注意事項

アクアレストは販売を終了しました

コイズミファニテック「アクアレスト」を徹底解説

ユーザーに寄り添った「親身なマットレス」

この記事ではコイズミファニテックのポケットコイルマットレス「AQUA-REST(アクアレスト)」についてご紹介します。

なお、今回はメーカーさんから体験レビュー用に商品をご提供いただきました。> PRポリシーについて

実際の体験・検証・調査を踏まえて、良いところだけでなく、悪いと思ったところも素直に書いているので、ご参考いただけますと幸いです。

こんな環境で作っています

体験・検証用の撮影スタジオ当サイトではレビュー記事を作成するにあたり、撮影スタジオを作り、セットの中で商品を徹底的に体験・検証しています。一般的な家の雰囲気と異なるのはそのためです。

この記事を書いた人

管理人の椚大輔椚 大輔(ベッド・マットレス専門家)
ベッドメーカーに勤務後、当サイトを開設。国内・海外メーカーへの取材を重ね、レビューしたベッド&マットレスは100商品を超える。2020年に株式会社悠デザインを設立し、ベッド関連に特化したサービスを展開。ベッド・マットレスの専門家としてTBS「ラヴィット!」、ビジネス誌「プレジデント」、楽天市場「マットレスの選び方」などの出演・監修も行う。

> プロフィールはこちら

AQUA-REST(アクアレスト)の基本情報

AQUA-REST(公式サイトイメージ)

メーカーコイズミファニテック
サイズベーシック:シングル~クイーン
オーダー:シングル~ダブル
クッション材2層ポケットコイル
価格(Sサイズ)ベーシック:80,000円
オーダー:90,000円
保証期間10年(コイルのみ)
お試し期間120日

メーカーの「コイズミファニテック」とは

コイズミファニテック(ロゴ)

コイズミファニテックは1716年創業の小泉産業グループの家具・寝具メーカー。「コイズミ」と言えば、学習机が有名です。

そのコイズミファニテックが、6年の歳月をかけてリリースしたのがこの記事で取り上げるAQUA-REST(アクアレスト)というマットレスブランドです。

家具製造で定評がある老舗のコイズミグループが手掛けるマットレスブランドということで安心感がありますね。

>>>コイズミファニテック公式HP

【まず結論】このマットレスの評価は?

AQUA-RESTの使用感

当記事では以下のような項目をチェックし、商品を評価しております。

  • 寝姿勢による寝心地は?(仰向き・横向き)
  • 寝返りのしやすさは?
  • 通気性が良いか?(ムレを感じないか)
  • クッション材の品質はどうか?
  • 詰め物の質感・ボリュームはどうか?
  • バネ当たりや底付きがないか?
  • 価格相応の寝心地と言えるか?

始めに結論からお伝えすると、体験を通じ本商品を以下のように評価させていただきました。

▼ AQUA-RESTの評価
総合評価3.47
仰向き寝3.5
横向き寝3.0
端の沈み込み3.0
通気性3.5
寝返り4.0
底付きのなさ4.0
バネ当たりのなさ3.5
耐久性4.0
衛生面4.0
取り扱いやすさ1.5
価格2.40
硬さコンフォート面:ふつう
アクティブ面:かなり硬め

※目安は「3.50」以上が高評価です。
※上記項目以外にも「トライアルあり」「硬さ調節可能」「オーダーが選べる」などの付加価値の得点を総合評価に加味しています

>>>点数の付け方について

【総評】セミオーダー可能&120日トライアル付きの「失敗しにくいマットレス」

AQUA-REST

AQUA-RESTの最大の特徴は、線径(バネの太さ)が異なる2層のコイルによる「硬さ違いのリバーシブル」仕様です。

  • コンフォート面は細いバネ
  • アクティブ面は太いバネ

にすることによって、表裏で硬さを変えているのです。

AQUA-RESTの2層コイル
AQUA-RESTの2層コイル※この画像の場合、上がソフト(コンフォート面)、下がハード(アクティブ面)

さらに、AQUA-RESTはプラス1万円でオーダータイプが選べることが大きなメリットです。

オーダータイプは性別・身長・体重から、体型に合った最適な寝心地(硬さ)を提案してくれることが特徴。

マットレスは硬さ選びが非常に難しいので、こうしたオーダーメイドシステムは魅力的です。

極めつけは120日のお試し期間付き。

要するに、マットレス選びになるべく失敗しないように体型に合った硬さを提案してくれることに加え、万が一体に合わなかった時を考えて、返品システムも付いているという、まさにユーザーに寄り添ったマットレスと言えるでしょう。※オーダータイプのみ。ベーシックタイプは硬さは選べません。

ただし、構造的に寝心地のリッチさや機能性が、特別優れているわけではありません。※これは「硬さ違いのリバーシブル2層コイル」ならではのデメリットや、詰め物の品質・層構造などが主な理由です(詳しくは後述します)

しかしながら、いくら寝心地がリッチで通気性や吸湿性などが良くても、硬さが自分の体に合わなければ、快適に眠れませんよね。

AQUA-RESTは「硬さ」というマットレス選びの肝心かなめのポイントをしっかりと抑えているという点が、他にはない素晴らしい特徴で、これだけでもを選ぶ価値があると言えます。

AQUA-RESTの特徴・メリット

1. ポケットコイル

ポケットコイル

AQUA-RESTはクッション材にポケットコイルを使用した「ポケットコイルマットレス」です。

ポケットコイルは、スプリング(バネ)をひとつひとつ不織布で包んでいる構造をしています。

バネとポケットコイル
バネとポケットコイル

ひとつひとつのコイルが独立した動きができるため、振動が伝わりづらいことや、体のラインに細かくフィットすることで寝姿勢が整いやすく、体圧分散性も高いです。

「静かな寝心地」と評され、特に日本人はポケットコイルの寝心地が好きだと言われています。

2. 硬さ違いのリバーシブル構造(2層コイル)

AQUA-RESTのポケットコイルの構造

AQUA-RESTのポケットコイルは硬さ違いの2層構造です。

そして、マットレスの表裏をひっくり返して硬さを変えられることがAQUA-RESTの最大の特徴です。

AQUA-RESTの硬さ調節方法
アクティブ面とコンフォート面を「ひっくり返す」ことで硬さを変えられる

なお、実際に感じた硬さの違いとしては以下のとおりです。

  • アクティブ面(硬いコイル):かなり硬め
  • コンフォート面(やわらかいコイル):ふつう

要するに、すごくやわらかくは調節できないということです。これは、詰め物がかなり薄く、ポケットコイル中心で寝心地を作っているためです。

なお、2層構造のポケットコイルは別名「ダブルクッション」と呼びますが、AQUA-RESTのダブルクッションは2つのコイルを1つのポケットに入れた珍しい構造をしています。

一般的なダブルクッションAQUA-REST
一般的なダブルクッションAQUA-RESTのダブルクッション
2層のポケットコイルを重ねている1つのポケットに2つのコイルを入れている
専門家専門家

これは、ひとつひとつのコイルの独立性を高め、荷重に対してきめ細やかに反応しやすい工夫だと思います。

3. 「オーダータイプ」も選べる

線径の測定

AQUA-RESTは、硬さが選べない「ベーシックタイプ」と、自分に合う硬さが選べる「オーダータイプ」の2つから選べます

硬さベーシックオーダー
画像ベーシックオーダー
サイズシングル、セミダブル、ダブル、クイーンシングル、セミダブル、ダブル
カラーアクア(1色のみ)アクア、グラファイト、スモーキー、モカ(4色)
コイル線径ハード面:1.8mm
ソフト面:1.5mm
ハード面:1.8~2.0mm
ソフト面:1.5~1.7mm
ジュレープ
(詰め物)
なしあり
納期1週間前後45日前後
価格80,000円~90,000円~

オーダータイプは性別・身長・体重から、ベストな硬さを導き出して作り上げる「セミオーダー」です。

受注生産のため、納期が長め(45日前後)な点がデメリットですが、自分の体型に合った寝心地が手に入るのは大きなメリットと言えます。

特に、平均的な体型ではない人は積極的にご検討されると良いでしょう。(ベーシックは平均体型の人が合いやすいように設計されているため)

また、オーダータイプは詰め物に「ジュレープ」という羽毛に似た化学繊維が搭載されていることが特徴。これにより、体当たりが少しだけやさしくなります。

硬さベーシックオーダー
詰め物の断面ベーシックの詰め物オーダーの詰め物
詰め物の構造
  • アレルゲンブロック
  • ウレタンフォーム(計16mm)
  • 不織布
  • 固綿(フェルト)
  • ジュレープ
  • アレルゲンブロック
  • ウレタンフォーム(計16mm)
  • 不織布
  • 固綿(フェルト)

上の画像のとおり、ジュレープは一見わかりづらいほど薄い層ですが、寝た感じではバネ当たりのなさや体当たりのやわらかさはかなり違う印象を受けました。(画像を拡大すると違いがわかりやすいです)

結果的に、オーダータイプの方が、よりリッチな寝心地が得られると思います。

専門家専門家

個人的には、1万円の差であればオーダータイプを選ぶと思いました。

4.  安心の「120日間トライアル」付き

AQUA-RESTの体験

AQUA-RESTは購入してから120日間のお試し期間があります。

自分に合ったマットレス選びというのは本当に難しいものですが、これだけ長い期間試せるなら安心して購入することができるでしょう。

しかも、返品の仕組みはすごくシンプル、且つ良心的です。

返品手順は以下の通りです。

返品手順
  1. サポートに連絡
  2. 製品の回収
  3. アンケートに回答
  4. 全額返金(手数料なし)

お試し期間つきのマットレスはそこまで珍しくありませんが、メーカーによっては隠れた手数料があったり、自分で梱包して業者を手配しないといけない場合もあります。

その点、AQUA-RESTは手数料がかからず、基本的にサポートに連絡するだけで、あとはメーカー側で手配し回収に来てもらえるという、かなりシンプルな返品システムが大きな魅力と言えるでしょう。

※AQUA-RESTのトライアルは2回目の利用はNGです

AQUA-RESTのデメリット

1. 重い

AQUA-RESTはシングルサイズあたり約30kgというかなり重いマットレスです。※2層コイルでバネを大量に使っている構造のためです

参考までに筆者(30代・男性)でも、持ち運んだり移動するのに苦労する重量感でした。

力の弱い人はローテーションなどの移動も苦労すると思います。

専門家専門家

硬さ調節はメリットですが、気楽にひっくり返せないという点はデメリットと言えるでしょう。

2. アクティブ面はポケットコイルらしさがない

この点は、【総評】のところで「硬さ違いのリバーシブル2層コイルならではのデメリット」という言葉を使ってご紹介しました。

結論から言うと、アクティブ面はポケットコイルというよりはボンネルコイルのような「面」で体を支える寝心地に感じます。

ポケットコイルボンネルコイル
ポケットコイルボンネルコイル

※上記画像は別メーカーの商品です

これは、硬さ違いの2層コイル構造のためで、アクティブ面(硬め面)を上にすると、下層コイルが沈み込むことによって、上層コイルの形が変わらず、結果的に「面」でサポートする動きになるからです。

アクティブ面コンフォート面
アクティブ面の沈み込み(ななめ方向)コンフォート面の沈み込み(ななめ方向)
上層コイルの形が変わらないため「面」で支える(ポケットコイルらしさがない)上層コイルの形が変わるため「点」で支える(ポケットコイルらしい寝心地)

要するに、ポケットコイルらしい「点」で支えるフィット感や体圧分散性の高さはあまり感じられません。

「ボンネルコイル=悪い」というわけではありませんが、アクティブ面に関してはポケットコイルならではの寝心地を期待している人にはミスマッチが起きるかもしれません。

専門家専門家

「面」で支えるマットレスは、しっかりした寝心地が好きな人敷布団(和布団)に慣れている人などにはおすすめです。

【体験レビュー】AQUA-RESTを実際に試してみた

AQUA-RESTの使用イメージ

専門家専門家

実際のお届け時の様子や具体的な使用感などレビューします。

開梱・設置

こちらはシングルです。(画像はベーシックタイプ)

梱包状態

梱包材込みの総重量はシングルサイズあたり約32kg。これはかなり重いタイプのマットレスです。

梱包状態の重量(持ち運び)

それでは、開封していきます。

まずは外側のビニールを取ります。

外側のビニールを取る

段ボールです。

段ボール

段ボールを開けるとロール状に圧縮されたマットレスが入っています。

ロール状に圧縮されたマットレス

圧縮梱包は搬入経路が狭い家に住んでいる人でも安心です。

マットレス(圧縮状態)と段ボール

ただし、マットレス自体の重量はシングルサイズで約30kgととても重いため、力の弱い人は2人以上で運ぶことをおすすめします。

圧縮状態での持ち運びイメージ

外側のビニールをハサミで切ってマットレスを開封します。

ビニール袋にハサミを入れる

開封の様子は以下の動画をご参考ください。(音声なし・4倍速)

上の動画のとおり、外側のビニール袋を切り、内側のビニールにハサミを入れると膨張が始まり、元の形への復元されます。

外観のチェック

開封直後のAQUA-REST

開封直後は歪みが大きいですが、すぐに寝れる程度には復元されています。

メーカーによると「開封後1日で完全に復元される」ということで、開封直後と2日経過したマットレスを比較したアニメーションを作りました。

開封直後と2日経過

このとおり、ポケットコイルや詰め物が元の形に復元され、本来のボリューム感になります。

マットレスの厚さはこのくらいです。

マットレスの厚さ

公表値どおり約23cmの厚さが確認できました。※オーダータイプは24cmです

厚さの計測

マットレスの外観をご紹介します。

AQUA-RESTの外観(正面)

アクティブ面とコンフォート面がわかりやすいように表示されています。

アクティブ面とコンフォート面の表示

カバーのデザインはこちら。

カバーのキルティングデザイン

キルティングはオーソドックスな「手裏剣タイプ」。

手裏剣キルティングは、詰め物が少なくても立体感を表現できるという特徴があります。

カバーはベルギーのマットレス生地メーカー「ベカルトデスリー社」のニット生地を使用。

カバーの触り心地

高級なマットレスにもよく採用される生地です。

生地アップ(「ベカルトデスリー社」のニット生地)

適度な伸縮性があり、フィット感にも優れます。

生地の伸縮性

本商品は表・裏どちらでも寝れる「両面仕様」です。

表面裏面
表面裏面

内部構造

内部構造をチェックするために、一部解体してみます。

マットレスを裁断

ポケットコイルを中心に、上下に詰め物が施されています。

マットレスの構造(断面)

上から、

  • ニット生地
  • アレルゲンブロック(綿)
  • ウレタン 8mm
  • ウレタン8mm
  • 不織布
  • 再生固綿
  • 2層ポケットコイル(ここが真ん中
  • 再生固綿
  • 不織布
  • ウレタン 8mm
  • ウレタン 8mm
  • アレルゲンブロック(綿)
  • ニット生地

という13層構造をしています。

専門家専門家

オーダータイプはアレルゲンブロックの上にジュレープ(羽毛に似た化学繊維)が入っています。

カバー表面と断層

詰め物層は約2.5cm。比較的ボリュームは少なめです。

詰め物の厚さ計測

要するに、詰め物に頼らず、ポケットコイル中心で寝心地を作っているとお考えください。

なお、詰め物が少ないマットレスはヘタリにくいというメリットがあります。

生地の真下にはアレルゲンブロック(綿)があります。

アレルゲンブロック(綿)

アレルゲンロックの効果は以下の通りです。

アレルゲンブロックの主な効果
  • 有害物質吸着除去(花粉・ダニの死骸、フンなどに由来する物質やハウスダストを吸着除去する機能)
  • 消臭機能(アンモニア臭も99%以上消臭)

以上のとおり、ハウスダストが気になる方にはうれしい機能ですね。

アレルゲンブロック綿の下にはウレタンフォームが2層(計16mm)があります。

ウレタンフォーム(2層)

感触としては低密度タイプ(推定17Dくらい)の一般ウレタンです。要するにウレタン自体の品質・耐久性はそこまで高くありません。

ウレタンの下には不織布があります。

不織布

詰め物の最下層は「再生固綿」。つまりフェルトです。

再生固綿

しっかりとした厚さと硬さがあるので、ポケットコイルのバネ当たりを軽減してくれます。

なお、少し珍しいのが、ポケットコイルが詰め物に固定されていないことです。

再生固綿とポケットコイル(接着剤で固定されていない)

一般的には、詰め物の下層(不織布やフェルト)に、ポケットコイルを接着剤で固定させる製法が多いですが、接着剤の量や質によってポケットコイルならではの独立した動きが損なわれる場合があります。

接着剤を大量に使ってポケットコイルを固定している
接着剤を大量に使ってポケットコイルを固定している場合(別メーカーの商品)

つまり、AQUA-RESTではポケットコイルの動きをしっかり出せるように、詰め物に固定させていないのです。

コイル数はシングルサイズあたり1,224個。

コイル密度

2層タイプなので、密度換算すると612個/S。これは比較的高密度タイプです。

メーカー各社でコイルの量(密度)をセールスポイントにすることが多いですが、密度のレベルの違いを大雑把にまとめると以下のとおりです。

密度意味合い
300個台低密度(耐久性が不安&バネ当たりも感じやすいので避けた方が良い)
400~600個中密度(バネの動きが出やすく寝返りサポート性が得られる)
600~1,000個
★本商品
高密度(線径が細く、コイル高も高くなるので、ふんわりとした寝心地)
1,000個以上超高密度(ジェル的で静かな寝心地・バネを感じにくい)

基本的にポケットコイルマットレスは、密度が低いほどコイルひとつあたりにかかる負荷が高くなるため、特に300個レベルの低密度タイプでは実用上の耐久性に支障が出る可能性も高くなります。

とはいえ高密度であるほど良いというわけではなく、耐久性としての適切な密度レベルは450個以上で、それ以上であれば耐久性に特に大きな差はなく(あとはバネの品質や生産加工レベル・詰め物など、密度以外の問題によって耐久性が決まります)、むしろ寝心地の差(跳ね感orフィット感、ソフトorハード)が生まれます。

専門家専門家

AQUA-RESTの612個(1層あたり)というのは、バネの動きを出しやすく、ふんわりとした感触も得られる「中高密度」といった感じです。

配列は「並行配列」を採用しています。

AQUA-RESTのコイル配列

ポケットコイルの配列は「並行」か「交互」のどちらかですが、その違いは以下のとおりです。

並行配列交互配列
画像並行配列交互配列
硬さの傾向ソフトハード
跳ね感強い弱い
特徴寝返りがしやすい静かな寝心地
耐久性
(部分的には弱め)
価格安価に作りやすい高価になりやすい
専門家専門家

ちなみに、AQUA-RESTのように圧縮ロール梱包で届けられるポケットコイルマットレスはすべて並行配列です。これは交互配列は圧縮できないためです。

要するに、寝心地以前に圧縮梱包の制約条件という意味で並行配列を採用している(採用せざるを得ない)マットレスが近年では多いのです。

細かい話ですが、AQUA-RESTのポケットコイルの不織布(ポケット)は一般的なものより高級な素材を採用しています。

AQUA-REST一般的なポケットコイル
AQUA-RESTのポケットコイル一般的なポケットコイル

この不織布は、シモンズや東京ベッドといった老舗ポケットコイルメーカーで採用されているものと似ています。

シモンズのポケットコイル
シモンズのポケットコイル
専門家専門家

カバー生地にしても、ポケットコイルにしても『いいものを使っているなぁ』というのが率直な感想です。

ポケットコイルの高さは20cmでした。

ポケットコイルの高さ計測

2層コイル(ダブルクッション)なので、10cm×10cmのポケットコイルということです。

両面仕様のため、ポケットコイルを線対称にして詰め物が施されていて、コイルの下にはウレタンフォームがあります。

ポケットコイルの下面(裏側)

下層に詰め物がある両面仕様の場合、ローテーションに加えて、ポケットコイル自体にかかる荷重も分散されることもあり、長持ちしやすいです。

AQUA-RESTは硬さの「質」まで変化する

硬さ調節(リバーシブル)

AQUA-RESTは硬さの違う2層コイル構造のため、ひっくり返すことで硬さ調節が可能です。

なお、硬さ調節できるマットレスは、コアラマットレス KOREエコサ・マットレスIWONUといった新興メーカーでも販売されていますが、本商品(AQUA-REST)はその中でも特に硬さ調節の幅がハッキリとしています。

その大きな理由は「硬さの」までも変化できるからです。

この記事の上でもご紹介したとおり、アクティブ側は「面」で体を支えるようなクッション性になり、ポケットコイルというよりもボンネルコイルのようなしっかりとした硬い寝心地となります。

一方、コンフォート側は、ポケットコイルならではの「点」で体を支える体圧分散性が高いソフトな寝心地となります。

アクティブ面コンフォート面
アクティブ面コンフォート面
太いバネで体を「面」で支えるしっかり硬めの寝心地細いバネで体を「点」で支える体圧分散性が高いやわらかめの寝心地

要するに、「面」と「点」というのが寝心地の質としては大きな違いなのです。

マットレスに少し詳しい人なら『なんでポケットコイルなのに「面」で支えられるの?』というのに違和感をお持ちの方もいるかもしれませんが、これは線径(硬さ)の違うコイルを2層にしていることが原因です。

もっと詳しくご紹介すると、硬い面(アクティブ面)を上にした場合、上層の硬いコイルは沈み込まず、下層の柔らかいコイルが沈み込むため、結果的に表層は荷重に対して「面」でサポートするようになります。

詳しくは以下の動画をご参考ください。(順番はコンフォート面→アクティブ面です)

以上の動画のとおり、アクティブ面を上にした時(動画後半)は、ポケットコイルらしい動き(点で支える)ではなく、ボンネルコイルのような「面」で支える動きとなります。

結果的に、硬さに加え「質」まで変化する構造となっているのです。

公式サイトでは、この点に関して詳しく紹介されていませんが、ここまで計算した硬さ調節方法だとしたらそうとう考え抜かれた構造だと思いました。

まさに『硬さをしっかりと変えたい』という人におすすめのマットレスです。

【詳細解説】このマットレスの評価について

AQUA-RESTの使用イメージ

この記事の冒頭で星付けして評価させていただいた以下のポイントをここでは詳しくご紹介します。

▼ AQUA-RESTの評価
総合評価3.47
仰向き寝3.5
横向き寝3.0
端の沈み込み3.0
通気性3.5
寝返り4.0
底付きのなさ4.0
バネ当たりのなさ3.5
耐久性4.0
衛生面4.0
取り扱いやすさ1.5
価格2.40
硬さコンフォート面:ふつう
アクティブ面:かなり硬め

※目安は「3.50」以上が高評価です。

1. 仰向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)

仰向き寝

ココをチェック

仰向き寝は沈み込みが少なく接触面積が広いという特徴があるので、満遍なく荷重を受け止め、体圧を分散させることが重要です。また、寝返りに力が必要なので、寝返りサポート性も大切です。

なお、日本人の60%が仰向き寝と言われているので、最もオーソドックスな寝姿勢と言えます。

評価は「3.5」

コンフォート面(やわらかい面)は、下層コイルにしっかり支えられつつ、フィット感があり、適度な体圧分散性を感じられました。

ベーシックタイプは線径1.5mm×高密度(612個/S)という仕様なので、繊細なタッチです。さらに詰め物が薄いのでポケットコイルならではの弾力を感じやすくバランス感に優れています。

一方、アクティブ面(硬い面)は、面でサポートされる感じで、姿勢がまっすぐになりやすいです。敷布団(和布団)で慣れている人にも違和感なく眠れるのではないかと思います。

バネ当たりに関しては、詰め物は少ないながら、しっかりとした固綿(フェルト)が入っているので、ほとんど感じませんでした。

バネ当たり・底付きのチェック
バネ当たり・底付きのチェック

ただし、詰め物内のウレタンは低密度タイプなのでヘタリやすく、長期間使用することによってバネの存在を感じやすくなると想定されます。気になりだしたら厚手の敷パッドなどで対応しましょう。

底付きに関しては厚さが23cmもあるマットレスなので、心配はいらないでしょう。

2. 横向き寝は?(底付き・バネ当たりもチェック)

横向き寝

ココをチェック

横向きの寝姿勢は肩や臀部の沈み込みが深くなることと、接触面積が少なく、荷重が集中しやすいため、底付きなどを感じやすいという特徴があります。

つまり、深く沈み込んでも無理のない寝姿勢になることと、荷重による圧迫・底付きを感じないようなクッション性が大切です。また、不安定な寝姿勢でもあるので、揺れ過ぎないような衝撃吸収性もポイントです。

評価は「3.0」

コンフォート面は、やわらかめのコイル×高密度仕様ということもあり、体のラインに沿ってしっかりとフィットしてくれました。

ただし、沈み込みが深い肩あたりは少し圧迫感を感じます。これは詰め物(綿やウレタン)が少ないためです。とはいえストレスない寝心地と言えます。

一方、アクティブ面は、硬く面で支える感じなので、フィット感が乏しく、体圧分散という点でもややストレスを感じました。

よって、横向きで寝るならコンフォート面がおすすめです。

バネ当たりに関しては、肩あたりに少しコイルが当たる感じがありましたが、底付きはありません。

バネ当たり・底付きのチェック
バネ当たり・底付きのチェック

3. 寝返りのしやすさは?

寝返り

ココをチェック

クッション材や詰め物で使われている反発性によって、体の動きやすさが変わってきます。少ない力で寝返りを打てた方がストレスは感じにくいですが、寝返りがしやすい=良い寝心地とは限りません。

寝返りの大変さにストレスを感じている人は高反発タイプなどの寝返りしやすいマットレスが良いですが、寝返りが多すぎることで中途覚醒が多い人は、逆に寝返りの回数を抑えるような低反発タイプを選ぶと良いでしょう。

評価は「4.0」

コンフォート面・アクティブ面、両方とも、コイルの弾力性を十分に感じるため、寝返りは簡単に打てます。

さらに沈み込み過ぎないため、寝姿勢も整いやすいです。

4. 端の沈み込みは?

端の沈み込み

ココをチェック

一般的にマットレスの端部分はそれ以上荷重を分散できないので落ち込みやすいです。端部分の落ち込みが少ないマットレスは全面を目いっぱいに使えるので、それだけで使用感が良いものになります。

なお、高級モデルなどでは落ち込みを解消するように端部分にワイヤーを入れたり、コイルを硬めにしたりすることもあります。

評価は「3.0」

外周を強化した仕様ではなく、アクティブ面でも線径1.8mm(オーダーでは最大2.0mm)という仕様のため、座るとかなり沈み込みます。※ざっくり言うと沈み込みづらい線径は2.2mm以上です(密度にもよります)

特にアクティブ面を上にしたときに下層コイルが大きく歪むので、端ギリギリで寝ると少し体が斜めに落ち込む感覚がありました。

ギリギリで寝ても沈み込みが少ない
ギリギリで寝ても沈み込みが少ない

ギリギリで寝なければストレスは感じにくいですが、「ワンサイズ上の使用感」とまでは言えません。

5. 通気性は?

通気構造

ココをチェック

睡眠中は汗や体温を放出するので、蒸れやすいマットレスはストレスを感じることも。メッシュ生地や、側面から排気できる構造など、通気性に工夫があるかどうかをチェックします。

なお、スプリングコイルならポケットコイルよりもオープンコイル(ボンネル・高密連続スプリング)の方が通気性が優れていると言われますが、実用上そこまで変わりません。

評価は「3.5」

ポケットコイルは側面方向に通気するので、サイドカバーの仕様が重要ですが、AQUA-RESTでは特に通気性を高める工夫はありません。

なお、通気性が優れたポケットコイルマットレスの場合、サイドカバーがメッシュ生地になっていたり、ベンチレーター(通気孔)が設けている場合もあります。

ベンチレーター(通気孔)
ベンチレーター(通気孔)※別メーカーの商品

しかしながら、詰め物を多用していない構造のため、実際には蒸れはそこまで感じず、特にストレスがないレベルだと思いました。

6. 耐久性は?

耐久性(マットレスを手で押す)

ココをチェック

保証期間や耐久試験をベースにチェックします。また両面仕様で表裏のローテーションが可能な商品は加点します。一方、詰め物が多い商品は減点します(詰め物で多く使われてる綿やウレタンフォームはクッション材よりも早くヘタリやすいため)。

評価は「4.0」

JIS基準の耐久テスト(8万回の押圧試験)の結果などは確認できませんでしたが、両面仕様+高品質スプリングということを考えれば8~10年程度は問題なく使えるのではないかと想定しています。

ちなみに、マットレスはコイルよりも詰め物(ウレタンフォームなど)の方が圧倒的にヘタリやすいです。

よって、ポケットコイル中心で寝心地を作っているAQUA-RESTは長期間寝心地をキープしやすいという点がメリットです。

なお、ポケットコイルの耐久性を知るうえで、ひとつの指標として「圧縮率」があります。

圧縮率とは、バネをどれだけ圧縮してポケットに入れているかの数値で、圧縮率が高くなるほど耐久性にはプラス要素となります。

AQUA-RESTの圧縮率は45%とかなり高い数値です。(一般的には10~20%くらいが多いです)

AQUA-RESTのポケットコイル圧縮率(45%)
AQUA-RESTのポケットコイル圧縮率(45%)

この高品質なポケットコイルには10年保証が付いています。(コイル・側生地以外は5年保証、側生地は1年保証です)

7. 衛生面は?

アレルゲンブロック綿

ココをチェック

抗菌防臭や防ダニなどの加工の有無やそのレベルなど、衛生面に工夫があるかどうかをチェックします。

評価は「4.0」

本商品の詰め物にはアレルゲンブロック綿が使用されています。

ハウスダストや花粉、ダニの死骸・フンなどを吸着除去する機能や、消臭機能が付いているので、衛生機能としてはハイレベルです。

8. 取り扱いやすさは?

マットレスのハンドリング

ココをチェック

持ち運びがしやすいか、市販のボックスシーツ(多いのは30cmマチ)が入るサイズ感か、お届け時の梱包状態はどうか、捨てやすいかなどをチェックします。

特に力の弱い人は、厚すぎるマットレスを選んでしまうと移動するときに苦労することも多いです。

評価は「1.5」

AQUA-RESTの重量は約30kgで、筆者(30代・男性)の力では「なんとか持ち上げられるが、移動するには苦労する」レベルです。

捨てやすさについては、スプリングコイルを使用しているため、基本的には粗大ゴミとなるため、捨てにくいと言えます。

厚さは23cmほどなので市販のボックスシーツでも使いやすいでしょう。

9. 価格は?

AQUA-RESTの使用イメージ

ココをチェック

絶対的な価格と、マットレス市場の全体的な相場からチェックします。価格に応じた寝心地が実現されているかも大切なポイントで、総合評価につながります。

評価は「2.40」

AQUA-RESTの定価は、

  • ベーシックタイプで80,000円~
  • オーダータイプで90,000円~

です。

これは、マットレス市場全体では「やや高め」の価格です。

とはいえ、使っている素材は高級ですし、何より120日のトライアルが付いてるのでコストパフォーマンスとしては決して悪くはありません。

特にオーダータイプは自分の体型にあった寝心地を提案してくれるのが大きな付加価値のため、価格以上の満足感を得られる人も多いと思います。

10. 硬さは?

マットレスを手で押す(硬さ)

ココをチェック

ウレタンフォームのN(ニュートン)数、綿のボリューム感、ポケットコイルの線径・巻き数等の仕様から客観的な硬さと、実際に寝たときに感じた主観的な硬さをお伝えします。

ベーシックタイプの場合、

  • コンフォート面は「ふつう」
  • アクティブ面は「かなり硬め」

と言った感じです。

コンフォート面の場合、コイル線径1.5mm×並行配列という仕様は、「やわらかめ」ですが、高密度タイプでコイル同士がギュッと並んでいるため、少し硬く感じます。詰め物も少ないため、結果的に「ふつう」くらいの寝心地がコンフォート面です。

一方、アクティブ面は、コイル線径1.7mm×並行配列という仕様は「ふつう」程度ですが、沈み込んだ時に「面」でサポートする動きとなるため、仕様以上に硬く感じます。結果的に「かなり硬め」くらいの寝心地に感じます。

オーダータイプは自分の体型に合った硬さが提案されるため、一概には言えませんが、基本的に硬さのバランスとしては同じ感覚となるでしょう。

どっちがおすすめ?ベーシックタイプとオーダータイプの違い

ベーシックタイプとオーダータイプ

AQUA-RESTはベーシックタイプ(基本モデル)の他に、自分の体型に合った硬さを提案してくれる「オーダータイプ」も選べます。

この記事の冒頭でご紹介したとおり、ベーシックとオーダーの主な違いは以下のとおりです。

硬さベーシックオーダー
画像ベーシックオーダー
サイズシングル、セミダブル、ダブル、クイーンシングル、セミダブル、ダブル
カラーアクア(1色のみ)アクア、グラファイト、スモーキー、モカ(選べる4色)
コイル線径ハード面:1.8mm
ソフト面:1.5mm
ハード面:1.8~2.0mm
ソフト面:1.5~1.7mm
ジュレープ
(詰め物)
なしあり
納期1週間前後45日前後
価格80,000円~90,000円~

オーダータイプの特徴

オーダータイプ

オーダータイプは、性別、身長、体重から判定・設計し、アクティブ面(かため)、コンフォート面(やわらかめ)の2種類のかたさのオーダーマットレスとして仕上げます。

公式サイトのシュミレーション画面
公式サイトのシュミレーション画面

なお、筆者の体型(171cm・58kg)では、アクティブ面が1.9mm、コンフォート面が1.6mmと、ベーシックよりも0.1mm太いコイルを提案されました。

筆者の体型(171cm・58kg)で提案された仕様
筆者の体型で提案された仕様 ※1.6mm×1.9mm

実際にオーダータイプに寝たところ、確かに『自分に合った硬さはこちらのほうかな』といった印象は受けました。

しかしながら、ベーシックとオーダーで最も違う印象を受けたのはジュレープのあり・なしの差です。

ベーシック
(ジュレープなし)
オーダー
(ジュレープあり)
ベーシックタイプの詰め物オーダータイプの詰め物

ジュレープとは羽毛に似せた化学繊維のことで、羽毛のような「かさ高性」と「保温・保湿性」が特徴の素材です。

要するに、ベーシックタイプに比べて体当たりのふんわりさ・もっちりさがあるのです。

ジュレープはわずか1cmにも満たない厚さですが、これが寝心地に大きな影響を与えます。

マットレス全体のバランスとしても、オーダータイプの方がワンランク上の寝心地と感じました。

専門家専門家

+1万円の予算があるならオーダータイプがおすすめです!

似ている商品との比較

AQUA-RESTの使用イメージ

AQUA-RESTの、

  1. 硬さ調節ができる
  2. 硬さが選べる(オーダータイプのみ)
  3. 自分に合った硬さを提案してくれる(オーダータイプのみ)

という特徴からそれぞれ似た商品と比較します。

【比較①】 硬さが「調節できる」マットレス

商品①AQUA-REST(本商品)②コアラマットレスKORE③IWONUマットレス
画像AQUA-RESTコアラマットレス KOREIWONUマットレス
メーカー
(ブランド)
コイズミファニテックコアラ・スリープIWONU
硬さ調節パターン228
(64)
硬さふつう~かなり硬めふつう~やや硬めやわらかめ~硬め
クッション材ポケットコイル高反発ウレタン低反発ウレタン+高反発ウレタン
保証10年
※コイルのみ
10年
お試し期間120日
サイズベーシック:S~Q
オーダー:S~D
S~QSS~Q
価格
(Sサイズ)
ベーシック:80,000円
オーダー:90,000円
99,900円77,000円
リンク公式HP楽天市場公式HP

実は、2021年あたりから「硬さが調節できる」という切り口のマットレスが増えてきました。

その先頭を引っ張る存在がコアラ・スリープの「コアラマットレス KORE」です。

コアラマットレス KOREとは?

コアラマットレス KORE
コアラマットレス KORE

コアラマットレスはオーストラリア発のマットレスブランド。2017年に日本に上陸し、2021年にフルモデルチェンジ。それが硬さを調節できる「コアラマットレス KORE」です。

コアラマットレス KOREの多層構造
コアラマットレス KOREの層構造

コアラマットレス KOREの硬さ調節の幅は2段階で、調節方法はカバーをひっくり返すだけというシンプルさが魅力です。

寝心地は「少し硬めの高反発」です。

クッション材はウレタンフォーム(高反発系)なので、寝心地としてはAQUA-RESTと異なります。

ウレタンフォームは衝撃吸収性が高いことと滑らかな寝心地が特徴。一方、耐久性があまり高くない点がデメリットです。

IWONUマットレスとは?

③のIWONUは寝具メーカーの北沢株式会社(大阪府)が2022年に立ち上げたオリジナルマットレスブランド。

IWONUマットレス
IWONUマットレス

3ブロックに分かれたウレタンによって最大64通りもの硬さ調節ができることが最大の特徴。これだけ調節幅が広いマットレスは珍しいです。

使用しているウレタンフォームの品質はそこまで高くありませんが、硬さ調節性能という点ではトップレベルに優れたマットレスです。

IWONUマットレスの構造
IWONUマットレスの構造(3ブロックで入れ替え可能)

構造としては上層が低反発、下層が高反発(および一般ウレタン)なので、しっとりしつつ沈み込んだら押し返す力も感じられるバランス感が良い寝心地が魅力。

【比較②】硬さが「選べる」マットレス

商品①AQUA-REST(本商品)②夜香ハイグレード2③シルキーポケット
画像AQUA-REST新モデル(夜香)シルキーポケット
メーカー
(ブランド)
コイズミファニテック源ベッド日本ベッド
生産国中国日本
タイプダブルクッションシングルクッション
硬さ選択セミオーダー
(自動判定)※オーダータイプのみ
ソフト
レギュラー
ハード
※ユーザー選択(自動判定なし)
コイル密度
(Sサイズ)
612個465個1,200個
配列並行交互
保証10年
※コイルのみ
最大3年最大2年
お試し期間120日なし
サイズベーシック:S~Q
オーダー:S~D
SS~WDSS~K
価格
(Sサイズ)
ベーシック:80,000円
オーダー:90,000円
30,900円176,000円
リンク販売終了公式HP販売サイト

他メーカーでも硬さが選べるポケットコイルマットレスは存在します。

ただし、AQUA-REST(オーダータイプ)のような自動判定がないので、ユーザー自らが想像して自分に合った寝心地を決める必要があります。

『やわらかめが好き』『硬めが好きなど』など、あらかじめ自分の好みの寝心地が分かっている人はご検討ください。

源ベッド「夜香ハイグレード2」とは?

②は広島県の老舗ベッドメーカー「チヨダコーポレーション(ショップ名:源ベッド)」のオリジナルポケットコイルマットレス。

源ベッド「夜香ハイグレード2」
源ベッド「夜香ハイグレード2」

バネから国内の自社工場で作る国産ポケットコイルマットレスとしては破格の2万円台という抜群のコストパフォーマンスを誇ります。

ポケットコイルの圧縮率や硬鋼線の規格、詰め物のウレタンに至るまでかなりハイレベルの仕様で、実際の寝心地も素晴らしいです。

ただし、お試し期間がない点はデメリットです。

硬さが3種類(ソフト・レギュラー・ハード)から選べますが、レギュラーで少し硬めくらいの寝心地です。

日本ベッド「シルキーポケット」とは?

③は老舗マットレスメーカー「日本ベッド」の基幹マットレス。

日本ベッド「シルキーポケット」
日本ベッド「シルキーポケット」

日本ベッドのシルキーポケットといえば、高級旅館やホテルなどの業界内でもファンが多く、赤坂迎賓館・星のや軽井沢・帝国ホテルなどの有名施設への納入実績も豊富です。

超高密度タイプのポケットコイルが特徴で、なんと接着剤を使わずに配列するという職人技で仕上げられています。(これにより、ひとつひとつのポケットコイルの独立性が生まれ、体をきめ細やかにサポートできるのです)

実際の寝心地は、ジェル的なフィット感がありつつ、しっかりと寝返りも打ちやすく、沈み込んだらグッと押し返すという完ぺきなバランス感覚といっていいほどの出来栄えで、「選んで間違いないマットレスのひとつ」と自信を持っておすすめできる逸品です。

ただし、シングルサイズで約18万円(高額)お試し期間がないという点がデメリット。

硬さが3種類(ソフト・レギュラー・ハード)から選べますが、レギュラーで少し硬めくらいの寝心地です。※②源ベッド「夜香ハイグレード2」のレギュラーよりはやわらかめです

【比較③】硬さ診断付きのマットレス

AQUA-RESTのオーダータイプはBMIをベースに診断して、最適な寝心地のマットレスを選んでくれますが、フランスベッドシモンズでは、「寝姿勢測定機」という機械を用いて、より精密に自分の体型に合ったマットレスを提案してくれる仕組みがあります。

フランスベッドの「寝姿勢測定機」
フランスベッドの「寝姿勢測定機」
シモンズ様の体験・取材
シモンズの「アジャスタブルメジャーベッド(寝姿勢測定器)」

実店舗のみですが、お近くにショールームがある人はぜひ体験してみはいかがでしょうか。

>>>フランスベッドのショールーム情報

>>>シモンズのショールーム情報

ちなみにマットレスの種類としては、フランスベッドは「高密度連続スプリング」、シモンズは「ポケットコイル」となります。

AQUA-RESTの廃棄方法は?

スプリングコイルマットレスのため、自分で裁断が難しく、基本的に粗大ゴミに出すことになります。

参考までに神奈川県横浜市の場合、スプリングコイルマットレスの粗大ゴミ廃棄費用は2,200円です。

なお、AQUA-RESTでは廃棄されたマットレスは再資源化、再利用化されるまでを 管理しているそうです。環境への取り組みもしっかりと考えられていて素晴らしいですね。

まとめ

AQUA-RESTの使用イメージ

いかがでしたでしょうか。

コイズミファニテックの「AQUA-REST(アクアレスト)」についてご紹介します。

硬さ調節可能&120日のお試し期間が付いたポケットコイルマットレスです。

さらに、オーダータイプの場合、自分の性別・身長・体重を入力するだけで、自分の体型に合った寝心地を提案してくれるので、まさに失敗しにくいマットレスと言えるでしょう。(合わなかったら返品もできるため)

なお、余談ですが、オーダータイプの判定・設計については、BMI(身長・体重の体格指数)を基にした独自データによるのですが、自分に合った硬さや体圧分散性は、BMIで簡単にわかるものではありません。

これは人によって好みの寝心地や慣れの問題、筋肉量やその質など、メンタル・フィジカルさまざまな要因が重なって、「快適に眠れるか」が決まるからです。

要するに現在の睡眠科学では「これがわかれば自分に最適なマットレスがわかる」という証拠(エビデンス)がないので、オーダータイプのBMI判定はあくまで参考程度にお考えいただくのが良いかと思います。

とはいえ、AQUA-RESTを開発するにあたり、約2年間の研究を重ね、様々な体型の人からデータを取得したオーダーシステムは、「体型に合った寝心地を提案する」という難題に対して素晴らしい取り組みと結果と言えます。

実際に寝た感覚としてはベーシックよりもオーダータイプの方が心地よくに感じました

1万円ほどオーダータイプの方が高価ですが、その価格差以上の価値はあると思いますので、120日のお試し期間を有効に使ってその寝心地を試してみてはいかがでしょうか。

    最後までお読みいただき誠にありがとうございました。