「シルクを超える肌触り」の三つ折りマットレス

この記事ではSOMRESTA(ソムレスタ)の「シルキーファイン」をご紹介します。

実際の体験・検証を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ぜひご参考にしてくださいね。

著者情報

椚大輔椚 大輔(くぬぎ だいすけ)
ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。株式会社悠デザイン 代表取締役。

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シルキーファインの基本情報

シルキーファイン

メーカー SOMRESTA(リフレーションジャパン)
サイズ シングルのみ
クッション材 ウレタンフォーム
硬さ やや硬め(163N)
価格 24,900円

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【まず結論】シルキーファインの評価は?

シルキーファインの体験

体験を通じて、シルキーファインを以下のように評価しました。

▼ シルキーファインの評価
総合評価 3.09
仰向き寝 2.0
横向き寝 2.0
端の沈み込み 3.0
通気性 4.5
寝返り 2.0
底付きのなさ 2.0
素材の品質 4.0
耐久性 2.5
衛生面 4.0
取り扱いやすさ 4.5
価格 3.88

※目安は「3.50」以上が高評価です
※ノンコイルマットレスの評価方法について

【総評】触り心地は良いが、寝心地には課題がある

シルキーファインの仕様イメージ

シルキーファインは、「シルクを超える滑らかさ」を実現した革新的なカバーを使った三つ折りマットレスです

カバーの触り心地・気持ちよさは、他に類を見ないレベルで「唯一無二の感触を持ったマットレス」と言っても良いでしょう。

シルキーファインの生地

ただし、大きな懸念点は、カバーの伸縮性が非常に高い故の、芯材のズレやすさです。

芯材のズレやすさ

シルキーファインは芯材(ウレタンフォーム)が3つのブロックに分かれた「三つ折りマットレス」ですが、寝ているときの体の動きによって、こぶしが入るくらいの隙間が生まれます。

そして、その隙間に肘が入り込んだり、背中や脇腹に違和感があったりと、落ち着いて寝られませんでした。

なお、SOMRESTAのといえば、ゼロギャップ®という画期的な「隙間が気にならない非伸縮性のカバー」を採用した三つ折りマットレスがあります。

ゼロギャップ®の使用イメージ
ゼロギャップ®(隙間が気にならない三つ折りマットレス)

しかし、このシルキーファインは、そのゼロギャップ®の真逆を行くかのように「隙間が気になる超伸縮性のカバー」となっているのです。

ゼロギャップ® シルキーファイン
ゼロギャップ®の沈み込み シルキーファインの沈み込み

三つ折りマットレスにおいて、ブロック同士の隙間は「寝心地の肝心要」です。

シルキーファインは、SOMRESTAらしい尖ったコンセプトではあるものの、肝心の寝心地は期待を超えるものではなかった、というのが素直な印象です。

椚大輔椚大輔

三つ折りマットレスとしては、ゼロギャップ®が非常に素晴らしかっただけに、シルキーファインには課題を感じてしまいました。

とはいえ、SOMRESTAブランドの中では価格が圧倒的に安いので、「なるべく低価格に高品質なウレタンマットレスが欲しい」という人はご検討いただくと良いと思います。

公式サイトで見る

シルキーファインの特徴・メリットは?

1. シルクを超える究極の滑らかさ

シルキーファインの体験

シルキーファインの最大の特徴は「シルクを超える滑らかさ」と表現される生地です。摩擦が少なく非常に滑らかな質感です。

寝返りのたびに起こる摩擦は、髪や肌に負担がありますが、シルキーファインは低摩擦素材で、髪や肌にやさしく触れます。

2. 高級感があるカラーバリエーション

シルキーファインの生地

艶があり、高級感があるカラーで、置いただけで華やかな印象になります。

さらに、以下のカラーバリエーション(8色)があるので、部屋の雰囲気によって選びやすいですね。

ミッドナイトブルー モーヴモンブラン モスシルバー スモーキーピンク
ミッドナイトブルー モーヴモンブラン モスシルバー スモーキーピンク
シティブルー モカ サンゴールド パールライラック
シティブルー モカ サンゴールド パールライラック

3. 敷パッドと除湿シートが内蔵

敷パッドと除湿シートが内蔵

シルキーファイン®はウレタンフォーム(芯材)のほかに、敷パッドと除湿シートが内蔵されています。つまり、敷パッドと除湿シートを買い足す必要がありません。

上の敷パッドは、芯材(ウレタン)を保護し、洗えるのでメンテナンス性が高いです。しかも、3分割になっているので干しやすいことも魅力です。

下の除湿シートは、吸水性が高いシリカゲルB型が入っているので、睡眠中にかく汗などの湿気を吸収してくれます。

4. まくらカバーもある(別売り)

シルキーファイン素材を使ったまくらカバーも別売りであります。

マットレスと合わせて使うことで、より摩擦が少なくなり、肌や髪の負担が少なくなるでしょう。(肌や髪の保護という点では、まくらカバーのほうが影響力が高そうですね)

※まくらカバーの販売ページは現在準備中のようです(2025年10月10日時点)

シルキーファインのデメリット・注意点

1. 隙間が大きく開く

隙間が大きく開く(アニメーション)

【総評】でもお伝えしたとおり、伸縮性が非常に高い生地のため、ウレタンのブロック同士の隙間が空きやすいです。

隙間に体の一部が落ち込んだり、寝姿勢をサポートできず、寝心地が悪く感じます。

2. 滑りやすい

ベッドフレームに設置したシルキーファイン

裏面カバーもシルキーファイン®仕様なので、ツルツルです。シルクよりも摩擦が少ない素材なだけあって、かなり滑りやすいです。

寝返りなどの体の動きでマットレスが動くので、ベッドフレームなどには置きにくいです。

【体験レビュー】シルキーファインを実際に試してみた

シルキーファインの使用イメージ

椚大輔椚大輔

お届け時の様子や使用感をレビューします。

開梱・設置

今回は、開封済みの復元された状態でサンプル品をご提供いただいたので、実際のお届け時の状態はご紹介できません。

梱包

開封方法については、以下の公式サイトの画像のとおり、ロール状に圧縮された状態で届き、ビニール袋をハサミで切るとマットレスが復元されます。

開封の流れ(公式サイトより)
開封の流れ(公式サイトより)

開封の様子は以下の動画をご参考にしてください。(音声なし・4倍速)

※上の動画の商品はSOMRESTAのゼロギャップ®Type-J です。

外観のチェック

シルキーファイン

厚さはこのくらいです。

厚さ

公表値は8cmですが、約9cmの厚さが確認できました。

厚さの計測

カバー生地のシルキーファイン®の素材は「ナイロン80%・ポリウレタン20%」です。

カバーの触り心地

ポリウレタンが20%も入っているので、かなり伸縮性が高いです。

カバーの伸縮性

フット(足元)に「Silky fine」のロゴがあります。

ロゴ

裏面も表面と同じ生地(シルキーファイン®)です。

表面 裏面
表面 裏面

裏面カバーも表面と同様にツルツルしています。

裏面カバー

カバーはファスナーで閉じられています。

ファスナー

内部構造

カバーを取って内部構造をチェックします。

カバーを取る

シルキーファインは、ウレタンフォーム(芯材)の上に敷パッド、下に除湿シートが内蔵されている構造です。

シルキーファインの内部構造

こちらが中身の展開図で、左からウレタンフォーム、敷パッド、除湿シートです。

左からウレタンフォーム、敷パッド、除湿シート

ウレタンフォームは、表面が凹凸(プロファイル)加工です。

ウレタンフォーム

ちなみに裏面が平面で、ひっくり返すことで寝心地を調節できます。

表のウレタン 裏のウレタン
「点」で支える体圧分散性が高い寝心地 「面」で支えるしっかり硬めの寝心地

続いて、敷パッドです。

敷パッド

素材はポリエステル100%で、さらっとした肌触りです。

敷パッドの触り心地

生地のアップはこんな感じです。

生地のアップ

洗濯表示はこちらです。(洗濯機で洗濯OKです)

洗濯表示

続いて、除湿シートです。

除湿シート

除湿シートには除湿センサーが付いています。

除湿センサー

『除湿センサーが青から赤になったら干して乾燥させてください。』とのことです。(乾燥後は青色に戻ります)

除湿センサーのアップ

中材に、吸水性が高いシリカゲルB型が入っています。

除湿シートの触り心地

品質表示はこちらです。(除湿シートは手洗い可能)

品質表示

品質表示の裏側です。

品質表示の裏側

最後は、カバー(シルキーファイン®生地)です。

カバー

品質表示ラベルは以下のとおりです。

品質表示ラベル

裏面はこちらです。

品質表示ラベルの裏面

カバー(シルキーファイン®)は、洗濯OKです。

カバー

【詳細解説】シルキーファインの評価について

シルキーファインの使用イメージ

この記事の冒頭で評価した以下のポイントを詳しくご紹介します。

▼ シルキーファインの評価
総合評価 3.09
仰向き寝 2.0
横向き寝 2.0
端の沈み込み 3.0
通気性 4.5
寝返り 2.0
底付きのなさ 2.0
素材の品質 4.0
耐久性 2.5
衛生面 4.0
取り扱いやすさ 4.5
価格 3.88

※目安は「3.50」以上が高評価です
※ノンコイルマットレスの評価方法について

1. 仰向き寝は?

仰向き寝

評価は「2.0」。

ウレタンフォーム(ウレタンマットレス)としての寝心地は良好です。さすが高品質ウレタンマットレスブランドのSOMRESTAが作っただけあります。

しかし、冒頭(総評)でお伝えしたとおり、生地の伸縮性が高すぎるあまり、ウレタンのブロックが大きく動きます。

寝返りなどの睡眠中の動きを何度か繰り返していくうちに、ブロック同士の隙間も大きく空いてしまうため、仰向きでは肘が隙間に落ちてしまったり、背中のサポート性にも違和感を感じます。

総合して、あまり落ち着かない寝心地に感じました。

    2. 横向き寝は?

    横向き寝

    評価は「2.0」。

    仰向け寝と同じで、基本的な寝心地は良いのですが、体の動きによって隙間が気になります。

    横向きの場合は、わき腹あたりのサポート性に違和感があり、体が滑ることにより、寝姿勢に不安定さがあります。

      3. 端の沈み込みは?

      端の沈み込み

      評価は「星3.0」。

      表面の凹凸(プロファイル)ウレタン部分の沈み込みは深めで、滑りやすい生地なので、端ギリギリで寝返りなどをする落ちそうになります。

      とはいえ、薄型で硬めのウレタンフォームを使っているので、そこまでストレスに感じるレベルではありません。

      4. 寝返りのしやすさは?

      寝返り

      評価は「星2.0」。

      硬めのウレタンフォームを使っているので、体は動かしやすいほうですが、寝返り時にマットレスやまくらが滑って動くので、やや違和感がありました。

      5. 通気性は?

      通期構造

      評価は「星4.5」。

      敷パッド、凹凸ウレタン、除湿シートと、通気性や吸湿性に優れた仕様です。

      さらに、シルキーファイン生地は、ツルツルとしていて、冷感生地のような感触もあるので、蒸れ感はなく快適でした。

      6. 耐久性は?

      耐久性(マットレスを手で押す)

      評価は「星3.0」。

      結論から言うと、シルキーファインは3~5年くらいの耐用年数が期待できると思います。

      ウレタンマットレス(ウレタンフォーム)の耐久性は復元率と密度でおおむね判断できますが、それぞれに仕様は以下のとおりです。

      • 復元率:98.6%(耐久性の目安:5~8年)
      • 密度:25D(耐久性の目安:数か月~3年)

      復元率は高めですが、密度はかなり低めです。

      復元率(8万回圧縮)のテストは、そこまで厳しい試験ではなく、実際はウレタンフォームの経年劣化を考えると、ヘタリはもっと早く、大きくなります。

      よって、密度を考えると「3~5年くらいの耐用年数」と考えるのが良いと思います。

      7. 素材の品質は?

      ウレタンフォーム

      評価は「4.0」。

      さすがSOMRESTAのウレタンフォームだけあって、低い密度でもしっかりと復元され、目立つ歪みなどは見られませんでした。

      また、本商品の最大の特徴である生地(シルキーファイン®)は、他にはないユニークな素材で、生地としての品質も高いです。

      8. 衛生面は?

      マットレスを立てかける

      評価は「星4.0」。

      抗菌防臭や防ダニなどの衛生加工はありませんが、敷パッドが洗えること(しかも、3分割なので干しやすい)、除湿シートが付いていることなどを考えると、衛生的な就寝環境を構築しやすいマットレスと言えるでしょう。

      9. 取り扱いやすさは?

      持ち運び(三つ折り)

      評価は「星4.5」。

      重量はシングルサイズで約5.1kgとかなり軽めのマットレスです。ウレタンフォームの密度を低くしているため、軽量化が実現されています。

      厚さも8cm(10cm以下)で、三つ折りが可能なので、力が弱い人でも取り扱いやすいマットレスと言えるでしょう。

      なお、廃棄については、ウレタンフォームは手でちぎれるため、細かくすれば家庭ごみとして簡単に捨てられます。

      10. 価格は?

      シルキーファインの使用イメージ

      評価は、「星3.88」。

      シングルサイズで24,900円で、マットレス市場全体から考える「安い価格」と言えるでしょう。

      11. 硬さは?

      硬さのチェック

      シルキーファインは「やや硬め」の寝心地です。

      寝心地の中心を作っているウレタンフォームの硬さの仕様は163Nと硬めですが、表層が凹凸(プロファイル)加工のため、N数よりもやわらかく感じます。

      椚大輔椚大輔

      主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、6.5くらいに感じました。

      他のSOMRESTAマットレスとの違い

      モデル ①シルキーファイン ④ゼロギャップ® ①SOMRESTAマットレスPREMIUM ②SOMRESTAマットレスEvo
      画像 シルキーファイン ゼロギャップ® SOMRESTAマットレスPREMIUM SOMRESTAマットレスEvo
      タイプ 三つ折りマットレス(薄型) 薄型マットレス(1枚) ベッドマットレス
      厚さ 8cm 9cm 10cm 22cm
      サイズ Sのみ S~D S~WD S~Q
      密度 25D 36D 50D
      復元率 98.6%
      (8万回圧縮)
      98.6%
      (16万回圧縮)
      99.6%
      (16万回圧縮)
      反発弾性率 36% 約55% 約60%
      価格 24,900円 39,900円 49,900円 98,000円
      リンク① 公式サイト 公式サイト 公式サイト 公式サイト
      リンク② (本記事) レビュー記事 レビュー記事 レビュー記事

      寝心地の良さを求めるなら③SOMRESTAマットレスPREMIUMがおすすめです。SOMERESTAの品質の良さがしっかりと感じられ、高い反発力と耐久性もあり、薄型マットレスのひとつの完成形ともいえる素晴らしいモデルです。

      一方、三つ折りが良いなら②ゼロギャップ®がおすすめです。折りたたみマットレスながら隙間を感じない寝心地が魅力です。なお、PREMIUMよりもウレタンフォームの仕様は落ちますが、一般的なものよりは高いレベルの品質です。

      まとめ

      シルキーファインの使用イメージ

      以上、SOMRESTA(ソムレスタ)の「シルキーファイン®」をご紹介しました。

      「シルクを超える滑らかさ」を実現した革新的なカバーを使った三つ折りマットレスです

      カバーの触り心地・気持ちよさは、他に類を見ないレベルで「唯一無二の感触を持ったマットレス」と言っても良いでしょう。

      ただし、生地の伸縮性があまりにも高いため、三つ折りのブロックがズレやすく、大きな隙間が生まれることで、寝心地に違和感を覚えることが多かったです。

      個人的には、この優れたカバー(シルキーファイン®)は、SOMRESTAの他のマットレス(PREMIUMゼロギャップ®)用のBOXシーツに展開してほしいと思いました。

      なお、シルキーファインは、SOMRESTAブランドの中では、最も価格が安いマットレスなので「なるべく低価格に買いたい」という人はぜひ検討いただければと思います。

      最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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