コアラマットレスのベッドフレーム

ベッドで使われている素材の解説

この記事ではベッドフレームに使われている素材についてご紹介します。

素材ごとに特徴やメリットデメリットを解説しますので、ご参考いただけると幸いです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

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ベッドの代表的な素材

ベッドフレームに使われている素材はおおまかに以下の4つです。

  • 皮(合皮)
  • スチール
  • ファブリック(布)

つづいて、各素材の特徴をご紹介します。

1. 木

販売されているベッドのほとんどは木製です。

素材に関しては木製の中でも「天然木」「プリント紙化粧繊維板」にわかれます。

天然木

字のごとく、天然の木材を使用したベッド。木から丸ごと切り出した「無垢材」や、「突板(天然木をスライスしたもの)」を使っています。

天然木のベッド
天然木のベッド

無垢材(ムクザイ)で作られたベッドは基本的に薄い塗装を施し、木の呼吸を妨げず、年月が経つ連れてに色味が変わってきます(経年変化と言います)。使い込んでいくうちに様々な表情が出て、愛着がわきやすいでしょう。価格は高めですが、質感を重視する人におすすめです。

一方、突板(ツキイタ)は天然木の風合いを味わえつつ、安価な点がメリット。さらに形状安定性が優れているので、反りや割れの心配も少ないです。

無垢材突板
無垢材

木そのものを切り取った素材

突板

木を薄くスライスした素材

次に天然木ベッドに使われている代表的な木の種類と特徴をご紹介します。

パイン

パイン

白~黄色の色合いで節が多く、カントリー調の家具に使われることが多い木材。柔らかいので加工に適していますが、傷つきやすい点がデメリット。強度はやや弱めです。経年変化は色が濃くなっていきます。

タモ

タモ

強さとしなやかさがあり、折れにくく家具にとっては優良な木材として有名です。明るい茶色をしていて、経年変化は黄色味を帯びた濃い褐色になります。

ウォールナット

ウォルナット

世界三大銘木のひとつで、高級家具に使われることが多い木材です。濃く彩度が低い茶色で、経年変化は色が明るくなっていきます。耐久性が高く、頑丈で重厚な雰囲気が魅力。

オーク(ナラ)

オーク

硬さと重さがあり、耐久性が優れている木材。明るい茶色(うすめ)で、経年変化は色が濃くなります。日本産は「ナラ」、北米産は「オーク」と呼ばれ、家具では主に北米産のオーク材を使用します。

    専門家専門家

    天然木のベッドは作りがシンプルなすのこベッドか、高級なベッドに使用されることが多いです。

    プリント紙化粧繊維板

    MDF(繊維板)や合板にプリント紙を貼った素材でできたベッドもあります。

    プリント紙を使用したベッド
    プリント紙を使用したベッド

    安価な収納付きベッドなどのパーツをたくさん使うデザインの場合、プリント紙で作られることが多いです。

    プリント化粧繊維板
    プリント紙化粧繊維板

    最近では豊かな木目を表現したプリント紙などもあり、一目でプリントとわからない素材もあります。しかし、無垢材や突板のような本物の木の質感は感じられず、触り心地や風合いなどは劣ります。

    2. レザー

    革製のベッドフレームもあります。(厳密に言うと木製のフレームに革を張っているので素材としては木と革で出来ています)

    レザーベッド
    レザーベッド

    ベッドで使われているレザーには、本物の動物の皮を使った「本革」か、本革のような質感を再現した偽物のレザー「合皮(合成皮革)」があります。

    本革の特徴

    本革
    本革

    本革とは文字通り「本物の動物の皮革」です。高級感を得たいならやはりリッチな質感の本革が良いでしょう。

    本革は経年変化によって色味や質感も変わっていくので、長期間使っていくうちに肌に馴染んで、良い味が出てきやすいです。

    本革は水や汚れ、乾燥に弱いデリケートな素材のため、メンテナンスが大変というイメージがあると思いますが、ベッドフレームに使われている本革は特殊なコーティングを施している商品が多く、基本的にメンテナンス性は合皮と変わりません。

    ただし、本革製は価格がかなり高価です。

    合皮の特徴

    合皮
    合皮

    合皮とは「合成皮革(ごうせいひかく)」の略。低価格で買いたい人は合皮がおすすめです。また、ベッド市場全体ではレザーベッドは合皮の場合が多いです。

    布地の上に合成樹脂を塗って、表面を本皮のように加工した素材です。合皮ベッドは木枠の上に合皮素材を貼っています。

    合皮の種類

    合皮には大きく3つの種類があります。

    • PU(ポリウレタン樹脂)
    • PVC(塩化ビニル樹脂)
    • APU(スーパーソフトレザー)

    PUは柔らかく肌触りが良いのですが、基本的にベッドには使われません。水に弱いからです。

    合皮ベッドのほとんどがPVCです。PVCは水拭きできるのでメンテナンス性が高いです。ただし、肌触りがやや硬いところがデメリット。

    APUはPUとPVCの良いところを足してさらに良くしたような高級合皮素材です。肌触りが滑らかで、水にも強いです。高級な合皮ベッドに使われていたりします。

    合皮比較表

    合皮種類硬さ水への強さ価格
    PVC硬い強い安価
    PU柔らかい弱い普通
    APU超柔らかい強い高価

    レザーベッドのメリット

    クッション性が高い

    レザーベッドのヘッドボードはクッション性が高く、もたれてリラックスできます。ベッドの上で過ごす時間が多い人にはレザーベッドはおすすめです。

    やわらかいので子供に安心

    レザーベッドは、木製ベッドに比べて肌触りがやわらかいです。

    フレームすべてがレザーのベッドならぶつかってケガするリスクも低いので、小さい子どもにも安心です。

    水に強くメンテナンスも楽

    レザーベッドは合皮ならPVCかAPUが多く、本革なら特殊コーティングが施されているので、水に強いです。

    睡眠は発汗を伴うので、メンテナンスしやすいことはメリットです。

    レザーベッドのデメリット

    合皮は劣化しやすい

    合皮素材は基本的に劣化をします。特にPVCは熱に弱いため、高温環境になる部屋にずっと置いておくと激しく劣化します。

    長く使いたいなら木製ベッドがおすすめです。

    3. スチール

    スチールとは「鋼(はがね)」のこと。

    ベッドでは「スチールベッド」「パイプベッド」「アイアンベッド」などと色々な呼び方をしていますが、要するに全部スチール製です。

    スチールベッド
    スチールベッド

    なお、アイアンベッドの「アイアン」は鉄ですが、基本的にスチール(鋼)で作られていることが多いです。

    スチールベッドのメリット

    軽い

    スチールは木に比べると軽く、移動や組立も楽です。

    価格が安い

    スチールの原料の鉄鉱石は材料としては安価です(地球質量の30%とも言われて、たくさん採れるので安いのです)。

    原料が安いと安く作れるので、安価なベッドに多く採用されています。

    スチールベッドのデメリット

    きしみやすい

    スチールベッドはきしむ音が響きやすいです。

    接合部分がネジとスチールなので金属同士がすれる音が木製ベッドに比べて目立つ傾向があります。

    機能性がない

    シンプルなデザインが多く、収納やヘッドボードの機能性が乏しいです。

    ベッドに収納機能を求めるなら木製ベッドがおすすめです。

    敷き布団が置けない

    床面がスチール(メッシュ)の場合、部分的な荷重に弱いため、基本的に敷き布団が使えません。

    メッシュ床板
    メッシュ床板

    メッシュ床の場合はマットレスを使うことおすすめします。※マットレスは荷重分散性が高いので、メッシュ床板でも使えます

    4. ファブリック

    ファブリックは綿やポリエステル等の繊維で作られた素材です。

    ファブリックベッド
    ファブリックベッド

    通気性が良く、サラっとした肌触りが気持ちいいことがメリット。ただし、汗や汚れに弱いことがデメリットです。

    中にウレタンなどを入れてクッション性を高めた商品が多いです。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    ベッドで使われる代表的な素材についてご紹介させていただきました。

    当サイトはベッド専門の情報サイトです。

    「もっと詳しくベッドやマットレス選びについて知りたい!」

    と思った方はぜひ当サイトトップページ『専門家がおすすめのベッド選びをご提案』をご参考頂ければと思います。

    最後までお読みいただき誠にありがとうございました。