高級ホテルのような寝心地がお手頃価格
この記事では源ベッドのオリジナルマットレス「日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプ」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきましたが、宣伝を目的とした記事ではありません。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトでは体験レビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を撮影・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人

ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、「gooランキング(NTTグループ)」などへの出演・取材協力も行う。
目次
日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプの基本情報
源ベッドの「日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプ」のサイズや価格等の情報は以下の通りです。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
---|---|
クッション材 | ポケットコイル |
カラー | ホワイト |
価格(Sサイズ) | 29,900円 |
保証期間 | 1年(公式サイトのみ3年) |
なお、本商品と同様の「圧縮タイプの国産マットレスシリーズ」は以下の3つがあります。
スタンダード | ハイグレード | プレミアム (本商品) | |
---|---|---|---|
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スプリング | ポケットコイル | ||
寝心地 | レギュラー | ソフト・レギュラー・ハード | レギュラー(高反発) |
サイズ | S~D | SS~WD | S~WD |
詰め物 | ウレタン | プロファイルウレタン | |
抗菌防臭 | × | 〇 | |
仕様 | 片面 | 両面 | |
価格 (Sサイズ) | 19,900円 | 25,900円 | 29,900円 |
源ベッドの特徴やラインアップについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ 日本製ポケットコイルマットレス(プレミアムタイプ)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.72 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 2.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 5.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 2.0 |
価格 | 3.58 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
以下より、その理由を詳しくご紹介します。
本商品の特徴・メリット
本商品は広島県にあるベッドメーカー「源(みなもと)ベッド※」が製造・販売するオリジナルポケットコイルマットレスです。※運営会社は株式会社チヨダコーポレーション
国産、且つプレミアム仕様で2万円台から買える抜群のコストパフォーマンスが特長です。
源ベッドには3つの圧縮ポケットコイルマットレスシリーズ(スタンダード・ハイグレード・プレミアム)があるのですが、その中で本商品は最高グレードに位置します。
以下より、本商品の特徴を詳しくご紹介します。
1. 高品質な「ポケットコイル」
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいるコイルのことです。

ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。
「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
そして、商品によってポケットコイルの線種や密度(いくつコイルを使っているか)、配列(並行か交互か)、線径(バネの太さ)などの違いがあり、それらが寝心地を作る特徴となります。
本商品で使っているポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ 本商品の仕様 | |
---|---|
線種 | SWRH 82 B C種 |
密度 | 496個 ※Sサイズ |
配列 | 並行配列 |
線径 | 2.1mm |
国内最高クラスのバネ
ポケットコイルで使われているバネは硬鋼線(こうこうせん)と呼ばれる素材で作られ、その品質はメーカーや商品によって差があります。
1~3万円クラスのマットレスには「SWRH 72 B C」あたりの線種が使われることが多いのですが、本商品ではJIS基準最高クラスの硬鋼線「SWRH 82 B C種」という線種を採用。

例えば上記のような「SWRH 72 B C」という表示は以下の通り解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示表の改正があり、線種などの表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネそのものが高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもコイルの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
そうした意味で2万円台から買える格安マットレスなのに日本最高クラスの硬鋼線を使用しているというのはメリットのひとつと言えるでしょう。
高密度タイプ
マットレスは実現したい寝心地によってこれらの仕様を決めるので、一概に「この仕様が優れている!」とは言いにくいのですが、ポケットコイルの密度に関しては最低でもSサイズあたり400個以上はあった方が耐久面としてはおすすめです。
なぜかというと、密度が低すぎる場合、コイルひとつあたりに荷重が集中するためヘタリやすくなるからです。
なお、ポケットコイルマットレスはSサイズあたり465個程度の密度のことが多いですが、本商品はSサイズあたり496個という一般的な商品よりもやや高密度で作られています。
なお、ポケットコイルは高密度で作れば作るほど寝心地は硬く・体へのあたりは滑らかに、そして静かになる傾向があります。
配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
配列の違いもそのマットレスがどのような寝心地を目指しているか?で決められます。
並行配列はコイルを並行に配列する構造で、特徴としてはコイル一つ一つの動きが出て、反発力を感じやすく、要するに寝返りのサポート性に優れるというメリットがあります。
一方、交互配列は、コイルを交互に配列する構造で、特徴としては高密度(超高密度)に作りやすく、結果的にジェル的なぴたっとした静かな寝心地になります。より振動が伝わりづらいこともメリットです。
並行配列 | 交互配列(千鳥配列) |
---|---|
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|
|
本商品は並行配列を採用。
つまり、バネ感が適度に発揮され、寝返りがしやすいという寝心地を狙っています。
線径2.1mmの寝心地は?
線径とはバネの太さのことです。
本商品で採用されている2.1mmの線径は、どちらかというと太めのタイプです。
線径は太ければ太いだけ反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細ければ細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
つまり、線径は太い・細いで良し悪しが分かれるものではありませんが、細すぎる線径のポケットコイルを全面に敷き詰めてしまうと沈み込みやすく、底付きの原因にもなりえるので、ある程度の太さは必要です。
その点、本商品はしっかりとした太めの線径を使用しているので、安定感ある寝心地が実現されています。
2. 詰め物に「高反発プロファイルウレタン」
本商品がシリーズ最高グレードのプレミアムタイプたる理由は、詰め物の高品質な「高反発プロファイルウレタンフォーム」を使用しているからです。
プロファイル加工の特徴は?
このウレタンフォームは、表面がポコポコとした点構造をした「プロファイル加工」が施されています。プロファイル加工はムアツふとんなどでもお馴染みの仕様ですが、その特徴は以下の3つです。
- きめ細やかに体をサポート
- 適度な体圧分散性
- 通気性が良い
まず、無数の凹凸がある構造のため、体をきめ細やかに「点」で支えます。点で支えることにより、体の部位の重さの違いに応じて、きめ細やかにサポートできるのです。
そして、点構造は荷重がかかる部分ごとに支持する力が変わるため、寝姿勢が整います。つまり、荷重を集中させないことで、マットレスから体にかかる圧力を分散(体圧分散)しやすい構造と言えます。
また、波を打ったような凹凸構造は、一般的な平面構造のフォームよりも体に触れる面積が少なくなるため、通気性が向上します。
高反発って何?
高反発とは、文字通り「高い反発性がある」こと。簡単に言うと、押して離した瞬間に勢いよく形状が元に戻る素材ということです。
高反発は低反発フォーム(押すとゆっくりと戻る素材)のデメリットである寝返りにしづらさや蒸れやすさを改善するために作られました。
体圧分散性やフィット感は低反発フォームに劣りますが、体の近くに高反発フォームがあることで簡単にコロンと寝返りが打ちやすくなるので、普段から寝苦しさを感じている人にはおすすめの素材です。
高反発フォームに関しては以下の記事で詳しくご紹介しています。
「高密度タイプ」だから耐久性◎
ウレタンフォームの耐久性は密度によって決まります。
ウレタンフォームはポケットコイルなどのスプリングよりもヘタリやすい素材なので、寝心地を長期間キープしたいならできるだけ高密度タイプのほうがおすすめです。
本商品の密度は30kg/㎥。つまり30Dです。なお「D」とは密度(Density)の意味です。
マットレスで使われるウレタンフォームは20~40Dの商品が多いのですが、それぞれの耐久性(寿命)の目安は以下の通りです。
密度 | 耐久性(寿命) |
---|---|
20D | ~1年 |
25D | 3~5年 |
30D | 5~8年 |
40D | 8年以上 |
つまり、本商品のプロファイルウレタンフォームの場合、5~8年は快適な寝心地をキープできると考えられます。
なお、本商品はポケットコイル(スプリング)がクッション層にあるので、マットレス全体の寿命と考えればもう少し長い(8~10年程度)かと思います。
3. 長持ちしやすい「両面仕様」
本商品は表面・裏面が同じつくりをしていて、どちらでも寝れる「両面仕様」となっています。
両面仕様は裏面でも寝れるため、上下に加えて表裏もローテーションできることがメリット。

ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転さてマットレスの寝心地を長持ちさせる技でホテルなどの宿泊施設でも行われているポピュラーなメンテナンス方法です。

ちなみに、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは表面しか寝れない(裏面に詰め物が施されていない)「片面仕様」のことが多いです。

一方、本商品は格安価格でありながら、裏面にも詰め物をしっかりと施しているため、ローテーションにより寝心地が長持ちしやすいです。
4. 「抗菌綿入り」で衛生面◎
本商品の詰め物にある綿(ワタ)には、マイティトップⅡ(帝人)使用しています。
マイティトップⅡは、抗菌防臭と防ダニ加工が施された機能綿です。
体に近い場所に抗菌綿があることで、清潔な環境を維持しやすいと言えるでしょう。
なお、抗菌防臭とは主に動物や人間の皮脂や髪の毛なのどに存在する「黄色ブトウ球菌」の繁殖を抑える効果のことです。黄色ブドウ球菌は食中毒を引き起こす代表的な菌のひとつとして知られています。
そして、本商品の防ダニ加工は忌避性。つまりダニがマットレスに近づくことを回避する加工のことです。
本商品のデメリット
1. 持ち運びづらい
厚さが26cmほどある分厚いタイプで、重量もかなり重たいマットレスです。参考までに筆者(30代・男性)でも、持ち運んだり移動するのに苦労する重量感でした。
力の弱い人はローテーションなどの移動も苦労すると思いますので、注意が必要です。
2. ヘタリの不安
本商品はプロファイルウレタンフォームなどの詰め物のボリュームが多く、そこで中心的(特徴的)な寝心地を作っています。
だだし、ウレタンフォームはスプリング(ポケットコイル)よりもヘタリやすい素材のため、しだいに寝心地が変わってしまうリスクもあります。
なお、本商品はJISの耐久試験(押圧80,000回)をクリアしているので、一定の耐久性は担保されています。
しかし、実際の睡眠環境においては「長時間」「多湿になりやすい」などの条件も加わります。経年劣化しやすく、水分に弱いというウレタンフォームの特徴上、やはりヘタリやすさは懸念点です。
とはいえ、もし詰め物のウレタンフォームがヘタってきたらマットレストッパーなどで寝心地を復活させることも可能です。
また、なるべくヘタらないように、3か月に1度程度の定期的なローテーションを忘れないようにしましょう。
【体験レビュー】源ベッド「日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプ」を実際に試してみた

実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルです。
圧縮されてロール状になって入っています。
中身はマットレス本体と取扱説明書(保証書)の2点です。
本製品の通常保証は1年ですが、公式サイトで購入すると3年保証となります。
重さは非公表ですが20kg以上はあると思うので、力の弱い人は運ぶのが大変かもしれません。
マットレスを開けていきます。
まずはマットレス(梱包)に巻かれたテープをはがしていきます。
軽い力で簡単にペリペリとめくれます。
テープをめくり終わるとロール状に巻かれていたマットレスがゆっくりと解かれていきます。
マットレスを手で引き延ばして、短辺側のビニールに切り込みを入れます。
このとき、マットレス本体に傷かつかないように慎重に行ってください。
切り込みを入れると圧縮されていたポケットコイルが膨張していきます。
あっという間に膨張していきます。
最後にビニールを取ります。
開封完了。ここまで3分程度です。
外観
開封直後からハリのあるボリューム感があり、すぐにでも使えます。
マットレスの端部分の少しへこんでいますが、開封して1日後には詰め物のウレタンフォームなどが膨らみ、ボリューム感が完全に復元されます。
開封直後 | 開封して1日後 |
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表面の生地はポリエステル100%を使用。ふっくらとしたやわらかな触り心地です。
マットレス自体は十分な厚みがあります。
厚さは公表値どおり26cmほどでした。
これはマットレスの中でかなり厚みがあるタイプです。厚みがあるマットレスはその厚さだけで底付きを感じにくいというメリットがあります。
本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。

内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
ポケットコイルの上に詰め物が施されています。
上から、
- ガーゼ生地
- 抗菌防臭・防ダニわた
- ウレタン 15mm
- 不織布
- プロファイルウレタン 40mm
- フェルト
- 不織布
- ポケットコイル(ここが真ん中)
- 不織布
- フェルト
- プロファイルウレタン 40mm
- 不織布
- ウレタン 15mm
- 抗菌防臭・防ダニわた
- ガーゼ生地
という15層構造をしています。
約6cmほどのボリューム感がある詰め物層のため、寝てもバネあたりを感じることはありませんでした。
生地の真下にある綿です。ふんわりとやわらかい感触が気持ち良いです。
この綿は抗菌防臭と防ダニ加工が施されています。
綿の下にはウレタンフォーム(15mm)があります。
反発性はふつう程度です。
その下は薄い不織布を挟んでプロファイルウレタンフォーム(40mm)があります。
このプロファイルウレタンフォームによって、本商品(プレミアムタイプ)の特徴的な寝心地が作られています。
弾力性が優れた高反発素材で、凹凸構造のため体圧分散性も向上します。
更に下にはフェルトが挟まれています。
フェルトは不織布よりも厚みがあり、しっかりとした触り心地です。
フェルトをポケットコイルのすぐ上に敷くことにより、体が沈み込んだときにバネ当たりを感じにくくすることや、ポケットコイルの嫌な振動(ポコポコと鳴るような音)を抑えてくれます。
ポケットコイルの高さは150mmほどでした。
コイル高150mmは一般的なポケットコイルマットレスと同じくらいです。
なお、コイルは高さがあるほど、クッション性が高くなる傾向があります。
【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ 日本製ポケットコイルマットレス(プレミアムタイプ)の評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.72 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 4.0 |
端の沈み込み | 4.0 |
通気性 | 2.5 |
寝返り | 4.0 |
底付きのなさ | 4.0 |
バネ当たりのなさ | 5.0 |
耐久性 | 3.0 |
衛生面 | 4.0 |
取り扱いやすさ | 2.0 |
価格 | 3.58 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
ざっくりと使用感の雰囲気を知りたい方は以下の動画をご覧ください(音は出ません)。
では、以下より特徴を詳しくご紹介します。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
詰め物にあるプロファイルウレタンフォームにより、ふんわりと荷重が受け止められ、入眠時の寝心地はかなり良いです。
寝た瞬間の印象は、今まで体験したことがある源ベッドのマットレスの中で最も良いものでした。まるで高級ホテルにあるようなマットレスです。
ボリューム感があるマットレスなので、まったくと言っていいほどバネ当たりや底付きは感じません。

しっかりしたポケットコイルに支えられているおかげで、沈み込みすぎず、ストレスない寝姿勢です。
しかし、長時間寝ていると、やはりウレタンフォームを多用しているせいか若干の蒸れを感じました。通気性が良いとされる凹凸構造のプロファイルウレタンフォームであっても荷重がかかると押しつぶされて平坦になるため、同じ寝姿勢だと少しだけ蒸れが気になります。
2. 横向き寝は?(底付き・バネあたりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような寝姿勢保持性能もポイントです。
このマットレスは横向き寝に真価が発揮されると思ったほどの良い寝心地でした。
弾力性がある高密度タイプのプロファイルウレタンフォームによって荷重が集中する肩や臀部はしっかり沈み込みつつ、支えられます。バネ当たりや底付きもありません。

さらに、プロファイルウレタンフォームは凹凸構造のため寝姿勢保持性も優れています。
また、表面の生地が伸縮性が豊かなニット素材を使っている点も、深い沈み込みが必要な横向き寝における快適さを高めていると思います。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
比較的ふんわりとした柔らかめの感触のマットレスですが、高反発フォームを詰め物に使っているせいか、寝返りはかなりしやすかったです。
一般的には横向き寝に合うとされる柔らかめの寝心地のマットレスはボリューム感がある綿(ワタ)や柔らかいウレタンフォームを詰め物に使用しているため、反発性が少なく寝返りが簡単に打ちづらい商品も多いです。
しかし、高反発タイプのプロファイルウレタンを詰め物に使用することで、安定した寝姿勢をキープしつつ、動きたいときグッと押し返してくれるという理想的な寝返りサポート性を作っています。
さらに、線径が太めの反発性が高いポケットコイルとMixさせることでクッション性を高めているので、よく考えられた商品だと思います。
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
本商品は特に端部分が強化されている仕様ではありませんが、思ったよりも沈み込みは少なかったです。
さすがに端ギリギリで寝返り打つとその勢いで落ちそうにはなりましたが、通常の寝姿勢(特に仰向き寝)ではしっかりと端部分でも寝ることができました。

5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
ふっくらとしたニット生地の柄部分が少しメッシュのような構造をしているので、下面への通気性を高めています。
しかし、生地の伸縮性の高さ&ウレタンフォームを多用することでフィット感が高まり、その結果、若干の蒸れやすさを感じました。
じんわりと暖かい程度で、寝ていて不快なレベルではありませんでしたが、体重が重い人などは気になるかもしれません。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
本商品は、JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)に合格しています。
両面仕様+高品質スプリングということを考えれば8~10年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。
しかし、詰め物にウレタンフォームを多用しているため、ヘタリによる寝心地の変化が8~10年よりも前に起きてくると思います。
なお、保証期間は1年(公式サイトでの購入は3年)です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
本商品の詰め物には抗菌防臭・防カビ加工が施された綿(帝人製のマイティトップⅡ)が使用されています。
なお、マイティトップⅡは他の商品でも使われることが多い素材で、(相対的に)ものすごく抗菌レベルが高いものとは言えないないのですが、未加工の商品に比べれば衛生面は優れていると言えるでしょう。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びがしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
本商品の重量は非公開ですが、筆者(30代・男性)の力では「なんとか持ち上げられるが、移動するには苦労する」レベルです。
捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
厚さは26cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントです。
本商品の定価はシングルサイズで33,900円です。
高品質なポケットコイルに加え、高密度のプロファイルウレタンを贅沢に両面に使用した国産マットレスとして考えると相当コストパフォーマンスは良いと思います。
実際に使ってみてよかったところ
リッチな寝心地
当サイトでは数々のマットレスを検証してきましたが、本商品は3万円台以下で買えるマットレスとして、抜群に寝心地のリッチさを感じました。
「リッチさ」というと漠然と聞こえてしまいますが、言い換えると高級ホテルのマットレスのような寝心地です。
高級ホテルでは「ピロートップ」というマットレスとベッドパッドが合体したようなマットレスを置いてあることが多いのですが、そうしたピロートップ式マットレスは詰め物のボリューム感が厚く(そしてしっかりとした素材なので)、寝ても飛び込んでも底付きやバネ当たりを感じにくいのです。

要するに、安心して体を預けられるのです。
本商品はクッション材であるポケットコイル(日本最高品質の硬鋼線)の上に、高密度のプロファイルウレタンフォーム(密度30D・厚さ4cm)を詰め物として使用しています。しかも両面仕様なので、底付きやバネ当たりは感じません。
「高級ホテルのようなマットレスが良いんだけど、できるだけ安く済ませたい」というリクエストの場合、まず本商品をおすすすめすると思います。
実際に使ってみて気になったところ
多少の蒸れやすさ
この記事で何度も書いた通り、凹凸構造のプロファイルウレタンフォームによる体圧分散性の高さから、良くも悪くも包み込まれるような寝心地となり、それが多少の蒸れやすさを生んでいます。
特に体とマットレスの接地面積が広くなる仰向き寝において、蒸れを感じやすかったです。
とはいえ、じんわり暖かくなる程度で、すごく寝苦しいかと言えばそうではなく、少し蒸れを感じたら寝返りなどで寝姿勢を変えれば問題ないです。
しかも、本商品は高反発タイプのマットレスで寝返りは簡単に打てるため、そこまで気にするデメリットでもないかもしれません。
口コミ・評判のまとめ
本商品は、まだほとんど口コミがありません。口コミが溜まってきた際に改めて以下にまとめたいと思います。
良い口コミ | 悪い口コミ |
---|---|
※掲載待ち | ※掲載待ち |
口コミに関する解説
※掲載待ち
源ベッドはどこで買うのがお得?
源ベッドの商品は公式サイトか、楽天市場店・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのモール店舗での購入が可能です。
おすすめは公式サイトです。
公式サイトのみ保証期間が3年に延長されます(他のモール店舗は通常の1年保証です)。
マットレスは長い間使い続けるものですので、できるだけ長い保証が付いている方が安心です。
似ている商品との比較
本商品と同様の「プロファイルウレタン入りの国産ポケットコイルマットレス」を比較してみます。
メーカー | ①源ベッド(本商品) | ②ネルコ | ③CASA HILS |
---|---|---|---|
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コイル数 (Sサイズ) | 496個 | 527個 | |
配列 | 並行 | ||
線種 | 硬鋼線 (82 B C種) | ピアノ線 | |
衛生面 | 抗菌防臭 防ダニ | ||
両面仕様 | 〇 | × | |
梱包 | 圧縮 | 非圧縮 | |
保証期間 | 1年 (公式サイトは3年) | 1年 | |
価格 (Sサイズ) | 33,900円 | 33,899円 | 75,000円+送料5,800円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
②は源ベッドがベッド専門店「ネルコ」用に若干変更を加えて作ったプレミアムタイプです。販売ページを確認するうえでは、パイピング(マットレスの縁)の色が変わったのみかと思われます。つまり、寝心地自体には差がなく、大きな差は保証期間です。(源ベッド公式は3年、nerucoは1年)
③はおしゃれな北欧スタイルの家具が魅力のCASAHILS(カーサヒルズ)のオリジナルマットレス。硬鋼線よりも高級なピアノ線のスプリングと、ヨーロッパ製の高級ニット生地を採用した贅沢な仕様が特徴。寝心地としてはかなりソフトなので特に横向き寝におすすめです。
【厳選】このマットレスと併せて買いたいベッドフレーム 2選
本商品「日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプ」はかなり厚みがあり、重量もある商品なので立ち座りしやすく、耐久性があるベッドフレームがおすすめです。
1. ウッドデザイン賞受賞 国産ひのきすのこベッド(源ベッド)
安心の国産ベッド
国産のひのき材を贅沢に使用した源ベッドでも特に人気なすのこベッド。ひのきは耐久性が強く、建築材としてはお寺などを作るのに昔から用いられています。
伐採してから200年間は強度が強くなり、その後1,000年くらいかけて伐採時の強度に戻ると言われています。虫や菌の耐性にも強い点もポイント。良い匂いを発するので気分を落ち着かせる効果や消臭や防ダニ効果も期待できます。
あると嬉しい棚・コンセント付きのヘッドボードと、4段階の高さ調節機能が付いた使い勝手の良いデザインも魅力です。ただし、プレミアムタイプの厚さが26cmのため、4段階の高さ調節の中で最も低くしないとヘッドボードに納まらないので注意が必要です。
サイズ | シングル~ダブル |
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カラー | ナチュラル |
価格 | 3万円台~ |
2. 北欧風シンプルすのこベッド「Banon」(ネルコ)
低価格でも頑丈
ベッド専門店「ネルコ」のすのこベッド。フレームに極太の板を補強した耐荷重350kgの強靭な耐久性が特徴で、きしみや揺れの心配がなく、安心して眠れます。
4段階の高さ調節ができるので自分の好きな高さで使えます。さらにパーツが少なく組み立ても簡単です。サイズバリエーションが豊富で、ショート丈も選べる点もメリット。
サイズ | セミシングル~ダブル (ショート丈あり) |
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カラー | ナチュラル、ブラウン、ホワイト |
価格 (Sサイズ) | 15,900円 |
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
まとめ
いかかがでしたでしょうか。
源ベッドのオリジナルマットレス「日本製ポケットコイルマットレス プレミアムタイプ」をご紹介させていただきました。
同社の圧縮ポケットコイルシリーズの中で最上位グレードの位置づけの商品で、詰め物に高密度・高反発タイプのプロファイルウレタンフォームを使用していることが特徴。
このプレミアム仕様で2万円台から買えるのはかなりコストパフォーマンスが優れていると思います。
ボリューム感があるリッチな寝心地はまるで高級ホテルのマットレスのようです。
ただし、厚さが26cmとかなり厚めで、重量も重たく移動しにくいので、力の弱い人はご注意ください。
硬さは「ふつう程度」で、仰向きでも横向きでもストレスなく眠れます。特に沈み込みが深い横向き寝にはおすすめ。詰め物のプロファイルウレタンがしっかりと沈み込みつつサポート性も失いません。
伸縮性が高いニット生地と厚めのウレタンフォーム層という構造で、フィット感が高めのため少しだけ蒸れを感じましたが、高反発タイプのため寝返りがしやすいので、実際の睡眠中には特に気になりませんでした。
高級ホテルのような寝心地をお手頃価格で手に入れたい人におすすめの逸品です。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。