOCK トッパー」や、SOMRESTAマットレストッパー)などを合わせていくと、かなり寝心地は良く感じるはずです。ご参考になさってください。

※LOWYAさんのベッドフレームとの相性(耐久性や厚さのバランスなど)は保証いたしかねますので、あくまで自己判断でご検討ください

2. マットレスシーツがはめにくい

マットレスが深く沈み込むタイプのため、パッドやシーツなどのベッドメイキングがしにくいです。ベッドメイキング時には基本的にマットレスを持ち上げて作業する必要があります。

3. シングルサイズが選べない

サイズ展開が「セミダブル(マットレス幅120cm)」と「ダブル(マットレス幅140cm)」の2つのみです。一般的に需要が多い「シングル(マットレス幅97cm)」は選べません。

このベッドの評価(7つの項目)

評価について

当サイトではおすすめ商品を決めるために、独自の基準で各項目を評価し、点数付けをしています。>>>点数の付け方について

▼ このベッドの評価
総合評価3.38
価格4.00
機能性2.0
デザイン性4.0
耐久性3.0
通気性3.0
素材の質3.0
組み立ての簡単さ3.0

※目安は「3.50」以上が高評価です

1. 価格

  • 評価は「4.00」※価格評価のみ小数点第二位まで

セミダブルサイズで22,990円は、ベッドとしては「かなり安め」の価格帯です。『大きめサイズで安いベッドフレームを探している』という人にぴったりです。

2. 機能性

  • 評価は「2.0」

ヘッドボードはありますが、背もたれとしては使うには低いです。機能性としては、ステージ部分を小物置きとして活用できるくらいです。

3. デザイン性

  • 評価は「4.0」

マットレスの厚さが15cm前後の場合、ベッドフレームにしっかりと囲われるため、スタイリッシュな雰囲気が演出できます。

4. 耐久性

  • 評価は「3.0」

耐荷重は約140kgなので「ふつうレベル」の数値です。体重が重い人が二人で使う場合など、耐荷重オーバーになることもあるので、ご注意ください。

5. 通気性

  • 評価は「3.0」

床板はすのこ仕様なので通気性は高いですが、床との隙間が少ないため、空気の流れはそこまで良くはありません。蒸れが気になる人は、マットレスの下に除湿シートなどを敷くことをご検討ください。

6. 素材の質

  • 評価は「3.0」

プリント紙(天然木ではない)なので、低価格のベッドフレームとしては「ごく普通な素材の質」です。

7. 組み立ての簡単さ

  • 評価は「3.0」

ヘッドボードの組み立ては不要ですが、すのこの組み立てが必要なので、少し面倒に感じるかもしれません。とはいえ、一般的なベッドフレームの中では組み立ては比較的シンプルで簡単なタイプだと思います。※組立の難易度は人によって感覚が異なります

選べるマットレスは1つ

本商品にセットできるマットレスは以下の1種類です。

マットレスセットセット価格(SDの場合)
ボンネルコイルマットレス+12,990円

体験したわけではありませんが、仕様を考えるとセットで選べる「ボンネルコイルマットレス」は、想定する寝心地的にあまりおすすめできません。

なお、本商品はスプリングマットレスの使用を推奨していますが、正直、厚さ15cm程度のスプリングコイルマットレスに寝心地の良さを求めるのは難しいです。

なお、スプリングコイルマットレスで寝心地の良さを求める場合、厚さ20cm以上は必要です。

椚大輔椚大輔

他のメーカーでも検討可能なら、以下の記事で価格帯別のおすすめマットレスをまとめているので、参考にしてくださいね。

似ているローベッドとの比較

商品LOWYA
(本商品)
BED STYLE
(比較商品)
画像ドロップマット構造のローベッドBED STYLE
サイズSD~DS~D
フレーム囲み型
(ステージあり)
囲み型
ヘッドボードパネル
(高さ:38cm)
パネル
(高さ:32.5cm)
床面すのこ
価格
(SDサイズ)
22,990円約60,000円
リンク楽天市場公式サイト
椚大輔椚大輔

「パネルヘッドボードでドロップマット構造のローベッド」という条件で比較します。

比較商品はドロップマット構造ですが、特にマットレスとの高さを合わせようとしていないデザインなので、マットレスは厚くても問題ありません。ただし、仕様にしては価格が高すぎるので、積極的には選ばなくても良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか。

LOWYA(ロウヤ)の「ドロップマット構造のローベッド」をご紹介しました。

フレームにマットレスが沈み込む「ドロップマット構造」のローベッドです。

マットレスがしっかりと沈み込むことで、フレームとの一体感が生まれ、美しいデザイン性を感じられます。

一方、注意点はマットレスの厚さです。

構造上、マットレスの厚さ15cm前後でないと、マットレスがフレームに沈み込まず、一体感が生まれません(マットレスが薄すぎても見た目がおかしいです)。

マットレスをセットでも選べますが、価格訴求タイプのボンネルコイルマットレスのため、寝心地の良さには期待できないでしょう。

すでにご紹介したとおり、個人的には「寝心地が良い薄型のポケットコイルマットレス(厚さ10cm前後)」に「高品質なマットレストッパー(厚さ5cm程度)」を組み合わせることが、寝心地と見た目(デザイン性)の両方を満足させることができると思います。

ただし、セットでは選べないため、個別(他メーカー含め)で選んでいくことになりまし、フレームとの相性が保証できないことには懸念が残ります。

とはいえ、デザイン性(マットレスが深く沈み込む見た目)を気にしなければ、構造的にはある程度どんなマットレスを乗せても問題は生まれなさそうですので、寝心地を追求した人は、思い切って分厚いスプリングマットレス(厚さ20cm以上)を乗せてしまっても良いとも思います。

となると、大きなデメリットはないので、『安くてスマートなデザインのベッドフレーム』を探している人は、ぜひご検討ください。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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椚大輔椚大輔

マットレスのおすすめ選び方を知りたい人は、以下の記事もご参考くださいね。