高反発と低反発の違いをわかりやすくご紹介
この記事では「高反発マットレスと低反発マットレスの違い」をご紹介します。ぜひご参考にしてくださいね。
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目次
高反発と低反発の違いは?
反発性とは、跳ね返す力のことです。
高反発は跳ね返す力が強く、低反発は跳ね返す力が弱い(衝撃を吸収する性質が強い)ことが特徴です。
- 高反発は、跳ね返す力が強い
- 低反発は、衝撃を吸収する
高反発マットレスと低反発マットレスの種類
▼ 高反発マットレスの種類 | |||
---|---|---|---|
高反発ウレタン | ファイバー | ラテックス | TPE(超高弾性ポリマー) |
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▼低反発マットレスの種類 | |||
低反発ウレタン | – | – | – |
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– | – | – |
高反発マットレスの素材には「高反発ウレタンフォーム」「ファイバー」「ラテックス」「TPE(超高弾性ポリマー)」などといった種類があります。
一方、低反発マットレスは、基本的に「低反発ウレタンフォーム」のみです。
なお、ウレタンフォームのみ、JIS規格の「反発弾性率(はんぱつだんせいりつ)」によって低反発・一般・高反発の分類がされます。
反発弾性率 | 反発性の分類 |
---|---|
15%未満 | 低反発 |
15~49% | 一般(レギュラー) |
50%以上 | 高反発(高弾性) |

ファイバーやラテックスなどの素材には、そもそも反発性の分類(規格)がありません。
よって、「低反発」や「高反発」といった言葉は、厳密にはウレタンフォームに関するものとお考えください。
高反発マットレスと低反発マットレス、どっちが良い?
結論、迷ったら高反発の方が失敗は少ないと思います。
なぜなら、高反発は、低反発の「沈み込みやすい」というデメリットを解消する目的で生まれた素材だからです。(よって、歴史としては低反発の方が古いです)
体が沈み込み過ぎると寝姿勢が崩れたり、寝返りが打ちづらい・蒸れやすいなど、いろいろなマイナスの影響が生まれます。
とはいえ、最近の低反発マットレスは、多層構造が中心で、沈み込んでも支える層があることがほとんどですが、それでも高反発マットレスの方が沈み込みは少ないです。
しかしながら、低反発ならではのじんわりしたフィット感や体圧分散性の高さに心地よさを感じる人もいるので、最終的には好みの問題になってくるでしょう。
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高反発と低反発、それぞれの特長(メリット)
高反発は「寝姿勢保持」と「寝返りサポート」
高反発マットレスは押し返す力が強いため、体が沈み込み過ぎず、正しい寝姿勢をキープしてくれます。(=寝姿勢保持性が良い)
また、体の動きをサポートする力もあるので、スムーズに寝返りが打てることもメリットです。

「高反発」という言葉を世界で初めて使ったのは、イタリアの寝具ブランド「マニフレックス」です。
低反発は「衝撃吸収性」と「フィット感」
低反発フォームは、衝撃吸収性が高いことが最大の特徴で、くつの中敷きやチャイルドシートなどの緩衝材としても使われることが多い素材です。
また、じんわりと体の形に馴染むので、フィット感(ホールド感)がある寝心地が特徴です。
反発力が少なくマットレスの圧力を感じにくいため、体圧分散性も高いです。

「低反発」という言葉は造語で、正しくは「メモリーフォーム(形状記憶素材)」と言います。
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高反発と低反発、それぞれのデメリットと注意点
高反発は「圧力を感じやすい」「選ぶのに注意が必要(偽物も多い)」
高反発=硬いというわけではありません(やわらかい高反発もあります)が、押し上げる力が強い分、低反発に比べると圧力は感じやすいです。
また、選ぶのにも注意が必要で、『低反発でなければ高反発と呼んでいい』といったメーカーの誤った知識から、高反発に満たない反発性(反発弾性率15~49%)の一般ウレタンマットレスを高反発マットレスとして販売していることもあります。
特に1万円以下の高反発マットレスなどは「偽物の高反発(一般ウレタン)マットレス」のことも多いので、ご注意ください。
低反発は「沈み込みやすい」「寝返りしにくい」
特にやわらかめの低反発ウレタンフォームは、「どこまでも沈んでいくんじゃないか?」と思うくらい沈み込みます。
沈み込むことで、寝姿勢が崩れることや、蒸れやすくなるというデメリットも生まれます。
また、反発力が低いことで、寝返りが打ちにくくなり、寝苦しく感じる場合もあります。

なお、低反発ウレタンフォームは「感温性」という性質があり、温度によって硬さが変わります。
温度が低い部屋だとかなり硬くなりますが、寝ているとウレタンに温度が伝わることで本来の硬さに戻ります。
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高反発と低反発、合いやすい人の特徴
高反発は「仰向き寝」「体重がふつう~重め」
高反発マットレスのメリットのひとつ「寝姿勢保持」とは、基本的に仰向きの寝姿勢が前提です。
別の言い方をすると「立っている姿勢のような状態を作るには、仰向きになる必要がある」ということです。※横向きの寝姿勢では、背骨のカーブ(生理湾曲)を保持するのは難しいです
要するに、高反発のメリットを最大限享受できるのは仰向きの寝姿勢と言えるでしょう。
また、「沈み込みにくい」という特徴があるので、体重が重い人でも合いやすいです。
低反発は「横向き寝」「体重が軽め」
低反発の特徴である「フィット感(ホールド感)」の高さは、不安定な横向きの寝姿勢でもしっかり支えてくれます。
横向き寝は体のライン(くびれなど)がハッキリと出やすいので、しっかりとフィットする低反発が合いやすいです。
また、低反発は沈み込みやすいことがデメリットですが、体重が軽めの人ならそこまで沈み込まないので、適切な寝姿勢をキープすることで快適に感じられるでしょう。
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高反発マットレスと低反発マットレスの選び方

見るべきは「反発弾性率」「密度」「復元率」「硬さ(N数)」の4つです。
1. 反発弾性率(反発性能)
すでにお伝えしたとおり、偽物の高反発マットレスがあるので、まずは反発弾性率をチェックしましょう。
本物の高反発マットレスが欲しい人は「反発弾性率50%以上」が確認できるものを選んでください。
また、低反発においては反発弾性率をそこまで気にしなくても良いですが、反発弾性率が低いほど、低反発としての性能(衝撃吸収性など)が高いため、念のためチェックしておくと良いと思います。

ちなみに、低反発の最高峰「テンピュール®素材」の反発弾性率は約3%(すごい低い)です。
2. 密度(感触と耐久性)
ウレタンフォームの場合、密度(D)が高いほどモチっとした感触になり、耐久性も高まります。
耐久性を選ぶ目安は以下のとおりです。
密度 | 耐久性 (寿命) |
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---|---|---|
高反発 | 低反発 | |
25D以下 | 40D未満 | 数か月~3年 |
30~36D前後 | 40~50D前後 | 3~5年 |
40D前後 | 55D前後 | 5~7年 |
50D前後 | 70D以上 | 10年前後 |
3. 復元率(耐久性)
復元率とは「8万回の圧縮試験後に、どのくらい形状の劣化が少ないか」で、耐久性を判断する数値です。なお、密度(D)も耐久性に関係しますが、復元率で判断する方が正確です。
復元率による耐久性の目安は以下のとおりです。
復元率 | 耐久性(寿命) |
---|---|
90~95% | ~1年 |
95~96% | 3~5年 |
96~98% | 5~8年 |
98~99%以上 | 8年以上 |

「復元率96%以上」が耐久性として安心できるひとつの目安です。
4. 硬さ
硬さはN(ニュートン)という数値で表されることが多いです。目安は以下のとおりです。
N数 | かたさ |
---|---|
200N以上 | 硬め |
150N前後 | やや硬め |
120N前後 | ふつう |
80N前後 | やや柔らかめ |
50N以下 | 柔らかめ |
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おすすめの高反発マットレス 3選

これぞ高反発!という寝心地が得られるおすすめマットレスです。
1. マニフレックス「モデル246」
硬め好きにおすすめのロングセラーモデル
高反発マットレスのパイオニア「マニフレックス」の中で、硬め好きの方から熱狂的な支持を受け、多くのリピーターから長く愛され続けているロングセラーモデルです。なお、「246」とは、東京本社が国道246号線沿いに位置することから名付けられました。
芯材をすべてエリオセル®(170N)で仕上げた厚さ16cmのベッドマットレスで、硬めの寝心地と反発性の高さから寝返りしやすく、仰向き寝を中心に寝る人にもおすすめです。

有名ブランドにもかかわらず約5万円(シングルサイズ)という手に届きやすい価格も魅力です。
サイズ | シングル~クイーン |
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硬さ | 硬め(170N) |
クッション材 | エリオセル®(高反発フォーム) |
価格 (Sサイズ) |
50,600円 |
2. リフレーションジャパン「SOMRESTAマットレスPREMIUM」
グッドデザイン賞受賞・抜群の耐久性と反発性
寝具・インテリア業界に20年ほど精通したプロが満を持して立ち上げた高品質ウレタンマットレスブランド。超高密度のウレタンフォームを使用し、従来の3倍(24万回)の圧縮テストでも復元率99.6%を誇る抜群の耐久性が特長です。
高い反発性があるので寝返りもしやすく、カバーは抗菌性が高い生地を使用し、取り外して洗えるので、汗をかきやすい人にもおすすめです。なお、折りたたんで収納もできます。

SOMRESTAといえば高品質なウレタンフォームです。弾力がすごくて、質が良い筋肉の塊のような感触をしています。
サイズ | シングル~ワイドダブル |
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硬さ | 硬め(154N) |
クッション材 | 高反発ウレタンフォーム |
価格 (Sサイズ) |
59,800円 |
この商品の特徴はこちら
3. 源ベッド「咲夜ハイフィール」
寝心地・感触の良さを追求
当サイト(運営:株式会社悠デザイン)と、国産ベッドメーカー「源ベッド」が共同開発した薄型マットレス。
『薄型マットレスとは思えない至高の寝心地』を目指し、薄型タイプでは珍しい3層構造、表層には超高密度・高反発フォームを採用しています。

薄いのにベッドマットレス(厚さ25cmレベル)のような奥行きを感じられる寝心地です。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | やや硬め |
クッション材 | 高反発ウレタンフォーム |
価格 (Sサイズ) |
39,900円 |
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おすすめの低反発マットレス 2選

これぞ低反発!という寝心地が得られるおすすめマットレスです。
1. テンピュール®「プロ プラス」
テンピュール®の定番・人気モデル
テンピュール®の原点とも呼べるスタンダードモデル。テンピュール®素材の特徴が最も表現されていて、まるで宙に浮いたような寝心地です。
マットレスの上層にはテンピュール®層、下層には高耐久ベースがあり、体をしっかりサポートしてくれます。

テンピュール®のマットレスの中では最も価格とのバランスが良く、コストパフォーマンスが優れていると思います。
サイズ | シングル~クイーン |
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硬さ | ふつう |
クッション材 | 低反発ウレタンフォーム |
価格 (Sサイズ) |
264,000円 |
2. ZINUS「Green Tea 低反発マットレス」
学生・新社会人におすすめ
韓国の寝具ブランド「ZINUS(ジヌス)」のエントリーモデル。約1万円から買える格安価格にも関わらず、3層のウレタンフォームを使った本格的な寝心地が味わえます。
デメリットは復元率95%という耐久性の低さですが、3年程度は問題なく使えるのではないかと思います。

寝心地は良いので、あまり長期間使う予定がない学生や新社会人におすすめしたいマットレスです。
サイズ | シングル~ダブル |
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硬さ | ふつう |
クッション材 | 低反発ウレタンフォーム |
価格 (Sサイズ) |
13,990円 |
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「ハイブリッドマットレス」という選択肢もある
低反発や高反発など、異素材を掛け合わせた「ハイブリッドマットレス」という種類もあります。
低反発・高反発といった異なる素材の良いところを活かしつつ、欠点を補う仕様です。
ただし、単一素材の特徴を感じにくくなることもあるので、お好みによってご検討いただければと思います。
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【おまけ】高反発と低反発の歴史(代表的なメーカー)
高反発といえば「マニフレックス」、低反発といえば「テンピュール®」。この2つのメーカーなしでは、高反発と低反発は語れません。
マニフレックス(高反発) | テンピュール®(低反発) |
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まず、歴史的に先行するのは低反発(メモリーフォーム)です。
低反発ウレタンフォームは「テンピュール®」を起源とします。
テンピュール®素材は、1960年代後半にNASAによって最初に開発され、スペースシャトルで使用された技術から誕生しました。以降、一般用途向けに発展させ、1991年に製品化し販売を開始し、一躍、超有名なマットレスブランドとして成長しました。
そこで対抗馬として現れたのが「マニフレックス」です。
マニフレックスは伝説的なサイクリスト「ジュリアーノ・マニさん」が、競技生活を送る中で、睡眠の重要性を感じ、引退後、理想の寝具を作るために1962年に創業したイタリアの寝具ブランドです。
マニフレックスの日本導入の当時(1993年)は低反発マットレス(テンピュール®)が主流で、違いをアピールするために初めて「高反発」という言葉が生まれました。
以降、エアウィーヴ(2007年開発の高反発ファイバーマットレス)などの参入もあり、「低反発」「高反発」といった切り口でマットレス選びが一般化され、今日に至ります。
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まとめ
高反発マットレスと低反発マットレスの特徴や違いをご紹介しました。
低反発マットレスは、衝撃吸収性が高く、フィット感や体圧分散性が高いことが特長ですが、沈み込みやすいというデメリットがあります。
その低反発のデメリット「沈み込みやすさ」を解決するコンセプトで高反発マットレスは生まれました。よって、高反発の方が、寝姿勢保持(沈み込みにくさ)や、寝返りサポート力は優れています。
ただし、衝撃吸収性やフィット感などは低反発の方が優れていて、寝心地も大きく異なるので、最終的には自分の好みの問題になります。
どうしても迷ったら高反発の方がおすすめです。マットレスで何が一番大切かというと、寝姿勢保持(沈み込みによって寝姿勢が崩れないこと)です。
沈み込み過ぎる寝心地は調節できませんが、高反発特有の圧力や硬さに違和感がある場合、敷きパッドやトッパーなどで調節ができるからです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。