マットレスの買い替えのタイミングをご紹介

マットレスの買い替え時期についてお話します

この記事では、マットレスの交換(買い替え)のタイミングについて、詳しくご紹介します。

なお、記事内容は筆者がTBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る(2024年9月18日放送回)でご紹介した内容をもとに編集しました。※radiko(ラジコ)で9/25まで聴取可能です

ラジオをご聴取いただいた方も、そうでない方も、マットレスの買い替えに悩んでいる人すべてにお役立ていただける内容になっていると思いますので、ぜひご参考くださいね。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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マットレスを買い替え(交換)する目安は?

マットレスの開封

1. マットレスの劣化

マットレスの劣化とは、基本的に「ヘタリ(形状の劣化)」と「硬さの低下(やわらかくなる)」が中心です。

硬さの低下はわかりにくいですが、ヘタリはわかりやすいので、あきらかな凹みを感じる場合は、交換した方が良いでしょう。

また、スプリングコイルマットレスの場合は、芯材(コイル)よりも詰め物の方が劣化するため、バネが当たる感じ(バネ当たり)が強くなることも交換の目安です。

2. 体型や年齢の変化

体型や加齢(成長)の変化に伴い、現在の寝心地に違和感を感じることも、交換のサインです。

たとえば、太ってしまった場合は、沈み込みが深くなったり、汗をかきやすくなってしまうこともあるでしょう。

そうした場合、体重をしっかり支えてくれる硬めで反発力が強いタイプだったり、通気性が優れた素材を使用したマットレスに買い替えると快適度が高まると思います。

3. ライフスタイルの変化

ライフスタイル(一人暮らし・同棲・結婚・出産など)の変化により、現状のマットレスの使用感などに不満を感じることもあります。

たとえば、出産し、家族全員で同じマットレスに寝たいという希望の場合、振動吸収性が必要ですし、子供が成長してくるとマットレスの上でぴょんぴょん飛び跳ねることも出てくるかもしれません。

上記のような例の場合は、スプリングコイルではなく、ノンコイル、特にウレタンマットレスなどが合うでしょう。※スプリングコイルは集中した強い荷重によって破損してしまう可能性があるため

劣化したマットレスを使い続けるリスク

開封直後の高反発マットレス

マットレスの劣化とは、基本的に「ヘタリ(形状の劣化)」と「硬さの低下」が中心だというお話をしました。

要するに、劣化したマットレスを使い続けると、体が深く沈み込み過ぎ、寝姿勢が崩れることで、体に痛みを感じたり、良質な睡眠を取れなくなる可能性も増えるとお考え下さい。

新しいマットレスを選ぶコツは?

マットレス選びにはいろいろなポイントがあります。

その中で特に重要な4つ(硬さ・サイズ・クッション性・耐久性)について、大まかな目安は以下のとおりです。

要素選ぶ目安
硬さ「自分が思うより少し硬め」がおすすめ
サイズひとりなら「セミダブル」、二人なら「最低限ダブル、理想はクイーン以上」がおすすめ
クッション材多くの人に合いやすいのは「ポケットコイル」、手軽さ優先なら「ウレタン」がおすすめ
耐久性(価格)価格に応じて耐久性は高まり、安心できるレベルとしては「5万円前後以上」
専門家専門家

上記の理由を含めた、マットレス全般の選び方は以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご参考くださいね。

マットレスを長持ちさせるコツは?

1. ローテーション

ローテーションとは、マットレスの上下・表裏を定期的に回転させてヘタリを馴らす技のことです。

マットレスのローテーションの方法
マットレスのローテーションの方法

大体3カ月に1回程度マットレスをローテーションさせるとヘタリが分散され、長持ちしやすいでしょう。

ちなみにホテルなどでも同様に3カ月に1度程度、ローテーションさせていることが多いです。

ホテルのマットレスのローテーション
ホテルのマットレスのローテーション表示

なお、ローテーションができない構造のマットレスもあるのでご注意ください。

2. マットレスを立てかける

カビが生えてしまうと耐久性以前の問題になるため、定期的にマットレスを立てかけて換気するのもおすすめです。

三つ折りマットレス
「三つ折りマットレス」なら自立しやすいので換気もしやすい

頻度は多い方が良いですが、1週間に1度程度行うのがおすすめです。

3. シーツやベッドパッドを使う

マットレス本体になるべく湿気や汚れが付かないように、吸水性や調湿性が優れたシーツ類を敷いて、定期的に洗濯し、メンテナンスを行うことがおすすめです。

ボックスシーツ
ボックスシーツ

また、最近ではマットレス本体に抗菌性(抗菌防臭・抗ウイルス加工など)がある素材を使った商品も増えてきたので、衛生面が気になる人にはおすすめです。

店舗・ショールームでのマットレスの選び方

テンピュール®の試し寝

1. クッション材の特徴を実感する

マットレスは、クッション材によって寝心地や使用感が大きく異なります。

マットレスのクッション材は「スプリングコイル系」と「ノンコイル系」の2つがあり、その中でもいくつかの種類に分かれます。

スプリングコイル系(と代表メーカー) 
ボンネルコイルポケットコイル高密度連続スプリング®
ボンネルコイルポケットコイル高密度連続スプリング
ノンコイル系(と代表メーカー)
ウレタンフォームファイバーその他(ゲル、ラテックス等)
ウレタンフォームファイバーゲル

どのクッション材が自分が好みかわらかない人は、それぞれの寝心地をざっくりと体験することで理解が深まるでしょう。

ニトリの大型店舗では、ほとんどすべてのクッション材が体験できることもあるので、近くにある人は行ってみても良いと思います。

あとは、多少手間ですが、それぞれのメーカーのショールを回って試してみるという手段もあります。なお、上の表のリンク先はショールームページなのでご参考ください。

専門家専門家

ちなみに、私はそごう横浜店(主に6階)で試し寝をすることが多いです。

そごう横浜店は、シモンズ、サータ、マニフレックス、AiR[エアー]、エアウィーヴなど、多くのマットレスを体験できます。(時期によって変わる可能性もあるので、行く場合は事前に店舗情報をご確認ください)

2. おすすめの「試し寝」の方法

気になったマットレスはしっかりと試し寝をしましょう。

試し寝をする際のポイントは、普段寝ているときに服装(パジャマなど)を想定して、できるだけゆったりとした服装で行くことです。

そして、寝ころんだ際には、最初はまくらを外して試すのもおすすめです。まくらの存在があると、マットレス本体の感触・特性を感じにくいからです。

取材場所のマニフレックス表参道ショールームにて
まくらを外してマットレス本来の特性を感じましょう

あとは、寝返りをしてみて体が動かしやすいかや、普段の自分の寝姿勢(仰向き・横向き・うつ伏せ等)で寝てみて、違和感(圧迫感やバネが当たる感じ)などがないか確認してみましょう。

専門家専門家

外出先だと精神的にも肉体的にも緊張していると思うので、かるくジャンプしたり肩をほぐしたり、深呼吸したりするのも良いでしょう。

3. 「スタンダードモデル」をまずは検討する

どのマットレスか試したらいいか分からない人は、メーカーの中で最もスタンダードなモデル(最低価格の廉価モデルではありません)から試してみてください。

基本的にメーカーには「スタンダードモデル」というものが存在します。

日本ベッドのスタンダードモデル「シルキーポケット」
日本ベッドのスタンダードモデル「シルキーポケット

メーカーの中でスタンダードモデルは、最も多くの人の好みに合いやすいように作られることが多く、基本的に失敗する寝心地は少ないと思います。

また、スタンダードモデルに満足できない場合、スタンダードモデルを基準に、自分の好みをプラス・マイナスしていくことで、最短距離、且つ、失敗が少ないマットレス選びができると思います。

4. 「寝姿勢測定機」を試す(上級編)

シモンズの寝姿勢測定機

より本気で選びたい人は「寝姿勢測定機」も試しましょう。

寝姿勢測定機とは、自分の「年齢・性別・身長・体重・姿勢」などの情報をもとに、自分に最適なマットレスの硬さ(や、まくらの高さ)を導き出してくれるシステムです。

導入しているメーカーは限られていて、日本では「フランスベッド」と「シモンズ」のショールームの一部にあります。(それぞれ別のテクノロジーを用いた測定機です)

フランスベッドシモンズ
フランスベッドの寝姿勢測定機シモンズの寝姿勢測定機

少し面倒に思うかもしれませんが、自分に合う寝心地の方向性を知れるため、近くにショールームがある人はぜひ試してみくださいね。

その他、マットレスの買い替えに対する疑問

マットレスの種類によって交換時期は違う?

種類というよりも、マットレス自体の品質によって、耐久性が変わります

基本的にマットレスは価格に応じて耐久性(品質)が高くなる傾向があります。

数千~1万円台で買える激安マットレス(低品質マットレス)は、数か月~3年程度でダメになりやすいですが、老舗ブランドのスタンダードモデル以上(高品質マットレス)では10~30年使えるものもあります。

劣化しなければ使い続けて良いか?

寝心地が気に入っていて、よく眠れているのなら使い続けても大丈夫です。

ただし、マットレスが劣化していなかったとしても、加齢(成長)によって、買った当初と体に合わなくなっている可能性もあります。

購入してから5~8年程度経過している場合、買い替えの検討してみるのもおすすめです。

廃棄方法は?

基本的にマットレスは大きいので、粗大ごみで出すことなります。

ただし、スプリングコイルマットレスは、最近では粗大ごみでも回収NGの自治体が増えてきました。

その場合、自身でバネ(金属)と詰め物(ウレタンフォームなど)を分解して焼却施設に持っていく必要があります。

なお、引き取りサービスを実施しているメーカーもあります。

マットレスの廃棄は正直手間なので、引き取りサービスを利用することも検討してみてはいかがでしょうか。

おすすめのマットレスは?(ラジオ放送でご紹介したマットレス)

TBSラジオさんから『いま椚さんがおすすめするマットレスはありますか?』というご質問をいただいたので、以下のコメントを提出しました。

「おすすめ」は、探している人の条件や好みによってご提案するものが変わりますが、「コストパフォーマンスの良さ」という点で評価するなら、チヨダコーポレーション(広島県の老舗メーカー)が作る、源ベッド「咲夜(さくや)レアルマットレス」というポケットコイルマットレスがイチオシです。

国内の自社工場でバネから作りあげる日本製マットレスで、高級ホテルでも採用されるレベルのスプリングが使用されているのにもかかわらず、価格が4万円台から買えるので、非常にコストパフォーマンスが優れています。

とにかくスプリングの性能が良いので、多くの人に合いやすいと思います。私が運営しているサイトでも特にイチオシ商品としてご紹介しています。

咲夜レアルマットレス
咲夜レアルマットレス

以上のコメントのとおり、咲夜レアルは私の知る限りで日本で一番コストパフォーマンスが高いマットレスと評価しているので、マットレス選びで悩んでいる人はぜひ見てみてくださいね。

>>>咲夜レアル(源ベッド公式)

まとめ

マットレスを押す

いかがでしたか。

マットレスの買い替え時期や選び方のコツをご紹介しました。

今使っているマットレスに何かしらの違和感を感じたら、それは買い替えのサインです。

マットレス本体に原因がある場合と、自身の体型や年齢、ライフスタイルの変化などに原因がある場合があります。

いずれにしても、違和感があるマットレスで寝続けていると、睡眠に影響が生まれ、ひいては生活全体にまで悪影響が出る可能性もあるので、なるべく早めに買い替えることをおすすめします。

とはいえ、マットレスを買い替えるのはいろいろと大変なので、重い腰が上がらないのは良く分かります。

この記事があなたのマットレスの買い替えの後押しになれたのなら幸いです。

余談ですが、ラジオの放送ではTBSの杉山真也アナウンサーにコメントを代読いただきましたが、さすがプロ、聞き取りやすく、ラジオならではの心地よい空気感でまとめていただきました。(自分がしゃべらなくて本当によかった。。。)

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。