Amazonベストセラーマットレスの実力は?
この記事では「MyeFoamマットレス」についてベッドメーカーに勤めていた筆者が徹底解説します。
MyeFoamといえば、Amazonベストセラーとして、「Amazon本当の5つ星商品(ダイアプレス)」にも掲載されたマットレスです。
Amazonの口コミは2,400件超え&評価が4.1という人気ぶりです。(2020年8月時点)
最大級のモールであるAmazonの中で、ベストセラーとして販売されているマットレスがどのような寝心地が確かめたいと思い、今回は実際に購入して体験してみました。ご参考いただけますと幸いです。
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目次
MyeFoamとは?
MyeFoamとはAmazonや楽天で販売されいてる中国製のマットレス・寝具ブランドです。
パッケージや説明書などに製造元企業の記載はなかったのですが、ネットで調べたところ「祺勝實業(香港)有限公司」という2014年に香港で設立された会社でした。
祺勝實業(香港)有限公司は主にウレタンフォームを使った商品を取り扱っていて、MyeFoamブランドの他に「IKSTAR」というブランドで座クッションを販売しています。
MyeFoamマットレスの基本情報
サイズ | 幅/重量 | 価格 |
---|---|---|
シングル | 100cm/3.0kg | 5,980円 |
セミダブル | 120cm/3.8kg | 7,580円 |
ダブル | 140cm/4.3kg | 7,980円 |
機能・付属品等 |
---|
折りたたみ可能、抗菌防臭・防ダニ、収納ケース付き、18カ月保証あり |
【注意】縦幅が長め
一般的なマットレスの縦幅は195cmのところ、MyeFoamは200cmあります。ベッドフレームに置いたときなど、はみ出してしまう可能性があるのでご注意ください。
【まず結論】MyeFoamマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じMyeFoamマットレスを以下のように評価させていただきました。
▼ MyeFoamマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 2.78 |
仰向き寝 | 1.5 |
横向き寝 | 1.0 |
端の沈み込み | 1.0 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 2.0 |
底付のなさ | 1.0 |
素材の品質 | 1.0 |
耐久性 | 1.5 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 5.0 |
価格 | 5.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
(総評)軽くて安いだけ、寝心地はマットレスとは呼べないレベル
厚さ3cmにもかかわらず「ベッドマットレス」として販売している商品なので、単体利用可能なマットレスとして評価すると、あまり良くない結果になりました。
芯材のウレタンフォームは推定26Dの低密度仕様、さらにマットレスの耐久性を知るうえで重要な仕様の「復元率」が非公開(本来復元率は法で表示義務が課せられている項目です)のため、品質面はかなり低いとお考え下さい。
実際の寝心地は荷重は支えきれず、底付きを感じるので、十分な体圧分散性や反発性が発揮されていないものでした。
とはいえ、6,000円くらいで買える激安マットレスに高い品質を求めるのは少し無茶な要求とも言え、個人的にはやはりこのくらいの価格のマットレスには手を出さない方が無難かなと思いました。
ある程度しっかりした寝心地が得られるためには、最低でも1万円、できれば3万円くらいの予算は必要です。
MyeFoamマットレスの特徴
MyeFoamマットレスの主な特徴は以下の3点です。
- 高反発
- 折りたたみ可能
- 軽量
まずは簡単に特徴をご紹介します。
高反発
MyeFoamマットレスは高反発タイプのマットレスです。
高反発マットレスは、クッションの反発性が高いので、寝返りなど体の動きをサポートするという特徴があります。
今使っている布団やマットレスが「寝返りが打ちづらい」「寝苦しい」と感じている人におすすめです。
MyeFoamマットレスの反発性(動画:音なし)
折りたたみ可能
MyeFoamマットレスはいわゆる一般的なマットレスでなく、「折りたたみマットレス」としてAmazonの売れ筋ランキングで1位を獲得しています。
MyeFoamマットレスの折りたたみ方は、布団のように2つ折り・3つ折りにしたり、ロール状に巻いて付属の収納ケースに入れることでコンパクトにできます。
3つ折り | 4つ折り | ロール |
---|---|---|
軽量
MyeFoamマットレスの重量はシングルサイズ(厚さ3cm)で約3kgです。力の弱い人でも軽々持ち運びしやすいです。
【徹底レビュー】MyeFoamマットレスの体験・使用感は?
MyeFoamマットレスを実際に使ってみました。開梱から使用感などをレビューします。
1. 開梱
今回、購入したのはシングルサイズ(厚さ3cm)です。
内箱などはなく、段ボールを開けるとそのままマットレスが入っています。
中にはマットレスと収納ケース、説明書の3点が入ってます。
マットレスはロール状に丸まっています。片手でも簡単に持てるほど軽量です。(シングルサイズは約3kg)
2. 設置
外側のビニール袋をハサミで切ります。チョキチョキでなく、スーッという感じで切ります。
外側の袋を取ると、マットレスがほどけて、膨張します。
くるくるとほどけていきます。
二つ折りになっています。
袋を取って広げます。開封直後は折り目がはっきり出て歪んでいます。
説明書には「元のサイズに戻るまで、使用せず2~3日放置してください」と書いてあります。2~3日マットレスが使えないのはちょっと不便です。
3日経っても完全に歪みを取り切れませんでした。
1週間くらいで平らになりましたが、側面は歪んだままです。
3. 外観
カバーはさらっとした触り心地です。繊維はポリエステルを使用しています。
カバーの表面はメッシュ構造をしているので通気性が良いです。
カバーの裏面は突起物があります。滑り止めのようですが、直接床に置いた場合はツルツルと滑ります。
厚さ3cmなので、手でつまむと簡単に指同士の感触が感じられます。
カバーは脱着可能です(短い1辺のみファスナーが付いています)。家庭洗濯が可能です。
中材のウレタンフォームです。
低価格な商品のせいか、ウレタンフォームの歪みが大きいです。
特にサイド面に大きな歪みがあり、場所によっては20%ほど凹んでいます(3cmのところ2.5cmに凹んでいます)。
表面の不織布をハサミで切って、中身のウレタンフォームを取り出してみました。角や端に大きい歪みがあります。
参考までに、家にあった別の高反発マットレス「モットン」「ソムレスタ」と断面を比較します。
モットンやソムレスタの高品質なウレタンフォームに比べてMyeFoamは特に角や側面の歪みが大きいことが分かると思います。
モットンやソムレスタの価格は3万円以上するため、これも低価格商品だから仕方のないことかもしれません。
参考① 「モットン」
モットンは株式会社グリボーという日本のベンチャー企業が販売しているマットレス。高い体圧分散性と反発力が特徴で「腰対策」として開発され、販売ページの体験談を見ると腰痛もちの人から支持されているようです。90日間のお試し期間もあるので、腰痛で悩んでいる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
サイズ | シングル~ダブル |
---|---|
硬さ | ふつう |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 39,800円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、お試し期間 |
参考② リフレーションジャパン「ソムレスタ」
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。高反発タイプなので、寝返りが打ちやすいです。高密度で作られているため耐久性が高いことも特長。1枚タイプにも関わらず三つ折りできるので、使わないときに畳んでおけます。
従来の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性も魅力です。カバーは抗菌活性値5.9(強い効果が認められるレベル)の抗菌性がある生地を使用。寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
---|---|
硬さ | やや硬め |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 49,800円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ、三つ折り |
4. MyeFoamの寝心地は?
床に直接敷いた場合
厚さ3cmの極薄マットレスなので床に直接置いた場合、底付きはかなり感じます。
沈み込みが浅い「仰向き寝」でも荷重が集中する臀部(おしり)付近は床の存在を感じます。
沈み込みが深い「横向き寝」の場合は肩に痛みがあるほどの底付きがあります。
高反発タイプのウレタンフォームを使っているので、寝返りは打ちやすいです。
しかし、支点となる肩や臀部、肘や膝などの関節部分は寝返り時に荷重がかかるため、床の存在を感じます。
MyeFoamの端に立つと、下の画像の通り、完全に底付きます。
そもそもマットレスの端に立つことは少ないと思いますが、集中した荷重を分散できないという点はご理解いただけるのではないでしょうか。
トッパーとして使った場合
トッパーとはマットレスや敷き布団の上に敷いて寝心地を調節するための寝具です。5cm以下のマットレスは、底付きを感じやすいので、基本的にトッパーと考えたほうが良いでしょう。
上の画像の通り、MyeFoamだけでは沈み込みに対応できない(肩や臀部の沈み込みが、下のマットレス層まで到達している)ので、トッパーとして使うのが適当です。
いくつか硬さの異なるマットレスに乗せて試しましたが、マットレスの硬さによって、MyeFoam自体の寝心地が変わるという印象を受けました。つまり硬いマットレスの上に敷くと硬く、やわらかいマットレスの上に敷くとやわらかい寝心地になります。
なお、逆にMyFoamを下に敷いて(ベースマットレスとして)使うのはおすすめできません。クッションが非力のため、しっかりと荷重分散ができず、寝姿勢が崩れやすいためです。
5. 折りたたみのしやすさ
冒頭でご紹介したとおり、MyeFoamは折りたたみ可能なマットレスです。特に強い力は必要とせず、簡単にクルクルと巻くことができます。
専用の収納ケースが付いています。
ロール状に巻いて付属の収納ケースに入れることでコンパクトにできます。
取っ手が付いているので、持ち運びしやすいです。
車中泊やキャンプなどに気軽に使える点はメリットです。
実際に使ってみてよかったところ
安さと軽さ
正直、寝心地においては大きなメリットというか感動のようなものはありませんでした。
強いて言えばと約6,000円で買える価格の安さは魅力のひとつでしょう。
また、軽いので持ち運びしやすく、車中泊やキャンプなどに使いやすそうです。あくまでサブ的なマットレスとしては良い商品かと思います。
実際に使ってみて気になったところ
単品利用に向かない
MyeFoamマットレスは厚さ3cm~5cmの極薄タイプのマットレスです。筆者は3cmタイプを購入しましたが、実際に寝てみると明らかに底付きを感じます。
特に寝返りや横向き寝の時には、床の硬さが伝わり、体に痛みを感じるほどです。販売ページに「1枚だけでもご使用いただけます」とありますが、マットレスとしては合格ラインに到底及ばない寝心地です。
MyeFoamはあくまでマットレストッパーとして使用することがおすすめです。
ウレタンの品質が低い
格安商品なので仕方ないところかもしれませんが、クッション材のウレタンフォームの品質が良くないです。
上でもご紹介しましたがのMyeFoamのウレタンフォームは側面や角の形成が雑で、歪んでいます。
所々で厚さが異なり、最も厚いところで3cm、そうでないところで2.5cmの厚さが見つかりました。0.5cmの厚みの差は大したことではないように感じますが、3cmにおける2.5cmはおよそ20%も歪んでいることになります。
通常の厚さ | 凹んでいる場所 |
---|---|
ある程度の品質があるウレタンマットレスなら、こうした歪みはほとんどありません。
また、MyeFoamマットレスは端だけでなく、面全体に歪みがあり、薄いところは特に底付きを感じます。
復元に時間がかかる
MyeFoamマットレスはロール状に圧縮された状態で届きます。袋を開けて圧縮されたマットレスが復元されるのですが、説明書によると「2~3日放置してください」と書かれています。
圧縮タイプのマットレスはいろいろな商品がありますが、復元に2~3日かかるのはかなり遅いです。
さらに、2~3日経過しても歪みはおさまらず、1週間ほどしてようやく大きな歪みが落ち着きましたが、それでもマットレスの端などは歪んだままです(個体差はあるかもしれません)。
なお、多くの圧縮タイプのマットレスは1日程度でほとんどもとの状態に戻ります。
耐久性が良くない
耐久性は密度によって決まります。密度は体積当たりの重さのこと。
なお、ウレタンマットレスの販売ページなどでは「密度30D」など表記されていますが、この「D」とは密度(Density)の意味です。
ウレタンマットレスは20~40Dの商品が多いのですが、それぞれの耐久性(寿命)の目安は以下の通りです。
密度 | 耐久性(寿命) |
---|---|
20D前後 | ~1年 |
25D前後 | 3~5年 |
30D前後 | 5~8年 |
40D前後 | 8年以上 |
50D以上 | 10年以上 |
密度は、ウレタンフォームの重量と体積が分かれば導き出せるのですが、本商品の重量・体積から考えると推定26D前後ということが判明しました。さらに復元性も悪いということで、かなり低品質なウレタンフォームを使っていると思われます。
結論、MyeFoamはおすすめ?
マットレスに求めるものが「寝心地の良さ」であるなら、MyeFoamはあまりおすすめできません。上記で何回も申し上げているように、単体利用した場合に底付きを感じるからです。
マットレスにおいて底付き感は致命的な欠点です。なぜなら「荷重分散・体圧分散・寝姿勢保持」というマットレスの基本的な機能が十分に発揮できないからです。
トッパーとして利用する分には、底付き感というデメリットは解消されますが、下に敷くマットレスの寝心地にかなり左右されます。マットレスのクッションを補強するという意味では、「今寝ている寝具が硬すぎる」という人にとって、寝心地が多少ソフトになるので、快適さが高まるかもしれません。
およそ6,000円で買えるという低価格は魅力ですが、もう少し予算を出せばもっと寝心地が良いマットレスを選ぶことができます。
予算別に本当におすすめできるマットレスは以下の記事でご紹介しているので、ご参考いただけますと幸いです。
【最後に】MyeFoamマットレスの口コミ・評判は?
MyeFoamは以下の通り、Amazonの口コミ・評判が高い商品です。※2020年8月時点
- 口コミ件数:約2,400件
- 評価:★★★★☆(4.1/5)
口コミの内容を眺めてみると、以下のような意見が多かったです。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
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マットレスの口コミは判断が難しい
マットレスは体に合う合わないが顕著に表れやすく、人によって感じ方がバラバラです。
実際に筆者が体験したところ、MyeFoamの寝心地はあまり良いものではないと思いましたが、極端に言えば「底付きがある方が寝心地が良く感じる」という人もいたりします。
また、腰痛や肩こりの原因および改善効果も人によって異なるので、あくまで個人的な体験談として見ておいたほうが良いでしょう。
この記事では、できるだけ客観的にお伝えするために、具体的な底付きの様子や、ウレタンフォームの歪みなどをご紹介しました。
あなたのマットレス選びの参考になったのなら幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
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