「硬いマットレスが欲しい」
「おすすめのマットレスはどれかな?」
そうお考えの方に、この記事ではベッドメーカーに勤めていた筆者が、硬めのマットレスの選び方やおすすめ商品をご紹介させていただきます。
一言で「硬め」と言っても、マットレスには様々な種類があり、自分に合った素材や仕様を見極めて選んだ方が、失敗は少ないです。
「早くおすすめのマットレスを知りたい」
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目次
マットレスとは?
マットレスとは布団の下やベッドの上に敷く、厚い弾力性の敷物のことです。寝心地はマットレスの性能に大きく関係します。
マットレスの主な役割は、「寝姿勢を支える」「体圧を分散させる」ことです。
マットレスの硬さはどのように調整されている?
一般的なマットレスはいくつかの層構造をしていて、主に硬さは表層近くの詰め物によって調節されることが多いです。

硬めのマットレスを選ぶにあたっては、詰め物やクッション層にどのような素材を使っているのか着目することで、特徴をつかみやすいです。
硬めのマットレスのメリットとは?
蒸れや厚さを感じにくい
柔らかめのマットレスに比べて硬めのマットレスの方が、寝姿勢が沈み込みにくく、体へフィット感も少ないため、蒸れや厚さを感じにくいです。
寝返りがしやすい
特に高反発系の素材を使った硬めのマットレスの場合、体の動きをサポートしてくれるため、寝返りが簡単に打てます。
寝返りは血液を滞留させて血行が悪くなることを防いだり、体温を調節する役割があり、快適な睡眠には適度且つスムーズな寝返りが必要です。
柔らかく調節できる
硬めマットレスは、もし「自分には硬すぎる」と思ったときに、マットレスの上にパッドやトッパーなどを敷くことで、寝心地を柔らかく調整しやすいです。
逆に柔らかいマットレスの場合、後から寝心地を硬くすることは困難です。
ヘタっても使い続けやすい
マットレスは基本的にクッション層よりも詰め物層の方が早くヘタるため、お好みの詰め物素材のトッパーを選ぶことにより、寝心地が復活します。
逆に柔らかいマットレスはそれ以上硬くできないため、トッパーの選択肢が大幅に少なくなります。
硬めのマットレスはどんな人に合う?
一般的な日本人体型
欧米人に比べて日本人は平坦な体つきをしている傾向があり、深い沈み込みが必要ないため、硬めのマットレスが合いやすいです。
仰向き寝
同様に、横向き寝に比べて仰向き寝の方が深い沈みが必要なく、硬めの寝心地の方が寝姿勢が整いやすいです。
ちなみに寝返りによって仰向きと横向きは繰り返されますが、フランスベッドによると「60-70%ほど最初の寝姿勢の時間となる」そうです。
寝苦しく感じている人
今寝ている寝具が柔らかすぎて、寝苦しく感じている人は硬めのマットレス(特に高反発マットレス)にすることで、寝返りがしやすくなるでしょう。
ストレスなく寝返りが打てることで、寝床内温度や体温調節がスムーズになり、快適な睡眠に繋がります。
硬めのマットレスはどんな人に合わない?
体のラインがはっきりしている人(欧米人体型)
上記と逆の理由で、体のラインがはっきりしている欧米人体型の人は、深い沈み込みが必要なため、硬めより柔らかめの寝心地が合いやすい傾向があります。
横向き寝
同様に、仰向き寝に比べて横向き寝の方が深い沈みが必要なため、柔らかめの寝心地の方が寝姿勢が整いやすいです。
寝返りが多すぎると自覚している人
多すぎる寝返りは睡眠の妨げになり、結果として日中のパフォーマンスが落ちる原因になります。
「寝返りが多い」「寝返りによって目が覚める」という自覚症状がある人は、柔らかめマットレス(特に低反発マットレス)にすることにより、余計な寝返りが減らせるため、睡眠の質を改善できる可能性があります。

以上の項目に当てはまる人は、硬めのマットレスよりも柔らかめのマットレスが合いやすい傾向があります。
失敗しない!硬めのマットレスの選び方
1. クッション素材の特徴
クッション層で使われているスプリングやウレタンフォームは、マットレスの命ともいわれ、マットレスにおいて最も大切な素材と言っても過言ではありません。
マットレスで使われるクッション素材は大きく以下の3つに分かれます。
代表的なクッション素材
- スプリング(硬鋼線・ピアノ線)
- ウレタンフォーム
- ファイバー
スプリング

スプリングマットレスはクッション層が硬鋼線(こうこうせん)などのバネで作られています。
- ボンネルコイル
- ポケットコイル
- 高密度連続スプリング
という3つの種類があります。
ボンネルコイル | ポケットコイル | 高密度連続スプリング |
---|---|---|
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スプリング(バネ)は復元率・弾性率が高く、要するに耐久性が高い傾向があります。
また、比較的通気性もよく、特にオープンコイル系のボンネルコイル・高密度連続スプリングは高温多湿の日本の気候に適したスプリングマットレスです。(ポケットコイルが通気性が悪いというわけではありません)
睡眠時の蒸れや寝苦しさを感じやすい人におすすめです。
ウレタンフォーム

ウレタンフォームは石油を発砲させて作った、ノンスプリングマットレス(スプリング以外で作られたマットレス)で多く使われている最もベーシックな素材です。
比較的安価で軽量なため、手軽にマットレスを買いたい人におすすめです。※低反発のウレタンマットレスは重量が重めです
メーカーやモデルによってウレタンの品質は異なるため、寝心地に差が出やすいですが、高品質なウレタンマットレスは、滑らかさと優れた反発性があり、心地よい眠りが実現できるでしょう。
一方、耐久性が低い傾向があることがデメリット。特に安価すぎるウレタンマットレスには要注意です。
また、基本的に通気性が悪く、蒸れや寝苦しさも感じやすいです。
なお、ウレタンフォームは、スプリングマットレスの詰め物にもよく使われます。
低反発と高反発の違い
ウレタンフォームは、高反発や低反発など、反発性(弾性)が異なるタイプがあります。
低反発マットレスは体へのフィット感・衝撃吸収(揺れにくさ)を目指したコンセプトで作られていることが多いです。
↑左:低反発フォーム、右:中反発フォーム
一方、高反発マットレスは低反発のデメリットである「寝苦しさ」「寝返りのしにくさ」を改善する目的で開発された素材です。
↑高反発フォーム
なお、低反発や高反発などの反発性は、硬さと直接関係しませんが、一般的には、低反発よりも高反発マットレスの方が硬めの寝心地が多いです。
ファイバー

細い繊維(ポリエチレンやポリエステル)を網目状に固めた素材。エアウィーヴなどでお馴染みで、素材自体の寝心地はかなり硬めです。
三次元状にファイバーが絡み合っているため、様々な方向から体を支えることができ、寝返りが楽にできることが特長。
また、空洞が多い素材なので通気性が圧倒的に良く、蒸れにくいです。商品によっては洗えるというメリットもあります。
デメリットはウレタン同様、耐久性が低めです。また、ポリエチレンでできたファイバーは熱に弱いので、電気毛布などの使用や、天日干しはおすすめできません。
ベッドマットレスのクッション素材というよりも、マットレストッパー(寝心地を調節するための寝具)や、スプリングマットレスの詰め物として使うのに適した素材です。
2. おすすめのサイズは?
ストレスなく寝返りを打ちたいとお考えの方は、自分が考えるより一回り大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。
寝返りは肩幅の2~3倍程度動くと言われています。平均的な大人の肩幅はおよそ40cmなので、マットレスの横幅は120cm程度あると、快適に眠ることができるでしょう。
横幅120cmはマットレスのサイズで言うと「セミダブル」にあたります。つまり、一人で寝る場合でもシングル(横幅97cm)ではなく、セミダブル(横幅120cm)を選ぶことがおすすめです。
同じ理由で、2人で寝る場合はクイーンやキング、またはシングル2台並べなどご検討いただくと、よりゆったり眠ることができるでしょう。
3. メンテナンスのしやすさ
洗いやすいか
マットレスには汗や皮脂などの汚れが溜まりやすいです。寝床環境を清潔に保つには、定期的に掃除・洗濯しましょう。
マットレスのカバーが簡単に脱着でき、丸洗いできるかなどのメンテナンス性もチェックしてみてください。

特に大量の汗をかく人は、中材が洗えるファイバーマットレスがおすすめです。(ウレタンマットレスは中材が洗えません)
ローテーションできるか
ローテーションとは、マットレスの上下・表裏の向きを定期的に変えることです。ローテーションは荷重のかかりをならし、部分的なヘタりを軽減させる効果があります。

しかし、すべてのマットレスがローテーション可能というわけではありません。基本的に上下のローテーションはできますが、表裏が対応していないマットレスもあります。
できるだけ長く使い続けたい人は、表裏のローテーションができる「両面仕様タイプ」のマットレスを選ぶことがおすすめです。
4. 耐久性もチェック
高密度タイプのクッション素材
基本的に素材の密度が高ければ高いほど、耐久性は増します。
特に「高密度連続スプリング」は、鋼線を高い密度でひとつなぎで作ることができ、大量のスプリングがスクラムを組むような形で耐久性が抜群に良いです。
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なお、日本市場における高密度連続スプリングは、フランスベッドが製造販売ライセンスを取得しているため、フランスベッド製のマットレスのみ搭載できます。
ウレタンマットレスでは、ウレタンの密度を「D」(Density=密度)で表記している商品もあります。基本的に20~40Dの商品が多く、Dの数値が高くなればなるだけ耐久性(寿命)は長くなります。
密度 | 耐久性(寿命) |
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20D | ~1年 |
25D | 3~5年 |
30D | 5~8年 |
40D | 8年以上 |
ただし、やわらかいウレタンフォームの場合、同じ密度でもヘタりやすいので、上記よりも短い寿命とお考え下さい。
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迷ったらコレ!本当におすすめの硬めマットレス 9選

100を超えるマットレスを試してきた経験を踏まえて、本当におすすめのハードタイプ(硬め)マットレスをご紹介します。実際に体験した商品が中心です。
1. リフレーションジャパン「ソムレスタ」
三つ折りできて高衛生・高耐久
厚さ10cmの薄型ウレタンマットレス。高反発タイプなので、寝返りが打ちやすいです。高密度で作られているため耐久性が高いことも特長。1枚タイプにも関わらず三つ折りできるので、使わないときに畳んでおけます。
従来の3倍(240,000回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性も魅力です。カバーは抗菌活性値5.9の「制菌レベル(つまり高いレベル)」の抗菌性がある生地を使用。寝心地・衛生面とも優れた逸品です。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
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クッション材 | 高密度ウレタンフォーム |
価格 | 39,600円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、高密度、抗菌防臭・防ダニ、三つ折り |
2. ネルコ×フランスベッド「超硬め」
硬めの寝心地が好きな人に!
フランスベッドとベッド専門店ネルコが「普通の硬さじゃ満足できない人」に向けて共同開発した超硬めマットレス。筆者も実際に試し寝してみましたが、単に硬いだけでなく、適度な体圧分散性と、寝返りをサポートしてくれる反発性があるため多くの人に受け入れられやすい寝心地なのではないかと思います。フランスベッドの高密度連続スプリングだから実現できた逸品です。
サイズ | シングル~ダブル |
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クッション材 | 高密度連続スプリング |
価格 | 39,990円~ |
その他 | 両面仕様、防ダニ、抗菌・防臭 |
3. 腰痛対策マットレス「モットン」
腰痛持ちのために作られたマットレス
モットンは株式会社グリボーという日本のベンチャー企業が販売しているマットレス。体圧分散性と高い反発力で寝返りが打ちやすく「腰痛対策」として開発され、多くの腰痛もちの人から支持されています。
硬さが3段階から選べるので、より硬い寝心地が好きな人にも満足いただけると思います。90日間の無料お試し期間もあるので、腰痛で悩んでいる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | ふつう |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 39,800円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、無料お試し期間 |
4. アキレス「フレアベル サーモフェーズ プレミアムモデル」
理想的な寝床内温度を実現
日本で随一のウレタンフォームの開発ノウハウを持つアキレス株式会社が自社ブランドで手掛けるオリジナルマットレス。高品質なウレタンフォームに独自開発した「サーモフェーズ」という温度調節素材を塗布していることが特長です。
近年の睡眠科学では「理想的な寝床内温度は約33℃」ということがわかってきて、それを実現できるマットレスとして業界で初めて開発に成功しました。知名度はまだまだこれからですが、日本製の高品質でコストパフォーマンスに優れています。硬すぎない適度な寝心地です。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | やや硬め |
クッション材 | ウレタンフォーム |
価格 | 64,800円~ |
その他 | 温度調節、片面仕様、衝撃吸収 |
5. シモンズ「ビューティレストセレクション ゴールデンバリュー」
耐久性が高いポケットコイル
「シモンズ永遠のスタンダードモデル」と言われるのがゴールデンバリューです。シモンズと言えばポケットコイルマットレスですが、シモンズのポケットコイルはピアノ線と同等の高級素材「超硬鋼線」を使用しているので耐久性が高いことが特長。
こちらの「ビューティーレストセレクション」というシリーズは、シモンズのスタンダードシリーズ「ビューティーレストプレミアム」と比べて、詰め物の量などを減らしているため、リーズナブルな価格設定が特長。ふんわりとした感触が少ないため、より硬めの寝心地に感じます。
サイズ | シングル~キング |
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クッション材 | 高品質ポケットコイル |
価格 | 120,000円前後~ |
その他 | 両面仕様、超硬鋼線 |
6. 日本ベッド「シルキーポケット」
バネに直接寝れる高品質
日本ベッドはコイルの仕立ての良さに評判があります。このシルキーポケットは日本ベッドの基幹ブランド。とろけるような寝心地で「バネに直接眠れるマットレス」というコンセプトで生まれました。
日本のもの作りの精神が具現化されたマットレスで、有名ホテルへの納入実績も豊富。睡眠の質にこだわりたい人には間違いなくおすすめの逸品です。硬さは3段階から選べるので、硬めの寝心地が好きな人はハードモデルがおすすめです。
サイズ | シングル~キング |
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クッション材 | 高密度ポケットコイル |
価格 | 160,000円前後~ |
その他 | 両面仕様、超高密度 |
7. エアウィーヴ「S03」
寝心地が調節できる
エアファイバー(3次元構造体ポリエチレンファイバー)をクッション材に採用したエアウィーヴのミドルレンジモデル。表と裏で寝心地が異なるエアファイバーを搭載し、3分割になっているので、体の部位ごとに寝心地を柔らかくしたり硬くしたりできます。
エアウィーヴのマットレスは一般的なマットレスに比べてやや硬めの寝心地なので、微調整できるという点は大きなメリットでしょう。中材は丸洗い可能です。
サイズ | シングル~キング |
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クッション材 | エアファイバー |
価格 | 176,000円~ |
その他 | 両面仕様、高反発、丸洗い可能 |
8. フランスベッド「キュリエスAg-BAE-PW-SPL」
話題の除菌・高衛生マットレス
キュリエス・エージー™は、フランスベッドと東洋紡が共同開発した除菌機能糸「アグリーザ®」と、通気性に優れた高密度連続スプリングを組み合わせた、高衛生マットレスシリーズです。一般的な「抗菌防臭加工」や「制菌」よりもさらに高いレベルの抗菌性があるので、衛生面にこだわりたい人におすすめです。
このAg-BAE-PW-SPLというモデルは、詰め物に「ブレスエアーエクストラ」という3次元構造体(エアウィーブのようなファイバー素材)を採用し、寝返りがスムーズに打て、通気性が良いことが特長です。
※このモデルは実店舗でのみ購入可能です
サイズ | シングル~ワイドダブル |
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クッション材 | 高密度連続スプリング |
価格 | 198,000円~ |
その他 | 除菌レベルの抗菌性、高反発 |
9. テンピュール「ファーム エリート25」
フィット感がある静かな寝心地
NASAも認めたテンピュールのベッドマットレスの中で、最も硬い寝心地のコレクション。テンピュール素材はメモリーフォーム(低反発素材)で、衝撃吸収性が高いことが特長。静かな寝心地で「寝返り回数を減らすことで睡眠の質をあげる」というコンセプトで作られています。
サイズ | シングル~クイーン ※クイーンは受注生産 |
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クッション材 | 高密度ウレタンフォーム |
価格 | 242,000円~ |
その他 | 10年保証、低反発 |
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いかがでしたでしょうか。
寝心地が硬めのマットレスの選び方・おすすめ商品をご紹介させていただきました。
「硬めの寝心地が自分に合う」と分かっている人は別ですが、マットレスは購入する頻度が少ないので、自分にぴったりの寝心地を知っている人は少数だと思います。
ショールームに行って試し寝することもおすすめですが、試し寝して選んだ商品を実際に家で使ってみたら「なんか違った」ということも結構よく聞く話です。なぜなら、人の体圧分布はちょっとしたことで変わったり、そもそもショールームと家での就寝環境が異なるからです。
「本当に自分は硬めのマットレスが合うだろうか?」と不安をお持ちの方は、無料お試し期間がある商品で一度試してみることもおすすめです。硬めのマットレスであればモットンやテンピュールなどが実施しています。(記事公開時点の情報なので、実施しているかどうかは必ず販売ページでご確認ください)
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最後までお読みいただき誠にありがとうございました。