米No1ブランドの薄型マットレス(最高グレード)
この記事では有名マットレスメーカー「シーリー(Sealy)」のシーリーフトン プレミアムについてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
このマットレスの基本情報
本商品のサイズや価格等の情報は以下の通りです。
メーカー | シーリー |
---|---|
サイズ | シングルのみ |
クッション材 | ウレタンフォーム |
カラー | グレー |
価格(Sサイズ) | 80,000円 |
保証期間 | 2年 |
メーカーの「シーリー」とは?
シーリーは1881年に創業した老舗マットレスメーカーです。整形外科医と連携し、科学的なアプローチから開発に力を入れていることが特徴。
米国家具業界専門誌「Furniture Today(ファニチャートゥデイ)」によるとシーリーは2019・2020年度全米No1のセールスを獲得し、9年ぶりのトップ奪還を果たしました。
「寝返りの負担を最小限に抑える」というのがシーリーの基本コンセプトで、マットレス中心部分を重点的にサポートする「ポスチャーペディックテクノロジー」や、背中や腰の部分のサポート力を強化した「センターサポート」などのテクノロジーを用いて商品開発を行っています。
なお、本国(米国)ではシーリーは「Tempur Sealy International, Inc.」というメーカーによって販売され、日本では株式会社スリープセレクトがシーリーブランドのライセンス契約を結び、製造・販売されています。
よって、厳密に言うと、シーリーとはメーカーではなくブランドということです。
【まず結論】シーリーフトン プレミアムの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じシーリーフトン プレミアムを以下のように評価させていただきました。
▼ シーリーフトン プレミアムの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.37 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.5 |
底付のなさ | 4.0 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 2.40 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
【総評】薄いのに横向きOK・底付きなし
シーリーフトンは芯材にウレタンフォーム(一部ラテックス)を使用した「ウレタンマットレス」です。※商品名が「フトン」ですが、仕様では「マットレス」と考えた方が適しています
そして、厚さが10cm以下なので「薄型マットレス」というカテゴリーに含まれる商品です。
薄型マットレスは薄いため、底付きしないように基本的に硬めに作られる傾向があり、結果的に深い沈み込みが必要な横向き寝に合わないことが多いです。
しかし、本商品(シーリーフトン プレミアム)は、芯材に中反発ウレタンフォーム&高弾性ラテックス・ウレタンというハイグレードな仕様のため「薄いのに横向きOK・底付きもなし」という点が最大の特徴です。
さらに軽量で折りたたみもできるので抜群。
要するに、取り扱いやすさと寝心地の良さを高いレベルで両立させている貴重な商品と言えるでしょう。
超有名ブランド製のプレミアムモデルということで、価格は高めですが満足感が高い薄型マットレスだと思いました。
特徴・使用感・寝心地については以下より詳しくご紹介します。
シーリーフトン プレミアムの特徴・メリット
「3ゾーン」で腰部をサポート
「全体重の50%以上の荷重は、フトン面積の約1/3にあたる腰部(中央)にかかる」ということで、中央部分に高弾性のジェルラテックスが搭載され、腰の落ち込みが抑えられる仕組みになっています。
ジェルラテックスは高い反発性(高弾性)によって、腰回りを押し上げるようにして沈み込みを防ぎます。
ちなみに「ラテックス」とはゴムの木の樹液を原料にした素材で、ゴムならではの強い弾力性が得られることが特徴です。
以下の動画は、中央部分(ジェルラテックス)と、端部分(ウレタンフォーム)の反発性の違いです。
この動画のとおり、ジェルラテックス部分は明らかに反発性が高くなっています。
腰や臀部は寝返りの際の支点になるので、この部分が反発性が高いことによって寝返りがしやすいというメリットも生まれます。寝返りのしやすさはシーリーの中心的なコンセプトなので、しっかりとフトンでも継承されているということですね。
シーリーはこの技術を「ポスチャーペディックテクノロジー」(=姿勢を正す技術 ※当サイト訳)と呼んでいます。
なお、ジェルラテックスのもうひとつの特徴として温度調節があります。
シーリーフトンに搭載されているジェルラテックスは25~35度の温度調節機能があり、熱を吸収して、暑く蒸れやすい寝床内環境を快適な状態に自動調節してくれるのです。
高品質な「中反発ウレタン」
シーリーフトンシリーズの最高峰モデルであるプレミアムが、最高峰モデルたらしめる理由が上層の中反発ウレタンフォームです。
中反発フォームとは、低反発フォームの優れた荷重分散性(衝撃吸収性)と、高弾性フォームの復元性の高さの両方を併せ持つ素材です。
感触は低反発フォームに近いですが、一般的な低反発フォームよりも形状が元に戻るスピードは速いです。結果的に、衝撃吸収性が高い静かな寝心地と、体の動きをサポートしてくれる復元性によって寝返りがしやすいというメリットが得られます。
なお、ウレタンマットレスの耐久性を測る指標のひとつに「密度(D)」がありますが、中反発ウレタンフォームは約60Dという超高密度仕様です。※当サイトによる計測値です
50Dを超えるウレタンフォームを搭載しているマットレスは少なく、素材の耐久性としては10年以上程度は期待できます。
「収納ベルト付き」で三つ折り可能
すべてのシーリーフトンシリーズは、折りたたみが可能です。専用のベルトが付属しているので、三つに折りたたんで収納することができます。
折りたたみ方は簡単です。
まずフトンの下にベルトを敷き、「6の字」を描くように折りたたみます。
「6の字」(画像は反対ですが)に折りたたんだら、ベルトに付いているマジックテープ同士で固定します。
「トッパー」としても使える
シーリーフトン プレミアムは、そのまま床に敷いて使うほかに、マットレスや布団の上に重ねて「トッパー」としても使えます。
トッパーとは硬さや反発性を調節・補強するアイテムのことで、今使っている寝具を活かしつつ、寝心地を改善したい人におすすめです。
なお、トッパーで使う場合、下の寝具(マットレスや布団)の硬さに寝心地が影響されますが、基本的には床に敷いて使うより「やわらかめ」の寝心地になります。
ちなみに、シーリーフトンシリーズはベッドフレームの上に直接置いても使用可能です。
安心の「日本製」
日本のシーリー製品は基本的に愛知県の工場で生産されていて、本商品(フトン)も同様に日本製です。
一般的にマットレスは中国製が多くを占めますが、特に中国製ウレタンマットレスは品質に大きなバラつきがあるので、選ぶのにやや不安がつきものです。
もちろん、中国製=低品質というわけではなく、高品質な中国製品もあります。
ただし、やはり依然として日本工場の品質管理レベルの方が高い傾向があると思いますし、シーリーという超有名ブランドの看板を背負う商品の品質管理はより慎重に行っていると考えられるでしょう。
【体験レビュー】シーリーフトン プレミアムを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
梱包状態の重さは約9.8kgでしたので、そこまで重くはなく、一人でも軽々と持ち運べます。
開封していきます。
外側の紙袋を解くと、本体がビニールに包まれています。
ビニール袋をハサミで切ります。
マットレス本体を傷つけないように、ビニールを手で引き裂いていくのがおすすめです。
ロール状のパッケージですが、よくある圧縮梱包(機械でプレスしてペシャンコになっている状態)というわけではなく、ふつうにクルクルと巻かれている感じでした。
開封完了です。(裏面が上になっています)
外観のチェック
こちらが開封直後のシーリーフトン プレミアムです。
圧縮梱包でないので、開封直後から完全に復元され、すぐにでも使えます。
マットレスの厚さはこのくらいです。
厚さの公表値は8cmですが、9~9.5cmほどの厚みが確認できました。
さすがシーリーのプレミアムモデルだけあってカバーの高級感がすごいです。
生地はニット(ポリエステル99%+エラスティック1%)です。
エラスティックはゴムのような弾性を持った素材のことです。
エラスティック混のニット生地なので、伸縮性がかなり高く、体へのフィット感も優れます。
立体感がある生地なので通気性が高まります。
裏面にも同様の生地が使われています。
なお、シーリーフトンはウレタンフォームが上下非対称の層構造をしているため、裏面で寝ることは推奨されていません。要するに片面仕様のマットレスです。
表面と裏面の見分け方は、「マチ」の位置です。マチが下に来る置き方が正しいです。
表面 | 裏面 |
---|---|
また、ロゴがあるので、正しい向きがどちらかわかりやすくなっています。
カバーはファスナーなどがないため取り外し不可です。(芯材のウレタンフォームが取り出せない構造です)
内部構造のチェック
芯材のウレタンフォームの様子を詳しく見るために、カバーをハサミで切って中身を取り出します。
シーリーフトンプレミアムの芯材は3層構造です。
上から、
- 中反発ウレタンフォーム
- 3ゾーンレイヤー(ジェルラテックス+ウレタン)
- 高弾性(高反発)ウレタンフォーム
の順で接着剤で固定されて重ねられています。
芯材(ウレタンフォーム)を取り出してみました。
ウレタンフォームのチェック
芯材の様子を詳しく見ていきます。
芯材の厚さは8cmでした。
なお、各層の厚さとしては以下の通りです。
層 | 厚さ |
---|---|
上層(中反発ウレタン) | 3cm |
中層(3ゾーン) | 3cm |
下層(高弾性ウレタン) | 2cm |
芯材に直接寝てみました。
上記の画像のとおり、臀部・腰回りが中層の高弾性ジェルラテックスによって支えられるので、沈み込み過ぎない仕様になっています。
上層の中反発ウレタンフォームはもっちりとした感触で、体圧分散性・荷重分散性に優れています。
推定60Dという超高密度ウレタンフォームで、触った瞬間にすぐ良質な素材だとわかります(濃密でモチモチした感触です)。
反発性のチェック
ウレタンフォームは、反発性の違いによって「低反発」「一般」「高弾性(高反発)」の3つに分類されます。
種類 | 特徴 |
---|---|
低反発 | 荷重分散性・衝撃吸収性が高い、フィット感が高い |
一般 | ふつうのウレタン(低価格商品に多い) |
高弾性 (高反発) | 復元スピードが速い、体を持ち上げる、寝返りサポート性が高い |
そして、反発性は反発弾性率によって以下の通りに分類されます。
ウレタン分類 | 反発弾性率 |
---|---|
低反発 | 15%未満 |
一般 | 15~49% |
高弾性(高反発) | 50%以上 |
素材が持つ反発性を測る数値。反発弾性率を調べる方法として、JISが定めるテスト方法(JIS K 6400-3)があり、簡単に言うと「高さ50cmから鉄球を落として、反発した高さと割ったのが反発弾性率」ということです。
シーリーフトン プレミアムの反発弾性率は?
JIS規格に倣った形で試験片を取り出して計測しました。
計測結果は以下の通りです。
層 | 反発弾性率 | 分類 |
---|---|---|
上層 | 約9% | 低反発 ※素材名称は「中反発」 |
中層 | 約40% | 一般 |
下層 | 約50% | 高弾性(高反発) |
基本的に、素材の名称通りの反発弾性率が確認できました。
余談ですが、当サイトでは今回はじめて中反発ウレタンフォームの反発弾性率を測定したのですが、「中反発」という名称ではありますが、反発弾性率は低反発クラスということがわかりました。
要するには中反発ウレタンフォームは、低反発の反発弾性率を持ちつつ、高反発のような復元性の高さを持っているという素材ということです。
よって、中反発とは、低反発と高反発の間の反発力というわけではなく、両方の特徴を併せ持った素材とお考え下さい。(低反発と高反発の間の反発力は「一般ウレタン」です)
反発弾性率の検証動画は以下の通りです。
↓上層・中反発フォーム
↓中層・3ゾーン(ウレタン部分)
↓下層・高弾性ウレタン
なお、ラテックスの反発力は反発弾性率で求めませんが、ウレタンフォームと同様にテストを行うと反発弾性率は60%以上となります。
↓中層・ジェルラテックス
さらにラテックスは多方向に反発するので、この中で最も反発性が高い素材と言えます。
これがシーリーフトンのポスチャーペディックテクノロジーのポイントで、体の動きの支点となる腰・臀部に超高反発素材(ラテックス)を採用することによって寝返りがスムーズにできるいう仕様なのです。
密度のチェック(耐久性)
ウレタンフォームは密度でだいたいの耐久性が推し量れます。
シーリー公式では密度は非公開情報ですが、密度が分かる一番シンプルな方法は、ウレタンフォームごとの体積と重量を計測することです。
ということで、すべてのウレタンフォームをバラシて密度を計算してみたところ以下の数値となりました。(耐用年数の目安も記載します)
層 | 密度 | 耐久性 |
---|---|---|
1層(中反発ウレタン) | 約60D | 約10年 |
2層(一般ウレタン) | 約21D | 約1年 |
3層(高弾性ウレタン) | 約35D | 5~8年 |
この表のとおり、1層と3層は高密度仕様の耐久性が高い素材を使っています。
注意したいのは2層で使われているウレタンフォーム。密度21Dというはかなり低密度です。このウレタンフォームは主に背中・肩あたりをサポートする場所にあります。つまり、背中・肩あたりがヘタリやすいとお考え下さい。
とはいえ、シーリーフトンプレミアムの上層は超高密度の中反発ウレタンフォームを使用しているので、上層でしっかりと荷重分散することで、下層に負担が少なくなるため、一般的な密度の寿命(21Dだと約1年)よりも長く使えるでしょう。
また、シーリーフトンのように頻繁に折りたたんだり収納したりする利用シーンを考えた場合「軽量であること」も重要なため、あえてどこかで低密度(軽量)にしないと重すぎて持ち運びにくいマットレスになってしまうので、この部分の低密度は致し方ないと言えます。
【詳細解説】シーリーフトン プレミアムの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ シーリーフトン プレミアムの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.37 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 3.5 |
底付のなさ | 4.0 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 4.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 2.40 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星3.5」。
中反発フォーム(体感的には低反発)によって、シリーズ中最も体圧分散性が高い寝心地で、部分的な痛みは全く感じませんでした。
3層とも硬さは「やわらかめ」なので、寝た瞬間は深く沈み込みますが、特に2層目のジェルラテックスと3層目の高弾性ウレタンによって、体が持ち上げられるような感じがあり、最終的に落ち着く寝姿勢としてはストレスがありませんでした。
デメリットと言えば、低反発ならではの包み込まれるような感触となり、若干の蒸れやすさがあるということです。とはいえ、2層目のジェルラテックスによる温度調節機能が効いている感覚があったので、腰回りの蒸れは気になりませんでした。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星4.0」。
低反発+やわらかめの寝心地というのは、横向き寝に最も適した仕様と言えます。
低反発の衝撃吸収性の高さと、やわらかいことで肩回りが深く沈み込みやすく、さらに最下層で高弾性ウレタンを使っているので、底付きを感じにくいという理想的なバランスで作られています。
さらに、本商品のような薄型タイプ(厚さ10cm以下)は、基本的に底付きを回避するために硬めの寝心地で作られていて、横向きでは寝にくい商品が多い傾向があります。
つまり、「横向きでも快適に寝れる薄型マットレス」というのはなかなか貴重なため、本商品の特徴の中でも際立つメリットだと感じました。
3. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.5」。
外周を強化した仕様ではなく、さらにやわらかめの素材のため、部分的な荷重に対してはかなり沈み込むので、座ったりすると底付きは感じます。
とはいえ、寝姿勢においては高弾性ウレタン&ラテックスによるサポート性が発揮されるのと、中反発フォームによる寝姿勢保持によって、端部分で寝ても安定感は高いです。
4. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星3.5」。
ポスチャーペディックテクノロジー(3ゾーン)による寝返りのしやすさというのがシーリーフトンの特徴ではあるのですが、上層の中反発ウレタンが反発力が低いため、ややもったりとした寝返りサポート性でした。
ストレスを感じるほどではありませんが、「寝返りがしやすい」というレベルではありません。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
芯材で多く使われているウレタンフォームは、基本的に通気性が良くない素材です。さらに中反発フォームによるフィット感の高さによって、マットレス全体の通気性はあまり高くありません。
とはいえ、特に蒸れやすい腰・おしり部分はジェルラテックスによって温度調節機能が働くため、暑くなりすぎなかったです。(上層の中反発フォーム越しでもヒンヤリとした感覚が伝わるほどでした)
よって、通気性に関しては、腰回りは「良好」、それ以外は「ふつう以下」といった評価となります。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。
評価は「星4.0」。
結論から言うと、本商品は8年くらいの耐用年数が期待できると思います。
ウレタンマットレスの耐久性を知るにはウレタンフォームの「密度」と「復元率」という情報が必要です。
本商品の密度と復元率は以下の通りです。
密度 | 復元率 |
---|---|
上層:60D 中間層:21D 下層:35D | 98% |
芯材のウレタンフォームの密度・復元率が高くなればなるほど耐久性は高くなります。
シーリーフトン プレミアムの密度は各層で異なります。
中間層のウレタンがかなりの低密度(21D)ですが、中間層の1/3を占めるジェルラテックスは耐久性が優れた素材ですし、上層の中反発ウレタン(超高密度の60D)による荷重分散性もあるので、中間層の低密度ウレタンはそこまで気にしないでも良いでしょう。
また、復元率98%は高めの数値です。よって、フトン全体としての耐久性は問題ないと考えられます。
以上のことから、耐久性としては「8年程度」と評価させていただきました。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「星4.0」。
全体的に多少の歪みが確認でき、一部の角部分には反り返りが見られました。
正面 | 側面 |
---|---|
圧縮梱包で復元率が低い場合、開封後膨らみきらないことによってこのような歪みが確認できる商品もありますが、本商品は圧縮梱包でないのに、このレベルの歪みがあるのはやや気になるポイントです。
上層の中反発ウレタンは高品質でかなりきれいな状態なので、低密度の素材に引っ張られるように歪みが出ているのだと思います。寝ている分には気にならないレベルの歪みなので、ご安心ください。
なお、加点ポイントとしては、他の商品に比べてマットレスのカバーがとても高級感があることです。
これだけ凝ったデザイン性があるカバーは珍しいので、高級な見た目にこだわりたい人にはうれしいポイントです。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
「抗菌防臭」や「防ダニ」等の衛生機能はありません。さらにカバーは取り外し不可で洗濯NGのため、仕様の際には必ずシーツやパッドを使いましょう。
とはいえ、衛生加工があるマットレスの方が少ないので、評価値としては「3(ふつうレベル)」です。
9. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星4.5」。
専用ベルトによって折りたたみでき、比較的軽量なので持ち運びやすく、ウレタンフォーム+ラテックスなので、手で細かくちぎることで家庭ごみとしても捨てられる「取り扱いやすいマットレス」です。
満点でも良かったのですが、薄型にしてはやや重め(約9kg)のため、ほんの少し減点しました。
10. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.40」。
シングルサイズで80,000円という価格は、マットレス市場全体から考えると「高いレベル」の価格帯です。さらに「薄型マットレス」というジャンルで考えると最高級レベルに高い商品と言えます。さすが超有名ブランドのプレミアムモデルといったところです。
とはいえ、超高密度の中反発フォームやジェルラテックス、マットレスカバーの豪華さ、シーリーという安心感などを考えた場合、価格の妥当性はしっかりとあると思います。
口コミ・評判のまとめ
シーリーフトンは2021年7月に販売開始された商品で、まだ購入者による口コミが掲載されていません。(公式サイトにて確認)
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
掲載待ち | 掲載待ち |
ある程度の口コミの量が溜まってきたら、内容を確認し、その内容についてこの記事で詳しく解説します。
似ている商品との比較
シーリーフトン プレミアムの特徴である「高品質な薄型マットレス」の2商品と比較します。
メーカー | ①シーリーフトン プレミアム | ②フレアベル アクティブモデル | ③SOMRESTAマットレスPREMIUM |
---|---|---|---|
画像 | |||
メーカー (ブランド) | シーリー | アキレス | リフレーションジャパン |
厚さ | 8cm (実測:9.5cm) | 10cm | |
重量 (Sサイズ) | 約9kg | 約10kg | 約9.6kg |
硬さ | やわらかめ (115N) | 硬め (210N) | やや硬め (154N) |
折りたたみ | 〇 (ベルトあり) | × | 〇 (ベルトなし) |
温度調節 | 〇 | × | |
密度 | 非公表 ※以下は当サイト計測値 上層:約60D 中層:約21D 下層:約35D | 非公表 ※以下は推定値 上層:60D 下層:35D | 非公表 ※当サイト計測では約52D |
復元率 | 98% | 99.6% | |
衛生加工 | × | 抗菌防臭、消臭、防ダニ | |
カバー洗濯 | × | 〇 | |
片面/両面 | 片面仕様 | 両面仕様 | |
保証期間 | 2年 | 1年 | 最大3年 |
サイズ | Sのみ | S~D | S~WD |
生産 | 日本 | 中国 (企画:日本) | |
価格 (Sサイズ) | 80,000円 | 38,500円 | 49,800円 |
リンク | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
比較商品の特徴
②アキレス「フレアベル サーモフェーズ アクティブモデル」の特徴は?
フレアベル サーモフェーズは、子供向けシューズの瞬足(しゅんそく)などで有名なメーカー「アキレス」のオリジナルマットレスブランド。こちらのアクティブモデルは、フレアベル サーモフェーズシリーズの薄型マットレスという位置づけです。
フレアベル サーモフェーズの最大の特徴は日本初の温度調節素材を使用していること。その温度調節は32±1℃に設定されているため、年中通して快適な温度に調節してくれるということです。
よって、温度調節で考えた場合、シーリーフトン(25~35℃)と比べると、フレアベル(32±1℃)の方がより強固で安定的な調節性能があると言えます。
使っている素材も似ていて、上層にシーリーフトン プレミアムと同じ中反発フォームを使用しています。
シーリーフトン プレミアム大きく異なる点は、折りたたみができないことと、寝心地がかなり硬め(210N)ということです。
よって、折りたたみしたい人や、寝心地がやわらかめが好きな人(横向き寝の人)などは、シーリーフトン プレミアムの方がおすすめです。
③SOMRESTAマットレスPREMIUMの特徴は?
SOMRESTAは熊本県の寝具メーカー「リフレーションジャパン」のオリジナルマットレスブランドです。
他の2メーカー(シーリー、アキレス)に比べると知名度は低いですが、寝具業界に20年以上精通したプロが立ち上げたブランドで、高品質なのに低価格、つまりコストパフォーマンスが良いという点が最大の特徴です。
使っているウレタンフォームは推定52D・復元率99.6%という抜群の耐久性、さらに反発弾性率は60%の高反発の中でも高いレベルの仕様です。
さらに、カバーに抗菌防臭・消臭・防ダニ加工があり、洗濯も可能。まさにフルスペックの薄型マットレスと言えます。
ただし、温度調節機能はありません。
その他、シーリーフトン プレミアム大きく異なる点は以下の通りです。
シーリーフトン プレミアム | SOMRESTAマットレスPREMIUM | |
---|---|---|
硬さ | やわらかめ (115N) | やや硬め (154N) |
反発弾性率 ※上層 | 9% (低反発) | 60% (高反発) |
よって、フィット感が高い低反発でやわらかめの寝心地が好きな人はシーリーフトン プレミアムが合うでしょう。また、ブランドとしても圧倒的にシーリーの方が有名なので、より安心感を持って購入したい人にはシーリーフトンがおすすめです。
シーリーフトン プレミアムはどこで買うのがお得?
シーリーフトン プレミアムは公式サイトとAmazon・楽天で購入が可能です。
基本的に購入条件に差がないようですが、時期によっては価格に差があるかもしれませんので、購入の際は念のためすべてをチェックしておいた方が良いかもしれません。
ただし、サポートのスムーズさや、正規品が保証されているという点などを考えると、基本的には公式サイトで購入するのが安心でおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。
シーリーフトン プレミアムについてご紹介させていただきました。
全米No1マットレスブランドのシーリーが手掛ける薄型マットレスのプレミアムモデルです。
プレミアムモデルらしく仕様が贅沢で、見た目も高級感があり、持っているだけで満足感を高めてくれる逸品。
中反発ウレタンを使用したモッチリとした感触に、ジェルラテックス+高弾性ウレタンの体を持ち上げるふわっとした感触が加わった寝心地は、まるで雲の上に寝ているような感じです。
お金がある人は来客用にも良いかもしれませんね(シーリー製というだけで話が盛り上がりそうです)。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。