【徹底解説】スリーピー・とうふの体験レビュー

台湾発の三つ折りマットレス

この記事では「スリーピー・いなり」をご紹介します。

実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ぜひご参考くださいね。

著者情報 椚大輔 椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら
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体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。

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メーカーのSLEEPY TOFU(眠豆腐)とは?

SLEEPY TOFU

スリーピー・いなりは、「SLEEPY TOFU(眠豆腐)」という台湾のマットレスブランドの商品です。

基幹ベッドマットレスのスリーピー・とうふは、年間の販売枚数が10,000枚に到達するなど、台湾現地で人気を呼び、2021年1月についに日本に上陸しました。

スリーピー・とうふ

スリーピー・とうふ(基幹モデル)

椚大輔
椚大輔
この記事でご紹介する「スリーピー・いなり」は、簡単に言うとスリーピー・とうふの三つ折りマットレスバージョンです。

スリーピー・いなりの基本情報

スリーピー・いなりの使用イメージ

メーカー 眠豆腐(スリーピー・とうふ)
サイズ シングル~セミダブル
芯材 ウレタンフォーム・EPE
硬さ やや硬め
価格
(Sサイズ)
39,800円

公式サイトで見る

【まず結論】スリーピー・いなりの評価は?

スリーピー・いなりの体験

当サイトでは、マットレスを評価するための重要な項目をチェックし、商品を評価しています。

スリーピー・いなりの評価は以下のとおりです。

▼ スリーピー・いなりの評価
総合評価 3.69
仰向き寝 3.5
横向き寝 3.0
端の沈み込み 4.0
通気性 3.0
寝返り 4.0
底付きのなさ 4.0
素材の品質 3.5
耐久性 3.0
衛生面 3.0
取り扱いやすさ 4.0
価格 3.43

※目安は「3.50」以上が高評価です

>>>点数の付け方について

【総評】新しいアプローチで作られた三つ折りマットレスの理想形のひとつ

スリーピー・いなりの使用イメージ

スリーピー・いなりは「三つ折りマットレス」というジャンルです。

一般的な三つ折りマットレスは、ウレタンにカバーをかけただけの商品が多いです。

一般的な三つ折りマットレスの構造

一般的な三つ折りマットレスの構造(ウレタンにカバーをかけただけ)

一方、スリーピー・いなりは2層のウレタンフォームを重ねて、最下層にEPE(発泡ポリエチレン)という特殊素材を使った3層構造を採用しています。

スリーピー・いなりの構造

スリーピー・いなりの構造(3層構造)

上層の2層は、硬さ・反発性が異なるウレタンフォームなので、奥行きがある寝心地が楽しめ、3層目のEPE(発泡ポリエチレン)は軽量ながら沈み込みにくいため、底付きがありません。

スリーピー・いなりは、3層目のEPE(発泡ポリエチレン)がポイントです。

EPE(発泡ポリウレタン)

3層目のEPE(発泡ポリウレタン)※家電や家具の緩衝材に使用することが多い素材

本当に良い三つ折りマットレスを作るには「持ち運びやすさ(軽量さ)」「寝心地の良さ」「底付きのなさ」という矛盾だらけの条件をうまくまとめ上げなければなりません。

結果いずれかの条件を妥協しなければならないことが多いですが、EPEを使うことによって、軽量にしつつ、底付きがないという矛盾を解決するようなアプローチを取れるのです。

ただし、EPEの軽量さは耐久性の心配があります。

とはいえ、上層で高密度タイプのウレタンフォーム(推定30~35D)を使用していることもあり、3層目には集中した荷重がかかりにくいため、EPEの耐久性はそこまで不安視しなくても良いでしょう。

100日のお試し期間トライアル付きで価格も39,800円~に抑えられているので、寝心地含め、コストパフォーマンスが良いマットレスだと思います。

椚大輔
椚大輔
作りが丁寧で、内部もきれいに作られていたので、メーカーとしての安心感があります。

公式サイトで見る

スリーピー・いなりの特徴・メリットは?

1. 収納・移動に便利な「三つ折りタイプ」

三つ折りタイプ

スリーピー・いなりは、芯材が3つに分割されている「折りたたみマットレス」です。

三つ折りのアニメーション

折りたたみマットレスは使わないときに折りたたんで収納したり、移動しやすいことがメリットです。

また、手軽にマットレスを換気できることでカビが発生しにくく、掃除もしやすいです。

スリーピー・いなりの自立

自立して簡単に換気できる

椚大輔
椚大輔
コンパクトに折りたためるため、来客用にもおすすめです。

2. 多層構造で「リッチな寝心地」

マットレスはやわらかさと硬さの塩梅が重要で、要するに、やわらかすぎてもダメ(沈み込み過ぎる)、硬すぎてもダメ(圧力で痛みを感じる)です。

この相反する要求(やわらかさと硬さ)に対し、スリーピー・いなりは、硬さや機能が異なる素材を組み合わせた特殊な3層構造を採用しています。

厚さ 素材 目的
1層 2.5cm ソフトウレタン 体当たりをやわらかく(体圧分散性)
2層 4cm ハードウレタン 沈み込み過ぎ防止(寝姿勢保持)
3層 3cm EPE(発泡ポリエチレン) 底付き防止・軽量化
スリーピー・いなりの層構造

スリーピー・いなりの層構造

1層目にはもっちりとしたソフトウレタンを使用しているので感触が良く、2層目の硬めのウレタンフォームで支えられるので、沈み込み過ぎない寝心地です。

さらに3層目のEPE(発泡ポリエチレン)は衝撃吸収性の高さと硬さによって、薄型タイプのマットレスでありがちな「底付き感」を見事に回避しています。

椚大輔
椚大輔
マットレスに求めたい性能である「体圧分散」と「寝姿勢保持」に加え、「底付き」を回避するよく考えられた構造です。

3. お試し期間付き(100日)

スリーピー・とうふの回収現場

スリーピー・いなりには100日のお試し期間が付いています。

自分に合ったマットレス選びというのは本当に難しいものですが、これだけ長い期間試せるなら安心して購入することができるでしょう。

当サイトでは、メーカーさんのご協力のもと、ベッドマットレスタイプの「スリーピー・とうふ」における実際の返品も体験させていただきました。詳しくは以下の記事でまとめているのでご参考くださいね。

椚大輔
椚大輔
スリーピー・いなりの返品方法は、自分で梱包して着払い送付になるので、お届け時の段ボールはしばらく捨てない方が良いでしょう。

スリーピー・いなりのデメリットや注意点

1. 耐久性はふつうレベル

スリーピー・いなりは「ウレタンマットレス」ですが、ウレタンフォームの耐久性は「密度」と「復元率」で決まります。

メーカーではそれぞれの数値を公表していませんが、ウレタンフォームの密度は推定30~35Dで悪くない数値ですが、EPEは低密度(軽量)です。

また、一般的な三つ折りマットレスは、カバーにファスナーがあり、芯材を取り出せる仕様が多いですが、スリーピー・いなりは芯材が取り出せません。

よって、ローテーション(芯材を入れ替えてヘタリをならすこと)も多くできないため、総合的に耐久性が高い仕様とは言いにくいです。

椚大輔
椚大輔
「耐久性が低い」とまではいかずとも、「ふつうレベルの耐久性」です。

【体験レビュー】スリーピー・いなりを実際に試してみた

スリーピー・いなりの使用イメージ

椚大輔
椚大輔
実際のお届け時の様子や具体的な使用感をレビューします。

開梱・設置

こちらはシングルです。

段ボール

マットレスは完成品(非圧縮状態)でお届けです。

開梱

中身はマットレス本体と専用シーツ、取扱説明書の3点です。

内容物(マットレス、シーツ、取扱説明書)

こちらが専用シーツです、(使用感は記事後半で詳しくご紹介します)

ボックスシーツ

ビニールを取ったスリーピー・いなりです。

ビニールを取ったスリーピー・いなり

厚さに対しては軽量(シングルサイズで約7kg)なので、持ち運びもしやすいです。

マットレスの持ち運び

外観のチェック

スリーピー・いなりの外観

厚さはこのくらいです。

厚さ

公表値は10cmですが、約11cm厚さが確認できました。

厚さの計測

カバーのキルティングは「とうふ」のような白い四角形デザインです。(商品名が「いなり」なので、茶色にしても面白かったですね)

キルティングのデザイン

表面の生地はテンセル100%を使用。しっとりとした肌触りをしています。

生地の触り心地

テンセルは植物(ユーカリ)から作られる天然素材由来の再生繊維のことで、吸湿・速乾性に優れ、ムレにくくなめらかな質感が特長です。

生地のアップはこんな感じです。

生地のアップ

生地の伸縮性はほどほど高めです。

生地の伸縮性

スリーピー・いなりは、表側でのみで寝られる「片面仕様」です。

表面 裏面
表面 裏面

裏面生地は波上の立体キルティングです。

裏面生地

ツルツルしているので、床に置いた時には少し滑りやすかったです。

裏面生地(アップ)

マットレスのサイド面には「SLEEPY TOFU」のロゴがあります。

SLEEPY TOFUのロゴ(ラベル)

三つ折りマットレスは、スキマの仕様が寝心地に影響します。

隙間の沈み込みチェック

スリーピー・いなりでは、カバー内に高密度ウレタンフォームが入っていることもあり、スキマが深く沈み込むことなく、快適です。

隙間の沈み込みチェック

内部構造のチェック

スリーピー・いなりの構造(素材)を確認するために、マットレスを切って中身を確認します。

マットレスの裁断

こちらがスリーピー・いなりの内部構造です。

スリーピー・いなりの内部構造

スリーピー・いなりの構造
  1. カバー
  2. 高密度ウレタンフォーム:2.5cm
  3. ハードウレタンフォーム:4cm
  4. EPE緩衝材(発泡ポリエチレン):3cm
  5. カバー(ウレタン5mm入り)

カバー内にはソフトウレタンフォーム(推定30D前後)が入っています。

高密度ウレタンフォーム

感触はもっちりとやわらかく、これがスリーピー・いなりの特徴的な寝心地を作ります。

続いて、中間層には、硬めのウレタンフォーム(推定35D前後)が入っています。

硬めのウレタンフォーム

沈み込んだ荷重をしっかりと支えるため、硬め(推定160N前後)のウレタンフォームでした。

3層目は、EPE(発泡ポリエチレン)が入っています。

EPE(発泡ポリエチレン)

EPEは、家具や家電の緩衝材として使用される素材で、マットレスで使われるのは珍しいです(私は初めて見ました)。

かなり硬めの感触で、「しっかりした発泡スチロール」のような素材です。弾力はほとんど感じません。

EPE(発泡ポリエチレン)※拡大

EPEのおかげで、スリーピー・いなりは10cmという薄さながら、底付きを感じませんでした。

荷重テスト

以下のアニメーションのとおり、強い荷重をかけてもEPE層はほとんど形状(厚み)の変化はありません。

ソファーとしても使いやすい

ソファーとして使うスリーピー・いなり

EPE素材の硬さのおかげで、スリーピー・いなりは折りたたんだ状態でソファーとしても座りやすかったです。

ソファーとしても使いやすい

折りたたむとソファーとしても使える(沈み込みにくいため)

特に狭い部屋に住んでいる場合など、ソファーとマットレスが兼用できることもメリットに感じられるでしょう。

スリーピー・いなり「専用ボックスシーツ」の使い心地

専用ボックスシーツ

スリーピー・いなりを購入すると専用のボックスシーツが付いてきます(キャンペーン中に限ります)。

専用ボックスシーツ(開封時)

しっかりしたゴムによってフィット感が良いです。

シーツのフチ(ゴム仕様)

素材は「台湾製の100%コットン」とのことです。

品質表示ラベル

スリーピー・いなりにかけてみます。

専用BOXシーツをかけたスリーピー・いなり

ドレープ性はそこまでなく、麻(リネン)のようなパリッとした質感でした。

ドレープ性のテスト

どちらかというと春夏に合いそうなさらさらとした素材です。

生地のアップ

【詳細解説】スリーピー・いなりの評価について

スリーピー・いなりの使用イメージ

この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。

▼ スリーピー・いなりの評価
総合評価 3.69
仰向き寝 3.5
横向き寝 3.0
端の沈み込み 4.0
通気性 3.0
寝返り 4.0
底付きのなさ 4.0
素材の品質 3.5
耐久性 3.0
衛生面 3.0
取り扱いやすさ 4.0
価格 3.43

※目安は「3.50」以上が高評価です

>>>点数の付け方について

1. 仰向き寝は?

仰向き寝

ココをチェック

仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。

なお、日本人の約60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。

評価は「星3.5」

スリーピー・いなりはソフトな1層目とハードな2層目・3層目の硬さの差がハッキリしているため、沈み込みの深さで硬さの感じ方が変わります。

具体的には、荷重が場所(背中や臀部)は、下層のハードウレタンフォームに支えられる感触が強いので、しっかりとした寝心地に感じます。

一方、そこまで重くない腕や脚(かかと)部分は上層のソフトウレタンフォームで包まれます。

個人的にはこの硬さの塩梅は気持ち良かったです。

一方、折りたたみ部分のカバーが波を打っていたので、太ももの裏当たりの違和感が少しあった点はマイナスです。

折りたたみ部分のカバーの波打ち(たるみ)

折りたたみ部分のカバーの波打ち(たるみ)

椚大輔
椚大輔
「しっかりしつつ、やさしさも忘れない」そんな寝心地です。

2. 横向き寝は?

横向き寝

ココをチェック

横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。

つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。

評価は、「星3.0」

薄型タイプ(厚さ10cm以下)のマットレスは、横向きで寝ると圧迫感を感じやすいです。

スリーピー・いなりも例外ではなく、やはり一般的なベッドマットレス(目安:厚さ20cm以上)に比べると、肩あたりに圧迫感がありますす。

特に3層目のEPE(発泡ポリエチレン)は、寝心地を作るには無理があるレベルなほど硬い(さらに、反発力も乏しい)ので、体重が重い人にはあまり向いていないでしょう

とはいえ、1層目のウレタンフォームががやわらかめの仕様なので、ダイレクトな硬さは感じずに、薄型タイプの中では、横向きでも快適に寝られる方だと思いました。

椚大輔
椚大輔
枕の高さによっても圧迫感が違います。横向き寝の場合、基本的に高めの枕の方が体全体が沈み込にくく、肩あたりのストレスが少ないです。

3. 端の沈み込みは?

端の沈み込み

ココをチェック

一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。

なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。

評価は「星4.0」。

下層はハードウレタンフォーム&EPEという強固な素材のため、かなり沈み込みにくく、端まで優雅に使えるタイプのマットレスです。

座るなどの集中した荷重に対しても、底付きはありませんでした。

座った時の沈み込み

座った時の沈み込み

4. 寝返りのしやすさは?

寝返り

ココをチェック

クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。

寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。

評価は「星4.0」。

1層目のウレタンフォームは、反発弾性率が約50%が確認できたので、おそらく「正真正銘の高反発(高弾性)」です。

2層目以降の硬い層によって、沈み込み過ぎず寝姿勢がまっすぐになりやすいこともあり、寝返りが打ちやすかったです。

5. 通気性は?

通気構造

ココをチェック

睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。

評価は「星3.0」。

上層のウレタンフォームは蒸れやすい素材ですが、カバーに吸湿性が高いリヨセル(テンセル™)を使用しているため、強い蒸れ感はありませんでした。ストレスないレベルです。

6. 耐久性は?

耐久性(マットレスを手で押す)

ココをチェック

密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。

評価は「星3.0」。

結論から言うと、スリーピー・いなりの耐用年数は5年前後と想定します。

スリーピー・いなりで使用しているウレタンフォームの密度や復元率は非公開です。

ただし、別商品スリーピー・とうふ(ベッドマットレス)と同じ仕様だと仮定すると密度は以下のとおりです。

  • 1層目:25~30D
  • 2層目:35~40D

実際に触った感じだと、1層目は30D前後、2層目は35D前後くらいの感じでした。

なお、3層目のEPE(発泡ポリエチレン)は、耐久性の指標が不明で何とも言えませんが、重量(密度)がウレタンの半分ということなので、おそらく耐久性が高い素材ではないでしょう。

以上から得られる耐久性のレベル(30~35Dのウレタンマットレス)として考えると、耐用年数は5年前後くらいと想定します。

7. 素材の品質は?

素材

ココをチェック

ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。

ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。

評価は「3.5」。

芯材のウレタンフォームやEPEは、変色や歪みもなく、非常にきれいな状態でした。

縫製もきれいで、原料や生産品質が高いことが想像できます。

8. 衛生面は?

専用ボックスシーツをかけたスリーピー・いなり

ココをチェック

抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。

評価は「3.0」。

抗菌防臭や防ダニ等の衛生加工はありません。

三つ折りマットレスながら、マットレス本体のカバーも洗えないのでメンテナンス性も良くはありません。

専用のボックスシーツを使ってこまめに洗濯することをおすすめします。

9. 取り扱いやすさは?

マットレスの持ち運び

ココをチェック

持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。

特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。

評価は「星4.0」。

重量はシングルサイズで約7.0kgと、厚さ10cmの三つ折りマットレスの中ではかなり軽いタイプです。

力が弱い人でも取り扱いやすいでしょう。

お届け時は非圧縮ですが、三つ折り状態なのでそこまで大きくありません。

10. 価格は?

スリーピー・いなりの使用イメージ

ココをチェック

絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。

評価は、「星3.43」

スリーピー・いなりのシングルサイズで39,800円という価格は、三つ折りマットレスでは「ふつうレベル」の価格帯です。

とはいえ、100日のお試し期間付きといった条件を考えると、コストパフォーマンス(総合評価)は高いと思います。

11. 硬さは?

硬さのチェック

ココをチェック

ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。

スリーピー・いなりは「やや硬め」くらいの寝心地です。

マットレスの硬さは、硬さの仕様(N=ニュートン)と、素材の厚さで決まります(また、反発性も多少影響します)。

スリーピー・いなりの仕様は以下のとおりです。※硬さは推定値です

1層目 2層目 3層目
素材 ウレタン ウレタン EPE
硬さ(推定値) 80N前後 160N前後 -
厚さ 2.5cm 4cm 3cm
反発性 高反発 一般(ふつうレベル) -

1層目はソフトなウレタンです(推定80N前後)。

とはいえ、厚さが2.5cmなので、2層目のハードなウレタン(推定160N前後)の影響も受けます。

特に荷重が重い背中や臀部あたりはしっかり硬めの寝心地を感じます。

一方、沈み込みが浅い腕や脚(足)などは、表層のソフトな感触を得られます。

個人的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)「7.0くらい」の硬さと評価します。

似ている商品との比較

スリーピー・いなりの使用イメージ

「多層構造の三つ折りウレタンマットレス」という条件で比較します。

メーカー・商品 ①スリーピー・いなり ①リーフ・マットレス ②コアラフトンOASIS
画像 スリーピー・いなり リーフ・マットレス コアラフトンOASIS
ブランド 眠豆腐 ネルパンダ コアラ®
3層 2層
厚さ 10cm 8.5cm
重量 約7.0kg 約8.3kg 8.65kg
密度 約30~35D 50D+30D 非公表
(推定30~40D)
硬さ 約80N+約160N(推定) 58N+150N 100N+180N
硬さ調節 ×
復元率 非公表 非公表 97.31%
(8万回)
反発弾性率 約50%(1層目) 55%(1層目) 約52%(1層目)
サイズ S~SD SS~D S~SD
お試し期間 100日 120日
価格
(Sサイズ)
39,800円 48,800円 49,900円
リンク 公式サイト 公式サイト 公式サイト

比較商品② ネルパンダ「リーフ・マットレス」

リーフ・マットレス

優等生タイプの三つ折りマットレス

リーフ・マットレスは、人気なマットレスの仕様・条件をぎゅっとまとめて仕上げた「隙のない優等生タイプ」です。

「高密度」「高反発」「多層構造」「衛生加工」「お試し期間付き」といった売れる構成とも言える仕様・条件と「手が届きやすい価格」をパッケージにして、マットレスの中で特に市場が大きい「三つ折り」というジャンルにぶつけてきた、といった印象を受けます。

リーフ・マットレスの芯材

リーフ・マットレスの芯材

50Dの超高密度・高反発ウレタンフォームの包み込まれつつ押し返してくれる弾力性や、スリット入りのハードレギュラーフォームが体をグッと支えるサポート性など、非常に心地よく感じます。

比較商品③ コアラ®「コアラフトンOASIS」

コアラフトンOASIS

硬さ調節つき、カバーの機能も良い

コアラ®の三つ折りマットレス。カバーがかなりしっかりしているので分割部分の寝心地も良く、耐久性や寝心地が満足いくレベルに仕上がっています。さらに、硬さ調節ができる点もメリットです。

硬さの表示ラベル(コアラ)

コアラフトンOASISの構造(ブロックによって表裏の硬さが異なり、それらを入れ替えることによって硬さ調節ができる)

120日のお試し期間付きなので、気軽に試せる点も大きなメリットです。

どれがおすすめ?

(2商品と比較した場合)スリーピー・いなりの最も優れている点は、ハンドリングの良さ(持ち運びや移動・保管)でしょう。ウレタンの半分の重量のEPEを使用することで、かなり軽いうえに底付きがない寝心地が実現されています。

寝心地や条件などのバランスの良さで考えた場合はリーフ・マットレスがおすすめです。50Dの高密度・高反発ウレタンによる寝心地の良さ、ポリジン®加工の衛生面、120日のお試し期間付き、高すぎない価格など、抜け目ない優等生タイプです。

マットレス選びに不安がある人コアラフトンOASISがおすすめです。芯材が硬さ違いの2層になっていて、各ブロックを裏返したり入れ替えたりすることでお好みの硬さに調節できることに加え、120日のお試し期間が付いています。

スリーピー・とうふ(ベッドマットレス)との違い

スリーピー・とうふ

眠豆腐の基幹マットレス「スリーピー・とうふ」との違いは以下のとおりです。

モデル いなり とうふ
画像 スリーピー・いなり スリーピー・とうふ
タイプ 三つ折りマットレス ベッドマットレス
厚さ 10cm 28cm
重量
(Sサイズ)
約7kg 約29kg
サイズ シングル~セミダブル シングル~クイーン
芯材 ウレタン+EPE ウレタン+ポケットコイル
価格
(Sサイズ)
39,800円 79,800円
リンク 公式サイト 公式サイト

最も大きな違いは、芯材です。

  • スリーピー・とうふ:ポケットコイル
  • スリーピー・いなり:ウレタンフォーム
スリーピー・とうふの内部構造

スリーピー・とうふの内部構造(ポケットコイル)

なお、スリーピー・とうふと、スリーピー・いなりのウレタンフォームは同じ仕様です。

よって、単純に言うと、スリーピー・いなり(三つ折り)は、「スリーピー・とうふのポケットコイルをEPEに変えた仕様」と言えます。

いなり とうふ
スリーピー・いなりの構造 スリーピー・とうふの構造

よって、体表面で感じる寝心地の方向性はどちらも同じです(ウレタンが同じため)。

ただし、沈み込んでいった時には、ポケットコイル仕様のベッドマットレスタイプのスリーピー・とうふの方が豊かなクッション性を得られます。

要するにふんわりした感触を感じやすいのがスリーピー・とうふです。

スリーピー・とうふ

スリーピー・とうふ(ベッドマットレスならではの豊かなクッション性が魅力)

一方、薄型タイプのスリーピー・いなりは、ハードなウレタンとEPEも寝心地に大きく影響するので、しっかり硬めです。(悪く言うと味気ない寝心地です)

スリーピー・いなり

スリーピー・いなり(寝心地は劣るが、ハンドリングの良さが魅力)

とはいえ、同メーカーですが、この2つは商品自体のポジショニングが全く異なるので、比較するのはあまり意味がないかもしれませんね。(三つ折りとベッドマットレスではニーズが全然違います)

ちなみに、両方とも100日のお試し期間が付いていますが、返送方法が以下のとおり異なります。

モデル いなり とうふ
画像 いなりの返品時(再梱包が必要) とうふの開封時(業者さんによる回収)
返品方法 着払い(集荷) 業者による回収
梱包 必要 不要

いなりの場合は、自分で梱包材を用意する必要があるので、しばらくは段ボールを捨てない方が良いかもしれません。

スリーピー・いなりはどこで買うのがお得?

スリーピー・いなりの使用イメージ

眠豆腐(SLEEPY TOFU)の商品は現在公式サイトのみ購入可能です。

公式サイトはこちら

まとめ

スリーピー・いなりの使用イメージ

いかがでしたか。

眠豆腐の三つ折りマットレス「スリーピー・いなり」をご紹介しました。

特殊な3層構造による奥行きある寝心地が楽しめます。

特に最下層のEPE(発泡ポリウレタン)がユニークで、軽量化と底付きの回避という、三つ折りマットレスに重要な条件をかなえてくれる工夫が素晴らしいです。

一方、デメリット(懸念点)としては耐久性です。

一般レベルのウレタンフォームと、軽量なEPEという組み合わせなので、おそらく5年(もって8年)くらいの耐用年数と想定します。

とはいえ、価格は高くなく、トライアル付きという好条件のため、コストパフォーマンスは高いと評価できます。

総合的におすすめできるマットレスだと思いました。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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