
揺れにくいと、眠りに集中できる
『マットレスは、揺れにくい方がなんとなく良さそう』
そう思っている人も多いかもしれません。では、揺れにくいと、どんないいことがあるのでしょうか。
私が感じるのは、眠りに集中しやすいことです。寝返りを打ったあとに、体がバインバインと揺れていると落ち着かない。二人で寝るなら、隣の人の動きも気になりますよね。
ただし、これは寝心地の好みの話です。むしろ、弾むような感触が好きな人もいるでしょう。
この記事では、ベッドメーカーで働き、マットレスを寝比べ、中身まで確かめてきた経験から、揺れにくい商品の選び方をご紹介します。「揺れが少ない方が落ち着いて寝られる」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
椚 大輔(くぬぎ だいすけ) ベッド・マットレス専門家。ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、100商品以上のレビューを続ける。専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。> プロフィールはこちら【結論】揺れにくいのは「ウレタン」と「ポケットコイル」
揺れにくいマットレスを探すなら、基本的にはウレタンマットレスとポケットコイルマットレスから検討しましょう。
| ウレタンマットレス | ポケットコイルマットレス |
|---|---|
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ウレタンフォームは、緩衝材としても使われる素材です。衝撃を吸収しやすく、体を動かしたときの振動も周囲へ伝わりにくい傾向があります。
一方、ポケットコイルは、バネを一つずつ不織布の袋に入れて並べた構造です。それぞれのバネが独立して動くため、一か所が沈んでも、周囲を巻き込みにくいことが特徴です。
ただし、同じ素材や構造なら、すべて同じ揺れ方というわけではありません。まずは、実際に試した中から、私のおすすめをご紹介します。
まずは私のおすすめ。揺れにくいマットレス3選
揺れにくさに加え、二人で寝るための大きなサイズも選べる3商品をピックアップしました。寝心地の方向性も異なるので、好みに合わせて検討してくださいね。
1.オリジナルコアラマットレス

衝撃をスッと吸収する寝心地
コアラは、トライアル付きマットレスを日本で広めたパイオニア的なブランドです。
コアラといえば、振動の伝わりにくさを特徴とする「ゼロディスターバンス技術」。私が寝比べた中では、上位モデルよりも、このオリジナルで特にその特徴を感じました。
体を動かしても、衝撃をスッと吸収する。跳ね返るというより、マットレスにくっつくような反応です。静かなフィット感が好きな人には、まず候補にしてほしい商品です。
ただし、体に沿う感触はやや強めです。もう少しあっさりした寝心地や、寝返りを助ける押し返しが欲しいなら、コアラPLUSなども検討するとよいでしょう。
| クッション材 | ウレタンフォーム(低反発+高反発) |
|---|---|
| サイズ | シングル~キング |
| 硬さ | ふつう |
| 価格 (Sサイズ) |
69,900円 |
2.源ベッド「夜香ハイグレード2」
沈み込みにくい、安定感のある寝心地
夜香ハイグレード2は、広島の自社工場でバネから作る、日本製のポケットコイルマットレス。派手さはありませんが、中身がしっかりした商品です。
独立したコイルが体を支えるため、周囲に振動が伝わりにくい構造です。実際に寝ても、バイーンと大きく上下するような揺れは感じにくく、安定感がありました。
バネをぎゅっと縮めて袋に入れた、圧縮率の高いコイルによる沈み込みにくさも、この安定感につながっていると私は考えています。
硬さはソフト・レギュラー・ハードの3種類。セミシングルも選べるので、二人が好きな硬さを一枚ずつ選び、2台並べる使い方にも向いています。なお、私の感覚ではレギュラーでも「やや硬め」です。
| クッション材 | ポケットコイル |
|---|---|
| サイズ | セミシングル~キング |
| 硬さ | ソフト・レギュラー・ハード ※選べる |
| 価格 (Sサイズ) |
38,990円 |
3.NELLマットレス
細かなコイルが、なめらかに体を支える
NELLは、シングルで約1,200個のコイルを使った、超高密度ポケットコイルマットレスです。私の感覚では、ジェルのようにピタッと体を支える寝心地が特徴です。
揺れにくさの基本は、コイルが独立して動くことです。体を動かした部分のコイルが沈み、周囲を巻き込みにくい構造になっています。
そのうえでNELLは、細かなコイルが体の凹凸に沿うことと、巻き数の多いスプリングによる、急な硬さを感じにくい反応が特徴です。揺れの少なさに加え、きめ細かなフィット感も求める人に向いています。
クイーン・キングまで選べ、120日間のトライアルもあります。二人で使ったときの寝心地を、自宅で確かめたい人にも候補になるでしょう。
| クッション材 | 高密度ポケットコイル |
|---|---|
| サイズ | シングル~キング |
| 硬さ | やや硬め |
| 価格 (Sサイズ) |
79,900円 |
ワイングラスに騙されない

マットレスの上で飛び跳ねても、置いてあるワイングラスが倒れない。こうした「振動の伝わりにくさ」をアピールするブランドも少なくありません。
一見『わーすごい!』と思いがちですが、実演の条件が統一されているとは限らないため、ほかの商品より揺れにくい証拠にはなりません。
また、私の経験上、このようなチャレンジは、ウレタンマットレスであれば基本的に成功しやすいので、商品固有の際立った特徴とは言いにくいです。
一方、ポケットコイルは、詰め物の接着やカバーの張り方によって、動いた場所から表面が引っ張られることがあります。そのため、必ず同じように成功するとは限りません。ただ、実際に寝たときには、ウレタンと比べて、そこまで揺れの差を感じない商品もあります。
そもそもグラスが倒れないことと、自分が心地よく寝られることは別です。こうしたパフォーマンスによって、寝心地の良し悪しまで判断できないという視点で、商品を見ることをおすすめします。
ポケットコイルでも揺れやすい商品はある

ポケットコイルは独立したバネを使うため、基本的には振動が伝わりにくい構造です。しかし、「ポケットコイルなのに揺れやすい」という商品もあります。
違いが出るのは、コイルや詰め物を固定する接着剤の使い方、製法などです。たとえば、硬いフェルトにコイルを直接固定すると、フェルトを介して周囲も一緒に動きやすくなることがあります。

接着する位置や範囲によっても、揺れ方は変わる
こうした違いは、困ったことに販売ページやカタログだけでは、なかなか判断できません。なので私は、実際に寝た感触だけでなく、接着剤・詰め物・製法まで確かめ、揺れ方との関係を見ています。
特に揺れにくいのは「メモリーフォーム(低反発)」

基本的にウレタンフォームは揺れにくい素材ですが、その中でも特に衝撃を吸収しやすいのが、メモリーフォーム(低反発ウレタン)です。
メモリーフォームは、NASAによって最初に開発され、スペースシャトルで使用された技術より誕生しました。その技術を寝具へ応用した代表例がテンピュール®です。
特徴は、体にじんわり沿い、動いたときの衝撃を受け止めること。バネのように跳ね返す感触が少なく、周囲にも振動を伝えにくいため、揺れにくさを追求するなら有力な選択肢です。
「揺れにくさ」だけでマットレスを決めない

ただし、メモリーフォームは少しクセがある素材です。独特の強いフィット感が好きな人もいれば、体を動かしにくく感じる人もいます。
ここは、冷静に考えてほしいところです。自分に合う寝心地、自分が好きな寝心地は、どのようなものか。揺れが少なくても、寝返りが打ちづらかったり、蒸れが気になったりしては、落ち着いて寝られませんよね。
私は、迷ったらポケットコイルをおすすめしています。基本的に、メモリーフォームのような強い包まれ感が控えめで、熱や湿気も逃がしやすく、幅広い人に合う商品を探しやすいからです。
一方、コイルならではの感触が苦手な人や、動かしやすさ・捨てやすさを重視する人は、ウレタンマットレスが候補になります。ただし、厚くて重い商品もあるため、実際の重量や処分方法は確認しましょう。
セミシングル×2台という選択肢

二人で寝るなら、一枚のマットレスで揺れにくさを追求するほかに、マットレスを二枚に分ける方法もあります。寝床が分かれるため、相手の動きが直接伝わりにくくなります。
たとえば、幅80cmのセミシングルを2台並べると、合計160cm。一般的なクイーンサイズと同じ幅になります。二人の好みが違う場合も、それぞれ好きな硬さを選べることがメリットです。

左:セミシングル(80cm)、右:シングル(97cm)
注意点は、中央のつなぎ目では、一枚もののような一体感が得にくいことと、2台購入するため価格が高くなりやすいこと。メーカーによって寸法も異なるため、購入前に幅・長さ・厚さを確認してください。
揺れが苦手なら、避けたいのは「ボンネルコイル」

ボンネルコイルマットレス
揺れにくさを重視するなら、特に注意したいのがボンネルコイルマットレスです。
ボンネルコイルは、バネ同士を鉄線でつないだ構造です。一か所が沈むと周囲も連動するため、寝返りなどの振動が広がりやすく、バインバインとした揺れも感じやすい傾向があります。
安さに目が行きやすいですが、揺れが気になる人が、価格だけで選ぶのはおすすめしません。手頃なポケットコイルもあるので、予算を抑えたい場合でも、まずはそちらから検討するとよいでしょう。
まとめ

揺れにくいマットレスを探すなら、まずはウレタンかポケットコイル。ただし、大切なのは、自分が落ち着いて寝られることです。揺れの少なさと、好きな寝心地を両方考えて選んでください。
二人の寝心地の好みが違うなら、セミシングルを2台並べるのも一つの方法です。お互いに気を使いすぎず、落ち着いて寝られる組み合わせを探してみてくださいね。





