約1万円なのに素晴らしい寝心地
この記事ではZINUS(ジヌス)の「Green Tea 低反発マットレス(15cm)」についてご紹介します。
なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて
実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。
当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。
この記事を書いた人
目次
メーカーの「ZINUS(ジヌス)」とは?
ZINUS(ジヌス)は1979年に韓国で創業した寝具メーカーです。
もともとアウトドア用品が主軸のメーカーで、テントを圧縮する技術を応用した「ベッド・イン・ボックス(マットレスの圧縮梱包)」を採用し、2005年以降から北米を中心にマットレスの販売事業をスタートしました。
日本では2019年からAmazonにて出店を開始し、現在(2023年1月)では21か国に展開。グローバル累計の販売台数は1,500万台を超え、まさに世界を代表するECマットレスブランドといえる規模感になってきています。
この記事でご紹介する「Green Tea 低反発マットレス(15cm)」は、ZINUSの中では最も低価格で、売れ筋の人気モデル(Amazonでレビュー1,500件超え)という位置づけです。
Green Tea 低反発マットレスの基本情報
メーカー | ZINUS(ジヌス) |
---|---|
サイズ | シングル~ダブル |
クッション材 | 3層ウレタンフォーム(低反発+レギュラーフォーム) |
硬さ | ふつう |
価格 | 10,990円 |
【まず結論】Green Tea 低反発マットレスの評価は?
当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。
- 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
- 寝返りのしやすさは?
- 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
- クッション材の品質はどうか?
- 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
- バネあたりや底付きがないか?
- 価格相応の寝心地と言えるか?(総合評価)
体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.56 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 2.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
素材の品質 | 2.5 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 3.5 |
取扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 4.90 |
硬さ | ふつう |
※目安は「3.50」以上が高評価です
【総評】学生・新社会人におすすめしたいマットレス
本商品の特長を一言で表現すると「超安いのにリッチな寝心地!」です。
シングルサイズで約1万円という価格設定はベッドマットレスの中で、底値レベルです。
しかも、この価格で3層のウレタンフォームという仕様のため、寝心地が素晴らしく、価格・寝心地のコストパフォーマンスで考えると最高レベルと言えるでしょう。
1点、最大のデメリットは耐久性の低さ(復元率95%)で、寿命は3~4年程度と想定されます。
よって、あまり長期間の使用を想定せず、かつ、なるべく安いマットレスを探している人におすすめできる商品です。
たとえば、学生や新社会人の方は、引越しや他の家具などをそろえる必要もあり、なかなかマットレスに多くの予算を割けないと思います。
ちなみに、本商品はウレタンマットレスのため、芯材を手でちぎれば家庭ごみとして捨てることも可能です。※ごみ捨てはお住いの自治体のルールを守ってください
若い人は生活環境も変わりやすいですよね。
手軽(安い)・気軽(捨てやすい)・寝心地が良いという条件のマットレスは、そうした利用シーンにぴったりなマットレスと言えます。
以下より特徴や寝心地を詳しくご紹介します。
Green Tea 低反発マットレスの特徴・メリットは?
- リッチな寝心地
- フィット感が高い
- 安い(約1万円)
以下より詳しくご紹介します。
1. リッチな寝心地「3層ウレタン」
本商品は、3つのウレタンフォームを使った「多層構造のウレタンマットレス」です。
単層(1層)タイプに比べて多層構造タイプは、それぞれの層によって役割を変えて作れるため、単純に言って寝心地が良い傾向があります。
本商品の場合、以下のような仕様で構成されています。
層 | 1層目 | 2層目 | 3層目 |
---|---|---|---|
画像 | |||
名称 | グリーンティーメモリーフォーム | ZINUSベースフォーム | ZINUS波形フォーム |
硬さ | 40N(やわらかめ) | 169N(かため) | 169N(ふつう ※波形のため) |
反発性 | 低反発 | ふつう | ふつう |
要するに、表層はやわらかめの低反発ウレタンを使用することで体圧分散性を高め、沈み込んだら2層の硬めのウレタンによって寝姿勢が整えられ、最下層では波形のウレタンによって、衝撃をふんわりと受け止めるという構成です。※2層目と3層目は同じ硬さ(N数)ですが、3層目は波形になることで、感触としては仕様よりもやわらかく感じます
こうした「柔・硬・柔」のコンセプトは人間工学的には「弾性の三層構造」と呼ばれ、寝心地が良いマットレスの条件のひとつと言われます。なお、老舗の高級ブランドでも、こうしたコンセプトでマットレスが作られることが多いです。
2. フィット感が高く、揺れにくい「低反発」
1層目のグリーンティーメモリーフォームは「低反発ウレタン」です。
低反発ウレタンの特徴は以下のとおりです。
- 押すとゆっくり戻る
- フィット感が高い
- 体圧分散性が高い
- 揺れにくい(衝撃吸収性が高い)
「低反発」とは、押して離すとゆっくり形状が戻る素材のこと。
低反発フォームは、高反発フォームに比べると、寝返りなどの体の動きへのサポート性は低いですが、体のラインにぴったりと沿ったフィット感があり、体圧分散性が高いことが特徴です。
低反発(本商品) | 高反発 | |
---|---|---|
画像 | ||
反発弾性率 | 15%未満 | 50%以上 |
コンセプト | 寝返りの数を減らす | 寝返りが楽に打てる |
特長 | 衝撃吸収性が優れ、静かな寝心地 | 体の動きに対する反発力がある |
また、衝撃吸収性が優れているので、揺れにくく静かな寝心地が魅力です。
以下は本商品の衝撃吸収性をテストした動画です。(音声なし)
この動画のとおり、低反発ウレタンは、すべてのマットレスの中でも特に衝撃吸収性が高い(=揺れにくい)素材です。
もともとメモリーフォーム(低反発ウレタン)は、テンピュール®がNASAの宇宙船の椅子に使う緩衝材として作った素材をマットレスに応用したことが起源のため、衝撃吸収性は抜群なのです。
3. 格安!約1万円で買える
本商品の価格は以下のとおりです。
サイズ(幅) | 価格 |
---|---|
シングル(97cm) | 10,990円 |
セミダブル(120cm) | 14,490円 |
ダブル(140cm) | 17,490円 |
※公式サイトでの価格
3層構造の寝心地が良いウレタンマットレスが、シングルサイズで約1万円で買えるのは驚きです。
しかもダブルサイズでも1万円台で買えるのはすごい価格設定だと思います。
これは、流通量が多いグローバルメーカーならではのスケールメリットと、配送料・保管料が安く済む圧縮梱包の結果でしょう。
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Green Tea 低反発マットレスのデメリット・注意点
寝心地が良くコスパも優秀ですが、知っておいた方が良いデメリットもあります。
- 耐久性が低め
- 寝返りがしづらい
以下より詳しくご紹介します。
1. 耐久性が低め
本商品の最大のデメリットは耐久性の低さです。
ウレタンマットレスの場合、「復元率」の数値でどのくらいの耐久性があるか判断できるのですが、本商品の復元率は95%でした
復元率95%というスペックの耐用年数はおよそ3~4年ほどです。
よって、長期間の使用はあまり期待しない方が良いでしょう。
しかしながら約1万円で買えるマットレスに、耐久性の高さ求めるのは「無茶な要求」とも言え、この復元率のスペックは仕方のないことです。
10年レベルの耐久性が欲しい場合は、最低3万円以上の価格帯でご検討ください。
7万円台のウレタンマットレスで復元率94%の商品もあったりするので、本商品(Green Tea 低反発マットレス)は価格を考えると悪くないスペックとも言えます。
2. 寝返りしやすいタイプではない
これは低反発ウレタンならではの特徴(デメリット)ですが、沈み込むとなかなか元に戻らない素材のため、体を動かしづらく、寝返りがしやすいタイプではありません。
そもそも低反発マットレスは、寝返りのしやすさよりも「余計な寝返りをいかに抑えるか」といった目的で作られているので、一概にデメリットとは言えないのですが、寝返りのしづらさが体への負担につながると自覚されている人の場合は、ご注意ください。
コロコロと簡単に体を動かしたい人は、「高反発マットレス」を選びましょう。
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【体験レビュー】Green Tea 低反発マットレスを実際に試してみた
実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。
開梱・設置
こちらはシングルサイズです。
段ボールを開けるとロール状に圧縮されたマットレスが入っていました。
段ボールの中身は、マットレス本体と取扱説明書の2点です。
注意してほしいのが、お届けから72時間以内に開封することです。
これは、復元率の低さ(95%)が関係していて、圧縮した状態で長期間保管すると形状が完全に復元されないので届いたらすぐに開封しましょう。
こちらが説明書の表面です。
書いてあるとおり、開封後24~48時間で元の形状に戻るそうです。
説明書の裏面には開封方法が書いてあります。
書かれていた方法のとおりに開封していきます。
まずは、外側のビニール袋をやぶり、マットレスを広げていきます。
開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)
上の動画のとおり、外側のビニールをはがし、内側のビニール袋をハサミで切ることで、圧縮されていたマットレスが復元されていきます。
外観のチェック
開封直後は、歪みがかなり大きく、膨らみが足りません。
開封直後と3日経過後(48時間以上)のマットレス様子は以下のとおりです。
このアニメーションのとおり、3日経過すると歪みが落ち着き、本来の厚さに戻ります。
厚さはこのくらいです。
公表値どおり15cmの厚さが確認できました。
カバーのデザインはこちら。
素材はポリエステル100%なので、吸湿性や吸水性はあまり高くはありません。
やわらかい肌触りと高い伸縮性が特徴の「トリプルニット生地」を採用しています。
伸縮性が高い生地は、フィット感と寝返りのサポート性が高まります。
生地のアップです。
ZINUSのアイコンのような花柄ですね。
側面にZINUSのロゴが入ったラベルがあります。
裏面はこちら。
裏面には寝れない仕様です。(つまり、片面仕様です)
クリーム色の部分は「滑り止め」とのことですが、滑り止めの性能としては弱めで、多少のズレやすさはありました。
カバーにファスナーがありましたが、取り外し不可の仕様のため、持ち手がありません。
内部構造
芯材の様子をチェックするために、カバーをハサミで切って、無理やりながらファスナーを開いていきます。(クリップの取っ手を代用しました ※検証のためなので真似しないでくださいね)
芯材が見えてきました。
こちらが芯材のウレタンフォームです。(表にひっくり返しました)
さらに芯材の中身を確認するために、ウレタンを覆っている保護カバーをハサミで切ります。
こちらが中身のウレタンフォームです。
3層構造のウレタンフォームです。
この記事冒頭でご紹介したとおり、3層のウレタンフォームの仕様は以下のとおりです。
層 | 1層目 | 2層目 | 3層目 |
---|---|---|---|
画像 | |||
名称 | グリーンティーメモリーフォーム | ZINUSベースフォーム | ZINUS波形フォーム |
硬さ | 40N(やわらかめ) | 169N(かため) | 169N(ふつう ※波形のため) |
反発性 | 低反発 | ふつう | ふつう |
最上層は低反発ウレタンフォーム「グリーンティー(緑茶)メモリーフォーム」です。
このグリーンティー(緑茶)メモリーフォームには、天然の緑茶成分と浄化した活性炭が配合されているため、抗菌や消臭の効果があります。
こちらがウレタンの断面(アップ)です。
2・3層目は、同じウレタンの発泡具合なので、おそらく密度(耐久性)や通気性も同レベルの素材でしょう。
3層目は凹凸加工された「プロファイルウレタン仕様」となっています。
プロファイルウレタンは、荷重に対して「点」で支えるため、ふんわりとやわらかい感触になります。
最下層がプロファイルウレタンになっているマットレスはあまり見たことがありませんが、2層目で支えられた寝姿勢を崩すことなく、荷重を分散できるという点で、適した構造だと思います。
また、プロファイルウレタンは、材料費を抑える(波状にカットすることで少ない体積で多くのウレタンパーツを作る)ことができるため、低価格化にも貢献できます。
よって、機能性・寝心地・価格のバランスを、非常によく考えられた構造だと思います。
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【詳細解説】Green Tea 低反発マットレスの評価について
この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。
▼ このマットレスの評価 | |
---|---|
総合評価 | 3.56 |
仰向き寝 | 3.5 |
横向き寝 | 3.5 |
端の沈み込み | 3.5 |
通気性 | 3.0 |
寝返り | 2.0 |
底付きのなさ | 3.0 |
素材の品質 | 2.5 |
耐久性 | 2.5 |
衛生面 | 3.5 |
取扱いやすさ | 4.0 |
価格 | 4.90 |
硬さ | ふつう |
※目安は「3.50」以上が高評価です
それでは以下より主な評価項目をレビューさせていただきます。
1. 仰向き寝は?
仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。
なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。
評価は「星3.5」。
低反発フォーム(やわらかめ)は厚さ2cmのため、荷重が重い場所は2層目に沈み込みが到達し、結果的に体当たりはやわらかいけど、沈み込んだらグッと支えられるという理想的な寝心地だ感じました。
フィット感が高い低反発フォームによって、体圧分散性が高く、まんべんなく荷重を受け止めてくれる感じです。
やわらかめの低反発フォームと硬めのレギュラーフォームの組み合わせが素晴らしく、まさにZINUSが言う「ちょうどよい低反発」といった寝心地です。
一方、低反発フォームの中でもウレタンの戻りが遅いタイプなので、例えばかかとの位置を少しずらしたりすると、へこんでいた場所がしばらく元に戻らず、それがやや気になることがありました。
とはいえ、総合的に考えるとかなり満足いく寝心地だと思います。
2. 横向き寝は?
横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。
つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。
評価は「星3.5」。
低反発ならではのホールド力により、不安定になりやすい横向きの寝姿勢でも落ち着いて寝れます。
最下層のプロファイルウレタンによって、凹凸の幅が大きい肩から腰のラインもぴったりフィットして、なめらかさもあります。
1点、沈み込むと簡単に硬いウレタン(2-3層目)に当たるので、肩あたりに少し圧迫感はありました。
とはいえ、少し厚手のシーツなどを敷けば改善できるレベルです。
3. 端の沈み込みは?
一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。
なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。
評価は「星3.5」。
外周を強化した仕様ではありませんが、衝撃吸収性の高さと下層の硬めのウレタンフォーム(169N)という仕様から、端部分でも安定感があります。
座るなどの荷重が集中する状態だと沈み込みは深いですが、寝姿勢では問題ないレベルです。
4. 寝返りのしやすさは?
クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。
寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。
評価は「星2.0」。
低反発の中でも特に戻りが遅く感じる素材のため、寝返りには少し力が必要です。
2-3層は硬めのウレタンのため、沈み込みすぎることはないですが、体が動かしやすいマットレスとは言いづらい感触です。
とはいえ、逆に言うと低反発ならではのフィット感・ホールド感が高い寝心地のため、多すぎる寝返りを抑えてくれるというメリットもあります。
5. 通気性は?
睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「星3.0」。
カバーの素材はポリエステルのため吸水・吸湿性は低めです。
ですが、芯材のウレタンフォームはオープンセル構造(ウレタンの膜に空洞が多い構造)&プロファイルウレタンによる通気孔付きという仕様のため、蒸れにくいような工夫があります。
深く沈み込みにくい寝心地ということもあり、実際に寝た感じは特に蒸れにストレスは感じませんでした。
6. 耐久性は?
密度や耐久試験(復元率)をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。
評価は「星2.5」。
この記事前半でお伝えしたとおり、本商品は耐久性が低めなことが最大のデメリットで、心地よい寝心地が続くのは3~4年くらいと想定します。
ウレタンマットレスは芯材のウレタンフォームの「復元率」でおおむね耐久性を判断でき、本商品の場合、復元率は95%です。
そして復元率95%というスペックは、だいたい3~4年程度の耐久性のレベルということです。
とはいえ、約1万円で買える格安マットレスなので、3~4年くらい使えれば満足という考え方もできるでしょう。
7. 素材の品質は?
ここでは工場レベルの品質管理レベルをチェック。いくら素材のスペックが良いからと言って作りが粗雑だと良質な寝心地・使用感を得られません。
ウレタンフォームの品質の良し悪しは「形成のきれいさ」に現れます。歪みが大きいと(素材が持つ本来の性能が発揮されにくいという点で)寝心地やヘタリにも影響があるので、歪みがなく、ピシッときれいな形状が望ましいです。
評価は「2.5」。
復元率95%という仕様のため、完全にピシッとした状態に復元さず、ところどころに歪みが残ります。
ヘッド・フット面 | サイド面 |
---|---|
以上のとおり、比較的大きめな歪みが確認できます。※この写真は開封後94時間(=約4日)経過したときの状態です
寝ているときにはあまり気になりませんが、形状の復元性としてはイマイチです。
また、ウレタンフォームの欠けなども見られ、製造品質としてもそこまで高いものではないでしょう(個体差もあると思います)。
8. 衛生面は?
抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。
評価は「3.5」。
カバーに衛生加工はありませんが、グリーンティー(緑茶)メモリーフォームには、天然の緑茶成分と浄化した活性炭が配合されているため、抗菌や消臭の効果があります。
9. 取り扱いやすさは?
持ち運びしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。
特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。
評価は「星3.5」。
重量はシングルサイズで9.8kgと、力が弱い人でも取り扱いやすい重さです。
お届けは圧縮梱包なので、搬入経路が狭い部屋でも安心です。
廃棄については、ウレタンマットレスは手でちぎれるため、細かくすれば家庭ごみとして簡単に捨てられます。
10. 価格は?
絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価へつながります。
評価は「星4.90」。
シングルサイズで10,990円は、マットレス市場において「とても安い」価格設定です。
さらに3層構造のリッチな寝心地が味わえるマットレスということを考えると、コストパフォーマンスは素晴らしく良いと思います。
11. 硬さは?
ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。
本商品は「ふつう」くらいの寝心地です。
公式サイトなどでは本商品を「ソフト(やわらかめ)」と表現していますが、実際はそこまでやわらかくありません。
その理由は、以下の「硬さ・厚さ」の仕様のためです。
層 | 1層目 | 2層目 | 3層目 |
---|---|---|---|
画像 | |||
名称 | グリーンティーメモリーフォーム | ZINUSベースフォーム | ZINUS波形フォーム |
硬さ | 40N(やわらかめ) | 169N(かため) | 169N(ふつう ※波形のため) |
厚さ | 2.5cm | 2.5cm | 10cm |
1層目のグリーンティーメモリーフォーム(低反発フォーム)の硬さは40Nなので「やわらかめ」ですが、寝姿勢における体の沈み込みは2-3層目まで到達するため、結果的に下層の硬さに大きく影響されます。
さらに1層目は低反発ということもあり、沈み込んだら押し返す力が弱く、より下層(2-3層目)のウレタンの硬さを感じます。
2-3層目の硬さ「169N」という仕様は「硬め」なので、「やわらかめ×硬め」ということで、結果的に「ふつう程度」の硬さに落ち着きます。
主観的な硬さの評価としては10段階中(10が最も硬いとして)、5.5.くらいの硬さだと感じました。
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悪い口コミ・評判のまとめ
Amazonによる本商品の口コミ件数は1,544件で、星4.3(5点満点)と多くの方は高い評価を付けているようです。※2023年1月29日時点の情報
寝心地については、好みの問題もあるので良い評価はさておき(「寝心地が良い!」などは分析が難しいです)、気になるのは悪い評価ですよね。
悪い評価の方が客観的・一般的な内容がわかりやすいため、当サイトでは悪い口コミについて分析し解説をします。
まとめると以下のような内容が見られました。
- 低反発ではない(思ったよりも硬い)
- ヘタりやすい(半年~1年)
- 復元しきらない
低反発に対する誤解が多い
悪い口コミには『硬すぎて全然低反発ではない』といった内容が散見されます。
このようなコメントは、商品が悪いわけでなく、ユーザーさん側の勘違い(思い違い)が主な原因です。
なんとなく「高反発=硬い」「低反発=やわらかい」といったイメージが先行しがちですが、実は、反発力と硬さは無関係です。
ウレタンフォームにおいては、反発力は「反発弾性率」、硬さは「N(ニュートン)」で表され、それぞれに相関関係はありません。
よって、『硬くて低反発ではない』というのは悪い口コミとしては不適当な表現です。
なお、本商品の硬さは「ふつう程度」(40N×169Nのウレタンフォーム)と当サイトでは評価します。
やはり耐久性はあまり期待できないかも
使い始めて半年~1年程度でヘタってきたという内容の口コミも見られます。
この記事で何度もご紹介しているとおり、これはウレタンフォームの復元率(および密度)が関係します。
本商品の復元率は「95%」。これは、3~4年程度の耐用年数のスペックです。
ですが、使っている環境や、体型(体重)によって、より早くヘタる可能性もあります。
よって、口コミの内容・客観的な仕様(復元率の数値)を考えて、長期間の使用はあまり期待できないとお考え下さい。
復元率95%は「ハズレくじ」も引きやすい
『厚さ15cmまで復元しきらない』という内容も見られますが、これも復元率の低さが原因です。
実は、圧縮ウレタンマットレスで復元率95%以下の場合、開封後に膨らみきらない個体がチラホラ出てきてしまいます。(安心できるスペックとしては復元率97%以上です)
よって、運悪くそうした「膨らまない個体」というハズレくじを引いてしまったユーザーさんからの悪い口コミが寄せられていると考えられます。
なお、当サイトで取り寄せた商品はしっかりと15cmまで復元されました。
似ている商品との比較
本商品の特徴である「低反発の多層構造ウレタンマットレス」という条件において、似ている商品と比較します。
メーカー | ①Green Tea 低反発マットレス | ②快眠タイムズ マットレス | ③オリジナルコアラマットレス |
---|---|---|---|
画像 | |||
メーカー (ブランド) | ZINUS | 快眠タイムズ | コアラ・スリープ |
芯材 | 低反発×レギュラーウレタン | 低反発×高反発ウレタン | 低反発×レギュラーウレタン |
寝心地 | ふつう | やや柔らかめ | ふつう |
復元率 | 95% | 99% | |
重量 (Sサイズ) | 9.8kg | 約15.5kg | 15.96kg |
カバー洗濯 | × | 〇 | |
お試し期間 | × | 60日 (手数料あり) | 120日 |
サイズ | S~D | S~Q | |
価格 (Sサイズ) | 10,990円 | 50,000円 | 69,000円 |
リンク | 公式HP | 公式HP | 公式HP |
【比較商品】②快眠タイムズ マットレスの特徴は?
②は愛知県に本社がある寝具メーカー「株式会社篠原化学」が展開する「快眠タイムズ」のオリジナルマットレスです。低反発+高反発のリッチな多層構造タイプで、仕様・品質とも良質(高密度×復元率99%)なのに、5万円台から買える抜群のコストパフォーマンスが魅力。
ウレタンフォーム自体の品質(密度・復元率)で考えると3商品の中でも最も高品質と言えます。
【比較商品】③オリジナルコアラマットレスの特徴は?
③コアラマットレスはオーストラリア発のウレタンマットレスブランド。2015年に創業・2017年に日本市場に上陸し、当時から販売されているのがこのオリジナルコアラマットレスです。
2021年に「コアラマットレス KORE」という新モデルにリニューアルされ、このオリジナルコアラマットレスは一時廃盤になりましたが、あまりの人気に再販が決まったという逸話があります。
なお、ZINUS(Green Tea 低反発マットレス)に寝心地や硬さが、最も近いため、「ZINUSの上位互換モデル」と考えても良いと思います。
どれがおすすめ?
好きな寝心地は人それぞれなので一概には言えませんが、特徴を大雑把にまとめると以下のとおりです。
モデル | 特徴 |
---|---|
Green Tea 低反発マットレス(ZINUS) | 耐久性が低めだが、とにかく価格が安く、寝心地も良質 |
快眠タイムズ マットレス | スペック(ウレタン品質・復元率)が最も高く、コストパフォーマンスも良い |
オリジナルコアラマットレス | 120日のお試し期間付きなので、失敗しにくい(もちろん寝心地も素晴らしい) |
以上のコメントの中で、あなたがマットレス選びに大切に考えていることを加味して比較・ご検討いただけますと幸いです。
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Green Tea 低反発マットレスはどこで買うのがお得?
Green Tea 低反発マットレスは、以下の店舗(サイト)で購入可能です。
購入価格に差がある可能性もあるので、念のためすべての店舗をチェックしてみることをおすすめします。
なお、マットレスメーカー全般の傾向としても、公式サイトの方がよりお得な購入条件(セールや保証の手厚さ等)となっている傾向があります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
ZINUS(ジヌス)の「Green Tea 低反発マットレス(15cm)」をご紹介しました。
約1万円で買える超格安タイプのマットレスにもかかわらず、しっかりと人間工学(弾性の三層構造)を考えられた3層構造ウレタンフォームにより、この価格ではなかなか出会えないリッチな寝心地が得られます。
唯一のデメリットと言えるのが耐久性の低さ(復元率の低さ)ですが、価格を考えると割り切って使うのでも良いと思います。
よって、あまり長期間の使用を想定せず、かつ、低予算で探している学生さんや新社会人の方などにぴったりのマットレスと言えるでしょう。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。