東京ベッド×ネルコ「5.5インチ国産ポケットコイルマットレス」の徹底解説(体験レビュー付き)

※本商品は完売しました

有名メーカー製で3万円台は安い!

この記事ではベッドメーカー「東京ベッド」とベッド専門店「ネルコンシェルジュ (neruco)」がコラボレーションしたマットレス(5.5インチ国産ポケットコイルマットレス)についてご紹介します。

なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて

実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

> プロフィールはこちら

本商品の基本情報

5.5インチ国産ポケットコイルマットレス

本商品のサイズや価格等の情報は以下の通りです。

サイズセミシングル~ワイドダブル
クッション材ポケットコイル
カラーブラック
価格(Sサイズ)39,900円
保証期間5年(メーカー保証2年+販売店保証3年)

東京ベッドとは?

東京ベッド

東京ベッドは、1928年創業の老舗ベッドメーカーで、日本メーカーとして初めてポケットコイルを採用したことでも有名です。

ポケットコイル(本商品)
ポケットコイル(本商品)

東京ベッドが作るマットレスの特徴は「詰め物に頼らないスプリングの良さを活かした寝心地&耐久性」です。

マットレスの詰め物
マットレスの詰め物(本商品ではウレタンフォームを使用)

詰め物で使われることが多いウレタンフォームは、体当たりをふんわりとさせる(要するに体圧分散性・衝撃吸収性が高い)というメリットはありますが、蒸れやすい・ヘタリやすいというデメリットもある素材です。

特に、日本は高温多湿環境であることから、ウレタンフォームを多用することによって寝心地にストレスを感じてしまうこともあります。

そこで東京ベッドは、なるべく詰め物には頼らず、スプリング自体で中心的な寝心地を作ろうとしています。よって、ヘタリにも強く、耐久性が高いマットレスが出来上がるのです。

さらに製造は千葉県柏市にある自社工場で職人がひとつひとつ丁寧に手作業で仕上げているという安心感。

なお、東京ベッドは国内最大手のフランスベッドのグループ企業です。

六本木の一等地にショールームを構えるなど、名実ともに有名メーカーのひとつと言えるでしょう。

>>>六本木ギャラリーはこちら

今回レビューさせていただく商品は、そんな有名メーカーの東京ベッドと、ベッド専門店「ネルコ」がコラボレーションしたネット限定のオリジナルマットレスです。

東京ベッドとネルコの関係は?

本商品は「東京ベッド」と「ネルコ」のコラボレーションモデルですが、両者の位置づけとしては以下の通りです。

  • 東京ベッド=マットレスメーカー
  • ネルコ=販売店

東京ベッドは基本的に直接ユーザーへ販売することはなく、販売店を介して商品を流通しています。

ネルコは品ぞろえが6,000点以上のベッド専門店としては最大規模のネットショップ(運営会社は株式会社インテリアオフィスワン)です。

ベッド専門店「ネルコ」

ちなみに、ネルコは東京ベッド以外にもフランスベッドや日本ベッドなど多くの有名マットレスメーカーの商品を取り扱っています。

また、完全な自社オリジナル商品(ネルコオリジナル)の開発も行っているので、単純な販売店というよりもニトリのようなSPA(製造小売店)のイメージの方が近いと思います。

ベッド専門店「ネルコ」の特徴については以下の記事で詳しくご紹介しています。

【まず結論】このマットレスの評価は?

マットレスの使用感

当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。

  • 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
  • 寝返りのしやすさは?
  • 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
  • クッション材の品質はどうか?
  • 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
  • バネあたりや底付きがないか?
  • 価格相応の寝心地と言えるか?

始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。

▼ 5.5インチ国産ポケットコイルマットレスの評価
総合評価3.37
仰向き寝3.5
横向き寝3.0
端の沈み込み2.5
通気性4.0
寝返り3.0
底付きのなさ3.0
バネ当たりのなさ4.0
耐久性3.5
衛生面4.0
取り扱いやすさ2.5
価格3.40

※目安は「3.50」以上が高評価です。

>>>点数の付け方について

総合評価値としては高評価には至りませんでしたが、寝心地・品質とも優秀なので、買って後悔しないマットレスと言えます。

以下より、その理由を詳しくご紹介します。

本商品の特徴・メリット

1. 高品質な「ポケットコイル」

ポケットコイル

本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。

ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいるコイルのことです。

バネとポケットコイル
本商品のバネとポケットコイル

ポケットコイルはひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。

「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。

そして、商品によってポケットコイルの線種や密度(いくつコイルを使っているか)、配列(並行か交互か)、線径(バネの太さ)などの違いがあり、それらが寝心地を作る特徴となります。

本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。

▼ 本商品の仕様
線種非公開
密度450個 ※Sサイズ
配列並行配列
線径1.9mm

寝心地の特徴は?

密度・配列・線径などの仕様は、基本的に優劣ではなく、そのマットレスが表現したい寝心地を作るためものです。

結論から言うと、本商品は「ポケットコイルの動きを最大限活かした、しなやかな寝心地」が特徴です。

以下よりポケットコイルの仕様について詳しくご紹介します(ご興味がなければ飛ばしても大丈夫です)。

配列の特徴は?

ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。

並行配列交互配列
画像並行配列交互配列
硬さの傾向ソフトハード
跳ね感強い弱い
特徴寝返りがしやすい静かな寝心地
耐久性
(部分的には弱め)
価格安価に作りやすい高価になりやすい

本商品は「並行配列」を採用しています。

並行配列

並行配列はバネ動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、比較的ふんわりとソフトな感触が特徴です。本商品でもそのような特徴的な寝心地が感じられました。

密度の特徴は?

密度とは「どれだけの量のポケットコイルが入っているか」のことです。

ポケットコイルの密度

本商品はシングルサイズあたり「450個」の密度です。これは中程度の密度とお考え下さい。

現在のポケットコイルマットレス市場はコイルの数量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを超大雑把にご紹介すると以下の通りです。(詰め物などによって寝心地は大きく変わるのであくまで傾向としてお考えください)

密度意味合い
300個台低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い)
400~600個台中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる)
700~1,000個高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地)
1,001個以上超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい)

基本的にポケットコイルマットレスは、低密度であるほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなり、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も増えてきます。

とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、筆者の感覚では耐久性としての適切な密度レベルは420~450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。

本商品はバネの動きが出やすいように、450個ほどの密度に抑えて、しなやかなポケットコイルの感触をより感じられるように仕上げています。

線径1.9mmとは?

線径とは「バネの太さ」のことです。

スプリングの線径

線径は、太ければ太いだけ反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細ければ細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。

寝心地の目安としては以下の通りです。

線径と寝心地(目安)

  • 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
  • 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地

    本商品の線径は1.9mmを採用。つまり、しなやかな寝心地ながら、反発力も適度に発揮されます。

    なお、線径1.9mmはわりとメジャーな太さで(シモンズの大ヒットマットレス「ゴールデンバリュー」なども採用)、良い意味でスタンダードな仕様と言えるでしょう。

    2. 長持ちしやすい「両面仕様」

    両面仕様

    本商品は表面・裏面が同じつくりをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。

    両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。

    マットレスのローテーションの方法
    マットレスのローテーションの方法

    ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転させてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。

    ホテルのマットレスのローテーション
    ホテルのマットレスローテーション表示

    ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。

    片面仕様のマットレス(裏面)
    片面仕様のマットレス(裏面)

    一方、本商品は格安価格でありながら、裏面にも詰め物をしっかりと施しているため、ローテーションにより寝心地が長持ちしやすいです。

    3. 「メッシュ生地」で通気性抜群

    マットレス側面(メッシュ生地)

    本商品のマットレス全周は、通気性が良いメッシュ生地を採用。

    睡眠中の寝床内環境(ふとんをかけて寝ている状態)では、汗などによりマットレスに湿気が伝わりやすいので、マットレス内に溜まった湿気をスムーズに換気できる点はメリットです。特に汗っかきの人や暑がりの人におすすめできる仕様です。

    4. 「ワイドダブル」が選べる

    ダブル・ワイドダブル・クイーンの比較表

    意外と見逃しがちなのですが、ワイドダブルが選べることも人によってはメリットを感じられます。

    ワイドダブルはダブルサイズとクイーンサイズの中間的な位置づけで、横幅は150~155cm(本商品は154cm)の大きさ。「ダブルサイズでは少し窮屈だけどクイーンサイズでは大きすぎる」という人にぴったりです。

    また、ワイドダブルのサイズバリエーションがあるマットレスは少ないので「今持っているベッドフレームがワイドダブルサイズで、マットレスだけを買い替えたい」という人にとっても、ありがたい選択肢と言えるでしょう。

    本商品のデメリット

    1. 納期が遅い

    受注生産&大型配送品のため、お届け時まで3週間ほどかかるのは少し不便と感じます。

    また、大型配送便でしかお届けできないため、日時指定ができません。

    2. 搬入しづらい

    そのままのマットレスの大きさのまま梱包して届く「非圧縮タイプ」のため、ざっくり言えばマットレスの大きさ=お届け時のサイズとなります。

    マットレスは長辺で2メートルほどにもなるため、搬入経路が狭い人はご注意ください。

    3. 価格が少し高い

    本商品は有名国内メーカー製で3万円台から買えるマットレスとしては、品質面・寝心地面とも優れ、コストパフォーマンスは高いと考えます。

    しかし、非圧縮タイプのため運送費や保管費が多く必要で、さらに有名メーカーということで、六本木の一等地にあるショールーム等を運営する費用などが商品価格に転嫁されます。つまり、コスト構造として価格が下げづらいとも言えるでしょう。

    【体験レビュー】東京ベッド×neruco「5.5インチ国産ポケットコイルマットレス」を実際に試してみた

    5.5インチ国産ポケットコイルマットレス

    椚大輔椚大輔

    実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。

    開梱・設置

    実は、弊社で本商品の販売ページ用の公式画像を撮影しており、今回はその撮影サンプル品をそのまま体験レビュー用にご提供いただきました。

    つまり、撮影サンプル品のため実際のお届け状態はご紹介できません。

    代わりに、他メーカー製で、本商品と同様の非圧縮梱包タイプのポケットコイルマットレスのお届け時の様子をご紹介します。

    梱包状態
    非圧縮梱包のお届け状態(他商品)

    上記の画像の通り、マットレスそのままの形状に紙袋やビニール袋を掛けられた状態でお届けされます。

    なお、最近は運送費高騰の影響を受けて、ロール状に圧縮し梱包されてお届けされるマットレスが増えてきました。

    左:圧縮タイプ、右:非圧縮タイプ
    左:圧縮タイプ、右:非圧縮タイプ(本商品はこちらのタイプ)

    上の画像は同サイズ(シングルサイズ・同じ厚さ)のマットレスにおける圧縮・非圧縮の大きさの違いです。こうして比較した場合、やはり非圧縮(右)は大きく、搬入経路にも気を付ける必要があることがわかると思います。

    ただし、非圧縮ならではのメリットもあります。それぞれの梱包タイプの特徴は以下の通りです。

    梱包圧縮非圧縮
    梱包状態圧縮梱包非圧縮梱包
    メリット
    • 価格を安くできる
    • 搬入しやすい
    • (ワイヤーやチップウレタンなどによって)しっかりとした寝心地が作れる
    • 開封直後から完全な状態で使える
    デメリット
    • 一部仕様に制限がある(ワイヤーやチップウレタン)
    • 復元に少し時間がかかる
    • 価格が高め
    • 重量が重め

    マットレスの梱包方法の違いについては、以下の記事でも詳しくご紹介しているので気になる方はご参考ください。

    外観

    圧縮タイプとは違い、開封直後から完全なボリューム感があります。

    マットレスの外観

    本体の重さは「19.05kg」でした。

    重量計測(19.05kg)

    表面の生地はポリエステル100%を使用したサラッとしたさわり心地です。

    生地の触り心地

    「ジャガード織り」と言ってデザインが生地に織り込まれる仕様となっています。

    本商品(ジャガード織り)
    本商品(ジャガード織りの立体的なデザイン性が高級感を演出)

    ちなみに一般的な生地のマットレスは以下の通りなので、高級感に差があることがわかると思います。

    一般的なマットレスの生地
    一般的なマットレスの生地

    生地の伸縮性は少ないので、体へのフィット感はそこまでありません。

    生地の伸縮性

    マットレスの厚さはこのくらい。

    マットレスの厚さ

    公表値どおり21cmの厚さが確認できました。

    マットレスの厚さ計測

    これはマットレスの中では厚みがあるタイプと言えます。厚みがあるマットレスはその厚さだけで底付きを感じにくいというメリットがあります。

    本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。

    表面裏面
    表面裏面

    内部構造

    内部構造をチェックするために、一部解体してみます。

    マットレスを裁断

    ポケットコイルの上に詰め物が施されています。

    マットレスの中身

    本商品の構造は以下の通りです。

    本商品の断面構造
    1. 表生地
    2. ウレタン 20mm
    3. 抗菌不織布
    4. ウレタン 8mm
    5. ネット
    6. ポケットコイル(ここが真ん中
    7. ネット
    8. ウレタン 8mm
    9. 抗菌不織布
    10. ウレタン 20mm
    11. 表生地

    つまり、ポケットコイルを線対称とした両面仕様の11層構造ということです。

    詰め物の断面

    約3.5cmほどの比較的薄めの詰め物層ですが、バネ当たりを感じることはありませんでした。

    詰め物のボリューム感の計測

    詰め物を詳しくご紹介します。

    まずは表生地のすぐ下にあるウレタンフォーム。

    詰め物(ウレタンフォーム20mm)

    厚さ20mmのしっかりとしたボリュームがあり、もっちりとした弾力性を感じられ、体圧分散性を高めています。

    ウレタンフォーム(20mm)のすぐ下には不織布があります。

    詰め物(不織布)

    この不織布は抗菌性がある衛生加工が施されています。なお「抗菌」とは主に臭いに対する抑制技術で、 菌の繁殖を「イヤな臭いが発生しない程度」に抑える機能性のことです。

    不織布の下には再びウレタンフォームがあります。

    詰め物(ウレタンフォーム8mm)

    このウレタンフォームの厚さは上層よりも薄い「8mm」です。こうしてウレタンフォームを多層構造にすることで通気性を高めています。

    詰め物の最下層は「ネット」です。

    詰め物(ネット)

    この「ネット」は少し珍しい仕様で、一般的なマットレスではこの位置は不織布をポケットコイルに接着剤でくっつけていることが多いです。

    一般的なマットレス
    一般的なマットレス(不織布をポケットコイルに接着剤で固定)

    本商品では、ポケットコイルを詰め物に接着させないことによって、よりコイルひとつひとつの動きが出やすい工夫が施されているのだと思います。

    ネット

    さらにネットは通気性が良好です。

    ポケットコイルの高さは約140mm(=5.5インチ)です。

    ポケットコイルの高さ計測

    コイル高140mmは一般的なポケットコイルマットレスと同じくらいです。コイルは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。

    なお、本商品のポケットコイル(バネ)を包んでいる袋(不織布)が一般的な商品よりも頑丈そうに出来ていました。

    本商品のポケットコイルの袋
    ポケットコイルの袋(頑丈な作り)※本商品

    一般的な商品では、ここの不織布はメッシュ生地になっていることが多く、衝撃によっては破けやすいのです。(通常の使用環境では問題ありませんが)

    一般的な不織布(メッシュ生地)
    一般的な不織布(メッシュ生地)※別商品

    ちなみに本商品の不織布仕様を見て、真っ先に思ったのは「シモンズのポケットコイルに似ている」という印象でした。

    シモンズのポケットコイル
    高級メーカー「シモンズ」のポケットコイル

    シモンズと言えば、世界的に有名なマットレスメーカーで、世界で初めてポケットコイルマットレスの商業化に成功したことで有名です。強みはもちろんポケットコイルマットレスで、高級ホテルなどでも採用されることが多く、品質の高さ・寝心地の良さが評判です。

    ポケットコイルマットレスはバネを圧縮して袋(ポケット)に包みます。よって、反発性があるバネが飛び出ないためにも袋には強度が必要なのです。

    シモンズは袋の強度が高く、材料や縫い方なども工夫されています。

    本商品でもシモンズと似たような頑丈さが感じられたので、ポットコイル自体の耐久性も優れているのではないかと思います。

    【詳細解説】このマットレスの評価について

    5.5インチ国産ポケットコイルマットレス

    この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。

    ▼ 5.5インチ国産ポケットコイルマットレスの評価
    総合評価3.37
    仰向き寝3.5
    横向き寝3.0
    端の沈み込み2.5
    通気性4.0
    寝返り3.0
    底付きのなさ3.0
    バネ当たりのなさ4.0
    耐久性3.5
    衛生面4.0
    取り扱いやすさ2.5
    価格3.40

    ※目安は「3.50」以上が高評価です。

    ざっくりと使用感の雰囲気を知りたい方は以下の動画をご覧ください(音は出ません)。

    では、以下より特徴を詳しくご紹介します。

    1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)

    仰向き寝

    ココをチェック

    仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。

    なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。

    評価は「3.5」。

    しなやか寝心地を目指した商品だけあって、見た目のクールさとは裏腹に、ふんわりとやさしく荷重を受け止めてくれます。

    詰め物を多用していないため、綿やウレタンフォームによるふんわりとした寝心地というよりは、スプリングによる豊かなクッション性によるふんわりさといった感じです。

    スプリングのサポート性は感じられつつ、バネ当たりを感じない絶妙なバランスは素晴らしいと思います。

    マイナス点としては、荷重が重い背中・腰部分の沈み込みがほんの少し気になるかな?という印象を受けましたが、睡眠中のストレスは感じないレベルだと思います。

    底付きは寝ているときは感じませんが、勢いよく飛び込んだりすると少し床の存在を感じます。

    これは本商品のポケットコイルがしなやかに反応しすぎるが故、集中した重い荷重に対してはグッと沈み込んでしまうためです。

    とはいえ、一般的な使い方であれば大きな懸念点はなく、満足感が得られる寝心地でした。

    2. 横向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)

    横向き寝

    ココをチェック

    横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。

    つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。

    評価は「3.0」。

    しなやかなポケットコイルなので、肩や臀部に対して、適度に沈み込み寝姿勢が整います。

    しかし、詰め物のボリューム感が少ないためか、部分的な圧迫感を少しだけ感じます。

    横向き寝に最適か?と言われれば微妙なところですが、基本の寝姿勢が仰向きで、睡眠中の寝返りによって横向きにもなるという人ならそこまでストレスを感じないと思います。

    3. 寝返りのしやすさは?

    寝返り

    ココをチェック

    クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。

    寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。

    評価は「3.0」。

    反発性が高い詰め物を使っているわけではないので、押し返すような寝返りサポート性は感じませんでしたが、しなやかなポケットコイルによって体の中心線が整うことで、ストレスなく寝返りが打てました。

    4. 端の沈み込みは?

    端の沈み込み

    ココをチェック

    一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。

    なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。

    評価は「2.5」。

    マットレスの外周にワイヤーがある構造ですが、意外と沈み込みやすかったです。

    端部分へ寝返り打つとその勢いでマットレスから落ちそうになりました。

    外周にワイヤーがあるが、沈み込みは深め
    外周にワイヤーがあるが、沈み込みは深め

    寝相が悪い人は、大きめのサイズを選ぶのがおすすめです(1人用ならセミダブル、2人用ならセミシングル×2つ並べ など)

    5. 通気性は?

    メッシュ生地

    ココをチェック

    睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。

    なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。

    評価は「4.0」。

    マットレスのサイド面がすべてメッシュ構造になっているので通気性は良好です。実際に寝た感じでも、蒸れを感じることなく快適でした。

    6. 耐久性は?

    耐久性

    ココをチェック

    保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。

    評価は「3.5」。

    本商品の販売ページ上には、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)の結果の記載がなく、第三者による評価がありません。

    ただし、ポケットコイルの仕様などを考えた場合、品質面は高いと言え、さらに両面仕様なので、5~8年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。

    なお、品質面への自信から、5年間の保証が付いています(メーカー2年+ネルコ3年)。

    7. 衛生面は?

    抗菌不織布

    ココをチェック

    抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。

    評価は「4.0」。

    本商品の詰め物の不織布には抗菌防臭加工が施されています。

    しかし、抗菌レベル(抗菌活性値等)は非公開のため、どのくらい衛生面が優れているかは具体的にわかりませんが、「抗菌」ということなので「臭いが気にならない程度に菌が抑制できる」程度のレベルとお考えください。

    8. 取り扱いやすさは?

    マットレスのハンドリング

    ココをチェック

    持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。

    特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。

    評価は「2.5」。

    本商品の重量は非公開ですが、当サイトによる計測では「19.05kg」でした。これはポケットコイルマットレスにしてはやや軽量(高密度過ぎない仕様のためかと思います)で、外周にワイヤーがある構造のため、持ち運びには大きなストレスは感じませんでした。

    ただし、お届け時は非圧縮(つまり、そのままの大きさ)なので、搬入経路に不安がある人はご注意ください。

    捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。

    厚さは21cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。

    9. 価格は?

    マットレスの設置イメージ

    ココをチェック

    絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントです。

    評価は「3.40」。

    シングルサイズで39,900円という価格は、マットレス市場全体から考えると「ふつう程度」の価格帯です。

    国産・本格仕様(高品質ポケットコイルの両面仕様)などを考えるとコストパフォーマンスは良いと思いますが、とにかく低価格で探しているという人にとっては、価格が少し高く感じてしまうかもしれません。

    口コミ・評判のまとめ

    5.5インチ国産ポケットコイルマットレス

    本商品の口コミはまだ少数(記事公開時1件のみ)ですが、以下の点を評価されているユーザーさんがいらっしゃいました。

    良い口コミ悪い口コミ
    • 体の痛みが軽減された
    • シンプルな見た目
    • 汚れが目立ちにくい
    • 重量表記がない

    口コミに関する解説

    投稿されているユーザーさんの評価は星5の高評価(5点満点)でした。

    国産品で有名メーカー製ということもあり、作りの丁寧さに満足されているようです。たしかに通販で買えるポケットコイルマットレスは圧縮タイプのことが多く、そうした商品はノンワイヤー(外周にワイヤーがない)構造のため、持ち上げたときにグニャグニャと曲がってしまったり、裏面に詰め物が施されていない片面仕様のことが多いです。

    別商品
    格安ポケットコイルマットレスの場合(ノンワイヤー・品質面の影響で持ち上げるとグニャっと曲がる)※別商品

    その点、本商品は高級感があるジャガード生地や、詰め物が裏面にも施さた両面仕様、外周にワイヤーがあるので形状安定性が優れているなど、見た目も使用感も満足度が高い仕上がりと言えるでしょう。

    体の痛みに対しては、原因が人それぞれなのでなんとも評価が難しいのですが、少なくとも本商品は体圧分散性が高いしなやかなポケットコイル仕様のためマットレスからの圧力を感じにくく、体の荷重に応じて沈み込むというポケットコイルの特性上、寝姿勢は整いやすいので、結果的に今まで感じていた体の痛みが軽減されることもあると思います。

    ネガティブな評価としては重量の記載がないという点です。たしかに販売ページには表記さていません。参考までに当サイトで測定したシングルサイズの重量は約19kgほどでしたが、重量が気になる方は運営会社(インテリアオフィスワン)へ問い合わせされた方が良いと思います。

    >>>公式サイトで口コミを見る

    似ている商品との比較

    本商品と同様の「国産ポケットコイルマットレス」を比較してみます。

    メーカー①東京ベッド②ビーナスベッド③源ベッド
    画像東京ベッドビーナスベッド国産ポケットコイルマットレス(非圧縮タイプ)
    コイル数
    (Sサイズ)
    450個496個616個
    配列並行交互
    線種不明ピアノ線硬鋼線
    (82 B C種)
    衛生面抗菌防臭抗菌防臭
    防ダニ
    両面仕様
    梱包非圧縮
    保証期間5年1年1年
    (公式サイトは3年)
    価格
    (Sサイズ)
    39,900円42,000円37,900円
    リンク商品リンク
    ※完売
    商品リンク商品リンク

    ②ビーナスベッド(岡山県)の商品はバネをピアノ線で作っている点が特長。一般的にピアノ線は硬鋼線よりも高級な素材という位置づけです。

    ③源ベッド(広島県)の商品は、交互配列の高密度仕様で、この中で最も硬めの寝心地です。日本最高グレードの硬鋼線を使って自社でバネから作っています。硬さが3つから選べ、さらにロングサイズも選べる点が魅力です。実物をレビューしているので、以下の記事もご参考ください。

    3つとも国内メーカーですが、東京ベッドは国内最大手のフランスベッドグループで、六本木の一等地にショールームを構えていることもあり、信頼性・安心感という点で選ばれる人も多いのではないでしょうか。

    【厳選】このマットレスと併せて買いたいベッドフレーム 2選

    本商品「5.5インチ国産ポケットコイルマットレス」の通気性の良さを最大限に発揮するには床板がすのこ仕様のベッドがおすすめ。

    以下では、同ショップのneruco製のオリジナルベッドフレームの中でおすすめ商品をご紹介します。(マットレスとフレームを同じショップでそろえた方がアフターフォロー等、何かと便利・お得なことが多いのでおすすめです)

    1. 北欧風シンプルすのこベッド「Banon」(ネルコ)

    ネルコ「北欧風シンプルすのこベッド Banon」

    低価格でも頑丈

    シンプルデザインのすのこベッド。フレームに極太の板を補強した耐荷重350kgの強靭な耐久性が特徴で、きしみや揺れの心配がなく、安心して眠れます。

    4段階の高さ調節ができるので自分の好きな高さで使えます。さらにパーツが少なく組み立ても簡単です。

    サイズセミシングル~ダブル
    (ショート丈あり)
    カラーナチュラル、ブラウン、ホワイト
    価格
    (Sサイズ)
    17,990円

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    2. USBポート付 引出し収納ベッド「ZESTO」

    USBポート付 引出し収納ベッド「ZESTO」

    格安収納ベッドの決定版

    当サイトとネルコが共同開発したオリジナル収納付きベッド。「なるべく低価格、でも使い勝手にこだわる」というコンセプトのもとに企画しました。ヘッドボードにはUSBポート付のコンセントを採用。さらにテッシュボックスや本・目覚まし時計などを置きやすいように14cmの奥行きがあります。ベッド周りに物をいろいろ置きたい人にもおすすめです。

    サイズセミシングル~クイーン
    カラーブラック、ホワイト
    価格
    (Sサイズ)
    20,990円

    このベッドを見てみる

    このマットレスの廃棄方法は?

    スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断・分解が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。

    参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。

    まとめ

    5.5インチ国産ポケットコイルマットレス

    いかがでしたか。

    東京ベッド×ネルコ「5.5インチ国産ポケットコイルマットレス」をご紹介させていただきました。

    最近はネット通販で多くのマットレスを買えるようになってきました。そして、日本では睡眠に関する関心が高まっていることもあり、寝具ビジネスに参入するメーカーも増えている状況です。

    その中で東京ベッドは、日本のメーカーとして最初にポケットコイルを採用した1928年創業の老舗メーカーで、これだけ長くポケットコイルの研究・開発をし続けているメーカーは世界的に見てもなかなかありません。

    そうした信頼感・安心感が、本商品の至る所にも感じることができ、寝心地面も満足いくものでした。

    価格はすごく安いというわけではありませんが、それでも有名メーカー製のしっかりしたマットレスが3万円台から買えるというのはコストパフォーマンスの点から考えると間違いなく優秀と言えるでしょう。

    最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

    東京ベッド

    ※本商品は完売しました。