コスパ優秀な薄型マットレス
この記事ではネルコンシェルジュ(neruco)の「オリジナル薄型ポケットコイルマットレス」をご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
neruco「薄型ポケットコイルマットレス」の基本情報
メーカー | ネルコンシェルジュ(neruco) |
---|---|
サイズ | セミシングル~セミダブル ※ショート丈あり |
クッション材 | ポケットコイル ※圧縮梱包 |
カラー | ホワイト |
価格 (Sサイズ) | 11,490円 |
保証期間 | 3年 |
メーカーの「ネルコンシェルジュ(neruco)」とは
ネルコンシェルジュ(以下「neruco」)は、日本最大級のベッド専門店。
運営しているのは株式会社インテリアオフィスワン(東証プライム上場企業「ニッケ」のグループ会社)です。
中でも、自社開発のオリジナル商品「neruco Orijinal」は、コストパフォーマンスが抜群に良く、なるべく低価格でベッドを探している人はぜひチェックした方が良いでしょう。
nerucoでは、ベッドフレーム・マットレスとも、1万円台から買えるモデルが特に人気です。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.55 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 2.5 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 4.90 |
硬さ | やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
【総評】バランスの良い寝心地!価格から考えると満足感が高い
本商品は厚さ11cmの「薄型マットレス」というジャンルです。
薄型マットレスは、一般的なベッドマットレス(厚さ20cmくらい)よりも、取り扱いやすく、ロフトベッドや二段ベッドなどでも使いやすいという特徴があります。
一方、薄型マットレスは、薄いゆえの、圧迫・底付きを感じやすいことが一般的なデメリットです。
しかし、本商品では、しなやかなスプリング(線径1.9mm)を高圧縮にしたポケットコイルを使用しているため、仰向きでの寝姿勢保持性も良く、圧迫感が生まれやすい横向きでも寝やすいです。
また、沈み込んでもグッと押し上げる反発力によって、底付きを感じにくい寝心地が実現されています。
さらに、やや硬めの寝心地に仕上げているため、寝返りしやすく、カバーがメッシュ生地なので通気性も抜群です。
気になった点としては、詰め物が薄いため、バネ当たりをやや感じることですが、厚手のシーツやパッドなどを敷けば問題ないでしょう。
詰め物やスプリングの品質から考えて、10年以上を超えるような長期使用は期待できませんが、何より価格が約1万円から買えるので、学生さんやお子様用にもおすすめです。
本商品の特徴・メリット
1. ポケットコイル
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルは、スプリング(バネ)をひとつひとつ不織布で包んでいる構造をしています。
ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、体圧分散性も高いです。
ポケットコイルは「静かな寝心地」と評され、特に日本人に好まれる寝心地だと言われています。
2. 薄型タイプ
すでにご紹介したとおり、本商品は厚さ11cmの「薄型マットレス」というジャンルです。
薄型マットレスは、ロフトベッドや二段ベッドなど、マットレスの厚さ制限があるベッドフレーム(10cm前後が多い)でも設置しやすく、高さがあるチェストベッド(大型収納ベッド)などでも圧迫感なく使用できることが魅力です。
軽いため、手軽に取り扱えることもメリットです。
たとえば廃棄時にも、粗大ごみ置き場に自分で持っていきやすいです。
3. 通気性が抜群(メッシュ生地)
カバー全面がメッシュ生地になっています。(裏面は除く)
メッシュ生地は、すべての生地の中で最も通気性が高く、それが全面に施されている仕様のため、通気性の良さは抜群です。
側面カバーのみのメッシュ仕様はよくありますが、表面(寝る面)までメッシュ生地なのは珍しいです。
4. 安い
本商品の価格はシングルサイズで「11,490円」です。
約1万円でこのレベルの寝心地が手に入るのであれば、コストパフォーマンスとして十分満足いくマットレスだと思います。
学生さんや新社会人の方でも、手が届きやすい良心的な価格ですね。
【もっと知りたい人のために】ポケットコイルの仕様を解説(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には「そこまで気にしないでも良いかな?」と思うレベルですが、詳しく知りたい人のためにご紹介します。(よって、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
- 圧縮率
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
線種 | SWRH 72 B B |
密度 | 450個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 1.9mm |
圧縮率 | 約35% |
線種
線種とは、スプリング(バネ)自体の仕様・品質を現す「記号」のこと。
ポケットコイルのバネは硬鋼線(こうこうせん)と呼ばれる素材で作られ、その仕様はメーカーや商品によって差があります。
1~3万円クラスのマットレスには「SWRH 72 B C」あたりの線種が使われることが多いのですが、本商品は「SWRH 72 B B」という線種を採用。
例えば上記のような「SWRH 72 B C」という表示は以下の通り解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
本商品の線種「SWRH 72 B B」は「価格相応」とお考えください。
密度
ポケットコイルマットレスにおける密度とは「コイルの量」です。
メーカー各社でコイルの量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下の通りです。
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
600~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に大きな差はなく(バネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
本商品は450個/Sなので、「最低限の耐久性が実現できる密度」とお考えください。
配列(並行配列)
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
配列の違いもそのマットレスが「どのような寝心地を目指しているか?」で決められます。
本商品は並行配列を採用。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、豊かなクッション性を感じられます。本商品でもそのような特徴的な寝心地が感じられました。
余談ですが、本商品のような「圧縮梱包タイプ」のポケットコイルマットレスは、基本的に並行配列です。(交互配列は圧縮できないため)
線径(1.9mm)
線径とは「バネの太さ」のこと。
太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
本商品の線径は1.9mmです。よって、どちらかと言えばしなやかな寝心地が実現されています。
コイル高と圧縮率
「コイル高」は高くなるほどふんわりとした感触になり、「圧縮率」は高くなるほど耐久性にプラスに働きます。
本商品のコイル高は約11cm、スプリングの圧縮率は約35%です。
この仕様は、
- コイル高は「低め」
- 圧縮率は「高め」
です。
圧縮率が一般的なポケットコイルよりもかなり高く、耐久性にプラス要素とお考えください。
読み飛ばしOKなのはここまで!
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本商品のデメリット
1. 片面仕様
本商品は、裏面に詰め物がない「片面仕様」です。
片面仕様は両面仕様に比べて、「表裏のローテーションNG」「荷重分散性が低い」という点で、耐久性が劣ります。
より耐久性が高いマットレスが良い場合は、両面仕様モデルを選びましょう。
2. 折りたためない
薄型のマットレスには、三つ折りや四つ折りに折りたためる商品もありますが、本商品は折りたためません。
ただし、折りたたみ機能は、移動や収納に便利なだけなので、そうした用途がない人にとっては、デメリットではありません。
3. バネ当たりがある
バネ当たりとは、寝ていてバネの存在を感じることです。
バネの存在を感じると、寝ていて違和感を覚える場合があるため、基本的にバネ当たりがない商品の方が良いです。
本商品のバネ当たりの原因は、詰め物が約2cmと、かなり薄いことです。
しかし、これは格安マットレスにはよくあることで、ある意味「許容すべきデメリット」とも言えます。
なお、ある程度厚手のシーツやパッドを敷くことで、バネの存在は感じにくくなるので、もし気になったら試してみてください。
格安マットレスの特徴は以下の記事で詳しくご紹介しています。
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【体験レビュー】neruco「薄型ポケットコイルマットレス」を実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
段ボールでなく、ビニール袋に入って届けられます。
まずは、外袋(ビニール)を切り、中身を取り出します。
このとき、中身のマットレスの袋まで切らないようにご注意ください。(マットレスの袋まで切るとその瞬間から膨張が始まります)
中身はマットレス本体と取扱説明書(保証書)の2点です。
本商品の保証期間は3年です。
重さは約17kg(シングル)なので、持ち運びにストレスは感じませんでした。
マットレスを開けていきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観
開封直後でも比較的しっかりと復元され、すぐにでも使えます。
説明書には「本来の厚さになるまで1週間ほどかかる場合がある」とのことでしたので、4日経過した状態を比較したアニメーションを作りました。
このとおり、4日経つとボリュームが完全に復元されました。
キルティングはダイヤ型のデザインです。
表面の生地はポリエステル100%を使用。
さらさらとした感触で、メッシュ生地なので通気性が抜群です。
生地のアップはこんな感じです。
伸縮性はふつう程度です。
押すと比較的すぐにバネの存在を感じます。
フット面に「neruco」のロゴと、品質表示ラベルが付いていました。
品質表示ラベルはこちら。
なお、ラベルは写真上、見栄えが良くないため、この記事では切って撮影を進めます。
厚さはこれくらいです。
公表値は11cmでしたが、約13cmの厚さが確認できました。
本商品は表面のみに寝られる「片面仕様」です。※裏面には詰め物がありません
表面 | 裏面 |
---|---|
裏面カバーはすべりにくい不織布仕様です。
生地のアップはこちら。
厚手の生地なので、バネが裏面から飛び出してくる心配も少なそうです。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
ポケットコイルの上には詰め物が施されています。
上から、
- メッシュ生地
- ポリエステル綿
- ウレタン 5mm
- 不織布
- フェルト
- ポケットコイル
- フェルト
- ハード不織布
という構造です。
詰め物は約2cmほどなので、「詰め物がかなり少ないタイプ」です。
生地の真下にはポリエステル綿とウレタンフォーム(5mm)があります。
その下にはバネ当たりを軽減する目的でフェルトが入っています。
ポケットコイルの高さは110mmほどでした。
ポケットコイルの下には、厚手のフェルト(白色)があります。
厚手のフェルトを入れることで、スプリングにかかる負荷を軽減し、裏面にバネが飛び出しにくくしています。
なお、低価格帯のポケットコイルマットレスでは、裏面の仕様を手抜きしている場合もあるので注意が必要です。
同じ「片面仕様」でも作りが全然違うこともあります。
特に裏面の仕様などは見逃しがちなので、注意しましょう。(本商品は安心できる仕様です)
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【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.55 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 4.0 |
寝返り | 3.5 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 2.5 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 4.90 |
硬さ | やや硬め |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の約60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「3.5」。
高圧縮のポケットコイルならではの「沈み込んだらグッと押し返す反発力」があり、寝姿勢をしっかりと保持してくれます。
体を持ち上げてくれるため、薄型ながら底付きもありませんでした。
ただし、バネの存在は多少感じます。特に「かかと」あたりが気になりました。
気になったら厚手のパッドやシーツで調節しましょう。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.0」。
しなやかなスプリングによって体を支えるため、薄型マットレスにしては、深く沈み込んでも圧迫感を感じにくかったです。
とはいえ、多少のバネ当たりを感じたりするため、「横向き寝に最適」とは言いづらい寝心地です。
横向き寝が中心の人で、薄型マットレスを探している場合、「横寝ケアマットレス スリープクリニック(西川)」という商品もあります。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、逆に寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「3.5」。
反発性が高い詰め物を使っているわけではありませんが、硬めの寝心地、かつ、並行配列ならではのスプリングの動きの良さにより、寝返りはしやすかったです。ほどよい反発性・サポート性といった感じです。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「3.0」。
外周を強化した仕様ではありませんが、薄型×高圧縮ポケットコイルという仕様のため、端の沈み込みは気になりませんでした。(基本的にマットレスは薄いほど、端の寝心地が変わりにくいです)
ただし、座るなどの荷重が集中する姿勢の場合、底付くまで深く沈み込みます。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「4.0」。
生地が「メッシュ生地」のため、通気性は良いです。
メッシュ生地は数ある生地の中でも最も通気性が高いタイプです。
基本的にポケットコイルマットレスは側面方向へ通気するので、特に側面の仕様がマットレス全体の通気性に影響します。
さらに本商品は表面もメッシュ生地という高通気仕様です。
実際に寝た印象でも、蒸れは気になりませんでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物の仕様によっては減点します(綿や低密度ウレタンなどは早くヘタリやすい)。
評価は「2.5」。
本商品は、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)に合格しています。
ただし、片面仕様で、表裏のローテーションができないという点が耐久性としてはマイナス評価です。
また、スプリングの線種や密度、詰め物のなどを考えると、仕様上はそこまで耐久性の高さを期待できるものではないと思います。(5年前後と想定しています)
なお、保証期間は3年です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
生地や素材に衛生加工(抗菌防臭や防ダニ等)はされていません。
とはいえ、衛生加工があるマットレスの方が少ないので、評価値としては「3.0(ふつう)」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びのしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「4.0」。
本商品の重量はシングルサイズで17kgです。
筆者(30代・男性)の力では「持ち運びはストレスなく可能」なレベルです。
ロフトベッドや二段ベッドの上段などにも、問題なく設置できると思いますし、捨てる時にも粗大ごみ置き場などに持っていきやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで総合評価値につながります。
評価は「4.90」。
本商品の価格はシングルサイズで11,490円。マットレス市場全体から考えると「かなり安い」価格です。
低価格にも関わらず、寝心地も良好なので、価格以上の価値を感じられると思います。
10. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は硬さは「少し硬め」くらいの寝心地です。
詰め物は計5mmのソフトウレタンフォーム+綿(ワタ)で構成されているため、体当たりは「やや柔らかめ」の仕様です。
ですが、沈み込みはすぐに下層のポケットコイルに到達するので、寝心地の中心をポケットコイルで作っているとお考えください。
肝心のポケットコイルは、中密度(450個/S)・線径1.9mm・圧縮率約35%といった仕様です。
要するに沈み込んだら、しなやかなスプリングのフィット感を味わえつつ、グッと押し返すような反発力も感じられます。
結果的に「スプリングによる硬めの寝心地」というのが本商品の硬さです。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)「7くらい」の硬さだと思いました。
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他の「nerucoオリジナルマットレス」との違いは?
nerucoのオリジナルポケットコイルマットレスは、以下の3つのモデルがあります。
- 薄型 (厚さ11cm)※本商品
- 三つ折り(厚さ11cm)
- Zマットレス(厚さ15cm)
- バリューポケット(厚さ20cm)
モデル | 薄型 | 三つ折り | Zマットレス | バリューポケット |
---|---|---|---|---|
画像 | ||||
梱包 | 圧縮 | |||
厚さ | 11cm | 15cm | 20cm | |
仕様 | 片面 | |||
配列 | 並行 | |||
コイル数 | 450個 | 465個 | 512個 | |
線径 | 1.9mm | 2.0mm | ||
折りたたみ | × | 〇 | × | |
メッシュ | 〇 | × | 〇 | |
硬さ | やや硬め | 硬め | ふつう | |
サイズ | SS~SD | S~D | SS~D | SS~K |
ショート丈 | 〇 | × | × | 〇 |
ロング丈 | × | × | 〇 | 〇 |
価格 | 11,490円 | 13,490円 | 10,490円 | 12,990円 |
リンク① | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
リンク② | ※本記事 | – | レビュー記事 | レビュー記事 |
※コイル数、価格はシングルサイズの場合で表記
どれがおすすめ?
結論から言うと、当サイトとしては、薄型ポケットコイルかバリューポケットコイルをおすすめします。
薄型ポケットコイル | バリューポケットコイル |
---|---|
寝心地については、Zマットレスが最もバネ当たりを感じ、生地の通気性や伸縮性も、薄型とバリューに比べると劣ります。(三つ折りはZマットレスと同じ生地です)
価格は、三つ折りが一番高価格です。
しかし、寝心地を考えると、最もコストパフォーマンスが良いのがバリューポケットと評価します。(ただし、移動や収納のしやすさが必須条件なら三つ折りを選ぶしかないでしょう)
要するに、薄型であることが必須条件なら「薄型ポケットコイル」、寝心地の良さ(コスパの高さ)を追求するなら「バリューポケット」といった形でご検討いただくのがおすすめです。
モデル | こんな人におすすめ |
---|---|
薄型ポケットコイル(おすすめ) | 薄いことが最優先 |
三つ折り | 移動・収納のしやすさが大事 |
Zマットレス | とにかく安いマットレスを探している |
バリューポケット(おすすめ) | 寝心地が良く、コスパを高さを求める |
似ている商品との比較
本商品と同様の「薄型のポケットコイルマットレス」という条件で、似た商品を比較します。
メーカー/モデル | ①neruco/薄型ポケットコイル | ② ニトリ/薄型ポケットコイル | ③エコサ/エッセンシャルマットレス |
---|---|---|---|
画像 | |||
硬さ | 少し硬め | 硬め | ふつう |
厚さ | 11cm | 10cm | 12cm |
コイル数 | 450個 | 420個 | 推定476個 |
線径 | 1.9mm | 2.3mm | 1.8/2.0/2.2mm ※ゾーニング |
ゾーニング | × | 〇 | |
保証 | 3年 | 1年 | 15年 |
お試し期間 | なし | 100日 | |
サイズ | SS~SD | S~SD | S~D |
価格 | 11,490円 | 13,900円 | 24,000円 |
リンク | 公式サイト | 楽天市場店 | 公式サイト |
※コイル数、価格はシングルサイズの場合で表記
衛生面で選ぶなら②ニトリ
ニトリとTEIJINがコラボした薄型マットレス。低密度(420個/S)なので耐久性や寝心地に不安はありますが、詰め物に抗菌防臭・防ダニ綿が搭載されているので、衛生面にこだわりたい人におすすめです。
保証の条件で選ぶなら③エコサ
エコサはオーストラリア発の寝具ブランド。価格は高めですが、比較商品中、唯一、無料お試し期間(100日)があり、さらに保証が15年なので安心できる条件で買い物ができます。
寝心地・仕様・価格のコストパフォーマンスの高さで考えた場合、①neruco(本レビュー記事)がおすすめです。
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まとめ
いかがでしたか。
nerucoの「薄型ポケットコイルマットレス」をご紹介しました。
薄型にも関わらず、仰向きでも横向きでも寝心地が良く、やや硬め・高圧縮ポケットコイルによって、寝返りもしやすいバランス感が良好なマットレスです。
1点、最大のデメリットは「バネ当たり」ですが、気になる人は厚手のシーツやパッドなどで調節すれば問題ないでしょう。
耐久性としては、仕様上、長期間の使用はそこまで期待しにくいですが、約1万円で買える格安マットレスとしては、このあたりが限界だと思います。
『薄いマットレスを、なるべく低価格で探している』
という人は、ぜひご検討くださいね。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。