Amazonで人気のマットレス
この記事ではInofia(イノフィア)クラシックマットレスについてご紹介します。
この記事を作成するにあたり、商品を購入し、使用感を詳しくレビューしました。
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれ、発生した広告収入をサイトの運営費に充てています
目次
このマットレスの基本情報
本商品のサイズや価格等の情報は以下の通りです。
メーカー | Inofia(深圳鋭明貿易会社) |
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サイズ | シングル~クイーン |
クッション材 | ポケットコイル |
カラー | ホワイト |
価格(Sサイズ) | 20,980円 |
保証期間 | 8年 |
なお、本商品には硬さが2パターン(ふつう・やや硬め)から選べます。
硬さ | ふつう | やや硬め |
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画像 | ||
価格 | 約15,000円~ | 約18,000円~ |
この記事では、レビュー数が多い「ふつう」モデルを取り扱います。
「やや硬め」のモデルは、構造・価格・デザインなどもかなり異なるため、もはや別商品として考えた方が良いと思います。
「Inofia(イノフィア)」とは?
Inofiaは「深圳(シンセン)鋭明貿易会社」という中国企業のオリジナルマットレスブランドです。
取扱商品は、基本的にポケットコイルマットレスで、詰め物や厚さが異なるタイプバリエーションを豊富に取り扱っています。
この記事でご紹介する「クラシックマットレス」は、Inofiaの中では最も低価格帯のモデルという位置づけで、同ブランドにおいてAmazon内で最も売れ筋商品です。
【まず結論】このマットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネ当たりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?
始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ Inofiaの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.18 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 2.5 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 4.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
【総評】低価格ながらストレスが少ない寝心地
本商品の特徴をまとめると「詰め物はしっかりしているが、ポケットコイルらしさが少ないマットレス」です。
硬さのレベルは「ふつう」程度ですが、主に詰め物のソフトウレタン+綿(ワタ)で中心的な寝心地を作っているため、どちらかと言えば「やわらかめ」とお考えください。
マイナス面は、製法上の理由で「ポケットコイルならでは」のフィット感や体圧分散性の高さを感じにくかったこと。詳しくは後述します。
結果的に揺れやすく、横向き寝では脇腹あたりに圧迫感を感じました。
一方、良かったのは詰め物。同じ価格帯のマットレスと比較して高密度ウレタンを使用しています。(反発性も高めです)
また、バネ当たりがないように、しっかりとしたフェルト層も入っているので、低価格ながらストレスが少ない寝心地に仕上がっていると思いました。
さらに、この価格帯で外周を強化した「エッジサポート仕様」という点も素晴らしいです。エッジサポートがあることでマットレスの端まで優雅に使えます。
この仕様で1万円台で買えるのは十分にコストパフォーマンスとしては魅力的と言えるでしょう。
本商品のメリット(まとめ) |
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本商品のデメリット(まとめ) |
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以下より詳しくご紹介します。
このマットレスの特徴・メリット
「ポケットコイル」仕様
本商品はクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。
ポケットコイルとは、コイルをひとつひとつ不織布で包んでいる芯材(スプリングコイル)のこと。
ポケットコイルは、コイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、高い体圧分散性を実現できるというメリットがあります。
「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。
ポケットコイルを詳しく解説本当におすすめのポケットコイルマットレス13選 | コスパ抜群モデルや人気メーカー商品もご紹介
「エッジサポート」で端を強化
ポケットコイルの外周2列を硬めにした「エッジサポート仕様」を採用しています。
マットレスは端が特に沈み込みやすいですが、このようにエッジサポートがあることで端部分まで優雅に使え、ワンサイズ上の寝心地が得られることがメリットです。
耐久性が高い「高密度ウレタン」
Inofiaの詰め物は高密度ウレタン仕様です。ウレタンフォームは高密度であるほど高い耐久性が期待できます。
なお、ウレタンフォームの密度は「D」という単位で表されますが、Inofiaは当サイト計測で推定23~24Dが確認できました。
一般的なポケットコイルマットレスの詰め物で使われているウレタンフォームの密度は18~22Dくらいが多いので、1万円台で買える商品にしてはかなりの高密度と言えるでしょう。
押し返す力が強い「高反発ウレタン」
さらに、Inofiaのウレタンフォーム(詰め物)は「高反発仕様」です。
高反発とは「反発弾性率50%以上」のことを言い、要するに衝撃(荷重)に対して跳ね返る力が強いため、体が沈み込み過ぎず、寝返りなどが打ちやすいという特徴があります。
素材が持つ反発性を測る数値。反発弾性率を調べる方法として、JISが定めるテスト方法(JIS K 6400-3)があり、簡単に言うと「高さ50cmから鉄球を落として、反発した高さと割ったのが反発弾性率」ということです。※反発弾性率50%以上で「高反発(高弾性)」
なお、簡易的に当サイトで測定したところ、Inofiaの高反発ウレタンフォームの反発弾性率は「約43%」でした。
カットサンプルの状態によって結果は変わるので、あくまで参考値です。
測定では「高反発」には届きませんでしたが、それでも高めの反発性があるウレタンフォームと言えます。
わかりやすい高反発マットレス(反発弾性率50%以上)が欲しい人は以下の記事もご参考ください。
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このマットレスのデメリット・注意点
【最重要】「100日お試し期間」は付いていない
Inofiaの販売ページには以下のとおり、購入してから100日間のお試しサービスがあると書かれています。
【悩みなし睡眠 100日間試せる!】
弊社のマットレスをご家庭でより長く快適に使っていただけるように、体にフィットすることには100日をかけ仕上げますが、100日間お試しいただける使用サービスを提供いたします。
※2022年6月28日時点
しかしながら、メーカーに条件を問い合わせたところ『返品はAmazonが対応する』と言われ、Amazonに確認したところ『このサービスは了承していない』と言われてしまいました。
Amazonとしては『おそらくメーカーの表示ミスなのではないか』とのことでしたので、100日のお試しサービスは付いていないとお考えください。
こうしたこともあるので、(一概には言えませんが)Amazon仕入れの中国メーカー品は注意が必要です。
お試し期間(返品・返金保証)があるマットレスについては以下の記事でご紹介しています。
ポケットコイルらしさが感じにくい
実際に寝てみて、最初に思ったのが『あれ?ポケットコイルなのに揺れすぎやしないか?』でした。
この理由は、おそらくポケットコイルをハードフェルトに固定する製法のせいだと思います。
この作り方はなかなか珍しく、通常はポケットコイルを不織布などのやわらかい生地に固定されることが多いです。
inofiaのようにハードフェルトに直接固定してしまうと、ポケットコイルならではの独立した動きが損なわれます。
結果的に、荷重を掛けるとフェルトに引っ張られて、マットレス全体が揺れ、歪みます。
また、こうして内部が突っ張ることで、深く沈み込む「横向き寝」の時には脇腹あたりに圧迫感を感じました。
販売ページと構造が違う
詰め物の仕様が以下のとおり、販売ページに書いてある構造と異なります。
販売ページ | 実物 |
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以上のとおり、3層目にはウレタンフォームがあるはずが、ポリエステル綿になっていました。
綿(ワタ)はウレタンに比べて、寝心地がふんわりとやわらかいことが特徴ですが、耐久性が低い(ヘタリやすい)ことがデメリットです。
片面仕様(表裏のローテーションできない)
本商品は表面にしか詰め物が施されていない「片面仕様」。よって、表面でしか寝れません。
表面 | 裏面 |
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片面仕様のマットレスは表裏のローテーションがNGです。
ローテーションとは、マットレスの上下や表裏を定期的に回転させてマットレスの寝心地を長持ちさせる技のこと。
両面仕様の場合は、上下に加えて表裏もローテーション可能なのでヘタリに強いです。つまり、両面仕様よりも片面仕様はヘタリやすいと言えます。
とはいえ、1~3万円ほどで買える低価格マットレスは、片面仕様の場合が多いので、本商品だけのデメリットというわけでもありません。
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【体験レビュー】Inofiaクラシックマットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
梱包状態の重さは、20.85kg(シングル)でした。
一人で持ち運ぶのは「そこそこ重い」といったところです。
段ボールを開封していきます。
このようのマットレスがロール状に圧縮されてビニールに入っています。
マットレス本体は、ロール状に巻かれていることで、コンパクトになり、搬入経路が狭い家でも安心です。
マットレス本体は約19kgなので、ふつう程度の重さです。
内容物はマットレス本体、シール、取扱説明書(保証書)です。
説明書の封筒の中には、開封用の専用カッターも入っていました。
専用のカッターはマットレスが破損しにくいよう、刃が奥まっています。
こうした気遣いがうれしいですね。
続いて、マットレス本体を開封していきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、ロール状に圧縮されてビニールに巻かれて届きます。ビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。
外観のチェック
開封直後は歪みがありますが、すぐにでも寝ることができます。
取扱説明書によると「マットレスが完全に形を取り戻すのに1~3日ほどかかる」とのことで、開封直後と3日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。
このアニメーションのとおり、厚みが復元されていることがわかるかと思います。
マットレスの厚さはこのくらいです。
公表値は22cmですが、約23cmの厚さが確認できました。
これは「かなり厚いタイプ」のマットレスです。厚みがあると底付きが感じにくいです。
カバー生地はポリエステル100%%のさらさらとした触り心地です。
ニット生地仕様なので、伸縮性が高く、体へのフィット感が優れます。
生地のアップはこんな感じです。
カバーにはキルティングが施されているので、立体感によって通気性が高まります。
カバー下にはウレタンフォーム・綿・ウレタンフォームという順番の詰め物が入っています。
詰め物のウレタンフォームは高密度(推定23~24D)なので、モッチリとした感触があります。
サイド面は平織りのシンプルな生地(ポリエステル)です。
マットレスの裏面には詰め物が施されていなく、寝ることができません。(つまり「片面仕様」です)。
裏面はしっかりとしたポリエステル生地なので、ポケットコイルが飛び出してくるような心配も少ないでしょう。
なお、滑り止めがないため、多少のズレやすさはあります。気になる人は滑り止めシートなどを購入しましょう。
内部構造
内部構造をチェックするために、一部解体してみます。
中身のポケットコイルと、詰め物です。
本商品の構造は以下の通りです。
- 表生地
- ウレタン 10mm
- ポリエステル綿
- ウレタン 10mm
- 不織布
- ハードフェルト
- ポケットコイル200mm
- ハードフェルト
- 裏生地(ポリエステル)
構造を詳しくご紹介します。
続いてウレタンフォームが2層に分かれて入っています。(計20mm)
2枚のウレタンフォームの間に「ポリエステル綿」があります。これは珍しい仕様です。
ウレタンの間に空気を含みすい綿(わた)を入れることによって、通気性や保温性を高める工夫だと思います。
詰め物の最下層はハードフェルトです。
なお、このフェルト層は販売ページでは「減菌層」とあるのですが、抗菌レベルや加工種類は不明です。(よって、効果も不明です)
フェルト層に直接ポケットコイルが固定されていました。(これが冒頭でお伝えした「揺れやすい」原因です)
ポケットコイルの高さは約200mmでした。これは「高め」です。
コイル高が高いほど、クッション性が豊かになります。
なお、スプリングの圧縮率は「約15%(低め)」でした。※圧縮率が高いほど耐久性にプラスに働きます
要するに、バネをできるだけ引っ張ってコイルの高さを出している仕様とお考え下さい。(低価格で厚いポケットコイルマットレスによくあるタイプです)
ポケットコイルの下にはフェルトがあります。
フェルトが入っていることで、ポケットコイルにかかる衝撃を緩和させ、バネが袋を突き破りにくくしています。
ポケットコイルの仕様(読み飛ばしてもOKです)
ポケットコイルの仕様は商品によって異なり、メーカー各社、販売ページでセールスポイントとして訴求していたりします。
細かい話なので、個人的には『そこまで気にしないでも良いかな?』と思うレベルですが、念のためご紹介します。(なので、ご興味なければ読み飛ばしてOKです)
- 線種
- 密度(いくつコイルを使っているか)
- 配列(並行か交互か)
- 線径(バネの太さ)
本商品のポケットコイルの仕様は以下の通りです。
▼ Inofiaの仕様 | |
---|---|
配列 | 並行配列 |
密度 | 435個/S |
線径 | 1.9mm(外周のみ2.2mm) |
線種 | 不明(非公表) |
なお、密度・配列・線径などの仕様は、基本的に優劣ではなく、そのマットレスが表現したい寝心地を作るためものです。
以下よりInofiaのポケットコイルの仕様について詳しくご紹介します
配列の特徴は?
ポケットコイルマットレスの配列は「並行配列」か「交互配列(「千鳥配列」とも言います)」のどちらかです。
並行配列 | 交互配列 | |
---|---|---|
画像 | ||
硬さの傾向 | ソフト | ハード |
跳ね感 | 強い | 弱い |
特徴 | 寝返りがしやすい | 静かな寝心地 |
耐久性 | △ (部分的には弱め) | 〇 |
価格 | 安価に作りやすい | 高価になりやすい |
Inofiaは「並行配列」を採用しています。
並行配列はバネの動きが出やすいため、寝返りのサポート性があり、比較的ふんわりとソフトな感触が特徴です。
「並行配列の方が隙間が多いので、通気性が優れています!」というアピールを見ることが多いですが、実用上では大きな差はないので気にしないで大丈夫です(交互配列だからと言って通気性が著しく悪いということはありません)。
密度の特徴は?
密度とは「ポケットコイルの量」のことです。
Inofiaはシングルサイズあたり「435個」の密度です。これは「やや低密度」とお考え下さい。
現在のポケットコイルマットレス市場はコイルの数量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下の通りです。
密度 | 意味合い |
---|---|
300個台 | 低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い) |
400~600個台 ★本商品 | 中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる) |
700~1,000個 | 高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地) |
1,000個以上 | 超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい) |
基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは耐久性に支障が出る可能性も高くなります。
とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。
よって、Inofiaはコイル数で考えた場合、耐久性に少し不安があると言えます。
線径とは?
線径とは「バネの太さ」のことです。
線径は、太いほど反発力が高まり、しっかりとした寝心地になります。逆に細いほど荷重に対してしなやかに反応するという特徴があります。
寝心地の目安としては以下の通りです。
線径と寝心地(目安)
- 線径1.9mm以下:しなやかな寝心地
- 線径2.0mm以上:しっかりとした寝心地
Inofiaは基本は1.9mmで、外周2列が2.2mmです。
要するに、基本的にはしなやかな寝心地を作りつつ、端部分ではしっかりした硬さで沈み込み過ぎないようにしているのです。
バネの品質は?(線種)
ポケットコイルのバネは主に硬鋼線(こうこうせん)という鉄線で作られ、その品質はメーカーや商品によって異なります。
本商品の硬鋼線の線種は非公表となっています。※Inofiaは海外(中国)製の輸入マットレスなので、線種(JIS規格)を公表していません
なお、線種表示は以下のように解釈します。
表示例 | 意味 |
---|---|
SWRH | マットレスのコイルは基本的に硬鋼線(SWRH)を使用 |
72(反発性) | 数値が高くなればなるほど反発力が高い |
B(耐久性) | マンガン含有量(AよりもBが多く、耐久性がある) |
C(強度) | A<B<Cの順で強度が高い |
ちなみに、2017年に品質表示法の改正があり、線種の表示義務はなくなりました。これは「バネの品質は実際の寝心地や耐久性を知るうえでそこまで重要な情報ではない」ということが示されたと言えます。
ただし、バネそのものが高品質であればそれだけ長持ちしやすいですし、シモンズやサータ等の有名メーカーもバネの品質には相当こだわりをもっているので、依然としてポケットコイルマットレスを選ぶ上で気に留めておくべきポイントとも考えられます。
読み飛ばしOKなのはここまで!
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【詳細解説】このマットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ Inofiaの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.18 |
仰向き寝 | 3.0 |
横向き寝 | 3.0 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 2.5 |
底付きのなさ | 3.0 |
バネ当たりのなさ | 3.5 |
耐久性 | 2.0 |
衛生面 | 3.0 |
取り扱いやすさ | 3.0 |
価格 | 4.00 |
※目安は「3.50」以上が高評価です。
1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「3.0」。
Inofiaは詰め物がしっかりしている(高密度ウレタン+ハードフェルト)ため、低価格帯のスプリングコイルマットレスでありがちなバネ当たりは感じません。
さらに、高密度ウレタン&綿(わた)によって、モッチリ・ふんわりした感触が楽しめ、心地よい体圧分散性を感じられました。
ただし、若干ながら、背中やおしりの沈み込みが気になりました。沈み込んだ時にグッと押し返す反発性も弱い感じです。
2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「3.0」。
もっちり・ふんわりとした詰め物層のおかげで、圧迫感を感じやすい肩回りもそこまでストレスを感じませんでした。バネ当たりもありません。
しかしながら、横向き寝においては、ポケットコイル層に沈み込みがしっかりと到達するため、低密度コイル&フェルト固定という特徴のせいで、フィット感・寝姿勢の安定感がイマイチな印象を受けました。
結果的に脇腹あたりにやや圧迫感を感じました。
3. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「2.5」。
フェルト層にがっしりと固定されたポケットコイルは独立性が乏しいことと、ポケットコイル自体の反発力が低めのため、寝返りを後押ししてくれるような弾力はありません。
しかしながら、高めの反発性があるウレタンフォームを詰め物に使用しているという点で、寝返りのサポート性は適度にあります。
ただし、寝返りのたびにポケットコイルがポコポコと動く音が気になることがあるので、少しストレスは感じました。(これは製造品質の問題だと考えられます)
4. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「3.5」。
外周2列のポケットコイルのバネを太くした「エッジサポート仕様」なので、落ち込みにくいタイプです。
端ギリギリで寝ても沈み込みづらかったです。
ただし、2,2mmの線径にしては、少しだけ弾力が弱い印象がありました。これはおそらくバネ自体(線種は非公開)の反発性が高くないからだと想定します。
とはいえ、1万円台で2.2mmのエッジサポートが付いていること自体、コストパフォーマンスとしては優秀です。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。
評価は「3.0」。
ポケットコイルマットレスは側面方向に通気しますが、Inofiaのサイドカバーは特に通気性が良い仕様(メッシュ生地など)ではありません。
ただし、キルティングや詰め物の層構造によって、通気性を工夫されているので、そこまでストレスは感じないレベルでした。
6. 耐久性は?
保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。
評価は「2.0」。
販売ページ上には、第三者機関による耐久性テストの結果は非掲載です。
一番気になるのは、コイル数です。
「シングルサイズで435個」というのは、一般的には少し低めで、ポケットコイルマットレスとしては450個以上が耐久性として安心できる目安でもあります。
詰め物のウレタンフォームは推定23~24Dという比較的高密度タイプなので、一般的なポケットコイルマットレスに比べるとInofiaは「詰め物が強く、ポケットコイルが弱い」と言えるでしょう。
とはいえ、クッション層(ポケットコイル)がヘタるとマットレス全体がダメになるため、詰め物よりもクッション層の耐久性が重要です。
7. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.0」。
「抗菌防臭」や「防ダニ」等の衛生機能はありません。
とはいえ、衛生加工があるマットレスの方が少ないので、評価値としては「3.0(ふつう)」です。
8. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「3.0」。
重量はシングルサイズで約19kg。これは一般的なベッドマットレスの中では「ふつう程度」ですが、力の弱い人は移動にご注意ください。
ただし、お届け時は圧縮梱包でコンパクトに届くので、搬入経路が狭い人にはメリットを感じられるでしょう。
また、厚さは22cmなので、市販のボックスシーツも使いやすいです。
捨てやすさについては、スプリングコイルマットレスは、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。
9. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「4.00」。
シングルサイズで約20,000円という価格は、マットレス市場全体から考えると「安め」の価格帯です。
更にエッジサポート、高密度ウレタンフォームなどの仕様面と価格を加味するコストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
口コミ・評判のまとめ
本商品の口コミをまとめると以下のような意見が見られました。
良い口コミ | 悪い口コミ |
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口コミに関する解説
Amazonにおける口コミ全体は5点満点で4.3の高評価です。(記事公開時点)
全体的に寝心地に満足されているユーザーさんが多い印象です。
コスパに満足
5点満点をつけているユーザーの多くは、寝心地の良いのに1万円台から買えるコストパフォーマンスの良さを評価していました。
確かに、詰め物に高密度ウレタンフォーム(推定23~24D以上)を使っている1万円台のポケットコイルという点ではかなりコストパフォーマンスは優れていると思います。
ただし、ポケットコイル自体の品質(製法や素材※)はあまり高くないようなので、耐久性としては少し不安が残るというのが当サイトの見解です。※巻き数に誤差があったり、接着方法に粗雑さがありました
Inofia | 他商品※ |
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配列にやや乱れがある | きれいな配列 |
※他商品は源ベッド「国産ポケットコイルマットレス 夜香ハイグレード2」
硬さについては賛否両論
Inofiaのレビューにおいて、一番言及されていたのは「やわらかさ」です。
『硬い』と評価されている人は少数で、基本的には皆さん『やわらかめ』と表現されているようです。
硬さ(やわらかさ)に満足されている人が中心ですが、人によっては『やわらかすぎ』というレビューも多く見られました。(そして、これが低評価の中心です)
たしかに、Inofiaはどちらかと言えば「やわらかめ」な寝心地です。とはいえすごく柔らかいタイプではなく、マットレス全般では、あくまで「ふつうレベル」の硬さだと思います。
しかし、沈み込みない寝心地が好きな人にとっては合いづらいと思いますので、そうした人はハードタイプの硬いマットレスを選ぶのが無難です。
体の痛み(腰痛・肩こり)の効果は?
結論から言うと、マットレスに腰痛・肩こりが改善するという医療的なエビデンスはありません。要するに、腰痛・肩こりに効くマットレスなどないということです。
実際にレビューを眺めてみると、腰痛への効果があった人もいたようですが、痛みの原因は人それぞれなので、マットレスの合う・合わないも人それぞれです。
自分に合ったマットレスを選ぶことで「結果的に体の痛みが軽減されることもある」というくらいにご理解いただければと思います。
似ている商品との比較
本商品と同じ「格安タイプのポケットコイルマットレス」の中で、特におすすめの2モデルと比較します。
メーカー | ①Inofia クラシックマットレス | ②GOKUMIN プレミアムスプリングマットレス | ③neruco バリューポケット |
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画像 | |||
厚さ | 22cm | 20cm | |
硬さ | 少し柔らかめ | 硬め | 少し柔らかめ |
コイル数 (Sサイズ) | 435個 | 495個 | 512個 |
線種 | 非公表 | SWRH70 B C | SWRH72 B B |
線径 | 1.9mm | 2.0mm | 2.0mm |
エッジハード | 〇 (2.2mm) | × | |
メッシュ生地 | × | 〇 | |
詰め物 | ウレタン20mm 綿 フェルト | ウレタン20mm | ウレタン15mm フェルト |
ウレタン密度 | 推定23~24D | 32D | 21D |
片面/両面 | 片面仕様 | ||
保証期間 | なし | 8年 | 5年 |
サイズ | S~Q | SS~Q | SS~Q ※ショート・ロングあり |
メーカー | 中国 | 日本 | |
生産国 | 中国 | ||
価格 (Sサイズ) | 約20,000円 | 19,998円 | 12,990円 |
リンク | 商品リンク | 商品リンク | 商品リンク |
比較商品の特徴
②GOKUMINの特徴は?
GOKUMINは株式会社KURUKURUという日本企業のオリジナルマットレスブランドです。
このモデル(プレミアムスプリングマットレス)はinofiaクラシックマットレスと同じくAmazon内で人気な低価格帯のポケットコイルマットレスなので、比較されている人も多いのではないでしょうか。
大きな違いは「硬さ」。GOKUMINはかなりハードタイプのマットレスです。
さらに、詰め物のウレタンの密度が32D(inofiaは推定23~34D)と、かなり高密度タイプです。
要するに「硬くて耐久性が高い」のがGOKUMINとお考え下さい。
③neruco「バリューポケットコイル」の特徴は?
この中でも最も低価格なのがnerucoです。
コイル数が多く(512個/Sサイズ)、コイル高も高いため、クッション性が豊かで、ふんわりとした寝心地が特徴。硬さは「少しやわらかめ」です。
ウレタン密度は最も低いですが、同等の価格帯の中では高めのレベルなので耐久性としては合格点だと思います。
Inofiaと違い、ポケットコイルならではのフィット感や弾力性を感じられるので、寝返りが打ちやすく、体圧分散性も高めです。
ただし、そのふんわりとした寝心地は、若干体が沈み込みやすいので、フィット感が苦手な人や体重が重めの人には合いにくいでしょう。
当サイトでは「最安値レベルで買えるマットレスとして最もおすすめできる商品」として他の記事でもご紹介しています。
このマットレスの廃棄方法は?
スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断・分解が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。
参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。
Inofiaのマットレスはどこで買うのがお得?
Inofiaには公式サイト※がなく、以下のモール店で購入可能です。
両方ともInofia(深圳鋭明貿易会社)が自社で販売を管理しているわけではなく、「卸売り」という形で関わっています。
要するに、AmazonはAmazon自体が仕入れ、楽天は出店しているショップが仕入れているという状況です。
基本的にはAmazonが最安値で設定されているようですが、両方見比べてみても良いかと思います。
※Inofiaはアメリカ・イギリス・ドイツ・南アフリカでは公式サイトを展開しています
まとめ
いかがでしたか。
Inofiaクラシックマットレスについてご紹介しました。
Amazonで1,000件以上のレビューを獲得している人気マットレスです。
寝心地としては、ふんわりとしたやわらかさありつつも、基本的にはふつうレベルの硬さに抑えているため、多くの人に合いやすいと思います。
ハードフェルトに直接ポケットコイルを固定する製法のため、ポケットコイルならではの独立性によるフィット感・高い体圧分散性は感じにくい点がデメリットだと感じました。
一方、詰め物の品質が高い(高密度・高反発)ので、どちらかと言えば「詰め物で寝心地の中心を作っている」感じです。要するにもっちりとしたウレタンフォームとふんわりとした綿によって、中心的な寝心地を作っていると感じました。
また、何といってもこの寝心地が約2万円台から買えるのはうれしいですね。バネ当たり・底付きといった致命的な欠点がなく、価格から考えるとコストパフォーマンスは悪くないと思います。
『できるだけ安いマットレスを探している』
という人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。