マットレスの「層構造」をチェックしてみよう
この記事では、寝心地が良いマットレスの特徴のひとつ「弾性の三層構造」という仕様についてご紹介します。
弾性の三層構造とは人間工学の考え方のひとつで、マットレスメーカーで働いている人なら聞いたことがあるかもしれませんが、なかなか一般の人は耳にすることがない言葉だと思います。
しかし、マットレスを選ぶうえで知っておくと、そのマットレスが人間工学的な観点から考えられているかどうかがわかりやすく、結果的にそのような科学的なアプローチで作り上げられたマットレスは、寝心地としては満足がいくものが多いと感じます。
この記事の後半では、弾性の三層構造に基づいて作られた寝心地が優れたおすすめマットレスもご紹介しています。(当サイト独自の見解で選定しています)
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弾性の三層構造って何?
寝心地が良いマットレスとは「やわらかさ」と「硬さ」という矛盾する要求に上手く応えられるマットレスです。
寝姿勢においては、体に直接触れる表層には「やわらかさ」が求められますが、やわらかいだけのマットレスは沈み込み過ぎて寝姿勢が崩れます。
そこで、沈み込んだときにしっかりと寝姿勢を保持できるよう、「硬さ」のある素材が必要になります。
最後にマットレスにかかる衝撃を分散するために、ふんわりと「クッション性」がある素材を用いることで、
「体当たりはやさしく、寝姿勢を保持しながら、ふんわり支える」
という理想的な寝心地を作ることができるのです。
簡単に言うとこれが「弾性の三層構造」のコンセプトです。
上の図のとおり、上から「柔・硬・柔」の構造で、A層・B層・C層にそれぞれ適した素材を採用することで、寝心地が良いマットレスを作るという人間工学的なアプローチです。
老舗マットレスメーカーや有名海外ブランドでは、こうした弾性の三層構造のコンセプトを用いて商品が作られていることが多いですが、新しいマットレスメーカーや格安・激安モデルなどは、無視されて作られていることもあります。
三層構造のマットレスと、そうでないマットレスの違いは?
わかりやすいように弾性の三層構造を用いたマットレスと、そうでないマットレス(単層構造タイプ)を比較してみます。
三層構造タイプ | 単層構造タイプ |
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三層構造タイプ(例:源ベッド)
弾性の三層構造で作られた代表例として、広島県にある老舗ベッドメーカー「チヨダコーポレーション(ショップ名:源ベッド)」のオリジナルポケットコイルマットレスをご紹介します。
体に触れるA層は「ポリエステル綿&ソフトウレタンフォーム」によってもっちり・ふっくらと柔らかい感触です。
B層には「硬めのチップウレタン」(カラフルなフォーム)を採用。チップウレタンは、いろいろな生産工程で発生するウレタンフォームの端材を接着剤を入れて押し固めた素材で、一般的なウレタンフォームに比べてヘタリに強いです。
C層は衝撃をしっかりと吸収する「ポケットコイル」を採用。こちらの商品では国内最高レベルの硬鋼線を使用し、耐久性・反発性とも優れています。
寝心地は以下の記事でご紹介しています。
単層構造タイプ(例:モットン)
多層構造でないマットレスの代表例は、腰対策マットレスとして有名な「モットン」をご紹介します。
モットンは「薄手のカバー+ウレタンフォーム」というシンプルな構造で、特に三層構造のコンセプトでは作られていないマットレスです。
「三層構造のみ素晴らしい」というわけではありませんが、やはり単層タイプのマットレスは寝心地としては少し味気ない感じはします。
しかし、一概に単層タイプのマットレスが悪いというわけでなく、むしろ詰め物を多用していないためヘタリにくい傾向があるというメリットもあります。(詰め物で使われることが多いワタやウレタンフォームは比較的ヘタリやすい素材です)
なお、こうした単層タイプのマットレスの寝心地に不満がある人は、マットレストッパーなどを上に敷けば、多層構造のようなリッチな寝心地に改善することも可能です。
スプリングコイルマットレスでもB層がない商品もある
ポケットコイルなどのスプリングコイルマットレスは、基本的に「スプリング+詰め物」という構造のため、多層構造で作られています(スプリングには直接寝れませんので)。
ですが、特に格安モデルなどではB層(硬い層)がない商品も多く、結果的に寝姿勢が崩れたり、バネ当たりを感じる原因になりえます。
B層を作るにはそれなりの技術も必要で、さらにこうした内部構造はあまり注目されることがなく、コストダウンのため省かれることが多いのが実情です。
よって、オンライン限定などで試し寝ができない商品の場合、構造をよくチェックされた方が良いでしょう。(断面情報を公開していない商品も多いのですが。。)
体型による選び方
体型によって、適切な寝姿勢を支える3層のバランス(厚さや硬さ)があります。
ポイントは「骨」「筋肉」「脂質」におけるそれぞれの量や質です。
体の内側から外側に向かい①骨②筋肉③脂質の順番になっていて、その順番で比重も軽くなっていきます。
そして、マットレスを体型を構成するバランスになぞらえていくと、その人に適合したマットレスになる傾向あるという考え方です。
体型の例 | 3層のバランス |
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骨太でがっしりした人 | C層が硬め |
細身で華奢な人 | B層が多め |
皮下脂肪が多い人 | A層が多め |
もちろん、その人が持つ生理湾曲(背骨のカーブ)や、寝心地の好みなどにも影響されますが、ショールームなどで試し寝をする際など、意識してみてくださいね。
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【すべて体験済み】寝心地が良い!おすすめの多層構造マットレス 6選
当サイトで検証済みのおすすめの多層構造マットレスをご紹介します。
弾性の三層構造が上手に表現されていると思ったモデルを厳選しました。
1. 源ベッド「夜香クラシック(国産ポケットコイルマットレス)」
国産なのに低価格!コスパで選ぶならコレ
この記事の上でもご紹介した国産ベッドメーカー「源ベッド」のオリジナルマットレス。国内最高品質の硬鋼線を使用したポケットコイルを高密度の交互配列に敷き詰めたしっかりとした寝心地です。
両面仕様のためローテーションも可能なので寝心地が長持ちしやすい点も魅力。さらに詰め物のワタは抗菌防臭・防ダニ効果があるマイティトップⅡを使用し、これだけハイグレードな仕様にも関わらず3万円台から買える抜群のコストパフォーマンスを誇ります。
受注生産品なので納期が長い(注文後2~3週間ほどかかる)ことがデメリットですが、待って後悔しない逸品です。通常丈に加えてショートサイズ・ロングサイズが選べる点もメリット。さらに寝心地もソフト・レギュラー・ハードから選べます(レギュラーで「やや硬め」の寝心地です)。
サイズ | セミシングル~クイーン ※ショートサイズ・ロングサイズあり |
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硬さ | ソフト・レギュラー・ハード(選べる) |
反発性 | ふつう |
クッション材 | ポケットコイル |
価格 | 39,900円~ |
その他 | 両面仕様、防ダニ、抗菌・防臭 |
2. フランスベッド×インテリアオフィスワン「最高に硬いマットレス(IFM-002)」
耐久性抜群!硬い寝心地が好きならコレ
フランスベッドとベッド専門店ネルコなどを運営するインテリアオフィスワンが「普通の硬さじゃ満足できない人」に向けて共同開発した超硬めマットレス。
単に硬いだけでなく、詰め物とクッションによる柔・硬・軟のバランスが絶妙で多くの人に受け入れられやすい寝心地です。
外周に2列の通気孔が設けられ、オープンコイル構造と相まって通気性が抜群。さらに両面仕様で抗菌防臭・防ダニと満足感が高い仕様も魅力です。
また、本商品の「高密度連続スプリング」はクッション材の種類の中では最も耐久性が高いので、特に体重が重い人や長期間マットレスを使用したい人におすすめです。なお、高密度連続スプリングは権利の関係でフランスベッドでしか製造できません。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | 硬め |
反発性 | ふつう |
クッション材 | 高密度連続スプリング |
価格 | 39,990円~ |
その他 | 両面仕様、防ダニ、抗菌・防臭 |
3. エマ・マットレス
世界中で400万人が愛用!寝返りのしやすさで選ぶならコレ
エマ・マットレスはドイツ発の海外マットレスブランド。2015年に欧州で発売以降、数々のアワード(表彰)を獲得していて、世界的な高評価を得ています。2020年よりついに日本でも販売開始されました。
反発弾性率は約60%(当サイト調べ)とかなり高い反発性があるため、寝返りがしやすいです。クッション材のウレタンフォームは硬さの異なる3層構造。
一番表層はかなりやわらかいですが、薄いためすぐに沈み込みが中間層(硬め)に到達することでしっかりと寝姿勢が保持されます。
さらにいくつもの空洞がある特殊仕様により、通気性が高まり、フィット感と適度な体圧分散性がある良質な寝心地が実現されています。
100日間の無料お試し期間があり、「いつでも返せる・返送費無料・梱包不要」など、かなりシンプルな返品・返金システムなので気軽に試しやすい点も魅力です。
サイズ | シングル~キング |
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硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発 |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 99,000円~ |
その他 | 片面仕様、返金・返品保証 |
4. 快眠タイムズ マットレス
抜群のバランス感!失敗しにくい寝心地
愛知県に本社がある株式会社篠原化学が展開する寝具ブランド「快眠タイムズ」の基幹マットレス。寝具のプロによって計算されつくされた3層構造のウレタンフォーム+機能カバーによる寝心地・使用感は多くの人に合いやすいでしょう。
表層は低反発フォームで、フィット感が優れたやさしい寝心地になり、中間層はもちもちの高反発フォームでしっかりと体が支えられます。そして下層は体の荷重バランスに合わせた「ゾーニング」仕様となっていて、衝撃吸収性をさらに高められています。
なお、表層・中間層は45Dという高密度で作られているため、耐久性も抜群。さらに60日の無料お試し期間付きです。この仕様で5万円台~はコスパが優秀です。
サイズ | シングル~クイーン |
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硬さ | やや柔らかめ |
反発性 | 低反発+高反発 |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 50,000円~ |
その他 | 片面仕様、高反発、返金・返品保証あり |
5. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」
高品質で隙がない!薄型タイプで選ぶならコレ
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。超高密度なウレタンフォームを使用し、従来の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性が特長。高い反発性があるので寝返りもしやすいです。
薄型タイプでは珍しく、カバーにしっかりと詰め物が施されていることが特徴。B層はありませんが、寝た際には詰め物が押しつぶされることで多少B層の役割も出てきます。
なお、カバーは抗菌活性値5.9(強い効果が認められるレベル)の抗菌性がある生地を使用。取り外して洗えるので、汗をかきやすい人にもおすすめです。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
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硬さ | やや硬め |
反発性 | 高反発(反発弾性率60%) |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 49,800円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ、三つ折り |
6. 源ベッド×悠デザイン「咲夜ハイフィール」【イチオシ】
薄型タイプとは思えない寝心地・感触の良さ
当サイト(運営:株式会社悠デザイン)と、国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。
『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』を目指し、薄型タイプでは珍しい3層構造、表層には超高密度・高反発フォームを採用しています。
3層構造ならではの体圧分散・寝姿勢保持・荷重分散のバランスの良さと、高反発ならではの寝返りサポート性が高い寝心地が実現されていて、約4万円から買えるコストパフォーマンスの良さが魅力です。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | ふつう |
反発性 | 高反発(反発弾性率60%) |
クッション材 | 3層ウレタンフォーム |
価格 | 39,900円~ |
その他 | 片面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ |
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
マットレスの「弾性の三層構造」についてご紹介しました。
マットレスの硬さ(やわらかさ)選びは重要ですが、単純に硬いだけでは体が痛いですし、柔らかいだけでは寝姿勢が歪んでしまいます。
要するに、快適な寝心地を作るには硬さとやわらかさという相反する要求を満たしてあげる必要があります。
弾性の三層構造は「表面は柔らかく、沈み込んだら硬く、最後に衝撃をふんわり吸収する」という理想的な敷き寝具を作るうえで大切なコンセプトです。
なお、初めてこの考えを提唱したのが人間工学の巨匠である小原二郎氏で、創案されて数十年が経過された現在でも変わらない、要するに「マットレス作りの定石」といっても過言ではないコンセプトと言えるでしょう。
もちろん、小原氏が創案された時代には存在していなかった優れた素材や工夫が現在ではあります。
この記事では、多くのマットレスのレビューを行ってきた当サイトの視点で、「柔・硬・柔」という弾性の三層構造によって、素晴らしい寝心地を表現していると考える商品をピックアップさせていただきました。
ご参考いただけたなら幸いです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。