日本企画のイタリア製ウレタンマットレス
この記事ではIWONU(イウォーヌ)マットレスについてご紹介します。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
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目次
このマットレスの基本情報
メーカー | 北沢株式会社 |
---|---|
サイズ | セミシングル~クイーン |
クッション材 | ウレタンフォーム |
硬さ | やわらかめ~硬め |
価格(Sサイズ) | 66,000円 |
生産国 | イタリア |
お試し期間 | 120日 |
保証期間 | 10年 |
IWONU(イウォーヌ)とは
IWONUは、寝具メーカーの北沢株式会社(大阪府)のオリジナルマットレスブランドです。
北沢は1953年創業の老舗企業で、羽毛布団やカバー、枕などの製造・卸売などの事業を行っていますが、2021年に新しくメーカー直販のマットレスブランドを立ち上げました。それが「IWONU」です。
要するに、IWONUは、老舗寝具メーカーのノウハウを活かして作り上げられたマットレスとお考え下さい。ちなみに、生産はイタリアの工場で行っています。
IWONU(イウォーヌ)とは、『眠る・寝る』を意味する古語『いをぬ』から着想を得たネーミングとのことです。
【まず結論】IWONUマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- 底付きや圧迫感がないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ、IWONUマットレスを以下のように評価させていただきました。
▼ IWONUマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.60 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 4.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 2.5 |
寝返り | 2.5 |
底付きのなさ | 4.5 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.5 |
価格 | 2.46 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
【総評】硬さ調節の性能が抜群!多くの人に合いやすいマットレス
IWONUマットレスの最大の特徴は「硬さ調節性能の良さ」です。
硬さ調節可能なマットレスは最近よく見かけますが、硬さ調節することで寝心地が悪くなったり、そこまで感触が変わらないこともあります。
寝心地が悪くなる主な原因は、本来硬くあるべきの中間層を、硬さ調節時の入れ替えによって柔らかいフォームにしてしまうことで、沈み込みが深くなり寝姿勢が崩れやすくなるためです。
IWONUマットレスは、芯材の中間にサポート層(硬めのウレタンフォーム)を設けています。こうすることで、硬さ調節時に芯材の表裏を変えても、沈み込み過ぎることなく、ストレスない寝姿勢が実現できるのです。
少しイメージしづらいかもしれませんが、ここでは「硬さ調節できるマットレスはいくつもあるが、IWONUはその中で特に調節の性能が優れている」とご理解ください。この点は記事の後半(似ている商品との比較)で詳しくご紹介しています。
さらに、調節幅も8パターン(ダブル・クイーンは64パターン)と、幅広く調節できるので、多くの人の好み合わせやすい点も魅力です。
特徴・使用感・寝心地については以下より詳しくご紹介します。
IWONUマットレスの特徴&メリット
3ブロック構造による「硬さ調節」
IWONUの最大の特徴は、3つのブロックを表裏にすることで合計8パターンの硬さ調節ができることです。
ダブルサイズ・クイーンサイズは、6つのブロックになっているので、二人で使う場合、それぞれの好みに合わせて64パターンもの調節が可能です。
硬さ調節可能なマットレスは他にも多くありますが、これだけ調節幅が広い商品は珍しいです。
公式サイトの開発エピソードで『当初は1枚一体型を想定していたマットレスでしたが、ワークショップ後、少しでもお客様に合うものを作りたいという思いから、3つに分割できる三層構造に変更し、お客様がお好みの硬さを選べる仕様となりました。』と紹介されていました。※強調は当サイト
「低反発×高反発」のハイブリットタイプ
IWONUは低反発ウレタンフォーム入りのカバーと、芯材の高反発ウレタンフォーム(3層)で構成されています。
つまり、厳密には4層構造のウレタンマットレスなのです。
低反発ウレタン(カバー内)※1層 | 高反発ウレタン(芯材)※3層 |
---|---|
低反発フォームは、体へのフィット感が高く、寝姿勢が安定しやすいという特徴があります。さらにIWONUの低反発フォームはやわらかめに出来ているので体圧分散性も高いです。
そして、芯材は硬めの高反発フォームで支えます。高反発フォームは体を押し上げてくれるので、寝返りがしやすく、寝姿勢が整いやすいという特徴があります。
この動画のとおり、IWONUは「体当たりはふんわりと、沈み込んだらグッと押し返す」という理想的なバランスで作られているのです。
120日のお試し期間
IWONUマットレスは購入してから120日間のお試し期間があります。
返品手順は以下の通りです。
- サポートに連絡
- アンケートに回答
- 着払い送り状付きの返送用袋が届く
- 返送用袋に商品を入れて佐川急便に集荷依頼
- 集荷
- 全額返金(手数料なし)
返送用袋に入れて自分で集荷依頼しなければいけない点が少し手間ですが、手数料がかからない点は大きなメリットです。
なお、他のメーカーによっては再梱包や集荷手配などが不要な返品システムもあります。「お試し期間付き」という条件でマットレスを探している人は、以下の記事もご参考くださいね。
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【体験レビュー】IWONUマットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
開梱します。
マットレスはロール状に圧縮し梱包されています。
段ボールの扉はおしゃれなイラストがありました。(表裏で計4枚)
表側 | 裏側 |
---|---|
実はこの部分をハサミで切り離すと「アートパネル」として使えるようになっているのです。
おしゃれなデザインのパネルなので、置くだけでも部屋の印象が素敵になりますね。(これからご紹介する体験の写真の中にも使わせていただきます)
話をマットレスに戻しましょう。
中身はこちら(マットレス本体と説明書)です。
マットレスの重さはシングルサイズで17kg。そこまで重いタイプではありません。
続いて、マットレス本体を開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます
外観のチェック
開封直後は歪みが大きめですが、ボリューム感があるのですぐにでも使い始められます。
説明書によると「膨らむまで24時間ほどかかります」とのことで、開封直後と5日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。
都合上、開封5日後との比較写真となってしまったのですが、完全に元の形状に戻っています。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値の厚さは22cmでしが、23cmでした(個体差があるかもしれません)。
カバー表面のキルティングのデザインが特徴的です。
この外周を囲うようなキルティングは、和布団(敷布団)でよく見かけるデザインですね。さすが和布団の老舗メーカー北沢が作ったデザインです。
中央部分のドットは「ジャンプキルト」という仕様です。
ジャンプキルトとはマットレスの表地部分のキルト(縫い目)が一般的な連続したキルトではなく、不連続(ジャンプ)したキルト仕様のことです。
体圧分散性が向上し、体を包み込むようなふっくらとした寝心地になります。
生地には「ビスコース」というシルクに似た光沢と手触りが特徴の高級繊維を素材にブレンドしています。
生地はやわらかく伸縮性があるので、体へのフィット感が優れます。
サイド面には取っ手が付いています。
取っ手が付いていることでマットレスの移動がしやすいです。
サイドのキルティングもかなり凝っていて、高級感があります。
裏面はこちら。
裏生地にも表生地同様ビスコース入りの高級生地を使っています。
公式サイトでは裏面で寝ることは紹介されていませんが、素材・仕様的には裏面でも寝れます。(ただし低反発フォームは入っていません)
カバーはファスナーで着脱可能です。
内部構造を確認するために、カバーを取ってみましょう。
このように、カバーは2分割可能な仕様です。
芯材のウレタンフォームです。
マットレスのすべてのパーツの展開図はこちら。
芯材のウレタンフォームは3分割仕様です。
簡易的なカバーに包まれています。
芯材(ウレタンフォーム)のチェック
ウレタンフォームの様子を詳しくみるためにカバーをハサミで切り、中身を取り出します。
こちらが中身のウレタンフォーム。
厚さはこのくらいです。
各層がおよそ5.7cmで、合計17cmの厚さが確認できました。
ウレタンフォームの品質・耐久性は「形状のきれいさ」に現れます。
復元率97%というスペックのため、比較的きれいな形状をしていますが、部分的には歪みが見られます。
これはウレタンフォームの密度(「30D前後」の高くない密度)が影響しています。
グレー色がソフト面です。
ソフト面は反発弾性率が約56%が確認できた「本物の」高反発ウレタンフォームです。もっちりと押し返す力があります。
素材が持つ反発性を測る数値。反発弾性率を調べる方法として、JISが定めるテスト方法(JIS K 6400-3)があり、簡単に言うと「高さ50cmから鉄球を落として、反発した高さと割ったのが反発弾性率」ということです。※反発弾性率50%以上で「高反発(高弾性)」
水色がハード面です。
ハード面は反発弾性率が約44%の「一般ウレタンフォーム」です(高反発ではありません)。ソフト面に比べると弾力性に欠け、単に硬いだけといった感じです。
カバー内のウレタンフォームの様子もご紹介します。
厚さはこのくらい。
キルティングによって、山形になっていますが、厚さは最大6cmが確認できました。
6cmはかなり分厚いので、やはりこの部分(低反発フォーム)で中心的な寝心地が作られているようですね。
IWONUのウレタンフォームの中で最も高密度(35D)なので、モッチモチの感触です。形状的に反発弾性率の測定はしなかったのですが、明らかな低反発フォームです。
この画像のとおり、押して離すとゆっくり形状が戻ります。
IWONUの硬さ調節の寝心地は?どうやってやるの?(裏技アリ)
IWONUの基本的な硬さ調節幅は「やわらめ~ふつう」くらいです。
芯材はソフト面が120N、ハード面が180Nなので、ウレタンフォームの硬さとしては「ふつう(120N)」と「硬め(180N)」です。
ですが、カバー内にある低反発フォーム(60~75N)のやわらかめの寝心地に大きく影響されるため、実際は「やわらめ・ふつう」くらいの硬さ調節幅となります。
なお、硬さ調節方法は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
【裏技】IWONUを高反発・硬めにする方法
これは公式サイトでは紹介していない裏技ですが、IWONUはカバー裏面でも寝ることができます。(メーカーさんに質問したところ「WEBでは非公開情報だが、裏面の使用は可能」と回答いただけました)
カバー裏面には低反発フォームが入っていないため、芯材のウレタンフォームの寝心地(高反発・硬め)がダイレクトに感じられます。
要するに、IWONUの表面カバーで寝ると寝心地は低反発マットレスですが、裏面カバーで寝ると「高反発マットレス」に変身するのです。※より高い反発性を感じたい場合、芯材は「ソフト面」がおすすめです
また、裏面にすることでより硬く調節することも可能です。(表面カバーのやわらかい低反発フォームに影響されないため)
つまり、カバーの表裏を使うことで、幅広い硬さと、さらに反発性もコントロールできるのです。(これはすごい!)
表面カバー時 | 裏面カバー時 | |
---|---|---|
画像 | ||
反発性 | 低め | 高め |
ソフト面 | やわらかめ | 少し硬め |
ハード面 | ふつう | 硬め |
表面で硬さや寝返りなどにストレスを感じたら、ぜひお試しくださいね。
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【詳細解説】IWONUマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ IWONUマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.60 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 4.5 |
端の沈み込み | 3.0 |
通気性 | 2.5 |
寝返り | 2.5 |
底付きのなさ | 4.5 |
素材の品質 | 4.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.5 |
価格 | 2.46 |
※目安は「3.50」以上が高評価です
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星3.5」。
低反発らしいフィット感があり、ジャンプキルトのふっくら感と相まって、包まれているような寝心地です。背中から臀部にかけて特に高い体圧分散性を感じます。
フィット感が高めなので、やや蒸れやすいですが、そこまでストレスは感じませんでした。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星4.5」。
ジャンプキルト×低反発フォームという仕様は、しっかりとしたホールド感があり、安定性は抜群です。横向き寝にぴったりのマットレスと言えるでしょう。
特にソフト面を上にした時には、しっかりと肩回りを包み込みつつ、高い反発性によって寝姿勢を整えてくれるので、抜群の寝心地が得られました。
3. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星2.5」。
6cmのソフト低反発フォームが最上層のため、端部分の沈み込みは深めです。
低反発タイプはホールド感が高いので、寝ていて落ちそうになるようなレベルではありませんが、寝相が良くない人はワンサイズ上を選ぶのがおすすめです。
4. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星2.5」。
下層の一部には高反発素材を使っていますが、体に最も近いのは低反発フォームなので簡単にコロコロと寝返りが打てる感じではありません。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星2.5」。
ジャンプキルト×低反発フォームによるフィット感が高い寝心地なので、やや蒸れを感じます。
ウレタンフォーム自体はオープンセル構造(空洞が多い構造)を採用しているので、通気性への配慮はあるのですが、実際の就寝環境においては、そこまでオープンセルの恩恵は感じられません(これはIWON以外のウレタンマットレスもほぼ同じです)
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。
評価は「星3.0」。
結論から言うと、IWONUマットレスは8年くらいの耐用年数が期待できると思います。
ウレタンマットレスの耐久性を知るにはウレタンフォームの「密度」と「復元率」という情報が必要です。
IWONUマットレスの密度と復元率は以下の通りです。
フォーム | 密度 | 復元率 |
---|---|---|
低反発フォーム(カバー内) | 35D | 97% ※マットレス全体 |
ソフト面 | 29D | |
サポート層・ハード面 | 31D |
芯材のウレタンフォームの密度・復元率が高くなればなるほど耐久性は高くなります。
密度について
大雑把に言って、密度は「最低30D以上」で安心感が得られます。
IWONUマットレスの密度は各層で異なりますが「必要最低限の密度で作られている」とお考え下さい。特に芯材(ソフト面・サポート層・ハード面)は高耐久仕様とは言いにくいレベルです。
ただし、表層の低反発フォームは衝撃吸収性が高い素材なので、下層(芯材)のウレタンフォームに負荷がかかりづらいため、寿命の理論値よりも長めに使えると思います。
復元率について
大雑把に言って、復元率は「最低96%以上」は安心感が得られます。
復元率とは「マットレスを8万回圧縮してどれだけ元の形状に戻っているか」の数値です。(8万回とは、一晩にする寝返りの回数などを考慮して「標準的な人が10年使った場合」を想定した圧縮回数)
IWONUマットレスの復元率97%はそこそこ高めの数値です。要するに、8万回圧縮後、約7mmしかヘタらないということです。(この試験はウレタンフォームの経年劣化などは想定していませんので、数値以上にヘタります)
その他の懸念点
芯材が3つのブロックに分かれていることも耐久性としては懸念材料です。
基本的にマットレスは端が最も耐久性が低いので、荷重がかかる部分が分割されているとヘタリやすいです。
なお、IWONUマットレスは10年保証が付いているので、もしヘタってしまったらサポートに相談しましょう。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「星4.0」。
各フォームの接着や裁断などの加工はきれいで、製造レベルの高さが想像できます。
正面 | 側面(サイド) |
---|---|
ただし、復元率97%・密度30D前後という仕様のため、芯材に部分的な歪みが見られました。(高いレベルの密度・復元率でないため、圧縮梱包にした際に膨らみ切らないことが原因です)
とはいえ、この歪みは寝心地に影響しないレベルです。
プラスの要素としては、カバー生地の豪華仕様です。
特に「ジャンプキルト」「ビスコース生地」というのは、かなりハイグレードな仕様です。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
「抗菌防臭」や「防ダニ」等の衛生機能はありません。
とはいえ、衛生加工があるマットレスの方が少ないので、評価値としては「3.0(ふつう)」です。
9. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3.5」。
重さが約17kg・厚さが22cmと「一般的なベッドマットレス」レベルの条件です。
硬さ調節する際も、芯材が3ブロックに分かれていることで、1つのブロックが軽くなるため、力が弱い人でも簡単に入れ替えることができます。カバーに取っ手があることでちょっとした移動もしやすいです。
なお、ウレタンマットレスは細かくちぎれば家庭ごみで捨てられるので「捨てやすいマットレス」とも言えます。※ごみ捨てはお住いの自治体のルールに従ってください
10. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星2.68」。
シングルサイズで66,000円は、マットレス市場全体から考えると「少し高いレベル」の価格帯です。
しかしながら、10年保証・120日のお試し期間付き、豪華なカバーなどを考えるとコストパフォーマンスとしては決して悪くありません。
似ている商品との比較
IWONUマットレスの
- 硬さ調節可能
- ウレタンマットレス
- 長期のお試し期間付き
という特徴を持ったマットレスを比較します。
メーカー | ①IWONUマットレス | ②コアラマットレス KORE | ③エコサ・マットレス |
---|---|---|---|
画像 | |||
メーカー (ブランド) | IWONU | コアラ・スリープ | エコサ |
硬さ調節パターン | 8 (64) | 2 | 3 |
反発性 | 低反発+高反発 | 高反発 | 低反発+高反発 |
密度 | 35D/29D/31D | 30D/50D | 32D/40D/50D |
復元率 | 97% | 非公開 | 98% |
カバー洗濯 | × | × | 〇 |
防水 | × | × | 〇 |
保証 | 10年 | 10年 | 15年 |
お試し期間 | 120日 | 120日 | 100日 |
サイズ | S~Q | ||
価格 (Sサイズ) | 66,000円 | 99,900円 | 72,000円 |
リンク | 公式HP | 楽天市場店 | 公式HP |
比較商品の特徴
②コアラ・スリープ「コアラマットレス KORE」の特徴は?
②コアラマットレスはオーストラリア発のウレタンマットレスブランドです。2015年に創業し、2017年に日本市場に上陸しました。
2020年にコアラマットレスは「硬さ調節ができる」という特徴を全面に大幅なリニューアルを行いました。
コアラマットレスの硬さ調節の幅は2段階で、調節方法はカバーをひっくり返すだけというシンプルさが魅力です。
寝心地は「少し硬めの高反発」です。
違いをまとめると以下の通りです。
商品 | IWONUマットレス | コアラマットレスKORE |
---|---|---|
画像 | ||
寝心地 | 表面:やわらかめの低反発 裏面:少し硬めの高反発 | 少し硬めの高反発 |
硬さ調節の幅 | 8通り (D・Qは64通り) | 2通り |
硬さ調節 | 少し手間 | 簡単 |
両面/片面 | 両面 | 片面 |
お試し期間 | 120日 | |
保証 | 10年 | |
価格 (Sサイズ) | 66,000円 | 89,900円 |
リンク | 公式サイト | 楽天市場店 |
③エコサ・マットレスの特徴は?
③エコサ・マットレスもオーストラリア発のマットレスブランドです。創業はコアラマットレス同様、2015年ですが、日本に上陸したのが2020年なので、コアラマットレスよりも知名度はまだ低めです。
エコサ・マットレスの硬さ調節の幅は3段階で、調節方法は複数のカバーを開閉しなければならないので、この中で最も手間がかかります。
寝心地はIWONUのと最も近い「低反発×高反発」のハイブリットタイプなので、IWONUと似た寝心地の商品を検討したい人はエコサ・マットレスがおすすめです。
違いをまとめると以下の通りです。
商品 | IWONUマットレス | エコサ・マットレス |
---|---|---|
画像 | ||
寝心地 | 表面:やわらかめの低反発 裏面:少し硬めの高反発 | やわらかめの低反発 |
硬さ調節の幅 | 8通り (D・Qは64通り) | 3通り |
硬さ調節 | 少し手間 | かなり手間 |
両面/片面 | 両面 | 片面 |
お試し期間 | 120日 | 100日 |
保証 | 10年 | 15年 |
価格 (Sサイズ) | 66,000円 | 72,000円 |
リンク | 公式サイト | 公式サイト |
IWONUのデメリットとメリット(コアラ・エコサと比較)
デメリットは「耐久性」と「返品システム」
ウレタンフォーム仕様に関しては、競合商品(コアラ・エコサ)に軍配が上がります。
一番は密度です。ダイレクトな荷重を受ける表層部分のウレタンフォームの密度はコアラ・エコサが50D、IWONUが35Dです。※しかも「低反発で35D」というのはかなり頼りない耐久性です
また、返品システムも競合商品(コアラ・エコサ)が優れています。コアラもエコサもメーカーが回収業者を手配し、マットレスを持って行ってくれます。
一方、IWONUの返品時はサポートに連絡後、梱包材が送られてきて、自分で梱包して集荷を手配しなければいけません。
メリットは「硬さ調節の性能」
一方、硬さ調節後の寝心地の良さや調節の幅広さなどは、IWONUの方が優れています。
まず、IWONUは芯材にサポート層があるので、硬さ調節にありがちな「寝心地の悪化」がありません。
マットレスの層を入れ替えるタイプの硬さ調節方法(コアラやエコサ)では、調節後に理想的な寝心地が崩れ、沈み込みやすくなったりします。
基本的にマットレスは「柔・硬・柔」という順番で層を作るのが大切です(弾性の三層構造と言います)。
つまり、硬いサポート層がないマットレスは沈み込みやすく、結果的に寝姿勢が崩れることになるのです。
こうした点をしっかりと考え、IWONUは芯材の真ん中にサポート層(硬めの層)を設け、沈み込みを軽減しているのです。
さらにこの記事の上でもご紹介しましたが、裏面カバーにも寝れるため、硬さ調節の幅が広く、さらに反発性もコントロールできるので、調節機能としては抜群に優れています。
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IWONUマットレスはどこで買うのがお得?
IWONUマットレスは公式サイトでのみ購入が可能です。
実店舗での販売もないので、公式サイト(オンライン・ショッピング)にてご購入ください。
まとめ
いかがでしたか。
IWONUマットレスをご紹介しました。
日本企画のイタリア製ウレタンマットレスです。非常に丁寧に作り込まれていて、カバーの細部に至るまで高級感があります。
また、硬さ調節が可能なタイプのマットレスの中では最も性能が高く、多くの人に合いやすいと思います。
耐久性は、同価格帯のウレタンマットレスに比べるとやや低めと想定しますが、IWONUには10年保証があるので、ヘタってきたらサポートに相談できる点もメリットです。
120日のお試し期間もあるので、ぜひ気軽に試してみてはいかがでしょうか。
基本的には「もちもちした柔らかめの寝心地が好きな人」に合いやすいマットレスだと思います。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。